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2025年1月23日木曜日

20250120-23_阿弥陀岳北稜,赤岳西壁主稜,石尊稜(八ヶ岳登攀入門)

     20250120-23_阿弥陀岳北稜,赤岳西壁主稜,石尊稜(八ヶ岳登攀入門)

メンバー:沼田(3,L,記録),落合
天気:雪 時々 晴れ
ヤマレコ (log, time stamp)

day 1 晴れ時々曇り
阿弥陀岳北稜

day 2 晴れ時々曇り
赤岳西壁主稜

day 3 曇り,強風
石尊稜


 day 1 阿弥陀岳北稜

この日は道の駅 こぶちざわ で車中泊した.2:00起床で気合を入れた早朝行動をしたが,結果的にはもっとゆっくり寝てても問題なかった.寝不足で結構疲れを感じる1日だった.
2578 m peakへのトレースはなく,ラッセル大会が始まった.「踏み跡しっかりでワカンはいらない」と車に置いてきたことを後悔.北稜は2 p (3 p?)しか出していない,登れるルート選択肢も少なく短い稜線だった.確かに初心者にはちょうどいいかも.下山は中岳沢をシリセードですいすい.途中岩が出ているところがあるので注意.

夕方・夜は寒くなかったが,朝方は寝袋に潜っても寒さを感じた.テント内結露は霜が発達しており,1年ぶりの八ヶ岳を痛感した.八ヶ岳はこうでなくちゃ.

北稜(正面)と北西稜(右)


岩場取りつき


 day 2 赤岳西壁主稜

CSの取りつきでミトンの手袋(右)を落としてしまう.見えるとこで止まったので,肩がらみビレイしてもらいながらクライムダウンで降りるが,足で落とした雪に押されてさらに下方に転がり落ちてしまった.30 mくらい下に行ってしまったので申し訳ないが残置することにした.サヨナラ手袋.夏になったら下まで落ちるかな.

6 p目くらいだったが,残置(短い方)があるルートを選んだが,なかなか辛いルートだった.アックスのフッキングが良く決まったが,乗越にいいホールドがなかったらフォールしていたかもしれん.因みにフォローの落合は落ちてた.その後はなんてことはない,快適なクライミングだった.

取りつき.CSの下はくぐれそうな積雪量


 day 3 横岳西壁石尊稜

正面凹角よりさらに右の凹角を登ったらかなり渋いことになってしまった.1 p目終了点にしたとこに生えていた立木に残置スリングがあったが,恐らく冬期は全然登られていない.スラブでアックスは決まらない.ホールド,スタンスは細かい.中間支点はしょぼく微妙なピナクルでしか取れない.おまけに岩がもろくて落石多発.取りつきからでは雪が付いていて登れると思ったが,登りながら雪をはがしたら「こんなとこ登るべきでなかった」と後悔しまくった.3 p目終了点は正規ルートに合流して,そこからハンガーが打たれている岩壁だったかな.4 p目くらいから風が強くなり始め,天気もあれそうな予感がしたので,雪稜地帯はガシガシと急いで登った.最終ピッチは壁を登ることもできそうだったが,寒くて大変なのでルンゼを詰めて省略.


手前から2つ目の葉がない木が生えてる尾根が草付きルート



2025年1月13日月曜日

20250113_雨飾山 南尾根-P2往復

    20250113_雨飾山 南尾根-P2往復

メンバー:沼田(3,L,記録),縄(OB),降矢(OB)
天気:雪 時々 晴れ
ヤマレコ

0607 現着
0706 駐車場
0914 雨飾山登山口
1336 1,753 m地点 引き返し,滑走開始
1537 雨飾山登山口
1640 駐車場

 現着は 06:10頃.駐車スペース探しに困って適地を探しているところ,山田旅館の方が出てきてくれて,情報を教えていただいた.これに手間取って出発が遅れた.

