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2025年6月28日土曜日

20250628.29_大常木谷

20250628.29_大常木谷

参加者:沼田(4、L)、井上(1、記録)

天気:晴れ

 day 1
0630 一ノ瀬林道 入口
0830 大常木谷出合
1214 会所小屋跡
1326 宿泊地
day 2
0300 起床
0500 出発
0520 脱渓、靴履き替え
0615 登山道合流
0708-0718 禿岩 休憩
0740 前飛竜
0820-0840 熊倉山
0944 サオラ峠登山道入口 下山


1日目

当日の3時半に部室を出発し、車で一ノ瀬林道入口に向かった。事前に一ノ瀬林道崩落の情報を仕入れていたものの、崩落の状態によってはその個所を巻けるだろうという判断で、一ノ瀬林道を進んだ。(この時、当面の間通行止めという文言の重大さに気付いていなかったのだ。)入口からしばらく歩くと、軽い崩壊箇所についた。僕は、この崩落程度ならばガードレールの外から巻けるじゃんと確信し安心して進んだ。


崩落を巻いた後、不安の種が取り除かれた様な心持ちで歩いていると、The崩落というようなとてつもない崩落箇所に辿り着いた。車道自体の崩落がかなり下の方まで続いていて、これは当面の間、通行止めにもなるなと納得したし、経験も知識もない僕は打開策など思いつかないまま思考停止した。

そこで我らが先輩沼田さんが、臨機応変に地図を読み、尾根を越えて沢に下降するルートを見つけてくれたおかげで、懸垂下降を1回はさみながらも入渓することができた。この判断は今の自分では絶対にできないものであったが、これから様々なバリエーションルートに行くことを考えれば、将来的に絶対に必要になってくる技能であり、先輩に学びこのような判断ができるようになりたい。入渓した後は、比較的楽に一つ目の見所である25 m滝に着いた。

その高さに圧倒されつつも、こんな滝を登れたらなぁと妄想するのが楽しかった。大滝を少し苦労しながら巻いた後ちょっとすると二つ目の見所である山女魚淵に着いた。右側をへツることができるとはいえ、長さ8 mほどの少し不安になる淵である。もしかしたら、一般読者諸君は、8 m程度で何を不安などと言っているのか疑問に思っているかもしれない。しかし、何を隠そう僕は、自己ベストが25m自由形84秒のカナヅチなのである。遊泳能力を備え付けずに生まれてきた僕にとって、流れのある8 mの淵など恐怖の対象以外のなにものでもないのだ。まあ、こうウダウダ言っていてもしょうがないため、この日の僕は恐怖によるアドレナリン放出を感じながら、先輩より先にこの淵に突っ込んでいった。5 mほど無様に水音を立てながら泳いだところで、右壁に登れる場所をみつけ、そこからなんとかへツって淵を脱出した。いくら苦手だといっても、こういう綺麗な場所で泳ぐのは楽しかったため、また、泳ぎ沢に行きたいと思った。
この沢の見所は先ほどの滝とこの淵のみ、ここを超えた後は、何の苦も無く幕営予定地である会所小屋跡に着いた。トポに載っている標高よりも高い場所にあったが、見つけやすかった。ただ、ここに着いたのが12時過ぎと活動を終えるには早すぎたため、僕たち二人は、沢の最終地点に近く、地形図上ではある程度平そうで幕営に適していそうな地点を目標に進むことに決めた。ここから2時間ほど進み目的地に着くと、そこは期待したよりか幕営に適した場所ではなかったが、色々な場所にカムを入れながらロープを張り、なんとかツェルトを設置した。沢登りで冷え切った僕にとって、温かいツェルトはかなり快適だった。また、夜ご飯のレトルトと白米はとても美味しかった。

