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2022年8月11日木曜日

20220811_夏合宿入山

20220811_夏合宿入山記録


メンバー:L土田(4)、松坂(4)、岡本(4)、降矢(3)、尾高(2)、小西(2)、沼田(1)、福田(OB)

天候:晴れ

記録:小西


10:30 室堂

11:10 雷鳥沢

13:00 劔御前小舎

14:10 劔沢キャンプ場


2年の小西です。8月も終わりになって、入山の記録を書いています。山行後の記録アップロードの早さには定評のある(?)私ですが、後述の出来事のせいで現実を直視できず、この記録をあげるのには当日から20日以上もかかってしまいました。


ただ、あんまり後回しにしてもしょうがないのでそろそろ書こうかなと思い、重い腰を上げた次第であります。


当初の計画では8/6から12日間にわたって行われる予定だった夏合宿も、諸事情で11日入山に変更となってしまいました。そして10日の段階で台風が発生し、更なる計画の変更も囁かれたのですが、10日の夜行バスをすでにとってしまっているうえ11日の天気は良さそうだし、これ以上日程を変更するとこの後の山行にも支障をきたしてしまうとのことで、結局入山することなりました。


そんなこんなで入山前にさまざまな苦労があり、6日からの5日間は特に何もすることがなく悶々とした日々を過ごしていたものですから、無事に室堂から歩き始められた時は、非常に晴れやかな気持ちでした。とりわけ今年からTUSACに入った私にとって、この夏合宿は非常に楽しみにしていたイベントで、入山ですらワクワクして仕方なかったのです。しかしよくよく考えると(考えなくても?)毎年のように劔に行っている諸先輩方からすれば、重いザックを背負って5-6時間歩くだけの虚無だったのかもしれません笑



この日の行動予定は、室堂から雷鳥沢キャンプ場まで200mほど下り、そこから劔御前まで500mほど登り返し、そこから真砂沢まで雪渓も通りながら1000m下るというものでした。重荷である程度の標高を稼ぐという経験は、7月の3回ほどの歩荷ですでにしていたので、それほど心配はしていませんでした。現に、荷物は日程短縮に伴って食料も減ったおかげで想定していたよりも軽かったので、余裕を持って劔御前小舎まで行くことができました。


後で知ったのですが、昨年はここまで来るのに4時間ほどもかかっていました。その意味でも、いいペースでいけたのではないでしょうか。劔御前で先輩が「何もなさすぎて逆に心配」と言っていたのを覚えていますが、思えばこれがフラグだったのかもしれません。


劔御前からは剱岳がとても綺麗でした(電波が通じたので友人に写真も送りました)。源次郎も八ツ峰もはっきりとわかります。私には到底無理でしたが、先輩はピークの名前まではっきりわかるようでした。あと何回見ればわかるようになるかな…


劔御前から見た剱岳


ところで、先ほど登りに関してはあまり心配していなかったと書きましたが、実は下りに関しては少し心配していました。というのも、今まで歩荷を行った時は(膝を壊さないように)山頂で水を捨ててから下りていたものですから、下りで重荷を背負ったことがなかったのです。だから、下りには気を遣っていました。





私がガレ場で転倒したのは、段々と劔沢キャンプ場のテント群が大きくなり、劔御前を発ってから時間も経過していたのでそろそろ休憩かな、と思っていた矢先でした。その時のことはあまり覚えていませんが、後ろを歩いていた先輩によると、登りの登山者に道を譲ろうとして避けた時につんのめって前からこけたとのことでした。


岩に頭をぶつけて出血したようで、その場で簡単に水で流してもらいました。意識に異常はないか、吐き気がないかなどを確認してもらっているうちに、他の登山者から通報を受けた小屋の方が上がってきてくださいました。小屋も近かったので、とりあえずそこまで行って手当を受けることになりました。自分で荷物を持てなかったので土田さんに持ってもらいました。


劔沢キャンプ場には十全山岳会の救急医の方がいらっしゃって、その方にいろいろ診てもらいました。幸い大怪我ではなかったのですが、翌日に下山した方が良いと言われました。私は正直に言って、1日くらい休めばなんとかなるだろうと思っていました。だから、そのことをお医者さんにそれとなく言ってみました。しかし彼は、「確かに登山は自己責任だけど、部活でそれをやってしまうと、もし何かあったときに君の先輩にも迷惑をかけてしまうよ」といった趣旨で私を戒めました。それを聞いて私は泣く泣く下山を決意しました。その日はひたすら悲しかったです。


