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2023年12月30日土曜日

20231230_南岳西尾根記録

年末年始は南岳西尾根に行ってました。槍ヶ岳までは行けなかったけど、充実した山でした。

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メンバー:尾高(2年),近江(OB) 

12/30

6:30 新穂高温泉

10:00 取りつき(南沢出合)

12:30 2100m地点


槍平まで適当にサクサクと歩く。出合から見える滝谷ドームが印象的。てかドーム遠すぎ。死ぬほどトレースがあったので夏より歩くのは楽だった。

南沢出合に到着後、少し休憩をした後出発。赤テープがあったので、適当に目の前の小尾根を上がっていく、が地形図をよく見たら普通に間違えてた。笹藪の上に雪が積もった感じで、雪山とかラッセルというよりは木登りの方が近い。適当な所で、本来の尾根を目指してトラバースしていく。

この辺り、変に気温が上がりワカンに雪が団子になるし、踏み抜くしで最悪だった。せいぜい250m上がるのに、異様に時間がかかった。この日は翌日の悪天の為、2100m付近の最低コルで幕営。


12/31

停滞


悪天予防のため、停滞。一度、外に出て除雪した。総積雪量は50cmぐらいだろうか。あまりに寝過ぎて腰が痛かった。


1/1

3:00 起床

4:30 

7:00 デルタ状岩壁

15:30 避難小屋着

いよいよアタック日、この後の行程を考えるとこの日中に山頂へ抜けたい。

デルタ状岩壁まではひたすらラッセル。基本的に腰ぐらいだっただろうか。デルタ状岩壁手前にて、別パーティと合流、彼らは準備中だった為我々が先行する。

デルタ状岩壁の登攀自体は短く、大したことはないが、ラッセルの為、リードの近江さんはそれなりに時間がかかっていた。少し急なリッジに見えたので、一応次のピッチもロープを伸ばしてみたが、実際には必要なかった。その後は、快適なリッジ登高。ラッセルや所々踏み抜きがあったが、順調に進んでゆく。いくつか小ピークを超えてゆくと、やがてマッチ箱へ。マッチ箱と呼ばれる岩自体は幅数十センチ程度のかなり小さい岩だが、左右が数十メートラ程度垂直に切れ落ちてる為、高度感はかなりある。また、リングボルトがマッチ箱上にある為、支点を取ることは可能。私はまたがりムーブで突破した。

リッジのすぐ先の雪壁が、逆層の岩に薄く雪が乗っただけの感じで、悪く感じた。マッチ箱を通過した後は、ようやくクラストしてきたリッジを歩いていくと、南岳避難小屋へ。やや狭いが快適な小屋。





1/2

14:10 避難小屋発

22:00 新穂高温泉

予報ではこの日は、昼頃天候が悪化、午後になると急速に回復するという感じ。

ただ、5時ごろ小屋の外に出てみると吹き飛ばされそうな爆風&飛雪。流石に行動は出来ないので様子見。大喰岳まで稜線上を行動するので、視界が良くなるか、風が弱くなるかして欲しい。しかし、なかなか天候は回復しない。ひたすら悶々としながら避難小屋で寒さに耐える。待ち続けて14時ごろ、漸く天候が回復、快晴になった。すぐさま動き始める。中岳手前までの稜線上はクラストしててサクサク進む。風も強いが、そこまで問題になるほどではない。

ただ、中岳への登りが何故か異様にしんどかった。微妙にラッセルだった事や、空気が薄いこともあるかもしれない。中岳からは、急な岩場の下り。スタカットで2ピッチロープを出した。ビレイ中、爆風をモロに受け続けたため、余りに寒すぎて泣きそうになった。

そんなこんなで日没ちょうどぐらいにようやく大喰岳へ到着。後は、GPSと睨めっこしながら、西尾根を下降して行く。西尾根上部はところどころ、岩稜が出てくるので上手く回避しながら降りてゆく。やがて、完全に真っ暗になった後、適当に降って行くと2600m付近で飛騨沢と合流。後は、トレースと合流して、新穂高までサクサク歩いた。22時頃下山。星空がとても綺麗だったのが印象に残っている。

