20260804-19_夏合宿2026
8/4 入山
メンバー:河本(4・L)、落合(3・記録)、井上(2)、大西(1)、岸田(1)、木村(1)、山田(1)
天気:晴れ
0915 室堂
1005 雷鳥沢
1155-1215 別山乗越
1315 剣沢
16日間の夏山は今年も剱スタートである。とはいえ、落合と井上は何日か前乗りして三の窓で惰眠を貪っていたため、ちょっと浮いていたような気もする。3回目ともなると室堂で写真撮るあたりから1年の節目を感じる有様、多分良いことではないんだろうけど結構心がTUSACに侵食されている。
雷鳥沢に向けて歩き始めると、1年生フレッシュマンたちは元気だなぁとか思いながら自分は歩いていたが、雷鳥沢を過ぎて上りになると撃沈していたのでしめしめドンマイという感じ。
で、テキトーに登り散らかして別山乗越に着いたら今年もよろしくお願いしますよと剱岳を拝む
で、テキトーに下り散らかしたら剣沢のテント場。V4外張りの張り綱がなかったので皆でV4をロープで一巻きした。夕飯のペミカンカレーきのこしかなかった。
落合の誕生日祝いに井上が良さげなお菓子くれた。みんなに祝ってもらってめちゃくちゃ嬉しい。
8/5 雪上訓練
メンバー:河本(4・L)、落合(3・記録)、井上(2)、大西(1)、岸田(1)、木村(1)、山田(1)
天気:晴れ
0530 剣沢
0730 長次郎12峰間ルンゼあたりで乗り移りを確認して引き返す
0900 真砂沢
1430 剣沢
朝の出発までに時間がかかったのでまぁ明日以降気をつけようと伝えてから出発する。
今年の雪渓はここ数年と比べると大分生きていた。長次郎出合いまでは最後の5分くらい右岸の夏道に入る程度で、そこから下はずっと左岸の夏道。
真砂沢まで降りる前に長次郎谷の偵察に入る。5-6のコルまでは行かなかったが、雪渓が一旦切れる辺りに雪渓の上にまあ動かないだろうという木が落ちていたのでそこに支点をとってロープ付けて雪渓から右岸に乗り移ることも考えたが、そこより下流100 m くらい降ったところからだと簡単かつ安全に乗り移れそうだったのでそこから右岸に乗り移ってみて長次郎の偵察終了とした。
山田が高山病だったので、河本と山田は長次郎谷の偵察後、スタカットの復習しつつ剣沢に戻って行った。
残りのメンバーは真砂沢に降りて日向ぼっこしてボルダーして来た道を引き返した。剣沢の途中で1年生がスタカットしながら帰ったが、色々出来ていなかった&地雷を踏んでいたので落合、井上からフィードバックを与えていた時間がスタカットしていた時間と同じくらいだった気もする。
この日の晩御飯はパスタ。ボロネーゼがペペロンチーノに比べて圧倒的人気。ペペロンチーノだって美味しいんだから、河本さんはペペロンチーノ食べてマッズとか言わないでほしい、本当に。縦走中に分かったが、ペペロンチーノでイワナをムニエルにすると超美味しい。
8/6 源治郎尾根主稜
メンバー:河本(4・L)、井上(2)、木村(1・記録)、山田(1)
天気:晴れ
0430 剱沢
0520 取り付き
0840 一峰
1010 二峰
1100 劔岳
1330 剱沢
いよいよこの日から劔岳での登攀が始まると思うとワクワクの気持ちが抑えきれず、夜はあまりよく寝れなかった。取り付きからはこれぞバリエーションルートと言わんばかりの藪漕ぎから始まり、気持ちも高まる。ロープは、1つ目の小さな岩場とその先の少し大きな岩場の2箇所で出した。特に、2つ目の岩場では自分が最後に登ったのだが、中間支点を回収しずらいところまで登ってしまい、下ることもできず、回収に難航したが無事突破できた。その先も、二峰からの懸垂下降でロープがスタックしてしまうアクシデントもありながらもなんとか回収し、劔岳に登頂することができた。天候にも恵まれ非常に楽しかった。