私の夏合宿はこれにて終わってしまったのでした。


翌日の下山では、弱音もたくさん吐いてしまいましたし、足の痛みでかなりゆっくりしか歩けず、自分も源次郎に行きたいのに荷物を持ってついてきてくれた松坂さんにはご迷惑をおかけしました。それと同時に、いろいろとフォローしていただき本当に感謝しています。ありがとうございました。


下山日(12日)の朝撮りました


追記:これは後日の話になりますが、9月に夏合宿の代替としてもう一度劔に行けることになりました。忘れ物を取りに行ってきます。


2022年7月31日日曜日

20220731_滝谷ドーム中央稜(敗退)

0731-0801滝谷ドーム中央稜(敗退)

メンバー:土田(4)、降矢(3、記録)

7/31

06:00上高地バスターミナル発

12:00涸沢ヒュッテ着

天気:晴れ、夜に雨

新宿発の夜行バスで上高地まで行った。上高地に着いた時には微妙に霧がかかっていたがすぐに晴れた。ほぼ平坦な10kmをこなし、さらに涸沢まで登るというのは運動不足気味の我々にはかなりの負担であった。先日歩荷訓練をしたというのに大変情けない話である。そんなこんなで涸沢に到着し、テントを張ってお昼寝をした。16時頃であったか、炊事を始めようかという雰囲気になったころ雨が降ってきた。通り雨かと思ったが思いのほかしっかり降った。私の頭には7月頭の北岳での敗退が浮かんだ。泣き言を漏らしてしまった。土田さんはまぁ乾くだろうと言っていて、私のように弱気なところを見せることはなかった。その夜、2100くらいにまた雨が降っていたらしい。私は熟睡していて気が付かなかった。

8/1

03:20涸沢ヒュッテ発

05:20北穂高岳分岐

09:15涸沢ヒュッテ発

14:00上高地バスターミナル着

天気:晴れ

起きて食事を済ませてテントから顔を出してみると満天の星空が広がっていた。土田さんは流れ星を見たらしい。昨日の雨の影響を感じることなく登攀ができるのではないか、と期待が高まった。北穂高岳分岐までは思ったより早く登ることができた。高度が上がるにつれ岩が湿り気を増していくという不思議な現象が発生していた。気にしないことにして北穂高岳の南峰直下まで歩いた。ここで北穂高岳の稜線上や稜線の西側の岩、つまり我々が登攀しようとしていた岩と同じような日当たりの岩の様子を確認することができた。悲しいかな、びしょ濡れであった。触った手がぬらぬらと光っていた。登攀能力に自信がある人ならともかく、私の能力でこの岩をのぼるとツルっと行く可能性が高い。土田さんもおおむね同じような意見であった。乾くまで待ってみようという話もした。しかし、我々が登攀しようとしていたルートは日当たりが悪く、また乾きにくいチムニーや凹角を攻めるものであり、さらに天気予報は午後から雨が降ると言っていた。これらのことから、待っていても状況は良くならないと判断し、登攀をあきらめることにした。少々腰が引けた判断であっただろうか。ほかの方々の意見を聞いてみたいところである。せめて取り付きに向かって登山道から外れるところくらいまでは見に行けばよかったのだが、そんな気持ちにはなれなかった。というわけで恨めしいほどの晴天の中、北穂高岳の山頂を踏んだ。

北穂高岳南峰にて


本当に天気が良くて遠くまでよく見えた。抜けるような青空であった。

北穂の西側をのぞき込んでいた

景色に飽きたところで下山した。

快晴。


明神館でソフトクリームを食べた。私の表情があまりにも悲しそうだったそうで、おごっていただいた。ごちそうさまでした。

20220731_三ッ峠山 屏風岩 マルチ訓練

メンバー:L 岡本(4),沼田 (1)
天気:晴れ → 夕立 → 晴れ
記録:沼田 (ヤマレコ


行動概要:金ヶ窪登山口 駐車場ー屏風岩ーマルチピッチクライミング訓練ー登山口
行動往復6.3 km,標高差 650 m

駐車場 07:14 - 08:11 三ツ峠山荘 08:12 - 08:24 屏風岩
16:20 三ツ峠山荘 - 16:53 駐車場


 マルチピッチ訓練のため,三ツ峠山の屏風岩に,初めて.
外岩は前シーズンぶりだからほぼ1年ぶりかな.クライミング目的のため,アプローチの時間短縮ができる裏登山道からアクセスする.

中央カンテルートは先客がいるので後回しに.
結果的にこの日に登ることはできなかった.残念.

