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2015年9月7日月曜日

2015.09.03-07 秋山合宿 雲ノ平-裏銀座縦走

2015年度 秋山合宿(北アルプス 雲ノ平-裏銀座縦走)

記録 池田航

参加者 4年:金山 1年:池田

93日 曇りのち霧、時々雨
10:09折立-13:20太郎平-13:35薬師峠キャンプ場
94日 曇り時々雨および霧
06:20薬師峠キャンプ場-06;43太郎平-08:00北ノ俣岳-10:46黒部五郎岳-(稜線ルート経由)-12:27黒部五郎キャンプ場
95日 晴れ             
05:27黒部五郎キャンプ場-07:03三俣蓮華岳-08:20三俣山荘-09:05鷲羽岳-10:00北ワリモ分岐-10:47祖父岳-11:35雲ノ平キャンプ場
96日 曇りのち風雨
05:02雲ノ平キャンプ場-06:30高天原峠-08:50高天原山荘-09:02高天原温泉09:45-10:00高天原山荘-10:55高天原峠-11:55雲ノ平山荘
97日 曇り時々雨
04:26雲ノ平キャンプ場-04:59祖父岳分岐-05:46黒部川源流-06:20三俣山荘

記録詳細
1日目
 富山駅に集合し、8:40に予約していた大和タクシーで折立に向かった。8月を過ぎると、折立へはバス便が平日以外なくなりタクシーしかなくなるので、その分高くついてしまうのは今後の注意事項である。折立から太郎平への登りは5時間ほどのコースタイムであり長く思えるが、はじめの樹林帯の2時間ほどの急登のあと、辺りが開けるとそこからは眺めのよくなだらかな、心地よい登りとなる。上部では特に木道がきちっと整備されているため歩きやすい。その他の道も岩が敷き詰められており、道迷いの心配もない。折立になかった登山届けポストは代わりに太郎平にある太郎平小屋で引き受けている。太郎平小屋で幕営の手続きをした後15分ほど歩いた薬師沢キャンプ場でテントを張ってしばらくすると小雨が降り始めた。薬師沢キャンプ場はテン場内にハイマツがいくらか固まっており、風向を考えてそのハイマツの風影にテントを張るのが効果的だ。(ちなみに、幕営時は薬師沢から吹き上げる風が強かった。) (薬師沢キャンプ場700\/人泊)
2日目
 夜も降り続いていた雨は止み、テントを撤収しているときは晴れ間も見えた。太郎平からはその日の縦走路である太郎平~北ノ俣岳の稜線も垣間見えたが、黒部五郎岳の山頂は雲に包まれていた。歩いていくうちに雲はどんどん下がっていき、途中で飲まれてしまった。道は最初1時間ほどが木道主体で歩きやすいが、北ノ俣岳の登りの途中から木道は無くなり、普通の道が始まる。前夜の雨の影響で水没している部分が多くあり、水と泥に難儀した。北ノ俣岳を過ぎると雨と日本海側からの風が強まり、一気に体感温度が下がった。濃霧のため黒部五郎岳から黒部五郎小舎へ向かうカールルートはルートロストの危険があると判断し、稜線ルートを選択した。稜線ルートには細かくペンキ印が頻繁にあり迷うことは無い。上部は簡単な岩稜歩きとなっていたが、岩が濡れているとかなり滑りやすいのでこれから行く際は注意が必要だ。下部に近づくにつれ機が多い茂り、カールルートに比べマイナーなためか整備が悪くなってくる。泥濘が多くあり、あまり快適な道とはいえなかった。到着した黒部五郎小舎のキャンプ場も薬師峠キャンプ場と同様にコルにあるので水が集まりやすい。特に雨の後は、砂地状のテン場の上に水の流れた跡があるため、それらを見極めた上でテントを設営するのがいいと思われる。(黒部五郎キャンプ場 1000\/人泊)
3日目
 この日は合宿で唯一晴れた日であった。三俣蓮華岳への登りは巻き道を通らずに稜線ルートを選択したが、ルートも明瞭で気持ちよい稜線歩きであった。三俣山荘から鷲羽岳の上りは長く見え、コースタイムも1時間半であったが、体感ではあまり長くなく45分ほどである。ワリモ岳山頂直下は岩が大きく張り出していて、トラバースする形となるが、ワリモ岳から鷲羽岳のほうに向かおうとすると(つまり今回の行程を逆走する形を取ったとすれば)ルートが少し分かりにくくなっているので気をつけたい。北ワリモ分岐を過ぎ祖父岳ののぼりにかかるとハイマツ帯の登りとなるが、所々ハイマツの自然な切れ目が道に見えて本当の道とどちらなのか悩むところがあった。また、祖父岳山頂からその下にかけて大きな岩が並ぶ道となるが、ただ広く開けた場所なので濃霧時などかなり迷いやすいと思う。