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2023年2月11日土曜日

20230211_冬合宿(聖岳東尾根)

 2023/2/11~15 冬合宿(聖岳東尾根)

 

メンバー:近江(OB)、縄(OB)、松坂(4)(記録)、降矢(3)、尾高(2)、斎藤(1)

 

2/11

23:00 沼平

2/11は車で東京から沼平まで移動するだけの日である。私は睡眠時間が短いと体調を崩す人間なので早く着きたかったが、15:00に東京を出る提案は早すぎると一蹴されてしまった。えぇ...

部室で合流し、沼平まで4時間半のみちのりである。前日に南岸低気圧が来て東京にも雪が降っていたため、道が凍結していないかだけが不安だった。結果的に雪は残っていたものの轍には雪はついておらず、チェーンを付けずに沼平まで行くことができた。

車中で一泊。

沼平

 

2/12
天気:曇り時々晴れ

6:50 沼平
11:20聖沢登山口 12:00
15:30 1930m付近で幕営

5:30に起床したが、うだうだしていたら6:50発になってしまった。まずは登山口までの14kmの林道歩きである。舗装路は冬靴では歩きにくいが、雪が積もっているため、登山靴で歩く必要があった。私は夏靴を持ってきていたので幾分か楽に歩けたが、14kmも冬靴で歩くのは大変苦痛に違いない。

林道を行く

畑薙大吊り橋

東海フォレストの車両の轍跡はついているが発電所から先あたりは轍すらなくなっていた。くるぶしあたりまでの積雪を進んでいく。

ずっと雪道だなあと思って歩いていたら前から重機がやってきた。どうやら二軒小屋から除雪してきたらしい。雪崩のあともきれいにしてもらってとても助かった。ありがとうございました。

重機が雪をどかしてくれる


赤石ダムの威容を眺めて歩いていたら聖沢登山口についた。もろもろ準備して、出発する。夏靴は登山口にデポした。

赤石ダム

聖沢登山口

10
日に降った雪の影響か登山口から雪がついていた。最初は一般登山道のつづら折りを登り、尾根に乗り上げる。夏道は左側にそれていくが、東尾根の支尾根にのるために尾根上をずっと歩いていく。しばらく歩くと、倒木により尾根上は歩けなくなり右に逸れ、急斜面のつづら折りになっていく。ロープが設置されており、際どいトラバースもあった。

そこを通過するとトラロープと「ここを登ると東尾根」という張り紙がある。東尾根方向にもピンクテープがついており、人気ルートであることをうかがわせている。

ロープが張ってある

尾根は顕著で分かりやすい。積雪量はくるぶしあたりまでで大したラッセルはなかった。14:15頃に最初の幕営地候補であった1700m地点についた。雪が汚かったのと、翌日の天気が悪そうだったので、1900m付近まで標高を上げることにした。

 

 

2/13
天気:雪

6:30 幕営地
8:30ジャンクションピーク
14:30白蓬ノ頭(幕営地)

事前の気象予報通り南岸低気圧の接近により、朝から雪が降っている。幕営地からジャンクションピークまでは前日と同じような積雪量で、急登ではあるものの苦労せずに到着することができた。

「ここはジャンピクションピーク」

しかし、ジャンクションピークから雪が深くなり、ラッセルが厳しくなる。かつてトレースがあったと思われる場所では膝下くらいのラッセルだが、そのような場所を外れると腰まで埋まってしまう。白蓬ノ頭に近づくにつれ更に雪は深くなり、空身でスコップを使ってのラッセルとなった。結局ジャンクションピークから6時間かかり、幕営予定地である白蓬ノ頭の頭に到着した。この日の雪は湿っており、幕営地に着くころには荷物がびしょびしょに濡れていた。もう最悪だよー。

湿った雪が降り続く

 

2/14
天気:晴れ

6:30 白蓬ノ頭
10:30 前聖岳
14:15 白蓬ノ頭 15:20
17:00 2250m地点(幕営地)

アタック日である。白蓬ノ頭からはまだ樹林帯の中をとぼとぼ歩いていく。ピンクテープがここでもご丁寧についている。しばらく歩くと少し開けた場所に出る。白蓬ノ頭付近は二重山稜になっていて、南北に二本の稜線が走っている。ここではその様子がありありとわかった。ここで北側の山稜に乗り換える。

森林限界の直前

北側の山稜を行くと森林限界に出る。ここでワカンからアイゼンに履き替えた。風は多少あるものの、晴天で素晴らしい景色が広がっている。

後ろに富士山

聖岳への稜線

ここから先はいくつかピークがあり、アップダウンが多い。また、尾根の幅も狭い。しかし、何事もなく奥聖岳の手前の核心についた。ロープを出すか悩んだが、尾高がトップで登り、問題がなさそうだったため、確保せずに登ることにした。核心を超え、南面の斜面を登れば奥聖岳の頂上である。

奥聖岳の頂上と前聖岳の頂上の間はビクトリーロード。途中に窪地があり、北風も防げる。

前聖岳への稜線

前聖岳の頂上で写真をとって下山。

山頂!