 まずは「中央カンテルート」を登るつもりだったが,先客がいたので「亀ルート」にとりつく.階段状を登って第一バンドに乗る.08:30
アルパインの訓練なのだからザックを背負ったまま登るほうが訓練になるといい,5, 6 kg程度だと思われるザックを背負って登り始める.が,初手で体が上がらず空身に切り替える.私がリードを交代した時点で 10:00 くらいだったか.この後のリードは全て沼田が担当した.

 3ピッチ目終了点からの八寸バンドは「亀ルート」ではトラバースが正解だが,ホールドがなく結構恐怖に感じたので,トポを信じられず真上の「鶴ルート」側へ登る.しかし,その後ボルトなどの支点も見当たらず,左へのトラバースは支点がないので危なそう.ルートに迷うが,右側に少し古めのボルトと5本ほどの残置スリング・捨て縄が見えたのでそちらへ逃げる.


 4ピッチ目の終了点でこれより上に支点が見当たらない上,12:00 を過ぎてお腹も空いてきたので,懸垂下降で降りる方針にする.すぐにロープダウンしたいところだが3ピッチ目前後にいる後続パーティー(5人)に干渉するので,通り過ぎるまで待機.夕立が心配だったが,この時に見た気象庁の雨雲レーダーでは1時間先まで降雨の予想はなし.だがしかし,この10分後くらいに「サァー」という沢の音のようなものが近づいてくる.雨の音なのか気のせいなのかと思っているうちに,大粒の雨がバラバラ降ってきた.「あーおわったー」となるが,すぐに降りるわけにもいかず岩壁で雨に打たれながら待つ.


 夏の雨とはいえ,標高も高いので気温は涼しめ.雨にぬれると予想以上に寒くなる.寒さに耐えながら,後続の最後の一人が八寸バンドを渡るのを待ち,振り分け懸垂で降り始める.「3ピッチ目の終了点で懸垂支点を構築しなおす」と相方と話していたが,足場は広くないし,早く下まで降りたくなってしまったので,1ピッチ目の第一バンドの取り付き(ザックをデポしたとこ)まで一気に降りる.雷がゴロゴロなる中,雨に打たれる懸垂下降はなんてスリリングなんだ.稀な経験をしたものだ.

 ロープの回収確認をする.すんなり動いたので相方に合図をして下降を待つ.待っている間に雨は上がって最悪の事態にならなかったと胸をなでおろす.デポしたザックと自身はもちろんびしょぬれ.沢登りの後のような気分だ.

 相方が降りてきてからロープを回収しようとするが,ある程度引くとどうにも動かない.左に数メートル移動してから引くがこれもダメ.一度逆方向に引いてからやり直すと,引っ掛かりが取れたような感覚があり無事回収できた.単純にテラスのリッジや枝などに引っかかっていただけだと予想される.

こちらは降雨後の写真
時間も遅くなってしまい今日はもう帰る.散々な結果になってしまった.


 【反省】

 天気予報では降雨の可能性があったのだから,最悪の想定をしてレインウェアだけでも携帯するべきだった.

 終了点に残置スリング・捨て縄が多い.ナイフも常に携帯するべきだった.懸垂下降した4ピッチ目では,残置が邪魔でボルトにカラビナが通らない.しかもアメリカンデストライアングルで設置されているのだから質が悪い.待ち時間にカチカチになったダブルフィッシャーマンをほどいて回収した.

 懸垂下降する地点がテラスの上や,草木が干渉するような場所の場合(4ピッチ目),ロープ回収時にロープの流れが悪くなることがあるので,すぐ下の終了点で懸垂を構築しなおすべきだった.そうすることで,仮にロープが回収不能になった場合でも登り返す手間が少なくなる.

 他パーティーとの兼ね合いで,長時間の待ちが発生してしまった.
他パーティーがいたとしても,それに急かされるような形になってはいけない.焦らず的確な判断をするように.

 懸垂下降のバックアップシステムは,ATC よりも下側に設置する.

 2本のロープの接続は,ダブルフィッシャーマンズノットでもいいが,2重のオーバーハンドノットでやってみる.

