このブログを検索

2023年12月5日火曜日

2023夏合宿

 どーも、お久しぶりです。いつの間にか主将になっていた、2年の尾高です。

冬シーズンが始まろうとしている12月に、今更夏合宿の記録を上げます♪極寒の雪山でも灼熱の夏山を思い出せば、体も温まるかも??


-----------

【入山】

メンバー:松坂、尾高、藤澤、ヤン、河本(記録)
9:00頃室堂出発
13:30頃剱沢到着

新宿駅からバスを乗り継いで9時頃室堂に到着した。夏合宿はあるときまでは楽しみにしていたのだが歩荷訓練で疲弊したため楽しみではなくなってしまった。期末試験が開けるとあっという間に入山日になってしまった。水をくみ集合写真を撮って重いザックを背負いとぼとぼと出発する。雷鳥沢までは平坦なみちで、そこから剣御前の小屋まで急坂を登り、少し下って剣沢に着く。 歩行距離が短いからか意外と順調に歩くことができた。

【雪上訓練】

メンバー:松坂、尾高、藤澤、ヤン、河本(記録)
6:00頃剣沢出発
6:30頃剣沢で雪上訓練
13:00頃帰幕

剣沢を遅めに出発して剣沢に向かい、アイゼンを装着してまずは雪渓を下見のため下った。平蔵谷は雪がかなり溶けていて上れそうになく、長次郎谷も融雪が進んでいたがまだ雪渓の両端をたどれば上れるかもしれない。真砂沢まで下ったあと小休止をとり、再び少し上り、スタカットの練習を開始した。雪が堅くてスノーバーを打ち込むのが大変で、ビレイはロープが重くまだ不慣れだと感じた。6ピッチ練習したあと滑落停止訓練は行わず、剣沢に戻った。

【八ツ峰上半】

メンバー:松坂(L)、沼田、河本(記録)
4:00剣沢出発
4:30頃長次郎谷出合
6:30頃八ツ峰上半取り付き
13:00頃池ノ谷乗越
15:00頃剱岳
17:00頃剣沢到着

天候が崩れ気味ということで急遽三日目にして八ツ峰に行くことになってしまった。楽しみにしていたところであるが先輩方は大変だというので少し不安だった。まず長次郎谷は雪渓が減ってきているので最初は右岸を通って行った。その後雪渓上を通り、左岸にでて少し登り、取り付きにでる。取付きでは2パーティー待ち登攀を開始する。松坂さんが行ったことがあるということで最初は右側にまわり、ロープを出すか迷ったが出さないことに。とりつきを超えると、懸垂下降を6回ほど繰り返しながら斜面と道の間くらいの道を進む。アップダウンが多く疲れた。第八峰に登る時にはロープを出し、懸垂下降で下り、ガレた斜面を登り北方稜線にでると13時になっていた。この時点で疲れていたが、北方稜線と別山尾根が残っていると思うとテンションが下がる。北方稜線はガレた斜面と岩登りの連続でこちらもかなり体力が削られた。2時間程歩いて剣岳に到着した。そのまま剣沢へ日が暮れる前に下山できてよかった。

           【チンネ中央チムニー】

メンバー:CL尾高,沼田 登攀はつるべ式
0400         起床,三ノ窓  0440
0456         チンネ             0940
1158         池ノ谷乗越
1350         剱岳山頂         1358
1644         帰幕

三ノ窓に到着した日の夕方,飲料・料理用の水を汲みに雪渓の水を取りに行った.尾高からは「片道10分」と聞いていたので油断して,片手にピッケル,片手にペットボトルという装備で向かった.雪渓のトラバースは何も問題はなかったが,その後のザレ場のトラバースで苦しんだ.往路は空のボトルで軽くて問題ないが,帰りは重くなり保持するのが疲れた.ザレ場では脱いだアイゼンを手に持つことにり,さらに手が不自由になった.ザレ場で大きめの岩に足を乗せたとき,その岩が崩れ落ち大きな音を立てて落石となった.この時自分はピッケルを持つ左手を地面について体勢を保ち,滑落することはなかったが,手に数ミリの切り傷を作った.後の行動には何も影響はなかったが,かなり肝を冷やした瞬間だった.やはり山ではどんなときも両手が空くような装備で行動するべきだと強く思った.

