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2017年1月8日日曜日

2017.01.08-09 硫黄岳 

硫黄岳 
 作成:佐藤咲良

参加者:中山、佐藤
実施日:2017/1/8-9

行動記録;
 1月8日 曇り 茅野駅0930=(バス)1025=1108八ヶ岳山荘1130ー1215赤岳山荘ー1320広場ー1445赤岳鉱泉
1月9日 雪、風強し 0630出発ー0901赤岩の頭ー0940山頂ー1047赤岳鉱泉ー1158広場ー1237美濃戸山荘ー1320美濃戸口  

この山行は冬山合宿に向けての冬山経験をあげるための山行であった。  先日行われた雪上訓練において、経験値不足であったことを反省し、参加したものである。結果から言えば、冬山合宿においてそれなりの意味を持った山行であったのではないかと思う。雪上歩行にもなれ、アイゼンの取り外しのスピードも向上したと思う。  しかし、今回の山行は微妙に死の香りがたちこめるものであった。  始まりは、茅野駅で集合した時の、上級生二人のなんとも言えない笑顔から始まる。最初は、私が遅れたせいでバスを逃してしまったのかと思った。慌てて謝ったが、どうも違うようだ。白石さんの身内にご不幸があり、帰らなくてはならなくなった。ついている。こんなとき、なんというのが正解なのだろう。御愁傷様ですともごもごいうしか若輩者の私には出来なくなった。  しかも天気は雪の予報。週末に雪が降ると南アルプスで人が死ぬ。私の心の中でシューベルトの魔王がなっていた。ふぁーーたーふぁーたー。  白石さんには山菜そばをご馳走してもらった。正直、重い荷物を持って交通費を払って往復した上に後輩におごる羽目になった白石さんが一番かわいそうな気がしたが、ありがたく頂く。美味でした。  美濃戸口で、7大陸だか何かを登頂した女学生の人がティッシュを配っていた。誰だったんだろう。  赤岳鉱泉まで、ひたすら林道歩きがつづく。最初は泥道だったが、だんだんと凍り始める。石まじりだったのでアイゼンはつけなかったが、広場のあたりで限界になりアイゼン装着。  たるい。疲れた。飽きる。と思っていたら、伏見さんに会う!奇遇!テンションが一気にあがる。アイスキャンデーでクライミングをしていたらしい。すれ違うだけで嶄然であったが、MPが満タンになるくらい回復した。  人はすごく多い。さすが八ヶ岳だな、と思いつつ、赤岳鉱泉到着。アイスキャンデーがすごかった。帽子のない土筆みたいな感じで、登っている人間が蟻みたい。赤岳鉱泉がそんな雰囲気だったこともあって、自分が小人になったみたいだ。  地面が凍っていたので石などに紐をくくりつけて幕営。3人分の肉が入ったカレーは非常にリッチ。赤岳鉱泉のディナーが凄すぎるせいでリッチ感は薄れるけど、自分の身の丈にあった幸せを享受できるのが幸福の秘訣です。いやまあ、赤岳鉱泉が羨ましくないといえば嘘になるけど。でも、山の上でビーフシチューだのケーキセットを食べなくてもいい気もする。なんか、ヨーロッパにいって日本料理屋に行く感じ。  起床。もちを食らう。出発。赤岳鉱泉の朝食は7時かららしい。へー。  硫黄岳へ行くパーティーは私たちだけらしく、道がわからない。しばし赤岳鉱泉周りをウロウロしてから出発。  前の人の足跡をたどると、別の山頂へ行くパーティーだったようだ。途中で看板を見逃していた。  そこからは私たちがずっと先行。膝くらいまでのラッセルで進む。急斜面だと雪崩も怖い。私が先頭だし。明らかな沢地形を横断するとき、思わず中山さんに遺言を託す。  途中でツアーか何かの団体さんに抜かされる。未踏雪を踏みたかったような、ラッセルしなくてすんでホッとしたような。  赤岩の頭でアイゼンをつける。だいぶ風が強い。ピッケルも出し、何かあったら対風姿勢を取るよう身構える。  山頂に着くと空は晴れ上がり、硫黄岳の火口やそこから連なる一連の山脈が一気に開けた。カッコ良すぎだ。思えば、冬山の山頂は初かもしれない。人が多くなってくる前にさっさと下山する。この感動を人混みで混濁させるのは勿体無い。  まあ後は何事もなく下山。バスを30秒差で逃し、地団駄をふんだくらいか。美濃戸口の休憩所で漫画版孤高の人を読んで時間を潰す。結構面白いな。