2022年7月24日日曜日

20220724_小川谷廊下

メンバー:L 松坂 (4),小西 (2),沼田 (1)
天気:晴れ
記録:沼田 (ヤマレコ

行動概要:玄倉駐車場ー小川谷廊下ー林道ー玄倉駐車場
行動道のり 14 kmくらい,標高差 900 m くらい

玄倉駐車場 07:41 - 07:52 大野山沢合流点 -  08:05 小川谷出合 - 08:32 小川谷廊下 08:59 - 09:03 中ノ沢 09:39 - 10:06 ワナバ沢(罠場沢)10:30 - 11:38 ヒエ畑沢 12:24 - 13:38 デッチ沢 13:51 - 15:31 西丹沢県民の森駐車場 16:00 - 16:27 小川谷出合 - 16:48 玄倉駐車場


 下界の気温は,小田原の最高気温で34℃ほど.駐車場に着いた時も 07:30 時点で「あっつー」となったから,絶好の沢日和で泳ぎまくると意気込んで入渓地点を目指した.沢装備をザックに入れて,アプローチシューズで林道を進む.入渓地点の「小川谷廊下」までは,駐車場から1時間弱.

入渓地点 右の林の中を進む
踏み跡はばっちり,なかなかの急斜面


F2 では滝に打たれて遊べる.滝の直登は無理そう.

左岸からよじ登る.滝上に残置支点がある.簡単そうだけどザックが邪魔になるので,空身で登って荷揚げすると楽.

横向きで耐える
ナイスムーブ!!

二股に分かれてる滝の右岸側
直登しなくても左岸から簡単に行ける

その後はしばらく難所はなく,きれいな滝と沢が続く.泳げるポイントもかなり多い.滝の直登もルートはいくつも取れるので,数回来ても飽きない沢だと思う.
日差しが少ないと寒くなってくるので,防寒装備はあったほうが幸せ.
大岩の斜面は,フェルトソールではぎりぎり耐えられず,ずり落ちる.ラバーソールなら登れるかもしれない.まぁ無理に登らなくても,簡単に岩の下を通ることができる.

 次のゴルジュを泳いで右奥の滝を登ろうとするが,水圧に負けて登れない.空身で挑戦するもやはり足が水圧に負けて決まらず敗退.



7 m, 10 m, 10 m の3段滝かな 右岸から高巻き.
この時に,伸ばすと 3 cmほどのでかいヤマビルを発見.細い落ち葉がヒルに見えてしまってまいね

 高巻きが終わると最高にきれいなカマと半壊した堰堤が来る.これを超えるとすぐに終了地点.

めちゃきれいなカマ
泳ぐほかないですね

 半壊した堰堤の手前に来る8 m の滝.直登は左岸,高巻きは右岸.
中間に残置ハーケンが一つある.これを何とか直登できたのが嬉しい.左のカンテを使った.

ここまできても沢はとてもきれい.遊びすぎてこの時点で14:22
ここで右岸へ上がり,遡上は終了.


 下山に使う作業道?は崩れているところが多いので足を滑らせないように注意.ご丁寧にロープが張ってあるのでそれを手掛かりに.

作業道?は崩れている場所結構多し


 ヤマビルは期待通りいました.沢では高巻のときに1匹.下山時の作業道・林道でたくさん.3番目を歩いていた自分の足には6匹.前を歩く2人の足には2匹と4匹.「ヒル下がりのジョニー」で退治した.

山行の反省としては,遊びすぎて下山時刻が予定より遅くなったこと,耐寒装備を持ってきておらず寒かったこと.ウェットスーツを買ってもよいかもしれない.

2022年7月2日土曜日

20220702_軍荼利沢

20220702_軍荼利沢


メンバー:L松坂(4)、小西(2)

天候:晴れ

記録:小西


7:48南郷

8:25入渓点

11:00三国山(遡行終了)

13:40藤野駅


奥多摩駅からバスで南郷に向かった。矢沢林道を40分弱歩くと入渓点についた。赤テープがあってわかりやすい。注意して歩いていれば見つけられるだろう。

沢装備に切り替え、出発する。この日の水量はとても少なかった。入渓してしばらくは平凡な沢筋だが、縞模様のナメは美しい。ただし、倒木と蜘蛛の巣がかなり鬱陶しい。ミニゴルジュ、ナメ床、ナメ滝などを楽しみながら歩いていると、2段10m大滝に辿り着いた。ここは右から巻いて残置トラロープに沿って落ち口へ向かった。特に難しくはなかったので、残置に頼らなくても越すことはできたと思う。

ナメ滝

2段10m大滝の巻き

その後も特に難しいところはなく、予定より早く遡行が終了した。ツメもそれほどきつくはなく、11時に三国峠に着き、そこからは藤野駅に下りた。

簡単に登れる滝ばかりなので少し物足りなかったが、初めて沢に行く場合や、沢はじめにはちょうど良いと感じた。


快適な登攀を楽しむ
ツメも難儀しない

20220702_北岳バットレス

 北岳バットレスBガリー大滝〜第四尾根(途中敗退)