当初は左稜線を登る予定だったが,話し合いの結果中央チムニールートを登ることにした.この日に登った近江&尾高ペアの所要時間が7時間となり,三ノ窓帰幕が1600前になった(近江さんの剱沢帰幕は2200になった)ことと,次の日に1年生を連れて行動することを考え,時間と体力をあまり消費しないようにした方が良いという理由で.

中央チムニーの登攀そのものは順調で,04:56取付,09:30前にはトップアウトした.チンネの頭に登って撮影して遊んだ.残置のハーケンは多数あり,カムや岩に直接スリングなどで支点を取った.常にロープの流れを考えながら登り支点を取ったので,ロープアップで苦労することはなかった.ただ1点,aバンドを充分に右上せず,aバンド~bクラックがどれであるかすぐに判断することができなかった.ピナクル直上のgクラックから数メートル右に移動し,aバンドが水平になり始めたところに明瞭なクラック(bクラック)が出てくる.

 【チンネ左稜線】

メンバー: CL近江, 尾高

03:30 起床, 三の窓

04:30出発

5:00取りつき

11:30 TO

 前日のうちに、三の窓まで移動。本来はそのまま中央チムニーを登る予定だったが、想像以上に時間がかかった為、午後は休養とした。

 アプローチは三の窓雪渓をトラバースした後、ザレた斜面に入り、雪渓と岩の間の空間を進んでゆく。但しアプローチは雪渓の状態により変動すると思われる。途中で雪渓から水がしたたっている場所がある。

 左稜線の取り付きまでは、チンネに向かって左端にある、「4」の字を目指していく。取り付きはテラスとなっており、分かりやすい。

基本的に奇数ピッチは近江リード、偶数ピッチは尾高リード。

1PからT5までは所々リッジを歩く、Ⅲ-Ⅳ程度の簡単なクライミング。順調にロープを伸ばしてゆく。合計8P。

9P目、T5からが「鼻」と呼ばれる核心。出だしの垂壁を越えた後はハングを左へ避ける。個人的には、出だしのハングを超えた後、細かいスタンスへ踏み込む部分が一番悪い様に感じた。(残置のスリングがかかっている。)

鼻を超えた後は、3P程度、ロープを出して登ってゆく。この辺りは飽きてきていた。チンネ頂上では雷が鳴っていた為、さっさと退避。コルまで歩いて降りた後、2回の懸垂で池ノ谷ガリーへ。後は、三の窓まで歩いて戻った。

           【別山の岩場】

メンバー:CL尾高,沼田,河本 リードは沼田
0430         起床,剱沢      0528
0548         別山の岩場 取付
1038         別山北峰
1044         別山南峰
1112         帰幕

アプローチは剱沢から約30分という好立地.別山の岩場のトポはないらしいが,自分でいろんなルートを取れるし,残置ボルトやハーケンは多数ある.カムやナッツを多めに持っていくと楽しめる.4番のカムを使えるところがあったので,それも含めて楽しい.予想以上に良い岩場だった.ルートの取り方によっては難易度が上がるので,複数回訪れる価値はある.トップアウトまで合計6ピッチだった気がする.最後はアンザイレンかロープなしで別山北峰へ上がる.

【源次郎尾根】
メンバー:縄(OB),齋藤(2),ヤン(1),藤澤(1)
0450剣沢テン場出発
0530剣沢雪渓取付き
0600源次郎尾根取付き
1100Ⅰ峰ピーク
1210Ⅱ峰ピーク
1220懸垂下降地点
1330剱岳山頂
1730帰幕
 剣沢雪渓は現在進行形で崩壊しており、前日の取り付き位置は使えなかった。源次郎尾根の取付きには2つの踏み跡があるが、上流側の誤った踏み跡を選択してしまい30分ほど停滞してしまった。正しい踏み跡は大きな岩の右側から上の立木に続く下流側の踏み跡である。


【源次郎尾根】

メンバー:沼田(2-SL),尾高(2-CL),福地(1-記録),河本(1),藤澤(1)

0400 起床

0500 剱沢テン場出発

0600 剱沢雪渓取付き

0620 源次郎尾根取付き

0900 Ⅰ峰ピーク

0945 Ⅱ峰ピーク

1030 剱岳山頂

1230 帰幕

 

早朝から天候に恵まれ、剱沢からは朝日に照らされる剱岳がよく見えた。剱沢定着最終日、遅れて入山した福地の希望で源次郎尾根を登ることとなった。(N回目になる部員には感謝しかない)