2023年12月28日木曜日

20231228-29_常念岳東尾根

 20231228-29常念岳東尾根

メンバー:尾高(2,L)、福地(1,記録) 天気:快晴

時間 1日目

7:15 須砂渡ゲート 7:55 尾根取付 15:37 1955m峰付近/幕営地 17:30 就寝

2日目

5:00 起床 6:00 幕営地発 9:47 2400m付近/撤退 15:31 須砂渡ゲート


1日目

冬季は林道が閉鎖されているため、50分程度の林道歩きからスタート。林道に雪は若干ついているが、アイゼンは不要だった。各所で斜面から流出している水が凍結していた。

尾根への取り付きは梯子だったので慎重に通過。雪がほとんどついていない作業用林道を上がる。送電線鉄塔を通過する前後から笹藪が濃くなり、年末の北アルプスとは思えない藪漕ぎが始まる。私は藪漕ぎが大の苦手なので、引っかかり続ける竹竿にイライラしながら登った。

1400m前後から傾斜が急になり、笹藪に15cm程度の雪が積もるようになった。いくら足を上げても笹の上のパウダーで下に流されるので、私はだいぶ体力を浪費した。また、脚をつってしまってしばし停止することもあった。

先行する2パーティをこの辺りで追い越しているため、ラッセルは当パーティの役割となった。(1日目はラッセルというほどでもないが。)

1955m峰を越えた先のコルで幕営するつもりだったが、いかんせん雪が少ないためなかなか適地が見つからなかった。また、パウダーなので全く雪が固まってくれない。(北アの冬はどこへ?)バターたっぷりのカレーを食べて就寝。

2日目

他の2パーティよりも先に出発したため、この日は本格的にラッセルになる。2178m峰を越えた先からは膝ラッセルと踏み抜きだらけの道が続き、ここでも着実に私は消耗していった。この辺りで先頭を交代し、私が先頭を歩いたが、腿・腰ラッセルで体力ゲージは真っ赤になった。2400m付近の岩峰チックなところを登りきり、体力と時間が足りないだろうということで撤退を決めた。

ここで撤退。左が前常念岳、右が常念岳。

下山時は体力を使い果たしているため、藪で繰り返し転倒した。抜け殻のような状態でギリギリ駐車場まで辿り着き、冬山(?)の厳しさを痛感した。来シーズン以降に強くなって必ずリベンジしたい。

2023年12月23日土曜日

20241223-24 初冬合宿(谷川岳西黒尾根)

20241223-24 初冬合宿(谷川岳西黒尾根) メンバー:L尾高、河本(記録) 天気:一日目雪 二日目晴れ 行動結果  1日目 9:30 谷川岳ロープウェイ出発 12:30 1250m付近で幕営、訓練(ラッセル、ビーコン捜索、埋没体験)  2日目 5:00 起床 6:30 幕営地発 13:00 山頂着 16:00 下山 前日の夜の上越国境での大雪により上越線が水上から先で運休になったため水上からバスで土合口へ向かった。バスは動いていたのはよかったものの、ラッセルが大変そうな予感がする。土合口を出発するとすでに1mほどの新雪があり、ワカンを履いて歩いた。トレースはあるがまだあまり踏み固められていないため歩くのはかなり疲れた。強風のため樹林帯で幕営したいということで1250m地点で幕営することにした。テントを立てたあとビーコンを尾高さんが隠して私が探す雪崩捜索訓練や斜面をラッセルするラッセル訓練、雪に埋められる埋没訓練をした後テントに入り水作りや夕食をとったりした後疲れてすぐに寝た。暖かいインナーを着ていたのであまり寒く感じなかった。二日目はテントをおいて山頂にアタックする。最初はトレースがありスムーズに進んだが樹林帯を出たあたりからラッセル帯に合流する。ラッセルをしているころで登山者が詰まり、交代でラッセルをしているよう。ラッセル隊はどんどん増えていき最終的には20人ぐらいになっていた。これだけ人数がいるのでラッセルが回ってくるのが4回しかなく、ラッセルをしていない間は暇だった。そこまで苦労することなく山頂に到着したが、1時になっていた。そこからは日没前に降りるため急いで降り、3時間で下山し、電車に丁度よく乗れた。登るのは大変だが下るのはすぐだった。

2023年12月10日日曜日

20231210_赤岳西壁主稜

    20231210_赤岳西壁主稜

メンバー:尾高(2, L)沼田(2,記録)
天気:快晴

GPS log は以下のヤマレコにありhttps://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-6271384.html

