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2023年10月22日日曜日

20231018-1021_南アルプス深南部

20231018-1021_南アルプス深南部
メンバー:尾高(2年 L),藤澤(1年 記録)
天気:4日間ともに晴れ
Day 1
1200 寸又峡温泉
1420 千頭ダム
1520 お立ち台
 早朝に東京を出て自家用車で寸又峡温泉へ。寸又峡温泉から千頭ダムまでは林鉄跡の右岸林道を歩く。途中の吊り橋までは観光客が多くて、大型のザックにロープを外付けした我々の方が場違いだった。吊り橋を過ぎると全く人と出会わなくなり、ようやく静かな深南部の世界に入ることができた。時々現れる長い真っ暗なトンネルが少し怖い。我々以外に誰もいないであろう山域に、上流のダムから流れる防災無線が響き渡っていた。
 千頭ダムからは左岸林道に向けて尾根沿いの旧生活路を登る。人気のない静かな森の中には、綺麗な石垣が幾つも残されていて、その1箇所には割と状態の良い廃屋があった。僅か半世紀前にこんな山奥に営まれた暮らしに実感がわかず、自分が知らない時代にタイムスリップしたかのような錯覚に囚われた。
 やがて左岸林道のお立ち台に出た。驚いたことに車が3台停まっていて、どうやら左岸林道はこのお立ち台まで車両が通行できるらしい。お立ち台からは周囲の山々を見渡すことができた。街の明かりからも携帯電波からも隔てられた山奥で、AMラジオから流れる知らない放送局の知らないパーソナリティの声を聴きながら、テントを張らず外にシュラフを敷いて寝た。星の綺麗な夜だった。

Day 2
0640 お立ち台
0745 大垂沢橋
0940 小根沢橋
0950 小根沢小屋
1115 大根沢小屋
1220 大根沢橋
1420 三昇の滝
1520 釜ノ島小屋
1705 柴沢小屋
 今日は一日中左岸林道を歩く。お立ち台から柴沢小屋までのおよそ25kmは絶え間なく崩落地が現れた。結局ロープを用いたのは1箇所のみであったが、崩落箇所の半数は足を滑らせたら大怪我を避けられない危険なものであった。慎重にステップを作りながら、時にはアックスでバランスを保ってトラバースする。途中で橋梁の点検を行なっていた3人組のパーティとすれ違った。地理院地図からも消された林道で、今も設備の点検が行われているのは少し不思議な気がした。
 所々に残されたかつての林業遺構は、中に入ると日用品や掲示物が当時のままに残されていて、深南部の盛衰を肌で感じられた。
 廃道に落ちる大きな滝があって、この日は気温が高かったので貸切で滝行を楽しんだ。釜ノ島小屋の少し先に大規模な崩落地が現れた。崩落地手前で斜面を登って迂回し懸垂下降で林道に復帰。唯一ロープを使った箇所だった。やがて日没前に柴沢小屋に到着。
 年に数組しか利用していないであろう小屋は、外観こそボロボロであるが中は綺麗に使われていた。川に水を汲みに行くと、大きな魚が数匹泳いでいた。外で焚き火をしながら自炊をして、快適な寝床に就いた。

Day 3
0650 柴沢小屋
0930 合地山
1250 諸沢山
1500 日向沢林道
1610 千頭ダムへの分岐で幕営
 柴沢小屋の前から取り付く。最初は急登であったが、尾根に合流してからは緩やかな苔むす森を歩いた。最後の方は倒木が多くて歩きにくかったけど、2時間半ほどで合地山のピークに到着。眺望はイマイチだったけど人気のない山頂というのが新鮮で良かった。そこからは諸沢山を経由して日向沢林道に降りる。途中で一度寸又峡温泉振りに電波が入った。日向沢林道も危険な崩落地が多く、最後の最後まで緊張する山行だった。千頭ダムへの分岐にてテントを張って就寝。

Day 4
0700 幕営地
0920 寸又峡温泉
 1日目に通ったルートで千頭ダムに降り、右岸林道を経由して寸又峡温泉に下山。温泉に入ってさわやかハンバーグを食べて帰った。深南部の良さを満喫できた良い山行だった。来年以降も深南部に通いたい。

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