2日目

山男の朝は早い。前日の午後5時から、沢の水音に耳を破壊されながらの10時間睡眠を終え、午前3時に起床する。起床するとすぐに、腹ペコな男たちはモーニングの準備を始める。モーニング棒ラーメンは、正真正銘の天然水(沢の水)を贅沢に使った代物で、大変美味しかった。ところで下界で丁寧な暮らしをする人たちは、水で顔を洗って、朝からランニングをするようだが、僕らは朝から沢の水を全身に浴び、上を目指して歩き始めるのだから、一段階丁寧な暮らしと言って過言ではないと主張しておきたい。1日目で沢のほとんどを終えていた僕たちは、行動を始めて早々に沢部分を脱け、ガレ場に突入した。ここでは自分のルートファインディング、そしてガレ場を丁寧に歩く能力の無さを実感した。この体たらくでは、夏合宿で先輩の足を引っ張ることは確実なので、これからは、これらの能力の養成に努めたい。ガレ場を苦労して抜けた後は途中明らかな幕営適地で休憩を挟みながらいそいそと歩いた。

下山は、少し予定とは違う道になってしまったものの、快適な登山道を爆走し、楽しく完遂した。下山口についた後は、僕は沼田の荷物を背負って道の駅へ歩き、沼田は空荷で車までの道のり約8 kmを走った。その後、2人は無事に道の駅で合流し、車で東京に帰った。











2025年6月22日日曜日

20250622_大雲取谷

 20250622_大雲取谷

参加者:河本(3、L)、落合(2)、井上(1)、今野(1、記録)

天気:晴れ

0405 東日原バス停  
0710 入渓 
1230 雲取山下山開始 
1550 鴨沢バス停 

まだ夜の明けないうちに東日原のバス停を出発。そのあと長い林道歩きを経てようやく入渓点に到達した。時間の関係でトポの入渓点の少し上からの入渓になったが、そのせいか特筆することのない沢登りになってしまった。沢登り2回目の自分としてはまだ新鮮で楽しいものだったが、なんとロープを一回も出さないまま終了してしまったためなのか先輩たちにとってはあまり面白い沢ではなかったようだ。ただし、水深が深いところも多々あったので納涼としてはふさわしい沢であった。この山行で最も面白かったのは詰めの途中でとんでもない量の虫につかれたことである。ブヨやらハエやらのコンサートを聴き、そこにあるだけで虫に付きまとわれる腐った木の実の気持ちを味わうことができた。なんと途中から半袖で登っていた井上はブヨに20か所ほど刺されていた。詰めが終わり雲取山に到着した後は、石尾根を経由し鴨沢に無事下山することができた。最後に、今回の山行は距離の長いものであったので体力のない私は足に疲労がたまり、ずっと足の痛みに耐えながらの下山になってしまった。新入生にはなるべく早い正しい山での歩き方やパッキングの習得とトレーニングの実践を強く推奨する。
8m大滝。いたって簡単。


雲取山


2025年6月14日土曜日

20250614_つづら岩

2025_0614 つづら岩 
参加者:沼田(4、L)、河本(3)、落合(2)、鈴木(2、記録)
、井上(1、記録)、今野(1) 

 天気︰曇り後、雨 

0815 千足 
0915つづら岩  

沼田、落合、井上チーム 
0940~1040 1本目 一般ルート 
1140~1400 2本目 右クラック 

河本、鈴木、今野チーム 
0940~1040 1本目 オケラ  
1140~1315 2本目 一般ルート  
1445  下山開始 
1530  千足バス停 

 まず、武蔵五日市駅から千足までバスに乗りつづら岩へ向かった。前日の深夜に、寝ぼけながら適当にパッキングをやってしまったせいで、荷物が重かったが、何とか先輩について行くことができた。つづら岩についてからは、僕達の他には2パーティーのみと比較的空いていたため、迅速に準備を済ませ、すぐに登り始めることができた。
 
 沼田、落合、井上チーム
 1本目(一般ルート) 
落合がリードで、一般ルートを登った。難易度的には、そこまで難しくなく、今回初めてマルチピッチに参加した僕も危なげなく登りきることができたが、中間支点を回収する際、カラビナを下に落としてしまった(その後回収済み)。このミスを反省して、ヌンチャクの片側のカラビナだけでなく、カラビナは全てビレイループにかけることにした。これからも、先輩に教えを乞うなどして、このような致命的なミスを減らしたい。下りは、懸垂下降で行った。途中、空中懸垂を挟むなどしながら、スイスイ降りることができ、気持ちよかった。 