    前夜泊,日帰り

2230 八ヶ岳山荘 駐車場
0230 起床
0320 出発
0523 行者小屋 0601
0638 赤岳主稜 取付 4h 5min 登攀
1110 山頂 1150 
1239 行者小屋 1254
1337 南沢 偵察 1352
1520 下山

 美濃戸口-美濃戸の林道には積雪なし。美濃戸山荘から上にはちらほら。登りでは、行者小屋でアイゼン装着。

 積雪が無さすぎてほぼ岩稜歩きだった。ダブルアックスの必要はなく、片手アックスで充分。それでもアックスの出番は2, 3割くらい。

防寒対策は不足なし。軽量化・行動食の最適化はまだ不充分。毎回、食べきらない量の行動食を持ってきがち。

 予想外にだいぶ早く降りてこられたので、南沢大滝の状況を確認してきた。氷瀑はまだまだ発達途中だったが、大滝の方は1ルートくらいは登れそう。小滝は登ってるパーティーがおった。スクリューを持ってこなかったのを後悔。
12月上旬でこの成長具合なのかと感心した。期待が高まる。

2023年12月5日火曜日

2023夏合宿

 どーも、お久しぶりです。いつの間にか主将になっていた、2年の尾高です。

冬シーズンが始まろうとしている12月に、今更夏合宿の記録を上げます♪極寒の雪山でも灼熱の夏山を思い出せば、体も温まるかも??


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【入山】

メンバー:松坂、尾高、藤澤、ヤン、河本(記録)
9:00頃室堂出発
13:30頃剱沢到着

新宿駅からバスを乗り継いで9時頃室堂に到着した。夏合宿はあるときまでは楽しみにしていたのだが歩荷訓練で疲弊したため楽しみではなくなってしまった。期末試験が開けるとあっという間に入山日になってしまった。水をくみ集合写真を撮って重いザックを背負いとぼとぼと出発する。雷鳥沢までは平坦なみちで、そこから剣御前の小屋まで急坂を登り、少し下って剣沢に着く。 歩行距離が短いからか意外と順調に歩くことができた。

【雪上訓練】

メンバー:松坂、尾高、藤澤、ヤン、河本(記録)
6:00頃剣沢出発
6:30頃剣沢で雪上訓練
13:00頃帰幕

剣沢を遅めに出発して剣沢に向かい、アイゼンを装着してまずは雪渓を下見のため下った。平蔵谷は雪がかなり溶けていて上れそうになく、長次郎谷も融雪が進んでいたがまだ雪渓の両端をたどれば上れるかもしれない。真砂沢まで下ったあと小休止をとり、再び少し上り、スタカットの練習を開始した。雪が堅くてスノーバーを打ち込むのが大変で、ビレイはロープが重くまだ不慣れだと感じた。6ピッチ練習したあと滑落停止訓練は行わず、剣沢に戻った。

【八ツ峰上半】

メンバー:松坂(L)、沼田、河本(記録)
4:00剣沢出発
4:30頃長次郎谷出合
6:30頃八ツ峰上半取り付き
13:00頃池ノ谷乗越
15:00頃剱岳
17:00頃剣沢到着

天候が崩れ気味ということで急遽三日目にして八ツ峰に行くことになってしまった。楽しみにしていたところであるが先輩方は大変だというので少し不安だった。まず長次郎谷は雪渓が減ってきているので最初は右岸を通って行った。その後雪渓上を通り、左岸にでて少し登り、取り付きにでる。取付きでは2パーティー待ち登攀を開始する。松坂さんが行ったことがあるということで最初は右側にまわり、ロープを出すか迷ったが出さないことに。とりつきを超えると、懸垂下降を6回ほど繰り返しながら斜面と道の間くらいの道を進む。アップダウンが多く疲れた。第八峰に登る時にはロープを出し、懸垂下降で下り、ガレた斜面を登り北方稜線にでると13時になっていた。この時点で疲れていたが、北方稜線と別山尾根が残っていると思うとテンションが下がる。北方稜線はガレた斜面と岩登りの連続でこちらもかなり体力が削られた。2時間程歩いて剣岳に到着した。そのまま剣沢へ日が暮れる前に下山できてよかった。