8/6-7 北方稜線
メンバー:落合(3)、大西(1・記録)、岸田(1)
天気:2日ともに晴れ、午後から雲が増える
一日目
0410 剣沢
0530 真砂沢
0830 池の平小屋
1030 小窓
1430 三の窓
暗い中、テン泊地を出発し、剣沢の雪渓に向かう。前日に通っていたルートであったが、暗い中足元がよく見えず、先頭の先輩について行くのがやっとだった。真砂沢までペースよく進む。仙人峠へ向けて川を離れる地点の前で川沿いを岩をへつる場所があり、少しスリルを楽しめた。その後は予定より早く、池の平小屋に到着。景観が素晴らしく、いままで通った山小屋のなかで1番ここに泊まってみたいと感じた。お金を十分に稼げるようになってから、ぜひ泊まりに来たい。
小窓雪渓は安定しているようだったが、雪渓に乗る前にガレた斜面をくだる箇所で落石がかなり危ないように感じた。
雪渓の上までは岸田を待ちながら余裕をもって景色を楽しみながら進む。小窓からは2箇所ほど雪渓があり、1箇所目は30-40度程度でさほど恐怖は感じなかったが、2箇所目は非常に斜度が急でまた、夏道に復帰する地点が5mほどしたであり、雪渓上を下降する必要があることも危険そうであった。先頭を行く先輩にロープをつなぎ、1年生向けにロープを張っていただいた。2人目として、自分がフィックス通過で向かったが、雪渓に乗り移る前の岩上でスリップしてしまい、雪渓との境目で止まったが非常に危険なスリップの仕方をしてしまった。その後の岸田もアイゼンの緩みからアイゼンの付け直しに一度きた夏道側に戻ったため、2つのアクシデントでこの雪渓の通過だけで1時間近く費やしていたと思う。雪渓の危険やアイゼンでの岩場歩行の危険性について、強く認識できた。
ただ、時間は前半でうまく巻けていたため、三の窓へのガレた下りを慎重に下り、1430には無事に三の窓に到着できた。踏換点から三の窓へのくだりは翌日の池の平ガリーよりも危険らしい。三の窓は非常に電波がよく、他パーティもいなかったため、夕食後、3人とも雲によって景色が移り変わる絶景を眺めながらスマホを十分にいじったあとに就寝。私は夏合宿直後に自転車で中央アジアに行く予定があったが、行きの飛行機が欠便になっており、血眼で代替航空券の検索をしていた。
二日目
0515 三の窓
0810-0830 剱岳
1040 剣沢
池の平乗越からの登りはガバが多く登るのには苦労しないが、斜度が強くなかなかの高度感があった。落合さんが合宿前に通過していたこともあり、ルーファイをスムーズに進めてくださったが1年2人のペースが上がらず、北方稜線通過には時間を要した。この日はよく晴れ、北方稜線上から常に八ツ峰や源次郎の絶景が拝めた。剱岳山頂はちょうど人が多い時間にあたったらしく、下りのカニのヨコバイ周辺ではそれなりに待ち時間が発生した。
北方稜線全体として、北アルプス主要峰に登ること自体、私は今回が初めてだったが、絶景が拝めるとともに様々な経験を積むことができ、本当にTusacに入ってよかったと夏合宿始めから感じた。
8/7 八ツ峰上半
メンバー:河本(4)、井上(3)、木村(1)、山田(1・記録)
3時出発を目標に起床。晴れた夜空には満天の星が広がり、出発前に井上さんからさそり座などの星座を教えてもらった。プラネタリウム以外の場で本格的な星空を見るのは初めてで非常に感動的だった。写真にもきれいに残せればいいのにと思うが、あいにく私にはそこまでの撮影技術がない。
八ツ峰は前日の源次郎と比較すると、特にロープを出していない部分がかなり怖かった。八ツ峰で懸垂下降点が何度もあったため、懸垂下降をスムーズにできるようになったと感じた。7-8峰のコルから8峰への登りルートが分からず長次郎谷側へ迂回したところ、そのまま池ノ谷乗越に出てしまった。そこからロープを出して8峰を登ることになり、山頂からの景色はとても綺麗だった。