 

メンバー:土田(4)、降矢(3)

 

7/2 ()

 

11:30 広河原着

14:00 白根御池小屋着

16:00 取り付き偵察

17:10 バットレス沢

18:00 白根御池小屋

 

 

北岳バットレスに行く計画がこの日程で持ち上がった時は7月上旬という時期はまだ梅雨時であることが予想され、何度かの延期を覚悟していたが、驚くことに計画の1週間前に梅雨明けが発表され関東周辺は大変な猛暑に見舞われていた。梅雨明けの1週間〜10日程度は高気圧の影響で安定した天気になることが多く、実際この時もそのような気圧配置であったのでなんとか延期せずに計画が実施できそうだと胸を躍らせていた。直前の天気予報では午後のにわか雨があるものの概ね晴れであったので当初の日程で実施することになった。

 

9時前に甲府駅につき、バスターミナルに向かうと既に長蛇の列が形成されており皆登山の装いをしていた。しかし幸いなことに広河原行きのバスは3台でやってきたので全員着席することができていた。2時間ほどの乗車を経て11時過ぎに広河原に到着。準備をして11時半に出発。暑いので30分ほど歩いて休憩していた時に雨が降り始めた。どうせにわか雨だろと思いとりあえず小屋まで歩き続ける。久しぶりの山行でペースが上がらないが14時に白根御池小屋に到着。雨が小康状態のうちにテントを張ってしまってさっさと中に入って休憩。しばらくすると雨が本降りになる。15時半過ぎから雨が弱まり、大樺沢の雪渓の状態を見ておきたかったので16時にテントから出て取り付きまでの道程を見に行く。二股のすぐ先に雪溪を横断する箇所があったが明らかに踏み跡のような箇所で雪渓が薄くなっており雪渓がまだ残っていそうな上部を通過することで凌いだ。そこから先はバットレス沢の出合まで雪渓右側の夏道を辿ることで容易に到達することができた。この時1710分。時間的にもここで引き返すことにする。1時間弱で小屋に戻り晴れていたので屋外で炊事をする。この時が本山行の中で最も晴れていた。また屋外で炊事を行っていたために、かなり虫に刺された。翌日に備えこの日は早めに就寝。



右上がバットレス沢目印の大岩


 

7/3 ()

 

2:50 出発

5:00 Bガリー大滝取り付き

5:20 Bガリー大滝終了点

6:00 引き返す

10:00 白根御池小屋着

10:40 白根御池小屋出発

13:00 広河原

 

 

某山岳系気象サイトでは午後から天気が崩れる予報であったので、早めに山頂に抜けるために2時に起床して250分に出発する。バットレス沢のところまでは前日と同じところを辿る。その先はバットレス沢とC沢の中間陵にある踏み跡を丁寧に辿って行けば正面にBガリー大滝が見えてくる。短い梅雨ということもありBガリー大滝取り付きには雪渓が残っており、斜度もそれなりに急で、怖かったのでアイゼンを装着して取り付きに接近する。しかしながら取り付き直下はシュルンドが開いており危険であったので少し左側の雪渓が厚そうな箇所から飛び移りBガリー大滝へと取り付いた。この時、空は晴れていたが雨が降り始めた。あまりにも空が晴れていたので一時的な雨だと思ってしまった。振り返ればこの時電波が入ったのでしっかりと気象状況を確認しておくべきであった。この時の雨により若干岩が濡れてしまってはいたものの、ロープを出さなくても登れそうであったので登山靴のままでロープを出さずにBガリー大滝を登り始める。岩が濡れていて若干怖いが特に問題なく登ることができる。しばらくしてBガリー大滝の終了点である広いテラスに到着する。相変わらず小雨が降っている。テラスから一段上がった場所の正面の岩場の左側にフィックスロープが張ってありそれを目標に進む。さらに上がるとフィックスを潜るような踏み跡があるのでそれを辿る。ここからさらに踏み跡を辿ればCガリーに出て、Cガリーを横断してヒドゥンスラブに取り付くことになるが、ここで雨が本降りになってきたので、一旦気象情報を確認するとこの日はもう雨が止む見込みがないことを知る。それ故にここで引き返すことにする。



