20250818-29_北ア縦走
メンバー:L落合(2記録)、井上(1)は三俣山荘から新穂高温泉に下山
8/7-8/18に行われた夏合宿(剣沢定着)から継続して親不知まで縦走してきました(井上は8/22に三俣山荘から新穂高温泉へ下山)。以下ざっくらぱんな行動概要と詳細な記録になります。
行動概要
8/7-17(day1-11) 剣岳定着
8/18(day12) 剣沢ー五色ヶ原
8/19(day13) 五色ヶ原ー薬師峠(熊騒動によりその後太郎平小屋前に移動)
8/20(day14) 赤木沢遡行
8/21(day15) 太郎平小屋ー三俣山荘
8/22(day16) 三俣山荘ー烏帽子小屋
8/23(day17) 烏帽子小屋ー船窪小屋
8/24(day18) 船窪小屋ー冷池山荘
8/25(day19) 冷池山荘ー五竜山荘
8/26(day20) 五竜山荘ー白馬岳頂上宿舎
8/27(day21) 停滞
8/28(day22) 白馬岳頂上宿舎ー栂海山荘
8/29(day23) 栂海山荘ー親不知
詳細記録
8/18 さらさら越え憧れますね
天気:晴れのち曇り
1015 室堂
1400 五色ヶ原
室堂を堪能してから出発しようと思っていたが、面倒くさくなったので登攀具類を郵送で送り返して間もなく出発した。登攀具類を送り返したら少しは軽くなると思っていたが、合宿中の雷鳥沢に下がった日に室堂に残置した大量の食糧を入れたら逆に重くなった。晴れた立山の壮大な景色に囲まれながら石畳を進む。神様はこれ以上にないほどのスタートを用意してくれた。歩いていてとても暑いが、山々の綺麗さに癒される。しばらくは目にすることのない殿堂剣岳、女神大汝山、鈴木がいるであろう雄山に見送られて室堂平を後にする。浄土山の登りは後半になるにつれて巨岩が多くなる。浄土山はボーイスカウトと思われるたくさんの小中学生で賑わっていた。浄土山から先は鬼岳を東面から巻いた後獅子岳からザラ峠に降る。ザラ峠への下りで佐々成政のことを思い出して興奮した。室堂に佐々成政ゆかりの酒と書かれた旗が立っていたが、佐々成政って名前だけ聞いたことがあるけど誰だったっけなぁと合宿中ずっと考えていたのだが、そういえば安土桃山時代にザラ峠から厳冬期北アルプスに入り、黒部川を渡って針ノ木峠から北アルプスを越えたと言われている人だった。我々もやらなきゃですね😖😖😖😖。で、ザラ峠からは少し登って直ぐに五色ヶ原に着いた。ザラ峠から五色ヶ原の笹薮は豪雪によって屈強になってますよ。刈ってくださった方々、ありがとうございます。
8/19 熊さん何頭いるの?
天気:晴れのち曇り
0415 五色ヶ原
0625 越中沢岳
0835 スゴ乗越小屋
1200 薬師岳
1350 薬師峠
1800 太郎平小屋に移動
この日は長いので4時に出発しようとしたが、朝食を食べると決まってトイレに行きたくなるので出発が遅れる。以降毎日そんな感じ。4時に出発してチンタラ歩いても14時には目的地に着けるのだから縦走って素晴らしい。昨年は曇っていて全く見ることのできなかった薬師岳への登りを見ながらチンタラ進む。越中沢岳からの下りが急で悪い。雪景色を想像しながら歩くが、越中沢岳の下りはオートルートの難所になりそうだ。スゴ乗越への下りに差し掛かるところで、反対側から来た登山者にこの先はものすごく悪いよと言われ、2人して萎縮したが、越中沢岳の下りの方が悪く、拍子抜けだった。スゴ乗越小屋にはいい感じの旗があり、ネパールみたいだった。ネパールに行ったことはないけど。薬師岳までのんびり登る。北薬師岳から薬師岳までが思っていたより長く、井上もキツそうだったが、頑張ってついてきてくれた。景色が良すぎるので薬師岳で30分くらいゴロゴロしてから薬師峠に向かって下り始めた。途中で雷鳴が聞こえたりした。薬師峠に着いても天気は良いままで、合宿前半の雨を耐え凌いだ日々が懐かしい。井上は確率が収束した気分になったらしい(最終的に晴れに収束したってこと?)。長い山行で頭が終わっているので2人して時々意味わからないことを言うようになっていた。
