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2023年12月5日火曜日

2023夏合宿

 どーも、お久しぶりです。いつの間にか主将になっていた、2年の尾高です。

冬シーズンが始まろうとしている12月に、今更夏合宿の記録を上げます♪極寒の雪山でも灼熱の夏山を思い出せば、体も温まるかも??


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【入山】

メンバー:松坂、尾高、藤澤、ヤン、河本(記録)
9:00頃室堂出発
13:30頃剱沢到着

新宿駅からバスを乗り継いで9時頃室堂に到着した。夏合宿はあるときまでは楽しみにしていたのだが歩荷訓練で疲弊したため楽しみではなくなってしまった。期末試験が開けるとあっという間に入山日になってしまった。水をくみ集合写真を撮って重いザックを背負いとぼとぼと出発する。雷鳥沢までは平坦なみちで、そこから剣御前の小屋まで急坂を登り、少し下って剣沢に着く。 歩行距離が短いからか意外と順調に歩くことができた。

【雪上訓練】

メンバー:松坂、尾高、藤澤、ヤン、河本(記録)
6:00頃剣沢出発
6:30頃剣沢で雪上訓練
13:00頃帰幕

剣沢を遅めに出発して剣沢に向かい、アイゼンを装着してまずは雪渓を下見のため下った。平蔵谷は雪がかなり溶けていて上れそうになく、長次郎谷も融雪が進んでいたがまだ雪渓の両端をたどれば上れるかもしれない。真砂沢まで下ったあと小休止をとり、再び少し上り、スタカットの練習を開始した。雪が堅くてスノーバーを打ち込むのが大変で、ビレイはロープが重くまだ不慣れだと感じた。6ピッチ練習したあと滑落停止訓練は行わず、剣沢に戻った。

【八ツ峰上半】

メンバー:松坂(L)、沼田、河本(記録)
4:00剣沢出発
4:30頃長次郎谷出合
6:30頃八ツ峰上半取り付き
13:00頃池ノ谷乗越
15:00頃剱岳
17:00頃剣沢到着

天候が崩れ気味ということで急遽三日目にして八ツ峰に行くことになってしまった。楽しみにしていたところであるが先輩方は大変だというので少し不安だった。まず長次郎谷は雪渓が減ってきているので最初は右岸を通って行った。その後雪渓上を通り、左岸にでて少し登り、取り付きにでる。取付きでは2パーティー待ち登攀を開始する。松坂さんが行ったことがあるということで最初は右側にまわり、ロープを出すか迷ったが出さないことに。とりつきを超えると、懸垂下降を6回ほど繰り返しながら斜面と道の間くらいの道を進む。アップダウンが多く疲れた。第八峰に登る時にはロープを出し、懸垂下降で下り、ガレた斜面を登り北方稜線にでると13時になっていた。この時点で疲れていたが、北方稜線と別山尾根が残っていると思うとテンションが下がる。北方稜線はガレた斜面と岩登りの連続でこちらもかなり体力が削られた。2時間程歩いて剣岳に到着した。そのまま剣沢へ日が暮れる前に下山できてよかった。

           【チンネ中央チムニー】

メンバー:CL尾高,沼田 登攀はつるべ式
0400         起床,三ノ窓  0440
0456         チンネ             0940
1158         池ノ谷乗越
1350         剱岳山頂         1358
1644         帰幕

三ノ窓に到着した日の夕方,飲料・料理用の水を汲みに雪渓の水を取りに行った.尾高からは「片道10分」と聞いていたので油断して,片手にピッケル,片手にペットボトルという装備で向かった.雪渓のトラバースは何も問題はなかったが,その後のザレ場のトラバースで苦しんだ.往路は空のボトルで軽くて問題ないが,帰りは重くなり保持するのが疲れた.ザレ場では脱いだアイゼンを手に持つことにり,さらに手が不自由になった.ザレ場で大きめの岩に足を乗せたとき,その岩が崩れ落ち大きな音を立てて落石となった.この時自分はピッケルを持つ左手を地面について体勢を保ち,滑落することはなかったが,手に数ミリの切り傷を作った.後の行動には何も影響はなかったが,かなり肝を冷やした瞬間だった.やはり山ではどんなときも両手が空くような装備で行動するべきだと強く思った.

当初は左稜線を登る予定だったが,話し合いの結果中央チムニールートを登ることにした.この日に登った近江&尾高ペアの所要時間が7時間となり,三ノ窓帰幕が1600前になった(近江さんの剱沢帰幕は2200になった)ことと,次の日に1年生を連れて行動することを考え,時間と体力をあまり消費しないようにした方が良いという理由で.