 2本目(右クラック) 
一般ルートの少し右にある右クラックというルートを登った。序盤はクラックをジャミングしながら登ると思いきや、クラックの側にはいくつもガバがあり、ジャミングの必要無しにクラックを超えた。2ピッチ目はそのまま真上に登ると思いきや、その頃からポツポツ雨が降ってきていたこともあり、リードの落合の判断で一般ルートに合流する形になった。しかし、もう片方のチームが一般ルートを登りきるまで待機していた岩棚の裏には、スズメバチの巣があった様で、30分以上周辺をスズメバチに徘徊される目にあった。岩の高度感よりも、スズメバチの方がよっぽど怖かった。
河本、鈴木、今野チーム 

 リードは全て鈴木が、リードのビレイは全て河本が行った。フォローは全て今野、河本の順に登った。 
 
1本目(一般ルート) 
1本目は比較的簡単なオケラルートを登った。鈴木はマルチピッチクライミングで初のリードデビューである。昨年秋の記録でオケラルートは崩壊している云々の記述もあったのだが、特に崩壊箇所は見当たらなかった。岩が脆いところも特段なかったと思う。1ピッチ目は、最初のステミングを駆使して登るところを越えれば、特段難しいところはない。穴は相変わらず小さかった。穴を越えて少し右にトラバースしたところが終了点。2ピッチ目は、トラバースした道を引き返して左上する。せっかくなので残置ボルトを使わず、カムやナッツを中間支点に取ろうとしたが、上手く決まらなかったので諦めた。その後は、簡単な巻道っぽいところをルートにすることもできたが、面白くないので岩を直登し、終了点から懸垂下降した。2ピッチ目を終えたあたりで小雨が降ったが、すぐに止んだ。 

 2本目(一般ルート) 少し休憩して2本目は一般ルートを登った。鈴木は一般ルートをフォローでも登ったことがなかったため、一般ルートを先に登っていた落合にルートを詳しく確認した。トポでは慰霊碑の右側が取付きとなっているが、落合がより難しい左側から登ったといい、落合班はこれから右クラックルートを登るというので、私も慰霊碑の左側から登ることにした。しかし、中々登るのに苦戦し、私が1ピッチ目の終了点に着いてフォロワーが登り始めた頃には、雨がポツポツと降ってきていた。終了点直前のトラバースは、記録で聞いていたほど怖いものではなかった。今野も私が苦戦した最初の取付き部分で悪戦苦闘し、何度かフォールした。最終的には、残置の黄色いロープを手がかりに今野のロープの最初の中間支点を取り、一度今野を地面下ろして正規の取付きから登ることになった。今年の一年生は私なんかよりジムによく通っており、そこそこ実力があるものと感じていたが、雨でグリップが利きにくくなっていたこともあったようだった。2ピッチ目は、最後が核心だが、慎重に行けばまぁ大丈夫だろう。今度は振分懸垂で下降したが、ロープ回収時に末端のノットを解き忘れてしまった。巻道があったので助かったが、登り返しになっていればかなり大変だった。

時間的には左ルートも登れたが、雨足が強まってきたので下山することにした。 千足バス停へ下山したところ、次のバスが来るまで時間がかなりあったので、やはり進めるところまで歩くことになった。昨年は畔荷田まで歩き、これをTUSACレコードとしたのだが、今年は、帰路が車のほうが都合が良かった落合、鈴木、井上の3人が沼田さんの車に乗せていただくことになり、十里木まで歩いた。河本さんと今野は電車で帰ることになったが、河本さんが畔荷田バス停でバスに乗ることができたのに対し、今野は時間をよく確認しなかった結果、バスを逃し、結局千足から武蔵五日市駅までの約10kmの道のりを歩き通すことになった。途中沼田さんが車で駅まで送ることも提案したが、歩くとのことだった。河本さんが「時間的に走ったほうが良い」と言っていたにもかかわらず、自分で時間等を確認することを怠り、車組のペースで歩いていた今野自身に少なからず原因があるが、一応TUSACレコードを更新したものとしたい。今野の単独記録を破るものが今後現れるか、期待したい。もっとも、往路については、沼田さんが無料駐車場のある十里木から千足までを歩き、鈴木が武蔵五日市駅からバスに乗って畔荷田で降りて千足まで歩き、そのほかの者は千足までバスに乗って来たことを付言しておく。