           【チンネ中央チムニー】

メンバー:CL尾高,沼田 登攀はつるべ式
0400         起床,三ノ窓  0440
0456         チンネ             0940
1158         池ノ谷乗越
1350         剱岳山頂         1358
1644         帰幕

三ノ窓に到着した日の夕方,飲料・料理用の水を汲みに雪渓の水を取りに行った.尾高からは「片道10分」と聞いていたので油断して,片手にピッケル,片手にペットボトルという装備で向かった.雪渓のトラバースは何も問題はなかったが,その後のザレ場のトラバースで苦しんだ.往路は空のボトルで軽くて問題ないが,帰りは重くなり保持するのが疲れた.ザレ場では脱いだアイゼンを手に持つことにり,さらに手が不自由になった.ザレ場で大きめの岩に足を乗せたとき,その岩が崩れ落ち大きな音を立てて落石となった.この時自分はピッケルを持つ左手を地面について体勢を保ち,滑落することはなかったが,手に数ミリの切り傷を作った.後の行動には何も影響はなかったが,かなり肝を冷やした瞬間だった.やはり山ではどんなときも両手が空くような装備で行動するべきだと強く思った.

当初は左稜線を登る予定だったが,話し合いの結果中央チムニールートを登ることにした.この日に登った近江&尾高ペアの所要時間が7時間となり,三ノ窓帰幕が1600前になった(近江さんの剱沢帰幕は2200になった)ことと,次の日に1年生を連れて行動することを考え,時間と体力をあまり消費しないようにした方が良いという理由で.

中央チムニーの登攀そのものは順調で,04:56取付,09:30前にはトップアウトした.チンネの頭に登って撮影して遊んだ.残置のハーケンは多数あり,カムや岩に直接スリングなどで支点を取った.常にロープの流れを考えながら登り支点を取ったので,ロープアップで苦労することはなかった.ただ1点,aバンドを充分に右上せず,aバンド~bクラックがどれであるかすぐに判断することができなかった.ピナクル直上のgクラックから数メートル右に移動し,aバンドが水平になり始めたところに明瞭なクラック(bクラック)が出てくる.

 【チンネ左稜線】

メンバー: CL近江, 尾高

03:30 起床, 三の窓

04:30出発

5:00取りつき

11:30 TO

 前日のうちに、三の窓まで移動。本来はそのまま中央チムニーを登る予定だったが、想像以上に時間がかかった為、午後は休養とした。

 アプローチは三の窓雪渓をトラバースした後、ザレた斜面に入り、雪渓と岩の間の空間を進んでゆく。但しアプローチは雪渓の状態により変動すると思われる。途中で雪渓から水がしたたっている場所がある。

 左稜線の取り付きまでは、チンネに向かって左端にある、「4」の字を目指していく。取り付きはテラスとなっており、分かりやすい。

基本的に奇数ピッチは近江リード、偶数ピッチは尾高リード。

1PからT5までは所々リッジを歩く、Ⅲ-Ⅳ程度の簡単なクライミング。順調にロープを伸ばしてゆく。合計8P。

9P目、T5からが「鼻」と呼ばれる核心。出だしの垂壁を越えた後はハングを左へ避ける。個人的には、出だしのハングを超えた後、細かいスタンスへ踏み込む部分が一番悪い様に感じた。(残置のスリングがかかっている。)

鼻を超えた後は、3P程度、ロープを出して登ってゆく。この辺りは飽きてきていた。チンネ頂上では雷が鳴っていた為、さっさと退避。コルまで歩いて降りた後、2回の懸垂で池ノ谷ガリーへ。後は、三の窓まで歩いて戻った。

           【別山の岩場】

メンバー:CL尾高,沼田,河本 リードは沼田
0430         起床,剱沢      0528
0548         別山の岩場 取付
1038         別山北峰
1044         別山南峰
1112         帰幕

アプローチは剱沢から約30分という好立地.別山の岩場のトポはないらしいが,自分でいろんなルートを取れるし,残置ボルトやハーケンは多数ある.カムやナッツを多めに持っていくと楽しめる.4番のカムを使えるところがあったので,それも含めて楽しい.予想以上に良い岩場だった.ルートの取り方によっては難易度が上がるので,複数回訪れる価値はある.トップアウトまで合計6ピッチだった気がする.最後はアンザイレンかロープなしで別山北峰へ上がる.