大樺沢上部






Bガリー取り付きから下を眺める






左上が取り付き




Bガリー大滝を登る




同じルートを引き返すことによってエスケープすることにする。フィックスが張ってある箇所は急斜でクライムダウンするのが怖かったので壁向かって右側の草付きを降りた。この場所から後続パーティが見えたが、我々と同様に引き返しているようであった。そこから少し降ってBガリー大滝の終了点に至る。ここからは懸垂で降りることにする。しかしながら懸垂用の支点は見当たらなかったので残置されているハーケンに捨て縄をかけて懸垂用の支点を作成した。1回目の懸垂下降は45mほど降りて、取り付き一段上のテラスまで降りた。2回目も捨て縄で懸垂支点を作り、雪渓がなくなるところまでロープの長さ目一杯懸垂下降した。懸垂を終え、ロープをしまって来た道を引き返す。雨で地面が濡れているので歩きにくい。小一時間程度で大樺沢まで降りる。そこからは雪渓を途中まで降りて、登山道に合流。10時過ぎに白根御池小屋に到着したが雨がやや強く降っている。小屋の軒先に避難して雨の中テントを片付けて、1040分くらいに出発。1時間くらいで下山できるかなと考えていたが途中休憩で駄弁りすぎたのと足元が滑ったことから、広河原に到着したのは13時であった。広河原にはつい先日オープンしたばかりの小屋があり、有料でシャワーが浴びられるとのことであったのでシャワーを浴びることにした。シャワー後に山荘でご飯を食べ、バスにて甲府駅まで向かった。このバスは大盛況で、座れない人も結構居たので、座りたければ早めに並ぶ必要があるのかもしれない。結局広河原を出発する時も雨は強かった。





 

今回は天気に恵まれず途中撤退という結果になってしまった。実際に行ってみて気づいたが、我々が行った時期は最も雪渓が微妙な時期だったのかもしれない。梅雨が短かったという影響もあるかもしれないが、二俣すぐ先に雪渓を横断する箇所の雪渓状態があまり良くなかった(踏み跡と見られる場所は乗ると崩れそうなほど薄かった)。またBガリー大滝取り付きにも雪渓は残っており、一応取り付くことは可能であったが、もう少しシュルンドが開いていたら取り付きが思わぬ悪場になっていたかもしれない。ともあれ、是非とも9月頃にリベンジしてみたい。

 


2022年6月27日月曜日

20220627_平標谷川馬蹄形縦走

20220627_平標-谷川馬蹄形縦走

メンバー:L尾高(2)、小西(2)

記録:小西


6/26(アプローチ)

つづら岩でのマルチピッチ訓練のあと一旦帰宅し、21:00頃に渋谷で再集合する。最終の新幹線に乗って24:00前に越後湯沢駅に着いた。この日は東口のベンチで駅寝。


6/27

5時ごろ起床し、始発のバスに乗り込んだ。バスには10数人乗っていたように記憶している。30分ほどかけて平標登山口に到着した。ここで登山届の提出を済ませる。6:15すぎに歩行を開始した。


6:16 平標
7:30 松手山
8:24 平標山
8:57 前仙ノ倉山
9:04 仙ノ倉山
9:48 エビス大黒ノ頭
10:47 毛渡乗越
11:47 万太郎山
12:50 大障子ノ頭
14:05 オジカ沢ノ頭


平標からは延々と登りが続く。加えてかなり蒸し暑く、体力・気力を消費した。こまめに水分・塩分を取りながら歩いていくと、8:30前に平標山についた。ここで核心が終わったわけではなく、ここからもいやらしいアップダウンが続く。途中なぜ歩いているのかわからなくなった。特にエビス大黒ノ頭への上りはハードだったように思う。

松手山方面を見下ろす

平標山より先は気持ちの良い登山道が続く

山頂

午後は天候が崩れそうだったので、ひとまず大障子避難小屋で天候判断をすることにした。その時点での天候は良かったのと、道中に避難小屋が多くいつでも風雨をしのげることから、この日は茂倉岳までいくことにした。


しかしながら、雨が強まってきたのでオジカ沢ノ頭で停滞した。私は眠かったので30分ほど寝てしまった。結局、この日は避難小屋で食事・睡眠をとり、日付が変わったくらいに出発することにした。



6/28



0:46 オジカ沢ノ頭
1:54 肩ノ小屋
1:58 トマの耳
2:11 オキノ耳
3:01 一ノ倉岳
3:26 茂倉岳(避難小屋下で水汲み)
5:31 武能岳
6:15 蓬峠
7:47 七ッ小屋山
8:24 清水峠
10:03 ジャンクションピーク
10:27 朝日岳
11:00 大烏帽子
11:15 笠ヶ岳
12:11 白毛門
13:35 土合