剱沢雪渓に至る道は非常に歩きやすいが、一部崩落しかけている。雪渓本体は日に日に遠のいて行く。雪渓に入るとすぐに平蔵谷の出合に到着し、用を足して源次郎に取り付いた。当然のことではあるが、バリルートは一般道との比ではない傾斜が続くので病み上がりの福地には非常に辛いものである。走り込み中かの如く息が切れ、それが山頂まで続くこととなる。ルーファイに関しては数日前に源次郎を登ったばかりの藤澤の指示で進んだのでスムーズだった。(そのスムーズさは福地の肺を追い詰めるほどである。)

道中2箇所でロープを出したが、1年生3名はもれなくフォールしたので、鍛錬が必要である。

Ⅰ峰ピークにて剱岳を背に

先行パーティと八ツ峰

上の写真に写っているパーティだが、Ⅱ峰の懸垂支点の直前で追い抜かしてしまう。お互いが取ったルートの違いにより我々が先行してしまった。申し訳なかったが、素早く懸垂下降したので許して欲しい。

特に何事もなく登頂。山頂は比較的空いていたのでのんびり写真撮影&おやつタイム。父親とコンテ状態の小さい男児も山頂にいたので、「ボク、なんさぁい?」などと変な絡みをしたくなったが、福地はむせ続けているためそれどころではない。N回目の登頂となる部員はもはや飽きているので早々に下山開始。別山尾根をサクサク下り、テン場で水浴びをした。

いつかは剱岳に登りたいと考えていた矢先、源次郎尾根から達成したのでもはや一般道にモチベはない。来年はチンネを目指して鍛錬を積もうと決意した次第であった。


 【縦走】

メンバー:沼田(2-SL),尾高(2-CL),福地(1-記録),河本(1),藤澤(1)

Day1 扇沢〜冷池山荘

0615 扇沢・柏原新道登山口

0955 種池山荘

1120 爺ヶ岳南峰

1255 冷池山荘

Day2冷池山荘〜五竜山荘

0400 出発

0600 鹿島槍ヶ岳南峰

0730 八峰キレット

1410 五竜岳

1455 五竜山荘

Day3停滞日

 

Day1

柏原新道は非常に歩きやすい。種池山荘までは、山の日の連休を利用して登っていた人々の下山と重なり、すれ違いが多かった。山の日だからって浮かれちゃって(怒)とか思っていたが、年中浮かれている大学生が言える立場ではない。むしろ、いつでも暇なはずなのに繁忙期に長期縦走なんかしてごめんなさい。

種池山荘に着いた途端、雪渓が崩落するような音がしたので振り返ると河本のZEROPOINTが主人からの投げ技を喰らっていた。河本曰く、重すぎるザックが憎かったらしい。優しくしてあげてね。(その後仲直りした模様)

気を取り直して爺ヶ岳に向かう道中、ツキノワグマさんとこんにちはした。向こうはこちらには関心がない様子なので安心して記念撮影。道を譲ることにした。

時折横切るライチョウのレシピを考えていたが、自分がディナー側になるのはまっぴらだ。

爺ヶ岳以降は原則ガスの中を歩いていたので、眺望はなし。スーパーの青果コーナーみたいで涼しかった。冷池山荘に到着する頃にはザックの重みで肩が嫌な顔をしていた。

冷池山荘のテン場は山荘から10分ほど離れているので、トイレや水の調達が非常に億劫だった。ただ、テン場からの眺望は素晴らしい。鹿島槍の吊り尾根が綺麗に見えた。


Day2

濃いガスの中歩き始め、布引山を通過する頃には雨が降り始めた。眺望のない鹿島槍ヶ岳を早めにパスし、八峰キレットに向かう。この日の核心部はキレット通過であろうと誰もが思っていたが、雨の中でもすんなり通過。ガスが濃かったこともあって怖さは一切感じなかった。キレット小屋より先は、後ろに山岳警備隊のお兄さんが常についていてくれたので安心の岩稜歩きだった。(台風の最中にキレットに突撃しているため、見守らなければならなかったらしい。仕事を増やして申し訳ない。アミノバイタルGOLDごちそうさまでした!)五竜岳もガスの中登り、下り、山荘に到着。台風の南東風を稜線がブロックしてくれると信じてテントを張り、おやすみなさい。

 