【源次郎尾根】
メンバー:縄(OB),齋藤(2),ヤン(1),藤澤(1)
0450剣沢テン場出発
0530剣沢雪渓取付き
0600源次郎尾根取付き
1100Ⅰ峰ピーク
1210Ⅱ峰ピーク
1220懸垂下降地点
1330剱岳山頂
1730帰幕
 剣沢雪渓は現在進行形で崩壊しており、前日の取り付き位置は使えなかった。源次郎尾根の取付きには2つの踏み跡があるが、上流側の誤った踏み跡を選択してしまい30分ほど停滞してしまった。正しい踏み跡は大きな岩の右側から上の立木に続く下流側の踏み跡である。


【源次郎尾根】

メンバー:沼田(2-SL),尾高(2-CL),福地(1-記録),河本(1),藤澤(1)

0400 起床

0500 剱沢テン場出発

0600 剱沢雪渓取付き

0620 源次郎尾根取付き

0900 Ⅰ峰ピーク

0945 Ⅱ峰ピーク

1030 剱岳山頂

1230 帰幕

 

早朝から天候に恵まれ、剱沢からは朝日に照らされる剱岳がよく見えた。剱沢定着最終日、遅れて入山した福地の希望で源次郎尾根を登ることとなった。(N回目になる部員には感謝しかない)

剱沢雪渓に至る道は非常に歩きやすいが、一部崩落しかけている。雪渓本体は日に日に遠のいて行く。雪渓に入るとすぐに平蔵谷の出合に到着し、用を足して源次郎に取り付いた。当然のことではあるが、バリルートは一般道との比ではない傾斜が続くので病み上がりの福地には非常に辛いものである。走り込み中かの如く息が切れ、それが山頂まで続くこととなる。ルーファイに関しては数日前に源次郎を登ったばかりの藤澤の指示で進んだのでスムーズだった。(そのスムーズさは福地の肺を追い詰めるほどである。)

道中2箇所でロープを出したが、1年生3名はもれなくフォールしたので、鍛錬が必要である。

Ⅰ峰ピークにて剱岳を背に

先行パーティと八ツ峰

上の写真に写っているパーティだが、Ⅱ峰の懸垂支点の直前で追い抜かしてしまう。お互いが取ったルートの違いにより我々が先行してしまった。申し訳なかったが、素早く懸垂下降したので許して欲しい。

特に何事もなく登頂。山頂は比較的空いていたのでのんびり写真撮影&おやつタイム。父親とコンテ状態の小さい男児も山頂にいたので、「ボク、なんさぁい?」などと変な絡みをしたくなったが、福地はむせ続けているためそれどころではない。N回目の登頂となる部員はもはや飽きているので早々に下山開始。別山尾根をサクサク下り、テン場で水浴びをした。

いつかは剱岳に登りたいと考えていた矢先、源次郎尾根から達成したのでもはや一般道にモチベはない。来年はチンネを目指して鍛錬を積もうと決意した次第であった。


 【縦走】

メンバー:沼田(2-SL),尾高(2-CL),福地(1-記録),河本(1),藤澤(1)

Day1 扇沢〜冷池山荘

0615 扇沢・柏原新道登山口

0955 種池山荘

1120 爺ヶ岳南峰

1255 冷池山荘

Day2冷池山荘〜五竜山荘

0400 出発

0600 鹿島槍ヶ岳南峰

0730 八峰キレット

1410 五竜岳

1455 五竜山荘

Day3停滞日

 

Day1

柏原新道は非常に歩きやすい。種池山荘までは、山の日の連休を利用して登っていた人々の下山と重なり、すれ違いが多かった。山の日だからって浮かれちゃって(怒)とか思っていたが、年中浮かれている大学生が言える立場ではない。むしろ、いつでも暇なはずなのに繁忙期に長期縦走なんかしてごめんなさい。

種池山荘に着いた途端、雪渓が崩落するような音がしたので振り返ると河本のZEROPOINTが主人からの投げ技を喰らっていた。河本曰く、重すぎるザックが憎かったらしい。優しくしてあげてね。(その後仲直りした模様)