2025年6月1日日曜日

20250601_キュウハ沢

    20250601_キュウハ沢

参加者:沼田(4, L)、落合(2)、井上(1)、今野(1・記録)

天気:曇り

0500 start 駐車場
0550 入渓
1230 丹沢山
1505 下山

初夏、TUSACの沢登りシーズンが開幕する中で丹沢のキュウハ沢に行ってきた。

夜明け過ぎに塩水橋に到着し、1時間弱歩き入渓。前日に雨が降っていたため増水する中で沢登り開始。自分にとってはこれが沢デビューであったが、慣れないながらもほぼヌメっている足場と水と格闘しながらなんとか10 mほどの滝まで到着した。(ここまでの道中で一回足を滑らせ5 mぐらい落ちてしまった。ヘルメットを被っていたおかげで奇跡的に無傷。)

少し登ると戦時中の戦闘機のエンジンを発見。

ここではロープを出してもらい直登した。登っている途中持っていたホールドが悉く崩れ途方に暮れていたところ、沼田さんの「左に行け」という助言のおかげでなんとか突破することができた。なお視界が悪くエイトノットを結ぶのに戸惑ったため、見なくてもエイトノットができるように練習する必要性を感じた。

滝 水多め
                
そこからは高巻き+懸垂下降を交えながら2, 3回ロープを出してもらい滝を直登し、ガレ場に到着。ガレ場からの詰めは急斜面で大変だったが、なんとか 12時過ぎには丹沢山に到着。寒かったが、初めてながらも非常に楽しい沢登りができた。

無事に登攀。

なお、ここで沢装備を解くと今まで見たことのない量のヒルが付着していて最悪だった。鬱陶しくなって噛み殺そうとしたところ、井上から「ヒルには寄生虫がついているかもしれない」と言われ我に帰り沼田さんのスプレーを借りながら1時間ほどずっと石でヒルを潰していた。

下山後には沼田さんお気に入りのオギノパンさんに行き軽食。ここの揚げパンは大変美味しかったので是非一度訪れて食べてみることを強く推奨する。

毎度のこと車を出してくれる沼田さんに感謝すると同時に、自分も今後免許を取らないと行けないことに気づいた。来年は運転が得意な新入生が奇跡的に入ってくれることを願うばかりである。

2025年5月24日土曜日

20250524_水無川本谷

 20250524_水無川本谷

メンバー:落合(2、L、記録)、鈴木(2)、井上(1)
天気:曇り

0715 大倉
0915 入渓
1445 塔ノ岳
1635 大倉

本日は5月祭だったことなんて頭の片隅にもなかった2年生と、1年生にして5月祭より山を選ぶ期待の新生井上で今シーズン初沢は水無川本谷に行ってきました。

最初の長い林道歩きは落合の咳が止まらなかったのと入渓する沢を間違えて、中々に時間がかかった。鈴木の「帰ろう」が何発も飛び出すが、如何せん咳が止まらないので私も帰りたくなってしまった。1年生の前でこんな体たらくは本当によくない。林道の途中にキジがいたが、赤すぎて最初は脱走したニワトリかと思った。あからさまに飛べなさそうだったので泊まりだったら捕まえて美味しく頂いてたかも。

あとで調べたら、キジではなくヤマドリっていうらしい

誤って源次郎沢に入ってしまったなんて話も聞くが、なるほどこれは間違えてもおかしくないと思った。
堰堤を越えたところで入渓。

F1は左に鎖があったが、ロープを出して水流際を登る。簡単だが、プロテクションを取れずランナウトした。

F1


F1を越えて直ぐに現れるF2も、右壁を登る記録が多いが、ロープが垂れている水流左沿からサックっと越えた。

F3はロープを出して、右壁を登ってから落ち口にトラバースして終了点。

F4は簡単な小滝で、やったーシャワークライミングだ〜って叫んだら寒そうな井上にドン引きされたが、結局井上も水流に突っ込んでた。Mだね。

F5はロープを出して右壁から落口に向けて登る。

F5
この先の5m強の小滝で、直登を試みた鈴木がまぁまぁの高さで右壁から左壁に飛び移ろうとして落ちてしっかり身体を打ってた。俺もやってやろうと思ったが、鈴木が結構痛そうだったので辞めておくことにした。