中央チムニーの登攀そのものは順調で,04:56取付,09:30前にはトップアウトした.チンネの頭に登って撮影して遊んだ.残置のハーケンは多数あり,カムや岩に直接スリングなどで支点を取った.常にロープの流れを考えながら登り支点を取ったので,ロープアップで苦労することはなかった.ただ1点,aバンドを充分に右上せず,aバンド~bクラックがどれであるかすぐに判断することができなかった.ピナクル直上のgクラックから数メートル右に移動し,aバンドが水平になり始めたところに明瞭なクラック(bクラック)が出てくる.

 【チンネ左稜線】

メンバー: CL近江, 尾高

03:30 起床, 三の窓

04:30出発

5:00取りつき

11:30 TO

 前日のうちに、三の窓まで移動。本来はそのまま中央チムニーを登る予定だったが、想像以上に時間がかかった為、午後は休養とした。

 アプローチは三の窓雪渓をトラバースした後、ザレた斜面に入り、雪渓と岩の間の空間を進んでゆく。但しアプローチは雪渓の状態により変動すると思われる。途中で雪渓から水がしたたっている場所がある。

 左稜線の取り付きまでは、チンネに向かって左端にある、「4」の字を目指していく。取り付きはテラスとなっており、分かりやすい。

基本的に奇数ピッチは近江リード、偶数ピッチは尾高リード。

1PからT5までは所々リッジを歩く、Ⅲ-Ⅳ程度の簡単なクライミング。順調にロープを伸ばしてゆく。合計8P。

9P目、T5からが「鼻」と呼ばれる核心。出だしの垂壁を越えた後はハングを左へ避ける。個人的には、出だしのハングを超えた後、細かいスタンスへ踏み込む部分が一番悪い様に感じた。(残置のスリングがかかっている。)

鼻を超えた後は、3P程度、ロープを出して登ってゆく。この辺りは飽きてきていた。チンネ頂上では雷が鳴っていた為、さっさと退避。コルまで歩いて降りた後、2回の懸垂で池ノ谷ガリーへ。後は、三の窓まで歩いて戻った。

           【別山の岩場】

メンバー:CL尾高,沼田,河本 リードは沼田
0430         起床,剱沢      0528
0548         別山の岩場 取付
1038         別山北峰
1044         別山南峰
1112         帰幕

アプローチは剱沢から約30分という好立地.別山の岩場のトポはないらしいが,自分でいろんなルートを取れるし,残置ボルトやハーケンは多数ある.カムやナッツを多めに持っていくと楽しめる.4番のカムを使えるところがあったので,それも含めて楽しい.予想以上に良い岩場だった.ルートの取り方によっては難易度が上がるので,複数回訪れる価値はある.トップアウトまで合計6ピッチだった気がする.最後はアンザイレンかロープなしで別山北峰へ上がる.

【源次郎尾根】
メンバー:縄(OB),齋藤(2),ヤン(1),藤澤(1)
0450剣沢テン場出発
0530剣沢雪渓取付き
0600源次郎尾根取付き
1100Ⅰ峰ピーク
1210Ⅱ峰ピーク
1220懸垂下降地点
1330剱岳山頂
1730帰幕
 剣沢雪渓は現在進行形で崩壊しており、前日の取り付き位置は使えなかった。源次郎尾根の取付きには2つの踏み跡があるが、上流側の誤った踏み跡を選択してしまい30分ほど停滞してしまった。正しい踏み跡は大きな岩の右側から上の立木に続く下流側の踏み跡である。


【源次郎尾根】

メンバー:沼田(2-SL),尾高(2-CL),福地(1-記録),河本(1),藤澤(1)

0400 起床

0500 剱沢テン場出発

0600 剱沢雪渓取付き

0620 源次郎尾根取付き

0900 Ⅰ峰ピーク

0945 Ⅱ峰ピーク

1030 剱岳山頂

1230 帰幕

 

早朝から天候に恵まれ、剱沢からは朝日に照らされる剱岳がよく見えた。剱沢定着最終日、遅れて入山した福地の希望で源次郎尾根を登ることとなった。(N回目になる部員には感謝しかない)