本日の核心はここからである。薬師峠にテントを張って昼寝をしていたら、15時くらいになって熊が出たと騒がしくなる。最初は単純に熊がいただけだと思って昼寝を継続していたが、話を聞くと熊が登山者のテントを襲い、食糧を食べてしまったそうだ。山岳警備隊の方々がテント場に来てくださり、熊対峙をするが、熊は居なくならない。テント場がずっと騒がしいので、電波をとって昼寝をするために太郎平小屋にお散歩に行こうとしたら熊が登山道を通せんぼしていたために行けなかった。一体何頭いるんだ。仕方なく騒がしいテント場に帰ったら井上が「俺たちのしなきゃいけないことはbear」と言うが、私はbearの意味が分からず、井上疲れてるねぇと思ったが、馬鹿なのは私で、bearって耐えるって意味なんだよってことを井上に教えてもらった。教養って大事! テント場の方や警備隊の方が薬師峠にテント泊予定の人を太郎平小屋か薬師岳山荘で宿泊できるように取り計らってくれたが、金のない我々は薬師峠テント泊以外に選択肢がなかった。周囲のテントがどんどん撤収していき残り5張りくらいになったところで、太郎平小屋の前にテントを張れるように取り計らってくださり、薬師峠にテントを張っていた人の大半は太郎平小屋の前にテントを移した。
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薬師岳でかい |
8/20 赤木沢は風呂
天気:晴れのち雨
0415 太郎平小屋
0545 薬師沢小屋から入渓
0710 赤木沢出会い
0940 中俣乗越より黒部五郎岳側2510m付近登山道合流
1200 太郎平小屋
近くに人の食べ物の味を知ってしまった熊がいるので薬師沢小屋まで喋りながら歩く。今思うと、そんな熊相手には音なんか出しても意味がない。落合が何か言うと井上がそこから連想される曲を流し始めるのでありがたいが、どれも落合の知らない曲なので井上の独壇場になってしまう。私の歌う曲は井上も知っているので、畜生1人で歌えない。途中、ダサい会話をしていたら急に前から登山者4人が現れて、熊に遭うより焦ったりした。薬師沢小屋に着いたらハーネスを履いた大集団がいたのでチェッと思ったが、沢登りの人たちではなかった。赤木沢出会いまでは黒部川本流を遡っていく。途中、何回か淵や滝が出てきて左岸から高巻きしたりした。どこかの高巻き中に井上が足首を痛めてしまい、かなり歩きづらそうだったので応急処置した。1時間くらい歩いてナイアガラの滝が見えたら赤木沢に入る。いくつも滝がでてきたが、どれもとても綺麗で、赤木沢大滝以外は容易に登れるので楽しい。今までに経験したことのない綺麗な沢なので景色を堪能しながらのんびり進む。赤木沢大滝は左岸から巻いた。いつかこういう滝を登れるようになりたい。その後にでてくる二又で究極の選択をミスってしまい、最後はハイマツの藪漕ぎをして稜線に出た。二又、その手前で地図を見て現在地確認をするべきだったが、実際は藪漕ぎ中にずっと地図とにらめっこしていた(ガスっていたので)。おかげで中俣乗越に出たかったが、遠く離れたところに出てしまった。よくこんな感じで非合理的なことしちゃうんですよね。その後はのんびりと穏やかな稜線を2時間くらい進んで太郎平小屋に帰った。赤木沢遡行は体を洗えるし、景色が素晴らしいので縦走中の疲れを癒やす良い休養になった。
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ナイアガラの滝 |
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こんなに綺麗な沢は初めてなので2人とも上機嫌 |
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なんとか山椒魚 |
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もう丹沢の沢には行けね〜(1年井上) |
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大滝は登れない |
8/21 今年の北アはセミとバッタが多い
天気:曇りのち晴れ
0515 太郎平小屋
0910 雲の平小屋
1140 三俣山荘
