20250503_雪上訓練(爺ヶ岳南尾根・鹿島槍ヶ岳)
参加者:沼田(4, L)、河本(3)、鈴木(2)、井上(1)、今野(1)
day 1 晴れ、夜雨、強風
0640 start 柏原新道登山口 駐車場
0900 1917 m付近 雪上歩行練習,アイゼン装着
1242 爺ヶ岳 junction peak,テント設営,訓練(雪上歩行,アイゼンワーク,滑落停止)
day 2 6:00 まで雨、後晴れ、曇り、強風
0430 起床
0624 start
0746-0807 爺ヶ岳 南峰
0906 冷池山荘
1003 布引山
1051-1107 鹿島槍ヶ岳 南峰
1142 鹿島槍ヶ岳 北峰
1205-1217 鹿島槍ヶ岳 南峰
1318 冷池山荘
1458 爺ヶ岳 南峰
1535 幕営地
day 3 晴れ、強風
0400 起床
0612 start 下山開始
0750 1917 m付近 訓練(懸垂下降 スノーボラード・土嚢,スタカット)
1221 下山
1日目 (晴れ),記録:今野,写真:沼田
扇沢までの車窓から見えた、雪を被った北アルプスの景色は息を呑むものであった。こんなところを登るのかという不安半分、楽しさ半分の気持ちで入山した。途中雪道と夏道が混ざった山道を歩き、ジャンクションピーク(以下JPと表記)までおよそ半分のところでいよいよ先輩方に教えてもらいながらアイゼンを装着した。初めてのアイゼン歩行は、根っこに引っ掛けたり滑ってしまったりとなかなかに苦労するもので、終いにはハードシェルパンツにアイゼンを引っ掛けビリビリに破いてしまった。アイゼン歩行は両足を離すのがコツなようだ。ここからJPまでは、体力がなかった僕は夏道混じりの楽な方をいったが、井上は雪を被った斜面の方を歩いていた。初日から3日目まで同学年ながら井上は本当に強かった。尊敬の念が止まらない。JPに着いてからはスタカットビレイや滑落停止、つぼ足の練習を行った。物覚えがあまりにも悪くて苦労した。まずは山での集中力を高めなければ。1日目の夜は初めてのテント泊で、風の音もうるさくてなかなか寝付けなかった。これも慣れってやつだろうか。
滑落停止訓練の様子 |
2日目(天気良好),記録:井上,写真:沼田
4時半起床、6時半ジャンクションピーク(JP)を出発した。
出発時、新入生がアイゼンの装着を始めとする準備に時間を食ったため、来年度は事前に練習と確認をするべき。JPから爺ヶ岳にかけて、初めは比較的なだらかな雪道を進んだものの、直ぐに雪が無くなったため、アイゼンを外し、ガれた道を登って爺ヶ岳南峰に登頂した。南峰山頂では、新入生の今野の体力が限界だと判断し、河本と今野がJPに撤退し、残った沼田、鈴木、井上の3人が鹿島槍ヶ岳への登頂を目指した。今野は撤退する事になってしまったものの、爺ヶ岳からの展望は頗る良かったので、良い思い出になってくれていると幸いだ。
南峰から冷池までは、夏道に始まり、途中から雪道が出て来たものの、ツボ足で進んだ。雪に慣れていないせいか何度も雪を踏み抜いたが、前日の滑落停止とステップを切る練習の復習になったため、有意義だったと思いたい。冷池から布引山手前までは、アイゼンを装着し、グングン進んんだため、快調に見えたものの、井上がハンガーノックになってしまった。バテた時点で行動食を大量に胃袋に入れ、多少回復したものの、当日そこからJPに戻るまで疲労感が残ったため、これからは自身のカロリー管理を徹底したい。
布引山から鹿島槍ヶ岳南峰までは、井上に合わせてゆっくり歩いた。南峰から北峰までは、井上を南峰にデポし、沼田と鈴木の2人がピストンで行動した。本山行の中では最も冬山らしい行程であり、技術的観点から新入生には厳しかっただろう。一方、井上はザックと岩を使って風を避け、体勢を低くして半ば眠るようにして凌いだ。1人で霧の中、先輩を待つのは、心細く不安な体験であった。
鹿島槍ヶ岳からJPまでのルートは、行きと同じ道を引き返すだけであり、順調に進んだが、井上が間違えて種池山荘への道に入りかけたのが危なかった。脳内地図が間違っていたため、丹念に地図を確認する癖をつけたい。テントに戻ってからは、今回の山場を乗り切った安堵と疲労で何分か動けなかったが、沼田さんのフルーツポンチに救われ、その日を良い状態で終了出来た。
へばる今野と比較的元気な井上 |
集合写真を撮っていただきました |
鹿島槍ヶ岳北峰 |
鹿島槍ヶ岳南峰 下山開始前に撮影 |
爺ヶ岳 南尾根を下る.風が強い |
三日目(晴れ),記録:河本
強風と低温のためジャンクションピークから少し下り、樹林帯中の南尾根の斜面で残った雪上訓練の課題を消化した後下山した。訓練の内容はスノーボラードや土嚢を支点とした懸垂下降と、斜面を下りながらスタカットの練習。雪が硬かったため、スノーボラードはよく効いており、うまくできていたが土嚢での懸垂下降は自己流で行なった結果ロープを回収できなかった。土嚢の口をスリングで縛り、そこにロープを掛けるのが正解らしい。スタカットは斜面を下りながら6ピッチほど行った。一年生の二人にとってはかなりハードな計画だったとは思いますが、それぞれこの訓練を通して雪上技術は大きくステップアップしたと思います。これからの成長を期待しています。