8/8 入山
メンバー:鈴木(3・記録)、孫(2)
鈴木は3年連続授業があって後発隊としての入山となってしまった。本来であれば8/7入山だったのだが、これまた天気が悪そうだということで1日遅れの入山となり、当初計画されていた登攀計画はおじゃん。今年もついにチンネに行く機会を逃してしまったのだった。孫さんは何気に今回が初めての合宿、だったが結局4日で下山したので「合宿」なのか。。
7:30の始発便は切符が売り切れとのことで、8:00の当日券を買って扇沢から室堂にアクセス。後発隊は先発隊と違って人数も少ないので、今年も写真を撮ることはなく出発。天気予報では昼過ぎには雨が降るはずだったが、意外にも持ちこたえる。しかしテント場に着く直前にいきなり降り出した。あと5分早く着いていれば、、というところだったが、その後晴れたので荷物を乾かすことができた。この日、先発隊は停滞で、夕食は孫さんが初めて作ってきたペミカンを食べた。とても美味しかったが、(河本さんが嫌いな)キノコ入りだった。
8/9別山中央稜
メンバー:鈴木(3)、孫(2)、岸田(1、記録)
8月9日は9人全員が揃って初めての活動となった。私たちは3人ずつ、計3パーティーに分割して別山右岸稜と中央稜の登攀を行い、右岸稜を2パーティー、中央稜を1パーティーで登ることになった。
私のパーティーは私と鈴木さんと孫さんの3人で、孫さんがリードを担当した。中央稜の難易度は高くなかったものの、久しぶりの外岩クライミングはフォールの危険と隣り合わせの緊張感やトップアウトした際の達成感が感じられて、ジムでのクライミングとはまた違った楽しさを感じられた。個人的にはまた登りたいと思えるほどの岩場でもなかったのでクラックもある右岸稜をお勧めしておく。
8/9 別山右岩稜
メンバー:落合(3)、木村(1・記録)、山田(1)
取り付きに着くなり、なにか様子がおかしい。落合さんがクラックに突っ込んでいるのである。クラックを登ったこともなく登り方も教えて貰っていない私と山田は「どうやって登るんあれ」と顔を見合わせ下に取り残された。幸い後から来た井上さんにハンドジャムやらフットジャムなどを教えて貰いながら何とか登ることができたが、それでも初めてのクラックには2人ともだいぶ苦戦し、しばらくクラックに張り付いていた時間があったことは内緒である。2ピッチ目はすんなりと登れたが、3ピッチ目にまたクラックが出てきた。しかし2人とも1ピッチ目でだいぶ慣れており、さっきほど詰まることなく登ることができた。そのあとのピッチは難なく通過し、最終ピッチ前で鈴木さんたちと合流して、右岩稜は終了。クラックを体験できて良かったです。またクラックのぼりたい。
メンバー:河本(4・記録)、井上(2)、大西(1)
河本・井上・大西隊は落合たちの後に取付いた。一ピッチ目はクラックを登りたいと言うことで井上がリード。大きなクラックを私はレイバックを使って登った。3ピッチから私がリード。クラックの多数入ったフェースを登るとあとはリッジを歩くだけ。そこから先はロープを出さずに進むことができた。久しぶりのマルチピッチということで、ロープ裁きの手際の悪さが目立ってしまったのが反省点。
8/10, 11 北方稜線
メンバー:井上(2・L・記録)、木村(1)、山田(1)
天気:両日共に晴れ
日程の変更があったため、河本さんの参加がなくなり、井上、木村、山田の三人で北方稜線に向かった。自分一人で、後輩を連れて歩くのは、初めてだったので、良い経験になったと思う。
