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2018年9月24日月曜日

2018.09.24 マチガ沢


マチガ沢 沢登り
日程 2018年9月24日(月・祝)
天候 晴れ時々ガス
メンバー 安田OB(L)、井本OB、和泉OB、三浦OB、中西OB2年縄(記録)
コースタイム
0610 マチガ沢出合い
0730 第一見晴らし台
1230 四の沢分岐
1500 国境稜線到達
1610 天神平ロープウェイ駅


 井本さんが帰国するということで現役の私も入れてもらいマチガ沢に行くことになった。毎年5月に雪上訓練で下部だけ訪れていたのでいつか遡行したいと思っていた。
前夜の宴会は焚き火で焼いた秋刀魚やステーキがこれが最高に美味しく、火を囲みお酒を飲みながらの談笑は非常に楽しいものになった。

マチガ沢を下から遡行するという話も上がったが、ゴーロ歩きなのもあって、巖剛新道からアプローチすることに。途中からずいぶん標高を上げて、もうとっくに見晴らし台をすぎてしまってるのではとGPSで確認したらもう直ぐだった。第一見晴らし台の看板は新しくなっている。分かりやすく、見失うことはなさそう。滑りやすい草付きを降りていき、沢に再び合流。おそらくいつも雪上訓練しているところよりちょっとだけ上部だと思う。(こんなことを言ったところで部員しかわからない。)
20分ほど歩いて広いところで休憩した。ハーネスを装着。
ハーネスはいて登ります!


ちょっとした滝を越えながら1時間ほど歩くと両側に5mほどの滝があるところにあたった。右側の滝の方がまだ容易そうだがロープを出した方が良いだろう。右壁上部に残置ハーケンからシュリンゲがかかっており、縄リードでシュリンゲの方を経由して登る。確保支点のハーケンもあった。
最初のロープ出したとこ

それにしても谷川の沢は沢というよりルンゼで広く明るく爽快である。
広く明るく爽快である。

そのあと高巻きでやや苦労したりしながら(潅木も少なく草で滑りやすい)、滝を越えていく。5mほどのチョックストーンの滝はトップの井本さんは右側からさっと超えてしまったがノーロープでは微妙そう。左側のスラブや滝の直登コースにもハーケンがあり登ろうと試したがかなり滑りやすそうだったので結局井本さんが越えた方からリードした。やや緊張。越えた先には大きい浮石(とはいえ安心できるくらいには大きい)にハーケンが打ってあった。おそらく4の沢との分岐だろうというところで右側の沢を遡行。たまにガスっていたが、東南稜も見えてきた。

草付きっぽくなってきて微妙なトラバースを強いられたのでこの辺りでもロープを出した。草付きの方には潅木も少なく良い支点が取れないのでガレ場で安定した場所を探し確保支点とした。そこからあまり遠くないところでまたも高巻く必要が出たがこれまた微妙だったのでロープを使う。ハーケンなどは打たれていないのでピナクルに取る。
東南稜はすぐ近くに迫り、要の滝とみられる手前で少し休憩。要の滝は井本さんがリード。クラックにハーケンがかかっているが、そのあと数手がガバがなくちょっとボルダー的なムーブになる。私はおもいきり膝で登った。膝を使うと場合によってはかなり安定する。ただ問題はあって、常にアザだらけになることである。東南稜は今回は登らないが、幾つかの記録で見たとおりヌメヌメしてそう。結構難しそうだった。
この辺りでもう国境稜線まで標高的にも残り100mくらい。あとは簡単な草付きを詰めるだけ、と思っていたがどうやらそうにもいかない。ついに傾斜は緩いが浮き石だらけのルンゼに入った。トップの安田さんが後ろのメンバーに待つように指示を出す。その後も悪いようで、安田さんが「あっ」と声をあげたので大丈夫かと思った次の瞬間、大量の大きな石が降ってきた。後ろのメンバーは瞬時に避けたので大事にはいたらなかった。安田さんは大丈夫だったようだが足もとが全部崩れたようだ。実際登ってみると側壁のホールドが丸ごと取れるし脆いなんてものではない。さすがあまり登られていないだけのことはある。ロープを出し、これを越えた後も急な斜面を登り、15時頃国境稜線に到達した。ロープウェイの最終にはなんとか問題なく間に合いそうだ。最後のツメの悪さは谷川特有のものだと感じた。見回すと稜線上は赤や黄色に紅葉している。今年は雪渓もこの時期には消えていてまだ寒すぎずベストな時期に来れたと言えるだろう。トマの耳は一瞬で着いた。
もう直ぐ国境稜線
紅葉していました


あとはよく整備された道を天神平まで1時間ちょっと歩き、ロープウェイで降りた。谷川の沢登りを体験でき、稜線に抜けるまで気の抜けない楽しい充実した山行になった。帰りも車で送っていただき、後部座席でぐっすり寝てしまいました。OBの皆さんありがとうございました!!