奥聖岳直下の核心は下りではロープを出した。降矢をリードで行かせて、ロープをフィックスする。しっかりとしたアイゼンワークができれば、ロープが無くても降りられる程度の難易度だが、なかなか怖い箇所ではあった。

核心の岩場

そのまま降りて行って幕営地に到着する。ロープワークに時間がかかったのかいい時間になっていた。

この日、自分は高山病の症状である頭痛と気持ち悪さがあったため、時間は遅かったが、白蓬ノ頭から標高を落とした場所で幕営することにした。

トレースはあるものの前日に降った雪で少々不明瞭になっており、踏み抜きが結構多発する。17:00にはテントを張ろうということで、2250m付近でテントを張った。

登頂記念かつ翌日は下山するのみということで、みんなはお酒を飲んだり、焼きマシュマロを食べたりしていた。私は体調がすぐれなかったうえにまったくの下戸なのでほとんど眺めているだけだった。悲しい。

 

 

2/15
天気:晴れ

6:40 幕営地
8:50聖沢登山口 9:15
12:40 沼平

この日は下山するだけである。

幕営地からジャンピクションピークはすぐそこだった。

支尾根を降りていく。13日は雪ではなく雨だったのか表面が凍っていた。さらに結構な急斜面でところどころ地面が出ているため、下りづらかった。

特に一般登山道に入ってからは、雪の付き方がいやらしいうえに急斜面であり、緊張した。

そして、聖沢登山口についた。ここからまた14kmの林道歩きである。

再び登山口。雪が消えた

沼平のゲートで全行程は終了。白樺荘で温泉に入り、帰路についた。


2023年2月7日火曜日

20230207-0208_戸隠西岳P5稜(第三峰)

メンバー:福田(OBL),尾高(2),沼田 (1)、降矢(3、記録)

沼田さんが作成した記録が以下にあるhttps://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-5160901.html

2/7

0700 除雪終了点
1230:1750m幕営地(幕営後1pフィックス)

天気:晴れ

2/71時くらいに荻窪で車に収容され、おしゃべりをしながらドライブを楽しみ、道の駅で車中泊をしたという記憶がある。座席に座ったまま2時間ほど意識を失うことができた。人に運転させておきながら、眠すぎたためあいまいな記憶しかない。道の駅を出て車が動いていた気がする。なんか車が止まったので意識を引き戻して準備をして歩き始めた。どうやら予定していたところより手前までしか入れなかったらしい。しょうがない。「鬼無里村」みたいなラベルが消火用何たらみたいな赤い箱や、他の人工物に貼り付けられていた。いかつい地名だなあと思った。
 強い先輩と、山に行きまくっている後輩①と、山に行きまくっている後輩②(後輩というのは部内学年の話であり、実質的には先輩)と一緒にそれなりに難しそうなルートに挑むということで、私は緊張していた。約1か月振りの山登りということもそれに拍車をかけていた。とか歩きながら考えていると林道も終わり、登山道が始まっていた。


 この日の天気は大変良く、標高も低いため、汗を滴らせながら歩くこととなった。アイゼンの裏に雪が固まり、重いうえに歯も刺さらず歩きにくかった。

途中微妙に足を滑らせ何mか滑降したり、微妙に悪い壁を越えたりしていたら、雪壁が出てきた。落ちない気もしたが、もし落ちたらまぁ死ぬ感じになっていたので、ロープを出させてもらうことにした。


福田さんリードでロープをfixしてもらい通過。ここで微妙にコミュニケーションをミスり、中間支点を忘れるという失態を犯した。主将にもなって何をやっているんですかね。そのあと雪を踏み抜き散らかして進めなくなり沼田さんに救助してもらったりしていたら幕営予定地に着いた。尾高、沼田の二名には水を作成してもらい、福田さんと二人でfixを張りに行った。私はビレイ。幕営地から向かって右手の、汚い雪の筋(後述)を上にたどった先にある凹角を上った。脆い岩や草付きを登る、という情報を得ていたがどんなもんなのかなとか考えていた。いざ登攀を開始すると思ったより悪かったそうで、福田さんはかなり丁寧に登っていた。途中イボイノシシをブチ込んでいた。福田さんが動くのに合わせて木とか草とか土とか石とかがボロボロボロボロ落ちてきていた。前述の汚い筋は多分これだったのでしょう。降りてきた福田さん曰く、今は草着が凍っておらず少々大変だったが、明日の朝は凍結するだろうからまぁいける、とのこと。