F6はチョックストーンを越えるところが悪く、渾身のA0。鈴木はフリーで越えようとして負けていた。ハーケンが連打されていたが、どれも信頼できる代物ではなかった気がする。ここはロープを出すか迷ったが、出して正解だったと思う。

F7は、帰りの電車でこれを書いているのにもう忘れた。

F8はとても登れないと思ったので巻いたが、強烈なトラバースがあった。トラロープが張ってあったが流石に信用できなかったし、だいぶ前にfixされたであろうロープも切れたりしていたのでロープを出した。ここのトラバースが本山行の核心だった。

そのままトラバースして沢に復帰し、F9は上部がハングしているうえにプロテクションを取れなさそうだったのでヒヨって巻いた。

大きめの滝には巻くためのロープなどが垂れ下がっていたが、我々はできるだけ滝を直登したので時間がかかってしまった。

沢に戻って直ぐに左の尾根に乗って詰めたら塔ノ岳に着いた。ここで沢装備を解いたら井上にヒルが5匹。良いものを見せてもらった。その後は大倉尾根を爆速で下っておしまい。


2025年5月11日日曜日

20250511_歩荷訓練(塔ノ岳・丹沢山)

  20250511_歩荷訓練(塔ノ岳・丹沢山)

参加者:落合(2)、井上(記録、1)、今野(1)

天気:曇り

0810 大倉
1200 塔ノ岳 1300
1340 丹沢山
1520 プロペラ
1630 本谷橋
1810 バス停

まず、行動開始地点の大倉にて、重りとなる水を汲んだのだが、事前にポリタンクを点検していなかったせいで今野のタンクが一つ用をなさなかった。今回は他のタンクを持っていたため問題はなかったが、日頃からの装備点検は徹底したい。
水を汲んだのちは、落合40 kg、井上30 ㎏、今野20 ㎏を背負って大倉を出発した。序盤は疲労感もなく順調に歩くことができたものの、中盤から肩や背中にダルさが生じてきた。重量ゆえのダルさは、慣れて乗り越えるしかないのでこれからの山行でも重い荷物を持つようにしたいところ。天神尾根分岐を超えたあたりからは、肩、背中の痛みがかなり強くなってきたうえ、井上今野両人共に脚への負担がかなり重かったからか脚がつりはじめた。登っている当時はかなりきつかったが、これらの症状は自分を追い込んだ証拠なので、歩荷訓練かくあるべしとも思う。山頂までの道程は、満身創痍で体中の力を振り絞る厳しいものであったが、山頂についたときの達成感は筆舌に尽くしがたく、重りの水を捨てる瞬間は多幸感あふれるものであった。重りと共に歩んだ塔ノ岳の登りは、全体を通して息が休まる瞬間はなく、心身共に耐えられないほどキツかったが、このキツさを楽しみ、生を実感する能力こそが山で一番必要なものなのかなとも思う。





塔ノ岳を出てからは、荷物が急激に減ったおかげで、背中から羽が生えたかの様にビュンビュン道を進み丹沢山に着くことができた。その後、丹沢山を少し出たところでバリエーションルートに入り、グラマン製F6(戦時中アメリカの戦闘機)のプロペラを見に行った。生で見る戦時中の遺物は、思ったより大きく、神秘的であった。そこからの下りは比較的速く降りられたと思うが、最後の10 ㎞程度の車道では足の疲れがドッと出て辛かった。どうにかして車道を楽しむ方法を編み出したいところである。(高校のころはエアー大富豪をして乗り切っていたが、大学ではもっと高尚なことをしたい。)



2025年5月3日土曜日

20250503_雪上訓練(爺ヶ岳南尾根・鹿島槍ヶ岳)

    20250503_雪上訓練(爺ヶ岳南尾根・鹿島槍ヶ岳)