2018年9月21日金曜日

2018.09.21 南アルプス深南部

南アルプス深南部縦走(9/21~22
メンバー:L饗場、近江(記録)

1日目
天気:雨
コースタイム:07:00寸又峡-10:10合地ボツ-12:10朝日岳-16:40小屋付近

 本来ならば前日のうちに寸又峡まで入っていたはずなのだが、事前に確認したタクシー営業所の時間が実際と異なっていたため千頭駅までしか入れず、結局始発のバスで寸又峡まで移動し出発は07:00となった。この日の行程は長いので計画通りに行けるか不安であるが、とにかく出発する。この辺りは標高があまり高くないので、レインウェアを着て歩くと暑くて辛いが、少々歩きにくく感じる登山道を黙々と歩く。標高千メートルくらいまでは蛭が多かった。コースタイムを全然巻けずに朝日岳山頂に到着した。これでは今日中に予定していたアザミ沢のコルに着くことは不可能だと悟り、適当なところでビバークしようということになった。朝日岳から大無間方面へ向かう踏み跡は明瞭でないので、方位磁針で方向を確認しまっすぐその方向に歩いてゆくと、やがて尾根が細くなってきて少し安心する。ここから暫くは尾根沿いに進んでいけば問題なかったが、1730m地点で左側の尾根に入ってしまい、30分ほどタイムロスした。ここは右側に伸びている尾根がわかりにくいので注意が必要だ。大きな鉄板があるところなど通り歩いてゆくと、笹原となる。これを少し歩いてゆくと小屋がある。夕暮れが近づいている上、朝からずっとびしょ濡れのまま歩いておりこれ以上寒さに耐えるのが辛くなってきたためこの辺りでビバークすることにした。

2日目
天気:雨のち晴
コースタイム:07:00出発-11:00朝日岳-15:00寸又峡


 朝になっても前日の雨で濡れた服は乾いておらず、また雨も降り続けていたため我々は精神的にかなり弱っていた。予定よりかなりペースが遅いこと、これから先も天候が回復しそうにないことなどから、かなり悩んだ挙句撤退することにした。下山中も道に迷った。1830m地点から右の尾根に入ってしまい、行きよりテープが格段に多くなったなと思ったらやはり間違えていた。下山の途中で次第に晴れてきて、こんなんだったら進めばよかったとも思ったがもうそんなことを言っても遅いのでとにかく寸又峡温泉に入ることだけ考えて下山した。

2018年9月18日火曜日

2018.09.18~19 前穂高岳北尾根

前穂北尾根

天候に恵まれた。初日、意気揚々と新村橋を渡る。
メンバー:2年) L縄、近江、吉田

1日目(記録:吉田)
天気:晴れ
コースタイム:10:10上高地--11:40徳沢ロッジ-12:10新村橋-12:50中畠新道分岐-14:45屏風のコル-16:30八峰-17:40七峰-20:00就寝




6峰から。眼前の巨峰は果たして何峰か。
前日の夜までに松本に入っておく予定であったが、吉田が遅刻し初日の朝の甲府始発電車で来たため、上高地行きのバスに乗るのが予定よりも3時間遅れてしまった。上高地には平日であるにもかかわらず大勢の人がいた。河童橋へは林道コースから行く。徳沢ロッジまでの道で、川沿いに出るところで崩落があったようで、迂回路が出来ていた。北尾根には水場がないため、予め2日分の水を汲んでおくことになっていた。この水は中畠新道分岐にある清流から得た。屏風のコルまでが思っていたよりも長く心身ともに疲労がたまる。屏風のコルから尾根上を突き進めば北尾根に入る。登山道を下ってはいけない。8,7峰は藪道とは聞いていたが、かなり深い藪で踏み跡を見失うことがよくあった。この日の予定は五、六のコルまでだったが、時間的に厳しいので7峰で幕営することにした。夜は星空が隅々まで見えて、宇宙にいるような錯覚に陥るほどだ。

遥か槍を臨む
2日目(記録:近江)
登頂!
天気:晴れ
コースタイム:05:15七峰出発-06:10六峰-07:05五峰-08:05四峰-10:10三峰-11:00前穂高岳山頂-15:20上高地

 七峰からの下りは踏み跡に沿って下ってゆく。コルに下るところに懸垂支点があるが、右から回り込むようにすればクライムダウンできる。六峰への登りでは、狸岩は巻かずに直登。六峰あたりからは藪漕ぎがなくなる。56のコルはビバーク適地。4張くらい。五峰は踏み跡があるのでその通りに歩く。四峰の登りは、最初の方は稜線通し、後半は少し奥又白側を歩く。34のコルも3張くらいビバークできる。34のコルからの登りは、左から回り込むようにして登った。序盤から緊張を強いられるような場面があったので、コルからロープを出しても良いだろう。左から回り込んだ後はハーケンに沿って稜線に復帰するように登ってゆく。チムニー状のところを抜けると凹角が出てきた。ここから2ピッチロープを出した。1ピッチ目は凹角を登ってしばらく歩き、岩角でビレイした。2ピッチ目はしばらく歩いた後左上する凹角を登ったところでピッチを切った。ザックが大きかったこともあり体を入れにくく、ここは結構緊張した。二峰まで歩き、10m弱の懸垂下降をした。後は人の声が聞こえる方向に登ってゆくと前穂高岳山頂に着く。元の計画では明神主稜を通って下山する予定だったが、昨日出発が遅れたこともあり時間が押していたため、重太郎新道から下山した。