2/8

0600:幕営地発
0925: p5
1140:幕営地
1330:除雪終了点

天気:曇り→雪

 今日は前日とは打って変わって曇天であった。午後から崩れるとの予報もあった。昨日fixしたピッチは福田さんがまず登り、そのあと私が行った。まぁ自分ではリードしたくない感じだったが、話の通り草着きはいい感じに凍っていたためバイルやアイゼンが良く刺さった。私はてこずりそうだと感じたらすぐにロープをつかんだが、後続の二人は自力で越えたらしい。二人を待つ間に高度感のありそうなリッジを歩いて次のピッチの手前まで行った。それほど展望もなく、高さに恐怖することなく歩いた。次のピッチも福田さんにfixしてもらった。向かって左にトラバースした後に上に向かう、といった感じであった。このトラバースには大変な恐怖を覚えた。傾斜と足の位置の関係で、姿勢の良くないトラバースであり、ロープで確保されているとわかっていてもなかなか覚悟を決められず時間を食ってしまった。左下をのぞき込むと切れ落ちているのが良く見えた。どうにかこうにかして抜けた。これ以降は特に困難な個所はなく着いた。p5眺望も看板もないピークであった。
 下降も緊張感があった。1回目の懸垂は私が先頭で下降した。途中木に引っかかったロープを外しに横に移動したところ、氷柱が落ちてきた。痛かった。そこからリッジを歩き、2回目の懸垂をした。そのあとテントを撤収し、下山を開始した。雪は安定していたので、北東側の谷から下山した。一応のため途中で間隔をとって歩いた箇所があった。微妙に悪かった壁を懸垂で抜け、しばらく歩いて林道と合流した。全体にコンパクトな山という印象であった。帰りに尾高が「鬼無里村」の読み方を教えてくれた。車に着く直前に雪が強く降り出して鬱陶しかった。せっかく戸隠まで来たのだからそばを食べようとの声もあったが、山行後にそばは物足りないということで全員の意見が一致した。しゃぶ葉で肉を食べた。


2023年2月3日金曜日

谷川主稜線縦走

 谷川記録


厳冬期の谷川主稜線に行ってきました。随分と良い天気で「映え」山行になりました


2/3

毎度お馴染みの土合駅のクソ長階段からスタート。なんとかして上り線と下り線逆になんないかな、と思ってしまう。天気は厳冬とは思えないほどよく晴れていた。とりあえず西黒尾根に取り付くが、予想に反してしっかりとしたトレースが付いている。流石は人気ルートである。

稜線に上がるまでは樹林帯の急登。稜線へ上がってからも黙々と標高を上げていく。森林限界を超えてからはトレースが不明瞭となる場所もでてきた為、雪庇に注意を払いつつルートを取る。一箇所1600m付近で空荷ラッセルした箇所があったが、それ以外の箇所ではラッセルも特には問題に成らなかった。17時頃、日没間際に肩の小屋へ到着した。先客が一組いたが、流石の快適さであった。

この日の夜メンバーの松坂が眠気を訴えており、明らかに体調が悪そうだった為、ひとまず睡眠を取り、翌朝改めて様子を見ることとした。



2/4

二日目、ひとまず5時半に起きてみるが、変わらず松坂さんの体調は悪そう。最後の望みをかけて2時間の二度寝をして様子をみるが、特に状態は変わらず。全員で天神平まで松坂さんと一緒に下山して、再び肩の小屋まで登り返す事とした。この日は絶好の好天で天神尾根は凄まじい人だった。下手な都内より混んでる。多分。松坂さんを送り出した後、オジカ沢の頭へ向かう縦走路に入ると一気に人は少なくなる。快適、快適〜♪それと同時に踏み抜きも多くなるが、、、

14時頃オジカ沢の頭避難小屋へ到着、少しでも先に進んでおきたかったので通過して大障子の頭の避難小屋を目指す。強風に吹かれながら歩いて行くと大障子の頭避難小屋に到着。したのだが、小屋の扉が開いており、小屋内は雪で埋め尽くされていた。少し話し合った後、結局小屋内を掘り出しテントを張ることとした。張ってしまえばそれなりに快適だった。