剱沢雪渓に至る道は非常に歩きやすいが、一部崩落しかけている。雪渓本体は日に日に遠のいて行く。雪渓に入るとすぐに平蔵谷の出合に到着し、用を足して源次郎に取り付いた。当然のことではあるが、バリルートは一般道との比ではない傾斜が続くので病み上がりの福地には非常に辛いものである。走り込み中かの如く息が切れ、それが山頂まで続くこととなる。ルーファイに関しては数日前に源次郎を登ったばかりの藤澤の指示で進んだのでスムーズだった。(そのスムーズさは福地の肺を追い詰めるほどである。)

道中2箇所でロープを出したが、1年生3名はもれなくフォールしたので、鍛錬が必要である。

Ⅰ峰ピークにて剱岳を背に

先行パーティと八ツ峰

上の写真に写っているパーティだが、Ⅱ峰の懸垂支点の直前で追い抜かしてしまう。お互いが取ったルートの違いにより我々が先行してしまった。申し訳なかったが、素早く懸垂下降したので許して欲しい。

特に何事もなく登頂。山頂は比較的空いていたのでのんびり写真撮影&おやつタイム。父親とコンテ状態の小さい男児も山頂にいたので、「ボク、なんさぁい?」などと変な絡みをしたくなったが、福地はむせ続けているためそれどころではない。N回目の登頂となる部員はもはや飽きているので早々に下山開始。別山尾根をサクサク下り、テン場で水浴びをした。

いつかは剱岳に登りたいと考えていた矢先、源次郎尾根から達成したのでもはや一般道にモチベはない。来年はチンネを目指して鍛錬を積もうと決意した次第であった。


 【縦走】

メンバー:沼田(2-SL),尾高(2-CL),福地(1-記録),河本(1),藤澤(1)

Day1 扇沢〜冷池山荘

0615 扇沢・柏原新道登山口

0955 種池山荘

1120 爺ヶ岳南峰

1255 冷池山荘

Day2冷池山荘〜五竜山荘

0400 出発

0600 鹿島槍ヶ岳南峰

0730 八峰キレット

1410 五竜岳

1455 五竜山荘

Day3停滞日

 

Day1

柏原新道は非常に歩きやすい。種池山荘までは、山の日の連休を利用して登っていた人々の下山と重なり、すれ違いが多かった。山の日だからって浮かれちゃって(怒)とか思っていたが、年中浮かれている大学生が言える立場ではない。むしろ、いつでも暇なはずなのに繁忙期に長期縦走なんかしてごめんなさい。

種池山荘に着いた途端、雪渓が崩落するような音がしたので振り返ると河本のZEROPOINTが主人からの投げ技を喰らっていた。河本曰く、重すぎるザックが憎かったらしい。優しくしてあげてね。(その後仲直りした模様)

気を取り直して爺ヶ岳に向かう道中、ツキノワグマさんとこんにちはした。向こうはこちらには関心がない様子なので安心して記念撮影。道を譲ることにした。

時折横切るライチョウのレシピを考えていたが、自分がディナー側になるのはまっぴらだ。

爺ヶ岳以降は原則ガスの中を歩いていたので、眺望はなし。スーパーの青果コーナーみたいで涼しかった。冷池山荘に到着する頃にはザックの重みで肩が嫌な顔をしていた。

冷池山荘のテン場は山荘から10分ほど離れているので、トイレや水の調達が非常に億劫だった。ただ、テン場からの眺望は素晴らしい。鹿島槍の吊り尾根が綺麗に見えた。


Day2

濃いガスの中歩き始め、布引山を通過する頃には雨が降り始めた。眺望のない鹿島槍ヶ岳を早めにパスし、八峰キレットに向かう。この日の核心部はキレット通過であろうと誰もが思っていたが、雨の中でもすんなり通過。ガスが濃かったこともあって怖さは一切感じなかった。キレット小屋より先は、後ろに山岳警備隊のお兄さんが常についていてくれたので安心の岩稜歩きだった。(台風の最中にキレットに突撃しているため、見守らなければならなかったらしい。仕事を増やして申し訳ない。アミノバイタルGOLDごちそうさまでした!)五竜岳もガスの中登り、下り、山荘に到着。台風の南東風を稜線がブロックしてくれると信じてテントを張り、おやすみなさい。

 

Day4 五竜山荘ー唐松岳頂上宿舎

10:00五竜山荘
12:30唐松岳頂上宿舎
前日は台風のためテント場で停滞であり、本日は天気が回復してくるということで様子を見ながら出発することにした。昨日は暇すぎてどうにかなりそうだったので短い距離といえども歩けるのはうれしい。テントを出ると靄が少し薄くなり、三日目にして初めてこのテント場からの景色が見れた。出発してわずか2時間半で唐松山荘頂上宿舎に到着。天気がよくなってきたのにこれしか進めないのはむなしいが、次の不帰はプチ難所であリ、時間を考えてここで泊まることにした。

