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2021年9月13日月曜日

20210913-0914_谷川岳一ノ倉沢中央稜、南稜

9/13 谷川岳一ノ倉沢烏帽子岩南稜
5:15:谷川岳登山指導センター
5:45:一ノ倉沢の出合い
6:25:出発
7:25:テールリッジ基部
8:20:衝立岩中央稜取り付き
8:30:南稜テラス
9:15:南稜登攀開始(60mロープで4P)
11:30:トップアウト
11:55:6ルンゼの懸垂開始
13:50:南稜テラス
14:20:中央稜取り付き
16:05:テールリッジ基部
16:25:一ノ倉沢の出合い

9/14 衝立岩中央稜
4:35:一ノ倉沢の出合い
5:25:テールリッジ基部
6:10:中央稜取り付き
6:35:中央稜登攀開始(4P)
9:00:4Pで登攀終了(核心ピッチまで)
10:20:中央稜取り付き
11:40:テールリッジ基部
12:00:一ノ倉沢の出合い

アプローチ
 一ノ倉沢の出合いのバス停から中央稜取りつきまでは慣れれば1時間30分でアプローチすることができる。序盤は右岸の草が生い茂っているところをテープを頼りに詰めていくが間違った踏み跡がかなり明瞭であるためしっかりと赤テープを確認する必要がある。秋はヒョングリの滝を懸垂する必要があるが懸垂支点はかなり強固であった。テールリッジはロープが張ってあり登るときに状態を確認しておけば帰りも安全だろう。スラブを登る箇所では5mごとに支点が構築されておりリードをしたり、捨て縄を使った懸垂下降などを行ったりすることができる。

南稜登攀内容
 60mのダブルロープを用いて登攀したため、トポ上の2Pを繋げて1Pとすることができた。合計4Pの登攀でトップアウトした。終了点はリングボルト4つにスリングがかかっているものが多く遠くからでもすぐに見つけることができた。懸垂支点にはハンガーボルト二つで作られているものもあった。
1P(畑中リード)Ⅳ-:フェースからチムニーそしてまたフェースを上ったところで終了点。岩は安定しており登りやすい、残置ハーケン多数。
2P(新垣リード)Ⅱ:バンド状を左上したのち笹藪を漕ぐ60mちょうどで終了点に着く。
3P(畑中リード)Ⅳ-:フェースを登った後リッジへ出る。
4P(新垣リード)Ⅳ+:リッジから傾斜80°のフェースを登る。核心ではヌンチャクを固め打ちできる。
 全体的にルートはわかりやすく、直線的であったため迷ったりロープアップが重くなったりすることもなかった。懸垂は50m2回で2P目の終了点につくはずだが、我々は一つ奥のルンゼである6ルンゼ右俣を2回目の懸垂時にそのまま下降してしまい登り返す羽目になった。2回目の懸垂には注意されたい。その後は2回の懸垂で南稜テラスまで下降することができた。ルート上には灌木があるので振り分け懸垂で降りるのが賢明だろう、何度も気に引っかかり面倒だった。

中央稜登攀内容
南陵よりは浮石が多い印象だった。3P目のルンゼからリッジへ戻るところが難しかった。また、ルーファイに時間がかかってしまった。
1P(新垣リード)Ⅳ:スラブから逆層のフェースを登り、テラスまで。
2P(畑中リード)Ⅱ:リッジの奥に回り込みルンゼを詰める。
3P(新垣リード)Ⅳ:最初ルンゼからリッジへ復帰するところが難しい。凹角からフェースを登る。
4P(畑中リード)Ⅴ-;少し難しいフェースを登った後、バックアンドフットで登るチムニー、#1のカムがあると安心である。岩は比較的安定しているがリードは怖い。
同ルートを60mダブルロープを連結して4回の懸垂で下降。人がいる場合は渋滞が起こるだろうと思われる。また、落石が怖いルートである。

南稜からの帰り
 南稜テラスから中央稜取り付きまでは緊張するクライムダウンとトラバースの後60m一本で懸垂して通過した。この間山岳警備隊のヘリがずっとこちらを見ており、滑落に対するものとは別の緊張感を感じた。
 テールリッジは6つのセクションにっ分けることができると思う。標高が低い方からスラブ、草付き、スラブ、草付き、スラブ、草付きといった感じに様相が変化する。下る際は一番下のスラブで60m一本を用いた懸垂を3回行った。これはフィックスロープが信用できなかったためであり時間が経てば必要な懸垂の数も変わるだろう。アプローチ時に支点やフィックスロープの状態を確認しておく必要がある。他のセクションはフィックスロープを使用したりクライムダウンしたりすることで下降できた。最上部のスラブはフィックスロープと靴のフリクションで登る凹凸のない部分が存在するので注意が必要だ。草付きは比較的安心して下降できる。
 テールリッジを降りきった後はヒョングリの滝の高巻きのあと懸垂を行った場所を登り返す。下部にはフィックスロープが張ってあり、また上部の岩登り要素が強くなる部分の岩は安定しているためテールリッジの登下降ができるパーティであればロープを出す必要はないだろう。
 その後は右岸の巻道を進み一度沢へ降りる。この時に60m一本で懸垂を行った。
 河原を少し歩いたのち再び右岸の巻道へ戻る。赤テープが貼ってあり、踏み跡も明瞭である。5分ほどで一ノ倉沢の出合いへつながる河原に出る。

 登攀よりも懸垂下降やアプローチ、デプローチが難しくずっと気の抜けない状況が続く山行だった。南稜、中央稜から一ノ倉の出会いの道路が見えていることで安心感を得ることができた。衝立岩の威圧感は凄まじく、高曇りで上部が霧に包まれた衝立岩をビレイステーションから見上げると悪寒が走った。畑中さんにリードされる山行だったが今度は自分が後輩を連れて行きたいと思う。日本三大岩場制覇まであと、穂高を残すのみである。






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