Day4 五竜山荘ー唐松岳頂上宿舎

10:00五竜山荘
12:30唐松岳頂上宿舎
前日は台風のためテント場で停滞であり、本日は天気が回復してくるということで様子を見ながら出発することにした。昨日は暇すぎてどうにかなりそうだったので短い距離といえども歩けるのはうれしい。テントを出ると靄が少し薄くなり、三日目にして初めてこのテント場からの景色が見れた。出発してわずか2時間半で唐松山荘頂上宿舎に到着。天気がよくなってきたのにこれしか進めないのはむなしいが、次の不帰はプチ難所であリ、時間を考えてここで泊まることにした。

Day5 唐松岳頂上山荘〜白馬岳頂上宿舎
0440唐松岳頂上山荘
0700不帰キレット

0930天狗山荘

1050白馬鑓ヶ岳
1250白馬岳頂上宿舎
朝テントを出ると久しぶりに晴れていて景色がよかった。唐松岳の山頂からは不帰という難所だが鎖があるため問題なく通過できた。天狗の大下りを登り、天狗山荘を超え、白馬鑓ヶ岳と杓子岳をトラバースして白馬岳がみえたところで頂上宿舎に着く。




Day6 白馬岳頂上山荘〜栂海山荘
0320白馬岳頂上宿舎
0350白馬岳
0605雪倉岳
1000朝日岳
1250黒岩平
1655栂海山荘


体力度で見ると縦走の核心日であった。真っ暗な中を白馬岳に向けて登ると、西側に眩しい街明かりとそれに縁取られた富山湾が見えた。遂に縦走のゴールである日本海が見えて感動した。

白馬岳より先は静かな山域となり、なだらかに連なる山々と、その間に点在する池を眺めながら歩いた。この先は電波が届かなさそうだったので、朝日岳山頂で親不知の日帰り温泉と送迎車を電話予約した。実際には1時間に1回くらいは電波が入った。黒岩平を流れる沢が最後の給水地であり、各々5L前後の水を背負ってトレーニングした。体調不良者が出てペースが一気に落ちたけど、何とか無事に17時前に栂海山荘まで歩き終えた。犬ヶ岳の山頂直下に位置するテン場からは、今日歩いてきた長い稜線を一望することができた。濡れた靴と靴下で歩き続けた結果、足裏全体が靴擦れして痛かった。明日下山できることがほぼ確定したので余分な食材を全て調理しながら、疲弊した者が多く途中でギスギスした今日の行程を振り返った。長期山行には体力と精神力の両方が高いレベルで要求されることを学んだ。

Day7 栂海山荘〜親不知
0250栂海山荘
0445下駒ヶ岳
0610白鳥山
0845尻高山

1015入道山
1130親不知


遂に夏合宿最終日を迎えた。帰路の公共交通機関のダイヤにより12時までには親不知に下山する必要があり、昨日のペースを考慮して深夜3時には行動を開始した。標高差1,600mを下るのだが、途中には計700mほどの登り返しがある。日の出を迎えると標高が下がるにつれて気温は上昇していき、展望の少ない蒸し暑い森の中を黙々と歩いた。体調不良者がいたため登り返しで何度か足が止まり、それでもゴールを目前にしていたので気持ちは明るかった。白鳥山の頂上にある避難小屋では屋上に登ることができて、親不知の海岸を見下ろすことができた。


11時半に親不知の登山口に下山。海岸までの長い階段を降りて海水に足をつけた。温泉で1週間分の汗を流して、送迎車で親不知駅まで移動して解散した。








------------

【沼田が作った肉味噌とペミカンのレシピ(約9人前】

―肉味噌 9人前―
豚ひき肉 450g,生姜 2/3個,ニンニク 2片,しいたけ 5枚 (または干ししいたけ),ブナシメジ 1束,タマネギ大1個,小松菜 1束(またはほうれん草),ニンジン1/2本 

―ペミカン 9人前―
ベーコン 450 g,白菜 1/4 株,ニンニク 2片,しいたけ 5枚,ブナシメジ 1束,長ネギ 1本(またはタマネギ大1個),ニンジン 1/2本 +α,えのきだけ 2袋


            【装備】

結果的に,ガス缶の量が多かった.2日で1缶使用する計算にしていたが,実際には4日で1缶使用程度のであった.1缶/4日×日数+予備2環 という計算で充分だと思う.人数が増えても調理時間や鍋の数は格段に増えるわけではないので,必要数はあまり変わらない.食後のお湯の量は多くなるので,場合によっては1缶/3日としてもよいだろう.

アルパインの時,ヌンチャクは2個で充分.ヌンチャクは荷物のセルフや0ピン目として使用し,登攀中のプロテクションには基本的にアルパインヌンチャクを使用する.ロープの流れを考えるとどうしてもヌンチャクの出番がなくなる.また,ハーケンに直接スリングを巻いたり,灌木や岩に直接スリングを通したりして中間支点とするため,スリングは多くて問題はない.