この日は薬師沢小屋まで下ってから雲の平に登り返して三俣山荘までである。昨日はスイスイ下った薬師沢小屋までの下りも重荷を背負っているとそうもいかない。雲の平までの約700mの登りはずっと暗い。登りきったあたりで木道が出てきてありがたかった。ただ、濡れた木道は時々スリップするが、ガッシャがクッションになるのでそんなスリップも楽しい。雲の平は景色が良すぎて爽快である。景色のいい場所で井上とヨセミテかビショップに行く約束をした。ヤバいヤバい、今のままじゃクライミング弱すぎる。井上に見えている山の名前を教えながら進む。黒部川原頭に降りたあたりで落合が不意に鼻血を出して辺りに血が散乱し、まずい光景になった。15分くらい川で鼻を洗ってから三俣山荘に向けて登り返した。鼻血を出したことがないという井上は過度に心配してくれた。優しい。
8/22 スマホを落としただけなのに 必死の藪漕ぎが待ってました
天気:晴れのち曇り
0455 三俣山荘
0550 鷲羽岳
0700 水晶小屋
0915 野口五郎岳
1150 烏帽子小屋
井上はこの日に新穂高温泉に下山した。三俣山荘で井上と別れてからは親不知まで1人でのんびり歩いた。三俣山荘から見える北鎌が素敵。鷲羽岳への登りで硫黄尾根も見えてくる。そして、まず鷲羽岳。昨年の合宿では何も見えなかったので全方位が見渡せてとても嬉しい。水晶小屋で大休止する。こんなに早い時間に烏帽子小屋に着くとは思っていなかったので水晶岳ピストンすればよかった。水晶小屋からは1時間ほど岩稜帯を歩いてから野口五郎岳まで砂礫歩きである。野口五郎岳からは巨岩帯になり、時々フットジャムが決まって足を抜くのが面倒くさかった。烏帽子小屋直前でバランスを崩した際にチャックの空いたポケットからスマホが落ちて藪斜面に消えていった。全力で探して、幸運なことに10分くらいで見つけた。
8/23 1回針ノ木沢に降りたほうが稜線を歩くより早いだなんて
天気:晴れ
0500 烏帽子小屋
0720 不動岳
0915 船窪岳第二ピーク
1015 船窪岳
1115 船窪小屋テント場
この日は船窪小屋か、時間と天気を見て針ノ木小屋まで進む予定である。前日は草という草がなかったので雨具の下を履かずに出発したが、この日は最初から登山道に草が張り出してきて、ものの一瞬で靴も靴下も絞れるくらいまで濡らしてしまった。南沢山で同じく親不知まで縦走している方と会う。その方は船窪岳から一度針ノ木沢に下ってから針ノ木小屋に登り返すらしい。そちらの方がコースタイムが短い。その手があったか… 不動岳でオコジョの尻尾を見た。先ほどの方曰く、雲の平にもオコジョがいっぱいいるそうだ。不動岳から船窪岳第二ピークまでは数カ所崩落地のトラバースがあるが、基本的には崩落していない稜線の左側を歩く。船窪岳第二ピークから船窪岳まではザレ場のトラバースやナイフリッジなど所々緊張する。この日は暑かったのと、濡れた靴と靴下を乾かすタスクがあったため、かなり早いが船窪小屋テント場までとした。
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船窪のあたりは独特な雰囲気 |
8/24 水水しい熊糞を見るとゾッとしますよね
天気:曇りのち雨
0315 船窪小屋テント場
0505 北葛岳
0725 蓮華岳
0905 針ノ木岳
1400 種池山荘 1430
1505 爺ヶ岳
1555 冷池山荘
七倉岳の下りでヘッドライトの電池残量が少なくなりあまり照らせなくなったが、電池を代えるのも億劫なのでそのまま進んだが、道が悪く危なかった。北葛岳まで急登をこなすと眼前に蓮華の大下りが見えてかっこいい。蓮華岳まで行けばこれから通る後立山連峰が見渡せると思ったが、後立方面は曇っていた。針ノ木サーキットはアップダウンこそあるもののどれも小さな上り下りなのでサーキットのようにスイスイ進む。鳴沢岳からの下りで熊が出たとのことで新越山荘まで大人数で進む。熊には会いたくないので鼻歌を歌いながら歩いていたら急に後ろから足音が聞こえてきて熊かとビビったが、県のパトロールの方だった。種池山荘まで1時間くらいその方と話しながら進む。あんなに余裕な表情で「クマさん可愛いよね〜」なんて言われると返す言葉も見つからない。実際、薬師峠で見たクマさんは可愛かったけど。高山植物を色々教えてもらった。ヒマワリみたいなのはウサギギク。鼻血を出した時に鼻に詰めた草はコバイケイソウ。見事なブルーベリーだと思っていたのがサンカヨウ。あと、ユキザサ。すみません、色々教えていただいたのに4つしか覚えられませんでした。結局その方には種池山荘でクリームパンと柿の種をいただき、色々お世話になった。種池山荘で天気を確認したら、この日は17時くらいまでは小雨でもちそうなこと、翌日は昼前から崩れそうだったので、翌日の五竜山荘の予約をしてこの日は冷池山荘まで進むことにした。とはいえ、雷には遭いたくないので爺ヶ岳まで走る。中峰まで30分、重荷を背負っていることを考慮すればまぁいいんじゃないかな。走って疲れたのでしばらく休んで冷池山荘まで下った。