参加者:沼田(4, L)、河本(3)、鈴木(2)、井上(1)、今野(1)

 day 1  晴れ、夜雨、強風
0640 start 柏原新道登山口 駐車場
0900 1917 m付近 雪上歩行練習,アイゼン装着
1242 爺ヶ岳 junction peak,テント設営,訓練(雪上歩行,アイゼンワーク,滑落停止)

 day 2 6:00 まで雨、後晴れ、曇り、強風
0430 起床
0624 start
0746-0807 爺ヶ岳 南峰
0906 冷池山荘
1003 布引山
1051-1107 鹿島槍ヶ岳 南峰
1142 鹿島槍ヶ岳 北峰
1205-1217 鹿島槍ヶ岳 南峰
1318 冷池山荘
1458 爺ヶ岳 南峰
1535 幕営地

 day 3 晴れ、強風
0400 起床
0612 start 下山開始
0750 1917 m付近 訓練(懸垂下降 スノーボラード・土嚢,スタカット)
1221 下山


1日目 (晴れ),記録:今野,写真:沼田

 扇沢までの車窓から見えた、雪を被った北アルプスの景色は息を呑むものであった。こんなところを登るのかという不安半分、楽しさ半分の気持ちで入山した。途中雪道と夏道が混ざった山道を歩き、ジャンクションピーク(以下JPと表記)までおよそ半分のところでいよいよ先輩方に教えてもらいながらアイゼンを装着した。初めてのアイゼン歩行は、根っこに引っ掛けたり滑ってしまったりとなかなかに苦労するもので、終いにはハードシェルパンツにアイゼンを引っ掛けビリビリに破いてしまった。アイゼン歩行は両足を離すのがコツなようだ。ここからJPまでは、体力がなかった僕は夏道混じりの楽な方をいったが、井上は雪を被った斜面の方を歩いていた。初日から3日目まで同学年ながら井上は本当に強かった。尊敬の念が止まらない。JPに着いてからはスタカットビレイや滑落停止、つぼ足の練習を行った。物覚えがあまりにも悪くて苦労した。まずは山での集中力を高めなければ。1日目の夜は初めてのテント泊で、風の音もうるさくてなかなか寝付けなかった。これも慣れってやつだろうか。


南尾根はほぼ雪がない

訓練の前にフルーツポンチで補給!


滑落停止訓練の様子



2日目(天気良好),記録:井上,写真:沼田
 4時半起床、6時半ジャンクションピーク(JP)を出発した。
出発時、新入生がアイゼンの装着を始めとする準備に時間を食ったため、来年度は事前に練習と確認をするべき。JPから爺ヶ岳にかけて、初めは比較的なだらかな雪道を進んだものの、直ぐに雪が無くなったため、アイゼンを外し、ガれた道を登って爺ヶ岳南峰に登頂した。南峰山頂では、新入生の今野の体力が限界だと判断し、河本と今野がJPに撤退し、残った沼田、鈴木、井上の3人が鹿島槍ヶ岳への登頂を目指した。今野は撤退する事になってしまったものの、爺ヶ岳からの展望は頗る良かったので、良い思い出になってくれていると幸いだ。
 南峰から冷池までは、夏道に始まり、途中から雪道が出て来たものの、ツボ足で進んだ。雪に慣れていないせいか何度も雪を踏み抜いたが、前日の滑落停止とステップを切る練習の復習になったため、有意義だったと思いたい。冷池から布引山手前までは、アイゼンを装着し、グングン進んんだため、快調に見えたものの、井上がハンガーノックになってしまった。バテた時点で行動食を大量に胃袋に入れ、多少回復したものの、当日そこからJPに戻るまで疲労感が残ったため、これからは自身のカロリー管理を徹底したい。
 布引山から鹿島槍ヶ岳南峰までは、井上に合わせてゆっくり歩いた。南峰から北峰までは、井上を南峰にデポし、沼田と鈴木の2人がピストンで行動した。本山行の中では最も冬山らしい行程であり、技術的観点から新入生には厳しかっただろう。一方、井上はザックと岩を使って風を避け、体勢を低くして半ば眠るようにして凌いだ。1人で霧の中、先輩を待つのは、心細く不安な体験であった。
 鹿島槍ヶ岳からJPまでのルートは、行きと同じ道を引き返すだけであり、順調に進んだが、井上が間違えて種池山荘への道に入りかけたのが危なかった。脳内地図が間違っていたため、丹念に地図を確認する癖をつけたい。テントに戻ってからは、今回の山場を乗り切った安堵と疲労で何分か動けなかったが、沼田さんのフルーツポンチに救われ、その日を良い状態で終了出来た。