2023年11月23日木曜日

20231123 千頭森林鉄道跡-合地山(敗退)

20231123 千頭森林鉄道跡-合地山(敗退)

記録:河本 
天気:晴れ 
メンバー:L降矢、沼田、河本 

 予定:寸又峡温泉-千頭森林鉄道跡-柴沢小屋-合地山-諸沢山-寸又峡温泉(4日間) 
 行動結果:一日目 8:00寸又峡温泉発-20:00幕営地
      二日目 9:30幕営地発-15:30幕営地(撤退決定)
      三日目 6:30幕営地発-14:30寸又峡温泉

 今回は廃道ライターのヨッキれんさんがホームページ「山さ行かねが」に上げている山行記録を参考に、この地の林業資源を運び出すために建設された千頭森林鉄道の軌道跡の最深部を訪ねる山行を計画した。本山行の目的は「千頭森林鉄道跡最深部を歩き通し,南アルプス深南部の林業遺構を見学する」ことである。事前調査が甘かったためかルートを間違い、時間がかかりすぎて軌道跡の終点である柴沢小屋まで行けずに撤退することになってしまった。
 まずはじめに、寸又峡温泉から千頭ダムまで約3時間ほど舗装のされた林道を歩き、そこから未舗装の道へ入り、日向林道に合流する。日向林道はからり崩落がひどく、崩落地は粗い土砂や石からなる急斜面となっていて踏みしめる度に崩れるので通過するのが怖かった。

日向林道をある程度進むと右側に梯子が見えるのでそこを登り踏み跡を進むと鞍部に出る。ここで鞍部を越えて反対側の河原に降りればよかったものの、下調べが足らず軌道跡はもう少し先にあるだろうと考えて斜面を寸又川の上流に向かって水平方向に斜面を横切るように進みながら軌道跡を探して進むことにした。斜面は急で滑りやすい土の斜面も多く、また複雑な地形だったため本来進むべき川の上流方向には歩いてもあまり進んでいないようだった。そうこうしているにうちに暗くなってきて急斜面に夜中取り残されるのはまずいと判断し一旦河原に降りてそこで幕営することにした。だが降りるのが間に合わず、斜面の途中で日が完全に暮れてしまう。昼間でもかなり慎重に歩かなければ転落してしまいそうで、落ちたらただでは済まなさそうな急斜面に真っ暗な中取り残されてしまったため、ここからはそのまま降りるのはまずいと考え、ロープを出して懸垂下降で降りることにした。真っ暗な中での懸垂はとても怖く、河原に降りられたときには20時になっていた。この時点で私はかなり疲弊しており、懸垂中は生きた心地がしなかったためとりあえず無事に安全地帯である河原に降りられてよかったと安堵したのを覚えている。懸垂で降りた地点付近には目的の軌道跡があり、鞍部からそのまま降りるべきだったと気づいた。そうしていれば鞍部から幕営地まで7時間かかった所を20分もかからず行けたのではないか。この夜はたき火をした。
 二日目は全員寝不足で疲れて9時に出発した。川の約15m程上の斜面上に軌道跡が併走しているので一日目よりかは歩きやすい。軌道跡はレポートにもあるとおりかなり荒れており、歩くのに注意を要するところが多かったのだが所々に切り通しや石垣、袋に入ったコンクリートや廃駅の建物や土砂で埋まりかけのトンネルなど多くの林業遺産をみることができて興奮した。私がこの山行で一番の目的にしていたレールが残ったトラス橋もみることができ大変楽しかった。
この橋は上を歩いて渡ったのだが鉄道用の橋梁を歩いて渡ることは貴重な経験になった。当然手すりなどはなく怖かった。コンクリートの平均台の上を渡ったり廃墟の中を探索したりもできた。ただ一日目で距離を稼げず二日目も行動開始が遅く道が悪く思い通りに進まなかったため今日の地点で撤退する可能性が濃厚になった。先輩の予定があり山行は伸ばせないので今日行けるところまで行って撤退することにした。橋が流されてレールだけ残ったところがあり、そこではロープで確保しながら通過し、その後少し進んだところで幕営した。 
 三日目は来た道を戻るだけである。一日目で手こずった所も難なく通過し、14:30には下山した。この日は一日目にはよらなかった吊り橋にも寄り道した。