0時頃に起床し、0時45分ごろに出発した。トマの耳、オキの耳に着いても真っ暗で周囲の様子はあまりわからなかった。また、暗闇の中一ノ倉岳を通るのはなかなか怖かった。

トマの耳にて

茂倉岳に到着してすぐに、山頂から少し下りたところにある避難小屋付近の水場に向かった。水場につくと、なんと水が枯れかけていた。蛇口からはすでに水が全く出ていなかったので、近くから垂れる水滴を頑張って集めた。結局水を汲んで戻ってくるのに1時間近くかかった。


茂倉山頂より




武能岳以降、常にアブとブヨが数十匹たかった状態で歩き続けた。私は精神的に参ってしまい、蓬峠の小屋に避難した。この日も午後は天気が荒れると予報されていたうえ、朝日岳付近にもレンズ雲がかかっていたため、ここで再度進退を判断した。


コースタイムと照らし合わせて稜線を抜けられそうだったので出発した。結局天気が崩れることもなく、計画を完遂できたので、良い判断だったと思う。あそこで撤退していたらかなり後悔していたに違いない。

清水峠
朝日岳山頂
白毛門山頂


土合に下りた時の開放感は素晴らしかった。良い体力作りになった思う。



2022年6月26日日曜日

20220626_マルチピッチ訓練(つづら岩)

20220626_マルチピッチ訓練_つづら岩 
 天気:晴れ メンバー:松坂(4)、降矢(3、記録)、尾高(2)、小西(2)、斎藤(1) 
 11:00左ルート登攀開始 
14:30つづら岩基部
 
梅雨はもう空けてしまったのであろうかと思うような日差しの中で実施された。反省する点の多い訓練であった。暑い中やった甲斐があったということもできる。 

運動不足の私にとって登攀の道具ともに行く約一時間半のアプローチは相当の負荷であった。30分おきに水を飲みながらゆっくり歩いた。最近体を動かしておらず体脂肪が増加傾向にありその上気温は急激に上昇していた。下手に頑張ろうものなら熱中症は避けられない。 

つづら岩基部に着いてマルチピッチでの登攀が初めてである小西、斎藤さんの二人とシステムの確認をしていると沼田さんに出会った。友人たちとハイキングに来たそうであった。そうこうしているうちに1本遅いバスに乗った松坂さんが来た。登攀を開始した。 左ルートを、尾高-斎藤-松坂パーティ、小西-降矢パーティの順に登った。リードはそれぞれ尾高、小西。3人パーティのフォロー(今回は松坂さん)が1ピッチ目の終了点を離れてから松坂さんの監督の下で小西が支点を構築するということで私だけ下でビレイをしていた。リードの小西が途中で苦戦していた。惚けていて気が付くのが遅くなってしまったが、尾高が左ルートではないルートを登っていくのが見えた。良くないなと思ったが今さら下りてもらうのも難しいであろうから後で降りてきた際に話をしようなどと考えていた。想像より時間がかかっており様子を尋ねると上にいる尾高からビレイデバイスを忘れたとの返答があった。
つづら岩は上から歩いて下りることができるということで、(他ルートの)2ピッチ目の終了点にいる尾高にはロープを解いて歩いて下りてもらい、1ピッチ目の終了点に残された斎藤さんと松坂さんはそこから懸垂下降をし、我々のパーティが登攀を終え2ピッチ目の終了点から下降する際に中間支点や懸垂のため残置されたスリングとカラビナの回収を行うということで合意し、尾高にもその旨を伝えた。(これらの会話にはなかなかの声量を要した。) 
ところが、落ちてきた2本のロープはその末端が連結されており2人は身動きが取れなくなった。とりあえずどうするか考えた。相談の後に、我々のパーティが左ルートでトップアウトしたのちに懸垂下降をし、その途中で3人パーティのロープと中間支点を回収し、2人は当初の目論見通り1ピッチ目の終了点から懸垂下降をする、ということにした。またも小西がリードで登った。無事にトップアウトし、すぐに懸垂下降の準備にかかった。下に人もいるし、せっかくの機会でもあるから小西には振り分け懸垂を教えようとロープをまとめて腰に下げて懸垂下降をしてもらった。残念なことに途中で絡まって下りられなくなっていた。松坂さんの助言で下側の末端を一度解いて、今度はロープを下に投げてしまって懸垂をした。私が降りる際にロープや支点を回収した。2人が懸垂に使った支点も回収した。