気を取り直して爺ヶ岳に向かう道中、ツキノワグマさんとこんにちはした。向こうはこちらには関心がない様子なので安心して記念撮影。道を譲ることにした。

時折横切るライチョウのレシピを考えていたが、自分がディナー側になるのはまっぴらだ。

爺ヶ岳以降は原則ガスの中を歩いていたので、眺望はなし。スーパーの青果コーナーみたいで涼しかった。冷池山荘に到着する頃にはザックの重みで肩が嫌な顔をしていた。

冷池山荘のテン場は山荘から10分ほど離れているので、トイレや水の調達が非常に億劫だった。ただ、テン場からの眺望は素晴らしい。鹿島槍の吊り尾根が綺麗に見えた。


Day2

濃いガスの中歩き始め、布引山を通過する頃には雨が降り始めた。眺望のない鹿島槍ヶ岳を早めにパスし、八峰キレットに向かう。この日の核心部はキレット通過であろうと誰もが思っていたが、雨の中でもすんなり通過。ガスが濃かったこともあって怖さは一切感じなかった。キレット小屋より先は、後ろに山岳警備隊のお兄さんが常についていてくれたので安心の岩稜歩きだった。(台風の最中にキレットに突撃しているため、見守らなければならなかったらしい。仕事を増やして申し訳ない。アミノバイタルGOLDごちそうさまでした!)五竜岳もガスの中登り、下り、山荘に到着。台風の南東風を稜線がブロックしてくれると信じてテントを張り、おやすみなさい。

 

Day4 五竜山荘ー唐松岳頂上宿舎

10:00五竜山荘
12:30唐松岳頂上宿舎
前日は台風のためテント場で停滞であり、本日は天気が回復してくるということで様子を見ながら出発することにした。昨日は暇すぎてどうにかなりそうだったので短い距離といえども歩けるのはうれしい。テントを出ると靄が少し薄くなり、三日目にして初めてこのテント場からの景色が見れた。出発してわずか2時間半で唐松山荘頂上宿舎に到着。天気がよくなってきたのにこれしか進めないのはむなしいが、次の不帰はプチ難所であリ、時間を考えてここで泊まることにした。

Day5 唐松岳頂上山荘〜白馬岳頂上宿舎
0440唐松岳頂上山荘
0700不帰キレット

0930天狗山荘

1050白馬鑓ヶ岳
1250白馬岳頂上宿舎
朝テントを出ると久しぶりに晴れていて景色がよかった。唐松岳の山頂からは不帰という難所だが鎖があるため問題なく通過できた。天狗の大下りを登り、天狗山荘を超え、白馬鑓ヶ岳と杓子岳をトラバースして白馬岳がみえたところで頂上宿舎に着く。




Day6 白馬岳頂上山荘〜栂海山荘
0320白馬岳頂上宿舎
0350白馬岳
0605雪倉岳
1000朝日岳
1250黒岩平
1655栂海山荘


体力度で見ると縦走の核心日であった。真っ暗な中を白馬岳に向けて登ると、西側に眩しい街明かりとそれに縁取られた富山湾が見えた。遂に縦走のゴールである日本海が見えて感動した。

白馬岳より先は静かな山域となり、なだらかに連なる山々と、その間に点在する池を眺めながら歩いた。この先は電波が届かなさそうだったので、朝日岳山頂で親不知の日帰り温泉と送迎車を電話予約した。実際には1時間に1回くらいは電波が入った。黒岩平を流れる沢が最後の給水地であり、各々5L前後の水を背負ってトレーニングした。体調不良者が出てペースが一気に落ちたけど、何とか無事に17時前に栂海山荘まで歩き終えた。犬ヶ岳の山頂直下に位置するテン場からは、今日歩いてきた長い稜線を一望することができた。濡れた靴と靴下で歩き続けた結果、足裏全体が靴擦れして痛かった。明日下山できることがほぼ確定したので余分な食材を全て調理しながら、疲弊した者が多く途中でギスギスした今日の行程を振り返った。長期山行には体力と精神力の両方が高いレベルで要求されることを学んだ。