朝は、八つ峰隊とほぼ一緒に出発したが、岸田の体調不良があったみたいで、途中から後ろの姿が見えなくなった。どれだけ時間が経っても見えなかったため、結構心配した。
その後は、池の平小屋までの登りでは、山田がきつそうだったが、順調に進んだ。去年は行けなかった仙人池ヒュッテに寄り道したところ、逆さ剱がかなり綺麗だった。小窓雪渓は、右側に割れているところがあったのみで、安定していたと思う。雪渓の下の方にある滝は、どうみても登れなさそうだったが、将来、登ることができるのだろうか、。当日は、山の日の前日であったが、三の窓に着いてみても、自分達以外の人間はおらず、次の日の朝まで貸し切りだった。最高だぜ。
時間に余裕はあったが、山の日で剱岳が混むことが予想されたため、早めに出発した。池の谷ガリーでは、1年生が意外と冷静だったので、びっくりした。去年の俺は、落石が怖くてしょうがなかった記憶がある。池の谷乗越からは、今年n度目の道を歩き、完璧に記憶をしていたので、58分の好タイムを出すことができた。剱岳からは、普通に下りましたとさ。
8/10 6峰A/Cフェース
メンバー:鈴木(3)、孫(2・記録)、大西(1)
長次郎谷では自分が先頭を歩く予定だったが、荷物が多くザックが重かったため、雪渓上でペースが落ちる場面があった。休憩時にも荷物整理に時間を使い、再出発が遅れた。崩壊部では先行して偵察したが、通過状況の共有がうまくできず、判断に時間を要した。熊の岩へのアプローチでは、雪渓を回り込まずガレ場を直登した。全装で登るにはやや不安定で、雪渓側から回り込む方が良かったと思う。
Cフェースは5ピッチをリードした。残置支点をなるべく使わず、自分で支点を構築しながら登ったため、全体的に時間がかかった。終了点の選択にも時間を使い、行動時間が長くなったが、自分にとっていい練習になった。
Aフェースではルート取りが分かりにくく(どうやら正規の取り付きではないところから取りついたらしい)、リードの鈴木が途中で本来のラインから外れて、左側の終了点らしき支点を目指して進んだが、途中から難しくなったため引き返し、正規ルートに戻って登攀した。
今回の山行では、荷物の量、雪渓での行動速度、アプローチのルート選択、支点構築とルートファインディングに時間がかかった。
8/11 八ツ峰上半
メンバー:鈴木(3・L・記録)、孫(2)、大西(1)
4:30過ぎに熊の岩を発ち、Aフェースの取付き経由でⅤ・Ⅵのコルへ。一昨年は取付きが一番ヒヤリとした記憶があったが、今回はそんなこともなく(違うルートを取りました)、ロープもしばらく出すことなく進む。Dフェースの頭からコルへはクライムダウンで下り、登り返してⅥ峰頂上へ。結局、ロープはⅥ・Ⅶのコル、Ⅶ・Ⅷのコル、Ⅷ峰、Ⅷ峰〜バッタンのコル、八ツ峰の頭、八ツ峰の頭〜池ノ谷乗越の登降時のみ使用した(記憶が正しければ)。慣れていれば、Ⅷ峰〜バッタンのコル以外は出さなくても良さそう。バッタンのコルへの下降時、八ツ峰の頭をどこから登るか(一昨年は変なところから登ったような登ってないような)で迷ってしまい、時間をかけてしまったが、素直にコルに降りて長次郎谷側のガリーを登れたので素早く判断できれば良かったと反省。池ノ谷乗越から剱岳は、北方稜線組が58分を自慢していたが、我々も1時間で着いた(正確な分数は気にしていなかったのでもしかしたら58分より早いかも??)。その後、剱沢に着いてさぁ一休みと思ったが、雷鳥沢に下るということですぐに荷物をまとめて剱沢を出ることになった。孫さんはそれまでからは考えられないスピードで荷支度をし、木村と一緒にその日のうちに帰ってしまった(後で聞いたところ、井上をシェルパにしたそうです)。
8/11南壁A2
メンバー:落合(3・L・記録)、岸田(1)