ペンキの印がかなりしっかりついているので見逃さないよう注意が必要だ。雲ノ平のキャンプ場が見下ろせる木道に着くとそこからキャンプ場に真っ直ぐ降りる道が見えるが、当時閉鎖されていて北側を大きく迂回する道を歩くこととなる。そのため予想より幕営地に着く時間が30分ほど長くかかった。到着が11時過ぎで、急げば翌日の行程であるはずの高天原温泉往復(6時間)も不可能ではなかったが、幕営をすれば出発が12時ほどとなり、帰幕が日没近くになってしまうこと・連日の大雨で道がぬかるんでいること・高天原温泉間までの道がマイナールートであることを理由にその日中の温泉は止めという判断を下し、雲ノ平でゆっくりしてその日は過ごした。(雲ノ平キャンプ場 1000\/人泊)
4日目
 予定通り高天原温泉まで雲ノ平から往復した。テントは雲ノ平キャンプ場に張ったまま、風呂用具とビバークセット等必要最低限のもののみ持って、それ以外はテントにデポ。その日は午後から雨という予報があったので午前中の帰幕を目指し、朝は早めに出発をした。しかしテントを出発した直後から雨が降り出しその後も実際は断続的に雨が降っていた。あまり強い雨ではなかったため行程は続行をしたものの、大きな岩が並ぶ道はかなり滑って苦労した。途中雨量計があり、そこを過ぎると奥スイス庭園というものがある。その奥しばらく行ったところからいきなり樹林帯に変わり急な下りが始まる。樹林帯はあまり整備されていなく、ぬかるんでいるところや滑りやすい所等かなりあるので注意を怠ることは出来なかった。樹林帯の中時々平らな所が出現し、高天原峠のように思ってしまうが、騙されてはいけない。丁度長い梯子が3つ連続するところがあり、そこが大体中間地点である。ほぼコースタイム通りで高天原峠に着くとそこから高天原山荘までの道は少しマシになる。下部に岩苔小谷の沢があり、そこを越える橋が、山と高原地図では丸太橋と紹介されているが、実際はしっかりとした橋なので心配は要らない。高天原山荘を通り過ぎ、高天原温泉に着くころには雨も止んでいた。温泉で一時間ほどゆっくりした後は一旦高天原山荘によって入浴料(一人300)を払い雲ノ平まで上り返した。思ったよりも時間はかからなかった。雲ノ平山荘についてテント代の支払いを済まし、ゆっくりしていると次第に雨が強くなっていき、帰幕したころには風まで出てきてしまった。その日は夜通し風雨が強く眠れない夜を過ごすこととなる。
5日目
 先日から続く風雨は収まったが、雨のためにテントの横に川が出来ていた。そのためテントも一部が浸水してしまった。先日の夜の話し合いでこの日に新穂高温泉にエスケープをすることを決めていたので起床もそれに応じて3時と早く設定したのである。撤退の理由としてはまず、台風のため910日に鷲羽岳~裏銀座にかけて雨に加え風速20m/sほどの予報が出ていること、そしてそのころ烏帽子岳~針ノ木岳にかけてのやせ尾根の岩場を通る予定であること、裏銀座からのエスケープルートが大雨の時危険を伴うこと(烏帽子小屋から高瀬ダムのルートは最後が谷に合流し増水注意と指示、針ノ木小屋から針ノ木雪渓も気温が低いときに雪渓が凍って雨が降ると滑落の危険大、船窪小屋から奥黒部ヒュッテも針ノ木沢の渡渉があり増水時危険)、予備日が1日しかないことなどから、計画の続行は危険と判断したためである。テント場を出発したときはまだ暗くヘッドランプがないと何も見えないような状況であった。ようやく明るくなってきた時は日本庭園についていた。そこを過ぎると黒部源流を目指し急な下りが始まる。所々岩が滑ったが道は明瞭だ。黒部源流は懸念していたほど増水していなく、お助けロープもあったため渡るのに苦労することは無かった。三俣山荘までの登り返しも順調でそこから双六山荘までは巻き道を通った。これはまず時間最優先で行動していたためだ。途中雷鳥の群れにも会いそこを過ぎた、縦走路との合流地点でようやく携帯の電波が通じたため、在京連絡人の岸OBと連絡をとることとした。そこから新穂高温泉までは鏡平経由の道である。歩きやすい道ではあったが鏡平山荘~秩父沢の間で一箇所土砂崩れの現場をトラバースするところがあった。整備していた方によると、3日前に大雨で崩落したらしい。その後もいくらか古い土砂崩れの跡があったので、大雨のあと新穂高温泉から鏡平を歩くときの懸念材料でもある。そこを過ぎるとそのまま新穂高温泉まで歩きやすい道であった。ちなみにシーズン外では新穂高温泉から松本などへの直行バスは存在せず、高山行きのバスに乗った後、平湯温泉で乗換えとなるので要注意だ。