Day7 栂海山荘〜親不知
0250栂海山荘
0445下駒ヶ岳
0610白鳥山
0845尻高山

1015入道山
1130親不知


遂に夏合宿最終日を迎えた。帰路の公共交通機関のダイヤにより12時までには親不知に下山する必要があり、昨日のペースを考慮して深夜3時には行動を開始した。標高差1,600mを下るのだが、途中には計700mほどの登り返しがある。日の出を迎えると標高が下がるにつれて気温は上昇していき、展望の少ない蒸し暑い森の中を黙々と歩いた。体調不良者がいたため登り返しで何度か足が止まり、それでもゴールを目前にしていたので気持ちは明るかった。白鳥山の頂上にある避難小屋では屋上に登ることができて、親不知の海岸を見下ろすことができた。


11時半に親不知の登山口に下山。海岸までの長い階段を降りて海水に足をつけた。温泉で1週間分の汗を流して、送迎車で親不知駅まで移動して解散した。








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【沼田が作った肉味噌とペミカンのレシピ(約9人前】

―肉味噌 9人前―
豚ひき肉 450g,生姜 2/3個,ニンニク 2片,しいたけ 5枚 (または干ししいたけ),ブナシメジ 1束,タマネギ大1個,小松菜 1束(またはほうれん草),ニンジン1/2本 

―ペミカン 9人前―
ベーコン 450 g,白菜 1/4 株,ニンニク 2片,しいたけ 5枚,ブナシメジ 1束,長ネギ 1本(またはタマネギ大1個),ニンジン 1/2本 +α,えのきだけ 2袋


            【装備】

結果的に,ガス缶の量が多かった.2日で1缶使用する計算にしていたが,実際には4日で1缶使用程度のであった.1缶/4日×日数+予備2環 という計算で充分だと思う.人数が増えても調理時間や鍋の数は格段に増えるわけではないので,必要数はあまり変わらない.食後のお湯の量は多くなるので,場合によっては1缶/3日としてもよいだろう.

アルパインの時,ヌンチャクは2個で充分.ヌンチャクは荷物のセルフや0ピン目として使用し,登攀中のプロテクションには基本的にアルパインヌンチャクを使用する.ロープの流れを考えるとどうしてもヌンチャクの出番がなくなる.また,ハーケンに直接スリングを巻いたり,灌木や岩に直接スリングを通したりして中間支点とするため,スリングは多くて問題はない.

2023年11月23日木曜日

20231123 千頭森林鉄道跡-合地山(敗退)

20231123 千頭森林鉄道跡-合地山(敗退) 記録:河本 天気:晴れ メンバー:L降矢、沼田、河本 予定 寸又峡温泉-千頭森林鉄道跡-柴沢小屋-合地山-諸沢山-寸又峡温泉(4日間) 行動結果 一日目 8:00寸又峡温泉発-20:00幕営地 二日目 9:30幕営値発-15:30幕営地(撤退決定) 三日目 6:30幕営地発-14:30寸又峡温泉 今回はヨッキれんさんがホームページ「山さいかねが」に上げている山行記録を参考に、この地の林業資源を運び出すために建設された千頭森林鉄道の軌道跡の最深部を訪ねる山行を計画した。本山行の目的は「千頭森林鉄道跡最深部を歩き通し,南アルプス深南部の林業遺構を見学する」ことである。事前調査が甘かったためかルートを間違い、時間がかかりすぎて撤退することになってしまった。 まずはじめに、寸又峡温泉から千頭ダムまで約3時間ほど舗装のされた林道を歩き、そこから未舗装の道へ入り、日向林道に合流する。日向林道はからり崩落がひどく、崩落地はザレた急斜面となっていて通過するのが怖かった。日向林道をある程度進むと右側にはしごが見えるのでそこを登り踏み跡を進むと鞍部に出る。ここで鞍部を越えて反対側の河原に降りればよかったものの、下調べが足らず軌道跡はもう少し先にあるだろうと考えて斜面を寸又川の上流に向かってトラバースしながら軌道跡を探しながら進むことにした。斜面は急で滑りやすい土の斜面も多く、また複雑な地形だったため本来進むべき川の上流方向には歩いてもあまり進んでいないようだった。そうこうしているにうちに暗くなってきて急斜面に夜中取り残されるのはまずいと判断し一旦河原に降りてそこで幕営することにした。だが降りるのが間に合わず、斜面の途中で日が完全に暮れてしまう。ここからはそのまま降りるのはまずいと考え、懸垂下降で降りることにした。真っ暗な中での懸垂はとても怖く、河原に降りられたときには20時になっていた。この時点で私はかなり疲弊しており、懸垂中は生きた心地がしなかったためとりあえず無事に河原に降りられてよかったと安堵したのを覚えている。懸垂で降りた地点付近には目的の軌道跡があり、鞍部からそのまま降りるべきだったと気づいた。そうしていれば鞍部から幕営地まで7時間かかった所を20分もかからず行けたのではないか。この夜はたき火をした。 二日目は全員寝不足で疲れて9時に出発した。川の約15m程上に軌道跡が併走しているので一日目よりかは歩きやすい。軌道跡はレポートにもあるとおりかなり荒れており、歩くのに注意を要するところが多かったのだが所々に切り通しや石垣、袋に入ったコンクリートや廃駅の建物など多くの林業遺産をみることができて興奮した。私がこの山行で一番の目的にしていたレールが残ったトラス橋もみることができ大変楽しかった。
この橋は上を歩いて渡ったのだが鉄道用の橋梁を歩いて渡ることは貴重な経験になった。当然手すりなどはなく怖かった。コンクリートの平均台の上を渡ったり廃墟の中を探索したりもできた。ただ一日目で距離を稼げず二日目も行動開始が遅く道が悪く思い通りに進まなかったため今日の地点で撤退する可能性が濃厚になった。先輩の予定があり山行は伸ばせないので今日行けるところまで行って撤退することにした。橋が流されてレールだけ残ったところがあり、そこではロープで確保しながら通過し、その後少し進んだところで幕営した。 三日目は来た道を戻るだけである。一日目で手こずった所も難なく通過し、14:30には下山した。この日は一日目にはよらなかった吊り橋にも寄り道した。この時代にこんなに華奢でボロい吊り橋を観光用として解放しているのは私が知る限りここだけではなかろうか。寸又峡はなかなか面白い所だろう。下山後温泉に入り、帰京した。今回の反省を生かせば次回は必ず4日で行けるだろうと思うのでもう一回挑戦したい。

