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2013年6月1日土曜日

2013.06.01-06.02 谷川岳マチガ沢雪上訓練

谷川岳マチガ沢 雪上訓練
文責:土井崇史(2)
メンバー 
 OB 伊東毅(L) 益崎健二郎 岸元士 小田光康 田中淳一(SL)
 現役 金山慎介(2) 塚本宇信(2) 津田啓仁(2) 土井崇史(2) 
澤田健太郎(1) 伏見修一(1)

日程 61()2()

61
天候 晴れ
6:30分倍河原駅~<>~10:10ロープウェイ土合駅~11:00マチガ沢出合い~テント設営~11:45出発~12:30休憩~13:00-15:30雪上訓練~16:10帰幕、調理~17:00夕食~18:00現役部員のみ周辺散策~19:30就寝

朝はいつもの6:30分倍河原に全員無事集合し、ロープウェイ土合駅に到着。近くの休憩所より林道に入り、30分ほど歩いてマチガ沢出合いに到着した。まずテントを設営。部では3つのテントを用意したが、そのうちの1つのテントにカビらしき黒い斑点がところどころ認められ、また雨除け用フライが部室で見つからず冬用外張りで代用することになってしまった。合宿前後の装備の管理やチェックが甘かったと痛感した。行動用ザックに必要な荷物を整理し出発。雪渓に入ると早速キックステップで進む。晴天で雪が柔らかく崩れやすいのでしっかり蹴りこんで登る。ちょうどスキー大会が行われていて軽快に滑るスキーヤーを数人見られた。途中樹木が密集したあたりで30分ほど休憩。岸からメロンがふるまわれ、皆美味しく戴いた。またその時に1年生は上級生の指導の下ハーネスやアイゼンの装着手順を確認した。そこから少し登ったところにすべりやすそうで緩やかな傾斜を見つけ、雪上訓練を始める。本日はピッケルを使った滑落停止の練習。OBの方々が上方からの落石の見張りや下方でザイルを横に張った上での待機を、主に田中や2年が初の雪上訓練に取り組む1年の指導をした。1年は2人だけであるため、2年も模範演技もかねてさまざまな体勢での練習をすることができた。2年は昨年の雪上訓練時からの上達を実感し、1年は早くも一連の滑落停止動作を吸収したように思われる。帰幕し水汲みを終えると、調理を始める。夕食は合宿ではすっかりお馴染みの麻婆春雨。食後現役部員6名で周辺を散策した。一ノ倉で険しく立派な岩場を眺望することができた。テント場に帰ると、OBの方々が焚き火を囲み談笑していた。OBと金山がTUSAC LIEDを合唱し、皆それぞれのテントに入り就寝。

62
天候 晴れ
5:00起床、撤営、整理~6:00朝食~6:40出発~7:50休憩~8:30ニの沢着~8:30-14:30雪上訓練~15:10帰幕~15:50出発~16:20ロープウェイ土合駅~<>~16:50温泉~<>~18:00赤城高原SA、夕食~<>~21:20分倍河原駅

予報では雨となっているが予定通り行程を進めることにする。朝食前に、調理する人とテントの撤営をする人とで分かれて作業をする。テントの撤営はやはり雨や雪がない環境だとスムーズにこなせる。朝食はやはり定番の棒ラーメン。食後行動用ザックを整理し行動開始。昨日と同じ場所で休憩し、そこから昨日の雪上訓練の場所より2つ上の沢、ニの沢に向かった。昨日より雪が締まっているが傾斜が急なため、しっかり蹴りこんで足場を作りながら登って行かなければならない。アイゼン装着なしのキックステップの良い練習になった。二の沢につくと早速アイゼンとハーネスを装着し、アイゼン歩行の練習を行った。直登、直下降、斜め、トラバース、とさまざまな種類の歩行を練習した。雪は湿っぽくアイゼンの爪が利きにくかったが、アイゼンを斜面に対しフラットに置く基本的なことを1年生はすぐに習得した。その後ザイルワークの練習を行った。現役部員6名は、澤田・金山・塚本、伏見・津田・土井、と3人ずつ2パーティーに分かれた。練習内容は、トップ、セカンド、ラストの、雪面登攀における一連の作業である。
1ピッチの流れを確認の為整理しておく。まずトップが末端をハーネスにつけ滑落しないよう注意深く登る。セカンドがATCを使いボディビレイを行う。トップが登り切りスノーバーで支点を造りセルフビレイを取ると、「ビレイ解除!」とビレイヤー(セカンド)に大声で呼びかける。それを聞いたセカンドはビレイを解除する。トップが余分な長さのザイルを引き上げる。ザイルの長さいっぱいまで引き上げた後、上と下でそれぞれザイルの適当な部分をクローブヒッチにて支点に固定。次にセカンド。セカンドはスリングをザイルに対し巻きつけ結びで結びつけ、カラビナにてハーネスとつなぐ。この巻きつけ結びによるザイルとの摩擦により、セカンドは誰かに確保してもらわずに自分の滑落を食い止めることができる。巻きつけ結びを手でスライドさせながらセカンドは登る。登りきったセカンドはセルフビレイを取った後に巻きつけ結びを解除。そして上と下でそれぞれクローブヒッチによるザイル固定を解除。最後に登るラストをセカンドがビレイする。今度のビレイは、ザイルをセットしたATC(自分のハーネスではなく)支点にカラビナにてつないで行う。ラストは登る前に下にセットしたスノーバーやスリングなどすべて回収する。ラストは登りきったらセルフビレイをとり、セカンドはビレイを解除する。>
次に行った訓練は、グリセードという、登山靴で雪の固い斜面を滑降する技術である。2年は昨年の雪上訓練で練習できなかったため、現役部員は皆初めてとなる。伊東や田中をはじめOBが指導や模範演技を担当。山靴の底を雪面にフラットに置き、膝を曲げバランスをとりながら滑り降りる。その間ピッケルの石突を反利き手側の後方につき、スピード調整をする。左右に曲がるときは滑降しながら踵を軸にして足のみを回転させる。というのがグリセードのコツであるが、実際にやるのはなかなか難しい。それでも徐々に上達してきた。最後に現役部員はグリセードを失敗したときの滑落を停止する訓練を行い、雪上訓練を終えた。

途中二の沢とは別の、本流ですさまじい土砂崩れを我々は遠くで目撃した。数百もの岩が30秒ほどかけて流れ、その後その雪渓は土砂で覆い尽くされた。我々が訓練した雪渓でこのようなことが突然起こったとしたら、我々は為す術もなく巻き込まれ、ひとたまりもなかったであろう。それでも二の沢でこのような土砂崩れが起こらなかったのは幸運だったからではない。雪渓の上に落石の跡と思われる岩石が散らかっていないということ、昔から雪上訓練が行われてきていている雪渓であったことから、二の沢は土砂崩れが起こる可能性が極めて低い雪渓であると判断し、その上で二の沢を選んで雪上訓練を行っているのである。

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