 入山前は他に自動車が6台くらいいたが,みな雨飾山には来なかった.鎌池や大渚山の方に登っていたっぽい.途中までは新しい(昨日の?)トレースがあった.最終目的地はP2 1,838 m地点だったが,深雪とシールの効きの悪さでペースが上がらず,13:30引き返し時刻として,目的地の100 mほど手前にして登り終了.下山したのは日没前だったのでP2到達は可能だったが,まぁ悪い判断ではなかっただろう.前日までは晴れ続き,当日は十数センチの積雪で,雪崩リスクは高め.実際,急斜面を登り歩いているときも表層がブロック状に崩れるような弱層が形成されていた.南尾根の滑走自体は快適で,総じて樹林の密度も高くない.1,700 mより上は広い斜面でより快適だっただろう.1,510 mへの登り返しや,そこから雨飾高原キャンプ場までの滑走は沢地形で,地形を見つつ慎重に滑走した.沢底には数メートルの穴が開いており,落下に注意.トラバースが強いられる.緩傾斜,トラバースはスノボにはきついので,途中でスキーに換装した.ただし,スプリットボードはかかとを固定する機能はないので,スキー滑走はテレマーク的な能力が求められる.つんのめるのそのままかかとが浮いて雪にダイブすることが数回...林道は長く,傾斜があまりないので割と時間がかかる.それでも道のり半分くらいは,トレースの上を滑走できるくらいで楽しかった.風が強いところは登りのトレースが消えていた.

1,510 mピークからP2方面




 林道が終わってから路上に出た後も積雪が残っていたので,駐車場まで路上スキーで移動できた.ski resort(ゲレンデ)以外の道路でスキーするのはちょっと夢だったので楽しかった.目的地には到達できなかったが,最後の最後まで滑走ができて満足のいく山行だった.荒菅沢を越えて山頂へ向かう夏道を辿り,登攀なしで雨飾山山頂に到達するルートでリベンジするのはありかもしれない.

 今回はスプリットボードでのBC skiingの初陣だった.シールをスキー用のを転用したため,板面積の3/4しか覆えず,そのせいかシールの効きが悪かった.スキーなら登れる傾斜でも,そのトレースを踏むと板がすべる.新雪なら幾分止まるが,ラッセルになるのでペースは落ちる.これは要対策だ.

2025年1月10日金曜日

20250110-11_赤岳 真教寺尾根

 202501010-11_赤岳 真教寺尾根

メンバー:河本(2L)、落合(1記録)

1/10

天気:曇

1035 清里駅

1140 羽衣池

1430 牛首山

1530 幕営地(2300m付近)

前夜清里駅ステビバがベストだったが都合により当日出発となってしまった。想定外の積雪量により時間が掛かってしまったので前夜ステビバをしなかったことが悔やまれる結果となってしまった。

快晴なのに八ヶ岳だけ雲の中で幸先が悪い

出発して1時間くらいした辺りから積雪が現れた。スキー場のリフト駅の脇を過ぎたあたりからズボズボし始めた。すぐに膝下ラッセルになったので牛首山でワカンを着けた。

牛首山の少し先でようやくお出まし

そのまま1時間くらいズボズボして幕営した。

快適なテントで河本さんから放射冷却の講義を受けた。量子論にまで遡るらしく黒体放射がどうのこうのらしい。忘れる前にメモっておいた。


1/11

天気:晴れ

0640 幕営地発

1255 真教寺尾根分岐手前 

1530 幕営地着

1700 牛首山 

1820 羽衣池

1930 清里駅

日が昇る少し前に出発した。最初の30分くらいはラッセルが膝くらいだったので山頂余裕ムードだったが、その後はずっと胸以上だった。個人的には万歳ラッセルを経験できてよかった。

天狗尾根を見ながら進む。この時は午前中に登頂できると思っていた。

しばらくして最初の鎖場に着く。ここでワカンからアイゼンに履き替えた。鎖があるはずだが埋もれて見当たらなかったため2ピッチロープを出した。が、グローブをしてのロープ操作に慣れておらず時間がかかってしまった。

最初の鎖場 鎖はどこに

そこから少し進むとまた岩があり、岩下をトラバースするか岩の右から直登するか迷った挙句練習を兼ねてロープを出して岩下をトラバースした。

岩下のトラバース

そのまま、岩と雪とハイマツの斜面をアイゼンの前爪とピッケルを突き刺しながら登った。多分ルーファイをミスしていた。登りきると突然目と鼻の位置に赤岳が見えたがタイムリミットが迫っていた。

赤岳はもうすぐだがタイムリミット間際。行こうvs帰ろうでバッチバチ🥊

ここで初めて鎖と対面し、鎖を掘り起こしながらしばらく登って写真を撮って引き返した。帰りは岩とハイマツと氷の斜面で2ピッチ、登りで最初にロープを出した所で1ピッチ懸垂下降した。そのまま幕営地まで戻ってテントを撤収して急いで終電に間に合わせた。