8/25 みんなで後立のテント場予約 & 料金巻き上げシステムを掻い潜る方法を考えましょう
天気:曇り
0415 冷池山荘
0550 鹿島槍ヶ岳南峰
0635 鹿島槍ヶ岳北峰
0730 キレット小屋
1100 五竜岳
1200 五竜山荘
この日は五竜山荘までコースタイム8時間半の予定だったので、12時くらいに五竜山荘に着けるようにのんびり進む。布引山で日の出を拝んだあと鹿島槍に向けて登る。吊尾根は意外と切れている。せっかくなので北峰に行ってからキレットに向けて下る。北峰から東尾根を眺めようと思って少し東尾根の方向に入っていったら急にハエが集り始めた。野糞スポットなのだろう。八峰キレット越えは、重荷だと足元の悪いクライムダウンはあるが、落ちたら死ぬようなところには鎖があるし、さして悪くはない。キレット小屋から1時間ほど進んだコルで冷池山荘にテント泊していた3人衆(落合と、船窪で会った親不知まで縦走している方と、もう1人)のうちの1人に会った。この方は後立を縦走しており、五竜山荘と白馬頂上宿舎でコーラをいただいた。そこから1時間進んだコルで冷池山荘に泊まっていた3人衆のうちの1人の、親不知まで縦走している方と会い、話を聞いたら令和で最初のデナリ日本人登頂者らしい。そこから1時間ほどで五竜岳に着くのだが、途中で150日間かけて映像を撮りながら100名山制覇に挑戦している方に抜かされた。話を聞いたら撮った映像はyoutubeに公開するらしい。タケチャンネルだそうです。五竜岳に来ると人がたくさんいる。時間的に唐松岳まで延ばしたかったが煩わしい後立のテント場予約システム(無予約には倍の値段を課し、無断キャンセルにはキャンセル料4000円を課す。個人情報を巻き上げて逃げられないようにする姑息なシステム)のせいで五竜山荘止まりとなってしまった。テントを張って食糧を見てみたらあと9日分ある。ここからどう刻んでも9日間にはならないのでこの日から1日で2日分の食糧を消費していくことに決定したが、実際にはきっかり2日分ではなく、毎日1.5〜2.2日分くらいを消費していたので縦走の最後の方には何が残っているのかよく分からなくなってしまった。
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鹿島槍から北の方向 |
8/26 朝日まで行きたかった
天気:雨のち晴れ
0315 五竜山荘
0535 唐松岳
0730 不帰キレット
0905 天狗山荘
0955 白馬鑓ヶ岳
1045 杓子岳
1155 白馬頂上宿舎
今日が終わればいよいよこの山行の終わりが見えてくる。3時過ぎに五竜山荘を出発したが、30分くらいしたら雨が降ってきた。風も強くなってきて顔面に雨が当たって痛い。唐松岳に着いたタイミングでちょうど止んだ。天気のおかげで静かな後立を堪能できる。景色がないから堪能できなかったかも。不帰の難所はガスって下が見えなかったので全く怖さを感じなかった。不帰のコルでまたも親不知まで縦走している方と会い、話を聞いたら数年間山小屋に勤めた経験があり、昨今のテント場値上げといった諸悪の根源は槍ヶ岳山荘グループなのだとか色々教えてもらった。天狗の大下りを登って天狗山荘に着いたら水が無料だったのでフル充水して先に進む。白馬鑓ヶ岳まで行くと登山者でごった返していた。白馬鑓ヶ岳からの下りで反対側から大学生のサークルっぽい4人組が登ってきて、みんな辛そうだった。そんなに辛い顔をされるとこっちまで辛くなっちゃうからやめてくれよ。今日もこのまま行くと午前中のうちに白馬岳頂上宿舎に着いてしまいそうだったので杓子岳に寄ってから白馬岳頂上宿舎に行った。時間を考えてこの日中に朝日小屋まで行きたかったが、この日も後立のテント場予約システムにやられて白馬頂上宿舎止まりとなってしまった。
8/27 天気が悪いとやる気が起きませんでした(怠慢)
天気:雨のち晴れ
0330 白馬頂上宿舎