2023年10月29日日曜日

20231029_二子山中央稜

 20231029_二子山中央稜
メンバー:L降矢(4、記録) 、沼田(2)
天気:晴れ
06:45 駐車場出発
07:05 二子山中央稜 取りつき
14:00 二子山山頂,その後懸垂下降
15:30 弓状バットレス
17:15 下山

 二子山は日本100岩場の関東の本に載っているので近いと思っていたが結構遠かった。車を出してくださった沼田さんに感謝。駐車場から歩いて20分ほどで赤いドラム缶を発見し取り付きに到着した。

1p:沼田リード
 我々が一番乗りであった。が、取り付きでロープの末端の毛羽立ちに気付き切断するなどしていたら後ろから来たパーティの方が先に準備を済ませてしまっていたので先を譲った。トポにあったルートではなく右の方にあったクラックから登ろうとしたが予想外に難しく苦戦してしまった。そんなこんなで数パーティに抜かれた。
2p:降矢リード
 凹角ではなくカンテにした。最後は右に行く。
3p:沼田リード
4,5p:降矢リード
6p:沼田リード

 久しぶりとはいえマルチピッチのシステムはしっかり覚えており、一安心であった。休日の人気ルートということで長めの待ち時間があったが、他パーティの方と楽しくおしゃべりをして過ごした。登攀自体にはそれなりに余裕があったので、ナチュラルプロテクションの練習もしてみた。カムはこれまでも自信をもってセットできたが、ナッツは不慣れであったのでこれを機にたくさん試した。思ったより良くきまった。持ってきてみたヘキセントリックがきまる箇所もいくつかあった。こちらは初めて使った。良い練習になったと思う。

 トップアウトしてからの道は高度感があり、滑りやすい運動靴で来た私は非常に怖い思いをした。山頂標識のあるピークを越えコルから懸垂をしたのちにローソク岩を過ぎて取り付きに戻った。荷物を回収し弓状エリアに移動した。壁の斜度が強く、見上げた首が痛かった。親切な方に場所を教えていただいて、日本100岩場に日本一被った5.10aとの記述がある「悪魔のエチュード」をトライした。「指」が落ちてこないか不安になった。私は無事に一撃することが出来た。石灰岩ということで滑る感じもしたが、ガバがたくさんあって良かった。