取り付きまでの平蔵谷は雪渓の間を縫えば雪に乗らずに取り付けた。
連休で混雑が予想されたので、とりあえず渋滞を引き起こす覚悟を決めて1番に取り付いたら、案の定後ろから後続がやってきた。とりあえず渋滞を起こしてヘイトを買わないように、落石を落とさないようにしながら走って登ったら後続が視界から消えてしまい、岸田と後ろの人たち遅いねぇとか言っていた。ルート自体は終始ほぼ歩きだが、リードは中間支点をうまくとらないとロープが岩に引っかかって重くなるような感じのルートだと思う。岩が脆い箇所もあり、ロープの引っかかりが原因で落石を落としたりしたら結構危ないので、今後行く方はそこの注意はしっかりしてほしい。
8/12 停滞
メンバー:落合(3・L・記録)、井上(2)、大西(1)、岸田(1)、山田(1)
天気:雨のち晴れ
夜中に台風が通過したこともあり、明け方まで暴風雨が続いた。全然動けないとかいうレベルではないが、日程もカツカツではなかったので、この日は8時くらいまでに風雨がおさまれば五色ヶ原に行き、そうでなければ停滞することにする。しかし、8時より前にビリビリに破けたカミナドームの修理を始めてしまったので、8時くらいにはすでに天気も良くなっていたが停滞することにした。当てジップロックを思いついた井上さん、キャッ!素敵。
10時くらいにテントの修復を終えて疲れたのでフルーツ缶みたいなのを食べた後、1年生にロクスノのビックウォールの記事を読ませてイズムを叩き込んだ。
8/13 雷鳥沢〜五色ヶ原
メンバー:落合(3・L)、鈴木(3)、井上(2)、岸田(1)、山田(1)、大西(1・記録)
この日はまず、雷鳥沢で水を汲み、浄土山へ登った。
どこまで進むかについては景色が綺麗な五色ヶ原と天気がいい今日で距離を稼ぐスゴ乗越で意見が割れていたが、途中で多数決によりスゴ乗越に向かう選択肢に傾いていた。
ただ、浄土山からい続くいくつかのピークをくだるなかで私の膝に痛みがでるようになり、それが決めてとなり、結局五色ヶ原までとなった。途中、テーピングを巻くとともに落合さんから膝のゴムサポーターを貸していただき、少し痛みがましになり、その後下山までの3日間なんとか耐えることができた。五色ヶ原はとてもいい場所ではあったが、微妙に曇っており、膝が痛かったため心象風景としてあまりよくない。また天気も体調も調子のいいときに再訪したいと思った。テン場到着時間は早かったが、翌日の長丁場に備えて早めに夕食をとり就寝した。
8/14 五色ヶ原〜薬師峠
メンバー:落合(3・L)、鈴木(3)、井上(2)、岸田(1)、山田(1)、大西(1・記録)
この日はまだ暗いうちから出発し、しばらく暗闇の中を進んだ。非常に早い時間ではあったが日の出前からお盆であるため、それなりの数のパーティとすれ違ったと記憶している。少し雲はでていたが、日の出がとても美しかった。自転車でもそうだが、日の出前後の景色はとても印象的で1泊以上の登山や自転車ツアーのほかに代え難い醍醐味であると感じる。
また、この日の1番の見どころである薬師岳は距離が長いにもかかわらず、景色の移り変わりが素晴らしく飽きがこない名峰であった。山頂付近からスキーでの滑走ができるらしい。いつかやってみたいと思った。
薬師峠への下りでは予報通り今合宿で初めてしっかりと雨に降られたがキャンプ場まで残り少しだったので装備、服への浸水は軽微だった。
薬師峠は前年に熊の子供の襲撃に遭遇して太郎平のキャンプ場に避難した話を以前にきいていたが、なんと高規格の電気柵、食糧庫完備のキャンプ場と進化していた。料金は周辺と同じ1人あたり2000円であったが、ここまで設備投資を行なった上で同じ価格なのは良心的であると感じた。ただ、平地が少なく奥の方の電気柵ぎりぎりの場所にテントをはる。