0400 白馬岳
0430 白馬頂上宿舎
終日停滞
天気が悪いとやる気が起こらない。30分くらい二度寝してからとりあえず出発した。白馬岳まで行ったところで、翌2日間が晴れ予報なのにこんな暴風雨の中歩いている意味がわからなくなって呆気なく引き返した。白馬岳頂上宿舎に戻って、暴風雨の中再度テントを張り直すのに30分かかった。この日はとにかく食べて食糧を減らした。
8/28 もう創作料理はやりません
天気:晴れ
0400 白馬岳頂上宿舎
0430 白馬岳
0630 雪倉岳
0900 朝日岳
1425 栂海山荘
テントから出ると、昨日1日待って本当によかったと思えるくらいの綺麗な星たちが出迎えてくれた。相変わらず風は強いので寒いが、景色が綺麗だとやる気が出るので颯爽と進む。三国境のあたりで日の出を拝んで分岐を朝日岳の方に進む。雪倉岳から下ると、水平動分岐まで湿地帯を通る。そこから急登を越えると朝日岳である。ここでもまだ劔が見守ってくれている。13時までに栂海山荘につければそのまま親不知まで進もうと思っていたが、朝日岳の下りが手ごわかった。何せ暑いので進まず、吹上のコルの少し先で今日中の下山を諦めた。なのでそこからはチンタラ進む。いい景色なのだが、ずっと変わらないので飽きてくる。従って、この日の晩御飯を考えながら進むことにした。黒岩平で5リットルの水を確保してから2時間くらい歩いて栂海山荘に着いた。この日は結局残った食材でチャーハンを作ることにした。油は棒ラーメンの油、卵は卵スープの素、肉は大豆ミート、野菜がないのでほうれん草ポタージュの素からほうれん草だけを抜いた。結果は、チャーハンを食べているはずなのに棒ラーメンの味がしたり卵スープの味がしたり散々だった。あと、ザックの奥から2週間くらい前に剣沢で東海大学山岳部さんにいただいたプロテインの粉が出てきたのでフルグラと一緒に美味しくいただきました。
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水平道分岐。森林限界に飽きていたのでこういう景色になってきて嬉しい。 |
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朝日岳を越すといよいよ海が近い |
8/29 下山して最初にやったのは進振りの結果確認でした。結果は聞かないでください。
天気:曇りのち晴れ
0445 栂海山荘
0600 菊石山
0725 白鳥山
0845 坂田峠
0950 二本松峠
1055 親不知海岸
日が昇る前の涼しい時間にできるだけ進みたかったが、前日栂海山荘の手前でマムシを2匹見たので明るくなってから出発することにした。夏合宿入山時にはずっしりと肩に食い込んでいたガッシャも、ここ三日間くらいの食トレの甲斐もあってか今や空気しか入ってないんじゃないかと思えるくらいになってしまった。出発して20分くらいで太陽が昇る。今日もよろしくお願いしますというお願いも今日で最後だ。なんだか嬉しいような寂しいような感慨に浸る。しばらくは展望のない樹林帯を黙々と進むが、白鳥小屋の展望台に登ると眼下に日本海が広がっていた。日本海を目にするのは昨日の朝日岳以来だ。確実に近づいている。やはり、ゴールが見えると気合が入る。暑さなんてものともせずに二本松峠まではいいペースでひたすら下ったが、そこから登山道にクモの巣が張り出すようになり厄介だった。大体はへその高さなのだが、稀に顔面パンチを食らう。それでもひたすら下って、入道山を越えてからは再び日本海がよく見えるようになった。逸る気持ちを抑えられず、走って下る。国道に出てから更に下って、最後の長い階段を降りている時には開放感があった。嗚呼幸せ。
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あとちょっと。1番興奮している。 |
今夏は2週間くらいの縦走を2本行うことができました。今思っていることとしては、「つまらない」縦走になってしまったということ。来夏は「面白い」縦走をしたい。どういうことかというと、北ア縦走・南ア縦走といったパッケージ化された山行ではなく、2ヶ月の夏休みをフル活用して、場所はどこでもいいから沢を泳いだり藪を漕いだり岩に張り付いたりしながら山々を縦横無尽に繋げる縦走をしたい。というわけで歩荷がんばります!