タイムリミットに間に合わなかったことについて

前夜泊できていれば、あと30分早く起きていれば等色々思うところはあるが、結局は力不足(ラッセルはもっと速められる)なので冬合宿やその他の雪山山行で悔しい思いをしないよう鍛錬してラッセルブルドーザーになります。



2025年1月4日土曜日

足尾松木沢,ウメコバ沢 中央岩峰右ルート

       20250102-04_足尾松木沢,ウメコバ沢 中央岩峰右ルート

メンバー:尾高(OB),沼田(3,記録)
天気:
day 1 晴れ
day 2 晴れのち雪
day 3 快晴
ヤマレコ

 day 1
0812 銅親水公園入口 駐車場
0949 松木川四号砂防堰堤
1016 ウメコバ沢 出会
1500 幕営

 day 2
0720 幕営地
0820 中央岩峰右ルート 取りつき
1702 top out
1941 幕営地

 day 3
0801 幕営地
0946 駐車場

 当初参加予定だった落合(1年)は,インフルエンザにより参加辞退.落合には悪いが,もし参加していたら数ピッチは登れるかもしれないが敗退で途中下降して終わりになっていたと思う.アイゼン・アックス登攀に慣れていないと怖すぎるし,プロテクションが悪くユマーリングで登るのも場合によっては憚られる印象だった.残置は多くなく,脆い岩もちらほらあった.

 day 1は適当な氷瀑を登る予定だったが,あまり氷が成長していない様子.ウメコバ沢の対岸に滝があったので,試しに登ってみることにした.遠目だとよさそうだったが,時間と日当たりもありかなりしゃばしゃば.氷は登れないと判断して左を登った.まずはアイゼンなしで取りつくが,細かいスタンスには乗れない and 結構滑るのでいったん降りた.アイスのつもりでカムをテントに置いてきた上,カムが決まるようなプロテクションが取れないのでハーケンを2, 3枚使用した.想像以上に悪く諦めかけたけど,時間をかけてじっくりホールドを探して立木で支点を取る.1 p目のリードには90 minくらいかかった.
2 p目も氷の状態が良くないので辛そうだった.フォローではリードほど慎重にならなくてよいので,思い切って氷に乗ってみる.アックスもアイゼンも案外決まりが良くサクッと行けた.それより上流は氷が発達していないので3 p目はなし.立木を支点にして40 mくらいを懸垂下降して降りる.

 day 2は大変な一日だった.雪と氷はほぼなく,もはやドライツーリングだった.ドライの経験が足りないせいかアイゼンを信じて大胆なムーブができない.安心できる中間支点もなかなか取れない.素手なら使えるホールドはあったかもだが,グローブとアックスではかなり躊躇してしまった.下部壁が終わった3 p目終了点に着いた時点で既に12時頃.上部壁になってから傾斜も70-85度くらいになり,所によりハングあり.慎重登り想像以上に時間を使ってしまった.4 p目のクラックではアックスが決まる箇所がなく(フォローはハンドジャムで突破),カムとアックステンションでレスト及びエイドしてなんとか登れた.このピッチでは,アイゼンがずれる,チョックストーンが動く,アックスが抜けるなどで,「落ちた」と思った瞬間が4回もあった.怖え.5 p目からは降雪が始まり,日没の恐れからかなり焦った.私はフォローの番だったが,アックスが抜けて1回フォールしてしまった.
結局,各ピッチでは90-120 minくらい使用し,top outまで 8 h 42 min,時刻は17:00くらいとなった.暗くなる前ぎりぎりで尾根にたどり着き,尾根上の様子を見て回り懸垂支点を確認.登ってきた斜面の反対側に降りるのかと思っていたが,懸垂支点からフィックスロープが伸びているので,これを辿るようにして下降することに決定.暗闇懸垂で生きた心地がしなかったな.フィックスロープは途中で途切れるが,そこからは歩いてガレたルンゼに降りられる.

中央岩峰右ルート 全景


 day 3もアイスクライミングかミックスクライミングをやる予定だったが,昨日のクライミングでお腹いっぱいになったので予定変更.私的には半日でもアイスクライミングをやりたい気分ではあったが,相方のやる気がなかったので朝飯食べて帰宅することにした.帰りがけに林道から横向沢を観察したが,遠目には登れそうな感じだった.今後,再度松木沢に来ることがあれば登ってみようかな.