個人反省
金山

池田
・計画立案者でありながら、計画のエスケープルートの記入に不備があった。具体的には実際新穂高温泉に下山したが、当初予定ではその可能性を考慮していなかったために、このルートを計画書に掲載していなかった。
・個人的に久しぶりの縦走であり、縦走についての感覚が思い出せた。
・テントの煙突を閉めておかなかったためテント内を濡らすなど些細なミスが多かった。

金山
・準備段階
・直接顔を合わせて計画を立てることはほとんど無かったが、装備や食料に関して特に不都合なく計画を立てることが出来たと思う。
・ただ、交通機関に関する調べが甘かった。バス利用で入山する予定であったが、9月以降は土日のみの運行であることに気付くのが遅れた(ここで余計にお金がかかったことが後々響いた)。
・共装を軽量化出来たのはよかった(特にコッヘルを削減できたのは容積的にありがたかった)
・山行中
・暫くトレーニングをサボっていたので、入山日が荷物の割にきつかった(2日目以降は問題なかったが)
・毎日お昼すぎにテント場に到着する行動が出来、時間に余裕を持って行動できたのは良かった。
・行動中の問題は特に無かったように思う。
・下山の判断は結果的に正解だと思う。雲ノ平からの下山を考えていなかったので、エスケープ先に新穂高温泉を想定していなかった。反省。
・エスケープ時に黒部の源泉に降りることに池田が逡巡したのは良い判断であった(結果的に杞憂であったが、慎重になるに超したことはない)。
・ガスを多く持って行ったので、テント内で暖を積極的に取れたのは良かった(天気の悪い日が多く、冷えた)。
・その他感想
・温泉旅行的な趣があり、楽しい山行であった。
・電波の入りづらいところを歩いたので、ラジオを携行する必要があったかもしれない。
・携行したお金がギリギリであり、タクシー利用の下山を躊躇う理由になった。安全面以外の理由で行動が制限されたのは問題であった。
・エッセンは美味しかった。(お茶漬け、チキンラーメン、パスタ)
・ペグ紛失してごめんなさい


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