へばる今野と比較的元気な井上

集合写真を撮っていただきました

鹿島槍ヶ岳北峰

鹿島槍ヶ岳南峰 下山開始前に撮影

爺ヶ岳 南尾根を下る.風が強い


三日目(晴れ),記録:河本
 強風と低温のためジャンクションピークから少し下り、樹林帯中の南尾根の斜面で残った雪上訓練の課題を消化した後下山した。訓練の内容はスノーボラードや土嚢を支点とした懸垂下降と、斜面を下りながらスタカットの練習。雪が硬かったため、スノーボラードはよく効いており、うまくできていたが土嚢での懸垂下降は自己流で行なった結果ロープを回収できなかった。土嚢の口をスリングで縛り、そこにロープを掛けるのが正解らしい。スタカットは斜面を下りながら6ピッチほど行った。一年生の二人にとってはかなりハードな計画だったとは思いますが、それぞれこの訓練を通して雪上技術は大きくステップアップしたと思います。これからの成長を期待しています。


2025年4月29日火曜日

20250428-29 新穂高温泉-双六岳-三俣蓮華岳

       20250428-29 新穂高温泉-双六岳-三俣蓮華岳

メンバー:沼田(4,L,記録),落合(2),縄(OB),川上(部外)
天気:
day 1 快晴のち雪
day 2 雪のち晴れ

ヤマレコ

 理想は2, 3泊でのスキー山行にしたかったが,都合がつかず2 daysに短縮.雪質は登りも下り進みにくいコンディションではなかったが,想定よりも先に進めなかった.この雪質で双六岳山頂まで10時間となると,新雪期に三俣蓮華岳まではちょい厳しいか.シール歩行・滑走できる箇所が増える分いくらかマシか,双六小屋周辺で幕営するか.


林道の雪は切れ切れで小規模崩落もあり

目指すコルはなかなか遠い.乗越に着いた時点で12:00を過ぎてしまう.

12:30くらいから風と雪が降り始め,時間が経つごとに悪くなっていった.視界は数十mくらいか.


集合写真
視界が悪いので三俣蓮華岳までの移動を辞めて,山頂付近で幕営する.

 
 day 2になると視界の悪さはあまり変わらないものの風が強く,板を担いだザックがめちゃ煽られた.体を斜めに傾けて歩ける面白さがある.三俣蓮華岳の山頂までは行ったが,雪面はカリカリなのと,視界が悪く滑走中にはぐれそうだということでこの先の滑走は辞めた.双六岳に引き返して幕営装備を回収して下山開始.晴れるまでは雪面カリカリで足が疲れた.双六小屋から先は快適だった.昨日からの降雪は滑走の快適さには貢献してくれた.大ノマ乗越への登り返しは,登り始める谷を1本手前にしてしまい,登りながらトラバースをしていった.
翌朝,一時的に青空が見えた

三俣蓮華岳山頂.視界の悪さは昨日とあまり変わらん

新雪とシャリシャリの連続という感じの雪質.滑走は楽しい.標高下のほうは腐り始めており,板がちょくちょく引っかかる.


 乗越の2,450 mから佐俣谷1,450 mへの特大斜面は,一続きの斜面としては過去一くらいの標高差でとても爽快だった.ここまで来た苦労があるくらいの楽しさ.新雪の時期にまた滑りたい.スノボでも楽しそうだ.