中まで雪が吹き込んでいる。


2/5

朝方は強風とホワイトアウトの為停滞。10時頃から行動を開始した。大障子の頭を超えたあたりで一箇所足元が不安定な急斜面があり、スタカットで下降した。山の上の方はよく晴れているが、少し降るとホワイトアウト+強風という天気であり、視界の利かない中、GPSを頼りに雪庇を避けて行動する中々シビアな場所が多かった。また定期的に踏み抜き地獄があり、かなり体力を吸われた。最後の方は半ばヘッデン行動になりながら大黒エビスの頭の避難小屋周辺へ。避難小屋周辺へ着いたのだが、避難小屋が見つからない。それっぽい場所とかを掘ったりもしてみたが見つからない。結局諦めて稜線で幕営。幸い、この日の夜は風が弱く快適だった。


2/6

この日は朝から快晴。歩き出して少しすると、昨日見つからなかった避難小屋が見えた。結局半分埋まってたので幕営が正解だった気がする。強風の中、仙ノ倉山まで適当に踏み抜きながら進む。仙ノ倉山山頂からは、今回最後のピークである、たおやかな山容の平標山が目の前に見える。風が強かったが、特に問題なく平標山山頂へ。山頂でこれまで進んできた山をしばらく眺めた後、ヤカイ沢を下降して下山した。


2023年2月1日水曜日

20230131-0201_旭岳 東稜(八ヶ岳)

   20230131-0201_旭岳 東稜(八ヶ岳)

メンバー:福田(OB,CL),尾高(2),沼田 (1,記録)

https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-5140040.html

 【天気】
1日目:快晴
2日目:快晴のち降雪,強風

 【行動記録】

 1日目
06:20 千歳烏山駅 集合
09:05 駐車場 09:48
11:52 出会小屋,幕営準備
上ノ権現沢 アイスクライミング練習
15:20 出会小屋

 2日目
04:00 起床
05:50 出発
11:10 旭岳山頂 
11:41 ツルネ 12:00
14:05 ツルネ東稜取付き店
14:31 出会小屋
16:35 美し森駐車場

 1日目
 林道が終わり,沢沿いに歩き,堰堤をいくつか越える.右岸,左岸に行ったり来たりするが,ペンキ印やテープ目印があるのでそれを頼りに.堰堤越えは設置されている梯子を使うところもある.出会小屋までワカンは使用せず.2日目のアタックにも持っていかず,小屋にデポ.

1日目は快晴,無風


 11:52 出会小屋 到着.他に誰もいない and 寒いので,小屋の中にテント設営.
 上ノ権現沢あたりでアイスクライミングできそうな沢を探すが,斜度の緩い滝は雪が被っていてあまり楽しめない.上ノ権現沢で一か所よさげなところがあったので,ここで3人1回ずつ登って遊んだ.
 15:20 小屋に戻る

宿泊の準備をしてから日没まで時間があるので,アイスクライミングできそうな沢を探す


 2日目
 午後に近づくにつれ天気が荒れる予報だった.04:00 起床で早いとこ下山するつもりだったが,出発準備に思ったより時間がかかり,06:00前出発.五段の宮に着いた時にはまだ穏やかだったが,登り始めるあたりで風が強くなり始めた.防寒具を充分にして登る.アックスを持つ手が少しかじかんだ.旭岳山頂についた時には空は曇りに変わっていた.
 ツルネ東稜で下山する予定だったが,途中で尾根を外して南にそれてしまった.登り返して戻るより,このまま上ノ権現沢の方に下ることを選択.斜度がきついので懸垂下降のためロープを3, 4回ほど出す.沢は積雪が多くて股下まで埋まる所もある.平均するとひざ下くらい.上ノ権現沢は2, 3か所,アイスクライミング楽しめそうな場所があった.

福田さんのリード

コンティニュアンスで尾根を進む

 【感想】
 2月7-8日からの戸隠西岳 P5尾根 へのトレーニングとして,旭岳の東稜の山行を組んでもらった.まともな冬期登攀の第一歩という感じ.雪と氷と岩の壁を,アイゼンとアックスでよじ登る.ロープがある時は安心できるが,雪稜地帯の通過は冷や冷やした.よじ登っている最中に「今までで一番頭のおかしいことをしているな」と自覚して,山を初めて5年目にして初めて「もう山はいいかな」と感じた.

そう感じたのは一時だけで,旭岳山頂についてからはまたやりたいと思えた.


 【反省】
シャリバテを感じる時が何度もあったので,飯の量を増やすこと,行動食に食べやすくて高カロリーなものを追加すること.ハチミツや練乳を飲もう!

冷たい飯を食うと体が温まるまで時間がかかる.夜寝るとき序盤が寒くてストレスだった.シュラフの新調はしなくてよさそう.

ゲイター,シュラフカバー 新調する.