この時代にこれ程に華奢で古びた吊り橋を観光用として解放しているのは私が知る限りここだけではなかろうか。寸又峡はなかなか面白い所だと思う。下山後温泉に入り、帰京した。今回の反省を生かせば次回は必ず4日で行けるだろうと思うのでもう一回挑戦したい。

2023年10月29日日曜日

20231029_二子山中央稜

 20231029_二子山中央稜
メンバー:L降矢(4、記録) 、沼田(2)
天気:晴れ
06:45 駐車場出発
07:05 二子山中央稜 取りつき
14:00 二子山山頂,その後懸垂下降
15:30 弓状バットレス
17:15 下山

 二子山は日本100岩場の関東の本に載っているので近いと思っていたが結構遠かった。車を出してくださった沼田さんに感謝。駐車場から歩いて20分ほどで赤いドラム缶を発見し取り付きに到着した。

1p:沼田リード
 我々が一番乗りであった。が、取り付きでロープの末端の毛羽立ちに気付き切断するなどしていたら後ろから来たパーティの方が先に準備を済ませてしまっていたので先を譲った。トポにあったルートではなく右の方にあったクラックから登ろうとしたが予想外に難しく苦戦してしまった。そんなこんなで数パーティに抜かれた。
2p:降矢リード
 凹角ではなくカンテにした。最後は右に行く。
3p:沼田リード
4,5p:降矢リード
6p:沼田リード

 久しぶりとはいえマルチピッチのシステムはしっかり覚えており、一安心であった。休日の人気ルートということで長めの待ち時間があったが、他パーティの方と楽しくおしゃべりをして過ごした。登攀自体にはそれなりに余裕があったので、ナチュラルプロテクションの練習もしてみた。カムはこれまでも自信をもってセットできたが、ナッツは不慣れであったのでこれを機にたくさん試した。思ったより良くきまった。持ってきてみたヘキセントリックがきまる箇所もいくつかあった。こちらは初めて使った。良い練習になったと思う。

 トップアウトしてからの道は高度感があり、滑りやすい運動靴で来た私は非常に怖い思いをした。山頂標識のあるピークを越えコルから懸垂をしたのちにローソク岩を過ぎて取り付きに戻った。荷物を回収し弓状エリアに移動した。壁の斜度が強く、見上げた首が痛かった。親切な方に場所を教えていただいて、日本100岩場に日本一被った5.10aとの記述がある「悪魔のエチュード」をトライした。「指」が落ちてこないか不安になった。私は無事に一撃することが出来た。石灰岩ということで滑る感じもしたが、ガバがたくさんあって良かった。

2023年10月22日日曜日

20231018-1021_南アルプス深南部

20231018-1021_南アルプス深南部
メンバー:尾高(2年 L),藤澤(1年 記録)
天気:4日間ともに晴れ
Day 1
1200 寸又峡温泉
1420 千頭ダム
1520 お立ち台
 早朝に東京を出て自家用車で寸又峡温泉へ。寸又峡温泉から千頭ダムまでは林鉄跡の右岸林道を歩く。途中の吊り橋までは観光客が多くて、大型のザックにロープを外付けした我々の方が場違いだった。吊り橋を過ぎると全く人と出会わなくなり、ようやく静かな深南部の世界に入ることができた。時々現れる長い真っ暗なトンネルが少し怖い。我々以外に誰もいないであろう山域に、上流のダムから流れる防災無線が響き渡っていた。
 千頭ダムからは左岸林道に向けて尾根沿いの旧生活路を登る。人気のない静かな森の中には、綺麗な石垣が幾つも残されていて、その1箇所には割と状態の良い廃屋があった。僅か半世紀前にこんな山奥に営まれた暮らしに実感がわかず、自分が知らない時代にタイムスリップしたかのような錯覚に囚われた。
 やがて左岸林道のお立ち台に出た。驚いたことに車が3台停まっていて、どうやら左岸林道はこのお立ち台まで車両が通行できるらしい。お立ち台からは周囲の山々を見渡すことができた。街の明かりからも携帯電波からも隔てられた山奥で、AMラジオから流れる知らない放送局の知らないパーソナリティの声を聴きながら、テントを張らず外にシュラフを敷いて寝た。星の綺麗な夜だった。