2025年4月20日日曜日

20250420_巻機山 井戸尾根 BC skiing

      20250420_巻機山 井戸尾根 BC skiing

メンバー:沼田(4,L,記録),落合(2),縄(OB),川上(部外)
天気:曇り,1,650 m以上は雲の上で晴れていた
下山して15:20くらいから雨降りだした
ヤマレコ

0710 start 駐車場
0750 桜坂駐車場
1131 ニセ巻機山
1205-1320 巻機山
1340 ニセ巻機山
1457  桜坂駐車場
1514 goal 駐車場

 コース状況:雪面は全くクラストしておらず、波打ちもなくどこでも快適に滑走できた。クラックは多数あったので、それらに注意。

 朝から雪が腐っており、つぼ足でも全く沈まず快適に歩けるので、私は最初から最後まで登りは全て板を担いで歩いた。プラブーツよりも歩きやすいおかげか、登りのペースはシール登攀の人より速く進めた。板の着脱をしないので、総合的にも速く移動出来る。

米子沢では登ってる最中にも雪崩が起きていた


登り続けると雲が晴れてきた


一人で先に進んでしまい、声が届かずコミュニケーションが取れなくなることを指摘された。私の行動原理としては、他の誰もが先に進まないので、先行して進むことで下山時間を短縮したかった。hidden crack があるような事故リスクが高い場合はこれを避けるべき。無線を携帯するのは良い対策。



2025年4月12日土曜日

20250411-12_小川山

 20250411-12_小川山


4/11

メンバー:尾高(OB.L)、落合(2記録)

天気:曇りのち雨

初の小川山に行った。当然、概念を把握できていないので尾高さんに従ってマラ岩に行く。まず、アップで屋根の上のダジヤン(5.9)に取り付く。尾高さんが危なげなく登って、私も5.9だからと舐めてかかったら落ちた。初スラブだったが、スラブは普通にムズい。スメアリングを信頼できない。落ちたことで集中が切れたあたりで上をドローンが飛んでいることに気付いたらタケムービーだった。その後上の方に移動してレギュラー(5.10C)をやる。尾高さんはFLできず相当悔しそうだったが2便でサラッと回収。落合は1便目で核心でクリップできず越せなかったのでトップロープでめっちゃテンションをかけながらムーブだけ掴んで終えた。あと、落ちた時にボルトに尻を打つと結構痛いんで皆さんも気をつけて‼︎ その後、落合のスラブ練習のためにガマスラブに移動した。2ピン目手前で雹が降ってきたので落下とクライムダウンで降り、駐車場まで走って戻った。

次に来た時はレギュラーの回収がとりあえずのノルマ。


4/12

メンバー:尾高(OB.L)、沼田(4)、落合(2記録)

朝、沼田さんと合流して屋根岩に向かう。3峰南面に向かう途中に5.8のスラブがあったのでとりあえず登った。やっぱりスラブはムズい。その後セレクション(5.9、6ピッチ)をやった。

1ピッチ目

先日、城ヶ崎でボロボロだったハンドジャムは少しコツを掴んで「ハンドジャムはガバだ」の意味が分かったような気がしたが、ハンドジャムを決めた後の身体の使い方(クラックに身体を入れる)が分からず何回か落ちた。その後のスラブも落ちそうだったが落ちなかった。やっぱりスラブはムズい。

2ピッチ目

リードだったが、ほぼ歩きパート。途中で決めたカムがスタックしかかって弁償するところだったが、尾高さんが回収してくれた。

3ピッチ目

リードだったが、ハンドジャムの後の身体の使い方か分からず身体が上がらない。カムで1ピン目を取った後、仕方なく沼田さんにリードを交代してもらった。このピッチで先輩2人のクラックの登り方を観察して、身体と足の使い方をマネしたら登れた。リードで登れるのとは別物だが。

4ピッチ目

3ピッチ目終了点から10mくらいクライムダウンして取り付く。ここまでのクラックとスラブに痺れていたら、ここからが核心だと言われたので焦ったが、このピッチのトラバースは結構気持ちよかった。



5ピッチ目

このクラックも落ちる気しかしなかったため、沼田さんにリードしてもらう。2ピッチ目以降は全て落合がリードする契約だったが終わってみると全然リードしなかった(ヒヨった)。


屋根岩2峰の頂上でのんびりした後歩いて下降し、各々やりたいルートに取り付く。落合はセレクション1ピッチ目のクラックでクラックの練習をした。落ちると思って取り付いたが、セレクションで身体の使い方を覚えた後だったので落ちなくてよかった。その後、おむすび山スラブに移動しようとしたが、中々見つからず、沼田さんが見つけた時には日が傾いていたので取り付かずに下山した。気持ちの良さそうなスラブだった(スラブはムズいけど)ので次に来た時には行きたい。