2022年6月18日土曜日

20220618_雪上訓練(針ノ木雪溪)

20220618_雪上訓練(針ノ木雪溪) 

メンバー: 土田(4)、松坂(4)、降矢(3) 、尾高(2)、小西(2)、沼田(1)、齋藤(1)

天候: 晴れときどき曇り

記録: 小西


5:00扇沢駅

6:15大沢小屋

11:43大沢小屋

12:15扇沢着


前日夜に二手に分かれて集合し、車で扇沢駅に向かった。扇沢に到着したのは3時くらいで、それまで一睡もできていなかったので頑張って寝るべきだったと後悔した。扇沢駅の駐車場にはそれなりに車が停まっていたが、出発まで外にマットを敷いて仮眠することにした。私は寝袋を持っていなかったので少し寒かったが、1時間ほどは眠れたと思う。気持ちよく寝ていたのだが4時30分ごろに先輩が起きる音で目が覚めた。予報では悪そうな天気も今の所崩れる様子はなく、軽く朝食を食べたりいらない荷物を車内にデポしたりしたのち出発した。コースタイムを巻いて大沢小屋に到着。途中の渡渉が少し面倒だった。



訓練適地を探すべく雪渓を登り始める。この日は結構雪渓を歩いている人が多かった。当然山頂を目指す人たちだらけだったので、訓練中は物珍しそうな目で見られることもあったように思う。


良い感じのところまで登って訓練を始める。まずはアイゼンなしの雪上歩行から。ピッケルの向きは常に斜面側で、つま先を蹴り込むように登り、踵を蹴り込んで下る。斜めの登りやトラバースも練習した。


続いて、アイゼンなしの滑落停止訓練をおこなった。仰向けになったりうつ伏せになったりさまざまな姿勢で行ったが、大事なのは滑落したら声を出し、体を回転させ足を上げて体の近くでピッケルを刺すという一連の流れを忠実に守ることだと感じた。次にアイゼンを履いて、歩行、滑落停止をおこなった。なお、滑落停止訓練中は万一のために斜面にロープを張った。



滑落停止訓練を終えてスノーボラードを簡単に確認したのちは、スタカットの練習を行った。やり方を理解するだけでなく素早くこなせるようになることが大切だと感じた。最後にスタンディングアックスビレイを確認した。


ここで午後から天候が悪化するという予報を考慮してひとまず扇沢まで下り、駐車場で搬送訓練を行った。


搬送訓練をして東京に帰った。日帰りとはいえ、基礎的な技術を確認できてよかった。ただ、習熟するために更なる訓練は必須である。

せっかくはるばる北アルプスへ行くのだし、来年は予定が許せば一泊で針ノ木岳登頂も目指したいと思う。

2022年6月5日日曜日

20220605_シダクラ沢

20220605_シダクラ沢

メンバー:L松坂(4)、尾高(2)、小西(2)

天候:晴れ

記録:小西


8:08惣岳

8:35入渓

10:20二俣

11:20登山道

12:20奥多摩湖

気温があまり上がらないとの予報で水量が少なめの沢にしようということになり、奥多摩のシダクラ沢に決定した。とはいえ当日は2日前の降水の影響をモロに受け水量も多かったし、晴れ間も見えて1週間前の源次郎沢より暖かかった。



8:00前に奥多摩駅に集合。バスに乗り惣岳バス停で下車。バス停側の通路を下りて道沿いに進むとすぐにシダクラ橋が出てくる。老朽化により1度に2人までしか渡れない。橋を渡ってすぐに沢装備に切り替え入渓した。


水量も多かったうえ、濡れることを厭わずに猛スピードで進んでいく尾高の影響で全身ずぶ濡れになりながら歩いていく。


ついていくのに懸命になってしまい、どんな滝を登ったかあまり覚えていないが、行程を通じて特に難しい滝はなかった。

後日、部会での反省会で、もっとトポで今どの滝にいるのか確認したり、地形図を見たりする必要があると指摘を受けた。安全な山行のためにも、中身のある記録を書くためにも、今後は猪突猛進せず地形図とトポをしっかり確認しながら着実に歩みを進めていこうと思う。

遡行を2時間ほどで終え、750m付近で左岸に上がってツメる。最初は谷を進み、950m付近でトラバース気味に尾根に上がって地形図の1128m地点に出た。先週の源次郎沢と比べてツメは格段に楽だった。

登山道に合流し沢装備を解除して、奥多摩湖方面に下山。お疲れ様でした。