Day 2
0640 お立ち台
0745 大垂沢橋
0940 小根沢橋
0950 小根沢小屋
1115 大根沢小屋
1220 大根沢橋
1420 三昇の滝
1520 釜ノ島小屋
1705 柴沢小屋
 今日は一日中左岸林道を歩く。お立ち台から柴沢小屋までのおよそ25kmは絶え間なく崩落地が現れた。結局ロープを用いたのは1箇所のみであったが、崩落箇所の半数は足を滑らせたら大怪我を避けられない危険なものであった。慎重にステップを作りながら、時にはアックスでバランスを保ってトラバースする。途中で橋梁の点検を行なっていた3人組のパーティとすれ違った。地理院地図からも消された林道で、今も設備の点検が行われているのは少し不思議な気がした。
 所々に残されたかつての林業遺構は、中に入ると日用品や掲示物が当時のままに残されていて、深南部の盛衰を肌で感じられた。
 廃道に落ちる大きな滝があって、この日は気温が高かったので貸切で滝行を楽しんだ。釜ノ島小屋の少し先に大規模な崩落地が現れた。崩落地手前で斜面を登って迂回し懸垂下降で林道に復帰。唯一ロープを使った箇所だった。やがて日没前に柴沢小屋に到着。
 年に数組しか利用していないであろう小屋は、外観こそボロボロであるが中は綺麗に使われていた。川に水を汲みに行くと、大きな魚が数匹泳いでいた。外で焚き火をしながら自炊をして、快適な寝床に就いた。

Day 3
0650 柴沢小屋
0930 合地山
1250 諸沢山
1500 日向沢林道
1610 千頭ダムへの分岐で幕営
 柴沢小屋の前から取り付く。最初は急登であったが、尾根に合流してからは緩やかな苔むす森を歩いた。最後の方は倒木が多くて歩きにくかったけど、2時間半ほどで合地山のピークに到着。眺望はイマイチだったけど人気のない山頂というのが新鮮で良かった。そこからは諸沢山を経由して日向沢林道に降りる。途中で一度寸又峡温泉振りに電波が入った。日向沢林道も危険な崩落地が多く、最後の最後まで緊張する山行だった。千頭ダムへの分岐にてテントを張って就寝。

Day 4
0700 幕営地
0920 寸又峡温泉
 1日目に通ったルートで千頭ダムに降り、右岸林道を経由して寸又峡温泉に下山。温泉に入ってさわやかハンバーグを食べて帰った。深南部の良さを満喫できた良い山行だった。来年以降も深南部に通いたい。

2023年9月13日水曜日

20230913鶏冠谷左俣本谷

 20230913鶏冠谷左俣本谷


メンバー:沼田(2、L)、尾高(2)、福地(1)、河本(1)

記録:河本

天気:晴れ


行程

6:08道の駅みとみ

6:24ねとりインフォメーション

6:35二俣吊り橋

6:42鶏冠谷出会

14:31 2177m地点でトップアウト

15:25鶏冠山

17:16鶏冠谷出会

17:55道の駅みとみ


道の駅みとみで前夜泊し、眠かったので5時に起きることにして6時頃出発した。鶏冠谷出会までは遊歩道や河原を歩き、一度東沢の徒渉を必要としたが石の上を渡ることで靴をぬらさずに行けた。魚止の滝までは岩が多い沢を遡上し、魚止の滝はロープを出さずに直登できたが岩が滑るためかなり怖かった。これ以降の大きな滝は怖くなって私だけ全て高巻きした。これ以降は具体的な滝の名前は忘れてしまったが、ほぼ全ての滝は先輩方や福地は直登していたが、岩がぬるぬるしていて一部滑落して股間を強打したものもいるため注意が必要である。本谷から詰めるつもりだったが、途中から沢の分流の位置がわからなくなり、いつのまにか本谷に入り込んでいた。詰めはかなり険しく、ロープを出したい位の岩の登攀やトラバースがあったり、土の急斜面を木の根をつかみながら登ったりした。打って変わって帰りの鶏冠尾根は森の中の尾根歩きや景色のいい岩峰があり、時間がなく第三岩峰は迂回してしまったが、楽しかった。帰りの塩山にある花藤という大盛り定食屋で食べた焼き肉定食は美味しかった。


2023年8月30日水曜日

20230830-31_上高地-滝谷ドーム中央稜

     20230830-31_上高地-滝谷ドーム中央稜

メンバー:尾高(2, CL),沼田(2,記録)
 天気
1日目:曇り、快晴
2日目:快晴晴れ

GPS log は以下のヤマレコ URL にありhttps://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-5886102.html

 1日目(8月30日)
0140 沢渡駐車場 到着
0530 起床
0600 沢渡 バス 出発
0630 上高地 0640 
0826 横尾
1035 涸沢小屋 1046
1250 北穂高岳 テント場
1309 北穂高岳
1358 北穂高岳 テント場 幕営

 2日目(8月31日)
0400 起床
0705 取付,登攀開始
1000 トップアウト ドームの頭 1017
1035 北穂高岳 テント場 1114
1219 涸沢小屋 1240
1435 横尾
1637 上高地

 本当は1週間くらい定着するつもりだったが,予定が入ってたったの1泊2日になってしまった.ということで,滝谷ドーム中央稜のみの記録.