8/15 薬師沢左俣
メンバー:落合(3・L)、鈴木(3)、井上(2・記録)、岸田(1)、山田(1)
天気:晴れ
朝は、日の出入渓を目指して、太郎平小屋から薬師沢小屋までの道を駆け下った。熊が怖かったので、先頭の井上が一生、爆音アカペラカラオケをしていた。後輩からしたら、いい迷惑だっただろう。
三つ目の渡渉点から、薬師沢に入渓した。最初は、北アルプス特有の沢の景色を見ながら、ガンガン進んだ。歩きながら、魚影を探して、目を光らせていたところ、かなりの数の魚が観察できた。とはいえ、自分の魚探索能力がズバ抜けていたのか、他のメンバーには、全然魚が見えていないようだった。
中盤の連瀑帯では、滝の登攀ルートを一つ一つ精査しながら、進んだ。1年生がいるので、当然、保守的な態度で、いくつも滝を捲いた。どの滝も楽しい登攀ができそうなものだったので、後日訪れて、制覇したいと思った。
連瀑帯を抜けると、広い河原歩きが始まった。この時点で、ある程度晴れており、歩きながら服が乾く核心を得られたので、釜に飛び込みまくった。落合さんと自分ばっかり飛び込んで、他のメンバーは、飛び込んでいなかったが、もったいないなぁと思った。自分が上半身裸で飛び込んでいたせいで、委縮させてしまっていたら、申し訳ない。少しすすむと、良い感じの浅さの所で、井上が大きな魚影を発見した。魚捕獲タイムのはじまりである。そこからは、始めたからには、捕まえるまで止まれないといった様相で、40分後に、落合さんが岩の下の魚を手で握りしめて、捕獲するまで戦いは続いた。この合宿で、メンバーが一番、一致団結したタイミングは、ここだったと思う。捕まえた魚は、余っていたペペロンチーノの汁で煮て食べた。美味しかった。魚取りが終わった後は、すぐに沢が終了し、北の俣岳まで、斜面を詰めて、そのまま薬師峠に帰った。去年の赤木沢と違って、花畑のような詰めだったので、楽々だった。
8/16
メンバー:落合(3・L)、鈴木(3)、井上(2)、岸田(1・記録)、山田(1)
薬師沢左俣で楽しくリフレッシュできた後だったのでこの日は飛翔に元気に登ることができた。元気といっても黒部五郎の肩までの登りなどは流石にしんどさはあったが、前を歩いている山田が体調不良でもっとつらそうに歩いていたので耐えることができた。しんどい時に自分よりもしんどそうな人を見ると頑張れる気がする。ありがとう。
黒部五郎の肩から山頂までデポした後に一瞬走ってみたがほんの数秒で息切れし始めてしまった。私の心肺機能はまだまだ弱いようだった。
未明から活動する縦走は稜線上で夜明けを迎えることも多く、オレンジ色に染まっていく雲と遠くの山のシルエットが見える美しい景色が見られることは山に登っている人間の特権と言う感じがして喜びが感じられた。
三俣山荘はなんと小屋の綺麗なトイレと洗面所が使えるという素晴らしい小屋だった。トイレの清潔さはかなりモチベーションの維持に役立ってくれる気がする。
8/17 休養日・水晶岳ピストン
メンバー:落合(3)、鈴木(3)、井上(2)、岸田(1)、山田(1・記録)
休養日ということで、自然に湧き出ている高天原温泉に向かって出発した。
朝食に食べたチラシ寿司は米に火が通り切っておらず芯が残っていたのだが、それが原因で山田と井上さんの体調が悪くなってしまった。食中毒による体調不良っぽく、水晶岳で全員で引き返すことになった。道中はクイズをしながら戻ったが、出題内容も答えも私には全く理解できないものばかり。やはり過酷な受験戦争を乗り越えてきた人達は違う。
時間が余ったのでクイズやババ抜き、インディアンポーカーで時間をつぶした。インディアンポーカーは誰も信用できない心理戦で楽しく、なかでも岸田の信用ならなさは異常だった。
8/18