Day5 唐松岳頂上山荘〜白馬岳頂上宿舎
0440唐松岳頂上山荘
0700不帰キレット

0930天狗山荘

1050白馬鑓ヶ岳
1250白馬岳頂上宿舎
朝テントを出ると久しぶりに晴れていて景色がよかった。唐松岳の山頂からは不帰という難所だが鎖があるため問題なく通過できた。天狗の大下りを登り、天狗山荘を超え、白馬鑓ヶ岳と杓子岳をトラバースして白馬岳がみえたところで頂上宿舎に着く。




Day6 白馬岳頂上山荘〜栂海山荘
0320白馬岳頂上宿舎
0350白馬岳
0605雪倉岳
1000朝日岳
1250黒岩平
1655栂海山荘


体力度で見ると縦走の核心日であった。真っ暗な中を白馬岳に向けて登ると、西側に眩しい街明かりとそれに縁取られた富山湾が見えた。遂に縦走のゴールである日本海が見えて感動した。

白馬岳より先は静かな山域となり、なだらかに連なる山々と、その間に点在する池を眺めながら歩いた。この先は電波が届かなさそうだったので、朝日岳山頂で親不知の日帰り温泉と送迎車を電話予約した。実際には1時間に1回くらいは電波が入った。黒岩平を流れる沢が最後の給水地であり、各々5L前後の水を背負ってトレーニングした。体調不良者が出てペースが一気に落ちたけど、何とか無事に17時前に栂海山荘まで歩き終えた。犬ヶ岳の山頂直下に位置するテン場からは、今日歩いてきた長い稜線を一望することができた。濡れた靴と靴下で歩き続けた結果、足裏全体が靴擦れして痛かった。明日下山できることがほぼ確定したので余分な食材を全て調理しながら、疲弊した者が多く途中でギスギスした今日の行程を振り返った。長期山行には体力と精神力の両方が高いレベルで要求されることを学んだ。

Day7 栂海山荘〜親不知
0250栂海山荘
0445下駒ヶ岳
0610白鳥山
0845尻高山

1015入道山
1130親不知


遂に夏合宿最終日を迎えた。帰路の公共交通機関のダイヤにより12時までには親不知に下山する必要があり、昨日のペースを考慮して深夜3時には行動を開始した。標高差1,600mを下るのだが、途中には計700mほどの登り返しがある。日の出を迎えると標高が下がるにつれて気温は上昇していき、展望の少ない蒸し暑い森の中を黙々と歩いた。体調不良者がいたため登り返しで何度か足が止まり、それでもゴールを目前にしていたので気持ちは明るかった。白鳥山の頂上にある避難小屋では屋上に登ることができて、親不知の海岸を見下ろすことができた。


11時半に親不知の登山口に下山。海岸までの長い階段を降りて海水に足をつけた。温泉で1週間分の汗を流して、送迎車で親不知駅まで移動して解散した。








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【沼田が作った肉味噌とペミカンのレシピ(約9人前】

―肉味噌 9人前―
豚ひき肉 450g,生姜 2/3個,ニンニク 2片,しいたけ 5枚 (または干ししいたけ),ブナシメジ 1束,タマネギ大1個,小松菜 1束(またはほうれん草),ニンジン1/2本 

―ペミカン 9人前―
ベーコン 450 g,白菜 1/4 株,ニンニク 2片,しいたけ 5枚,ブナシメジ 1束,長ネギ 1本(またはタマネギ大1個),ニンジン 1/2本 +α,えのきだけ 2袋


            【装備】

結果的に,ガス缶の量が多かった.2日で1缶使用する計算にしていたが,実際には4日で1缶使用程度のであった.1缶/4日×日数+予備2環 という計算で充分だと思う.人数が増えても調理時間や鍋の数は格段に増えるわけではないので,必要数はあまり変わらない.食後のお湯の量は多くなるので,場合によっては1缶/3日としてもよいだろう.

アルパインの時,ヌンチャクは2個で充分.ヌンチャクは荷物のセルフや0ピン目として使用し,登攀中のプロテクションには基本的にアルパインヌンチャクを使用する.ロープの流れを考えるとどうしてもヌンチャクの出番がなくなる.また,ハーケンに直接スリングを巻いたり,灌木や岩に直接スリングを通したりして中間支点とするため,スリングは多くて問題はない.

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