 反省は懸垂下降地点 T1を発見できず,取付まで2時間もかかってしまったこと.踏み跡を辿って下っていたが,T1の地点より1段上部でトラバースしてしまった.ピナクルとハンガーを探し回ったが一向に見つからないので,適当なピナクルに捨て縄を巻いて,そこから約40 mの懸垂下降をした.んで,無事 T2について取付へ到着.戻って踏み跡を辿りなおせばよかったと思う.

縦走路から取付側に下り始めたところで,下方に明瞭な踏み跡がある.この踏み跡よりもう一段下に下らないと懸垂下降のT1 にはたどり着かない.

 天候・岩の乾き具合はめちゃ快適だったが,風が強くてとにかく寒かった.フリースの上にレインウェアを着てもなお寒い.登攀自体は何も問題はなかった.他のルートとの継続をしないと物足りなさを感じるくらい.偶数ピッチをリードした.2ピッチ目最後の「急なスラブ」と,4ピッチ目の凹角からのちょいハングが良いスパイスだった.次やるとしたら,チムニーの外側から登ってみたい.3ピッチ目の歩きはロープいらない.


チムニーの中を通過した.私はフォローでザックありだったので,ある程度まで登ったらロープを1本ほどいて,ザックを荷揚げした.でないとチムニーは通過できない.


めっちゃ快適だったが,2日目は始終風が強くて寒かった.もう夏の終わりを感じた.

2023年7月15日土曜日

20230715-16_釜ノ沢 東俣

    20230715-16_釜ノ沢 東俣

メンバー:沼田(2,記録),河本(1)
天気:晴れ

GPS log は以下のヤマレコ URL にありhttps://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-5713301.html

 1日目(7月15日)
0045 部室出発
0250 道の駅みとみ 着,車中泊
0730 起床
0820 出発
0847 二俣吊橋
1027 ホラノ貝ゴルジュ
1326 釜ノ沢出会
1452 両門ノ滝
1535 ヤゲンの滝
1700 幕営地 1,805 m付近 宿泊

 2日目(7月16日)
0630 起床
1000 甲武信小屋
1018 甲武信ヶ岳 山頂 1041
1105 木賊山
1212 徳ちゃん新道分岐
1348 道の駅みとみ 下山


 山ノ神までの行程は,旧登山道を通ればすんなり時間をかけずに進めるのだろうが,今回は積極的に沢沿いを進んだ.そのお陰でかなり時間を使ったという感想.でも直登・へつりが楽しい滝が何ヵ所かあったので,とても楽しめた.
ちなみに山ノ神の祠は発見せずに通りすぎてしまった.沢沿いに進み過ぎたせいだろうが.

 魚止滝は右岸のスラブをよじ登り,草地を高巻きではなく,水流の際を直登.写真は撮り忘れた.非常にヌメるがホールドは豊富なので難しくはない.不安に感じる場合はロープ使用推奨.登れそうな滝は積極的に直登したいものだ.

 ヤゲンの滝は,1996年10月の廣川氏による遡行図に「右側のカンテ状から登る。残置支点がある。」と記載があったので,ロープを出して登ろうとしてみた.しかし,取り付きの段階でヌメリが酷くずり落ちてドボンしたので諦めた.ハーケンを打とうとしたが,なかなか決まらないので断念.大人しく左岸の灌木を使って高巻き.踏み跡明瞭.


両門ノ滝

 2日目は0430起床するつもりだったが,昨晩眠れな過ぎて寝坊.0630起床.ツェルト泊が案外寒くなく,厚着して眠ればシュラフは要らないくらいの気温だった.

 総括して,奥秩父の沢はきれいでヒルも生息していないので,とても快適に楽しめる.1日目の気温が高くない日に当たってしまったので,満足に泳ぎを楽しめなかったのが残念.また来よう.