メンバー:落合(3・L)、鈴木(3)、井上(2)、岸田(1・記録)、山田(1)
2時に起きた段階でカミナ組の体調が依然としてすぐれない様子だったので槍沢ロッヂまでの行程を双六小屋までに変更、5時に再度起きることとなった。久しぶりの5時起きは外も明るくなっていて昼に起きたのかと思うぐらいよく眠れた感覚があった。
おそらく食中毒になっているはずの落合さんと井上さんが歩行中にそんな様子をほとんど見せないので「タフだなぁ」と改めて感じさせられた。山田は高山病になったり食中毒になったり忙しくて大変そうだなと私ははたから見て思っていた。
とても短い行程だったので疲労もなく早い時間にテント場に到着した。しかし、カミナ組の体調不良もあって休養日のようにトランプもできなかったので私はほとんどの時間本を読んでいた。合宿中に読んでいた「羊をめぐる冒険」を丁度よく読み切ることができた。この日はテントごとに夕食を作ることにしたので鈴木さんと二人で蕎麦を作ったが麺系の飯の中では合宿中で一番上手く作れた気がする。そばは自分のコッヘルに取った後、冷たい水を入れて混ぜると多少ぬめりがとれて美味しく食べられた。
明日で合宿が終わってしまうのかという寂しさと約二週間あっという間だったなと言う感覚、そして明日歩く長い長い林道に対する憂鬱な気持ちを胸に眠りについた。
8/19
メンバー:落合(3・L)、鈴木(3・記録)、井上(2)、岸田(1)、山田(1)
それぞれが絶対に今日上高地に下山するぞという意気込みを持って出発。カミナ組の3人は相変わらず体調が優れないよう。しかしさすがは上級生、落合・井上はそんなそぶりも見せない。むしろ元気、いや喜んでいるように見えるのは気のせいか。槍ヶ岳までの道では、高校生や大学生の数パーティーとすれ違う。槍ヶ岳山頂には人らしき影の密集具合が確認でき、初めての槍ヶ岳だという岸田は少し引いていた。井上は縁起でもないことを言っていたが、体調が悪いからだろうと見逃す。かくいう我々もご多分に漏れず山頂に登り、記念写真と撮ってから下山した。
槍沢ルートは長く、まさに下山が核心。暇つぶしに全員で生物しりとりを始めたが、暑さと長い下り、カミナ組は元々の体調不良もあって早々に終了。元々生物の知識が乏しいらいし山田はより頭が痛くなったらしい。一応、優勝は岸田ということになった。途中、早稲田実業の生徒らとすれ違い、顧問がTUSAC OBということを落合が覚えており、御本人がいらっしゃったので軽くであったがご挨拶させていただいた。横尾に到着すると観光客も多く、下界に戻ってきたという感じがする。横尾から上高地までも長いので、ひとまず大人数で騒いでいたサークルの集団よりは早く着こうと決め、歩き続ける。早々に抜かしてそんなことも忘れた頃に上高地に到着。バス停前のベンチで記念写真を撮り、在京に下山連絡を入れる。ここで1年生とはお別れ。1年生2人は松本駅で温泉に入って帰るらしい。上高地から松本までのバス車内で異臭騒ぎにならないことを祈りながら、2人を見送る。上級生3人は、うち2人は槍ヶ岳西陵・滝谷登攀、残り1人は21日から乗鞍寮に寮委員として派遣される都合で徳本峠のクラシックルートを歩いて新島々駅までという予定だったので、小梨平キャンプ場で一泊。夕方から雨予報であったが、結局ほとんど降らなかった。パーティーの半分以上が体調不良という状況に陥いることもあった合宿でしたが、上高地まで歩き続けることができたのは、それぞれの力はもちろん、パーティーとして明るく前向きな雰囲気を保てていたことが大きいと思います。特に1年生2人は、登攀パートを含め16日間、よく頑張りました!!
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