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2022年6月27日月曜日

20220627_平標谷川馬蹄形縦走

20220627_平標-谷川馬蹄形縦走

メンバー:L尾高(2)、小西(2)

記録:小西


6/26(アプローチ)

つづら岩でのマルチピッチ訓練のあと一旦帰宅し、21:00頃に渋谷で再集合する。最終の新幹線に乗って24:00前に越後湯沢駅に着いた。この日は東口のベンチで駅寝。


6/27

5時ごろ起床し、始発のバスに乗り込んだ。バスには10数人乗っていたように記憶している。30分ほどかけて平標登山口に到着した。ここで登山届の提出を済ませる。6:15すぎに歩行を開始した。


6:16 平標
7:30 松手山
8:24 平標山
8:57 前仙ノ倉山
9:04 仙ノ倉山
9:48 エビス大黒ノ頭
10:47 毛渡乗越
11:47 万太郎山
12:50 大障子ノ頭
14:05 オジカ沢ノ頭


平標からは延々と登りが続く。加えてかなり蒸し暑く、体力・気力を消費した。こまめに水分・塩分を取りながら歩いていくと、8:30前に平標山についた。ここで核心が終わったわけではなく、ここからもいやらしいアップダウンが続く。途中なぜ歩いているのかわからなくなった。特にエビス大黒ノ頭への上りはハードだったように思う。

松手山方面を見下ろす

平標山より先は気持ちの良い登山道が続く

山頂

午後は天候が崩れそうだったので、ひとまず大障子避難小屋で天候判断をすることにした。その時点での天候は良かったのと、道中に避難小屋が多くいつでも風雨をしのげることから、この日は茂倉岳までいくことにした。


しかしながら、雨が強まってきたのでオジカ沢ノ頭で停滞した。私は眠かったので30分ほど寝てしまった。結局、この日は避難小屋で食事・睡眠をとり、日付が変わったくらいに出発することにした。



6/28



0:46 オジカ沢ノ頭
1:54 肩ノ小屋
1:58 トマの耳
2:11 オキノ耳
3:01 一ノ倉岳
3:26 茂倉岳(避難小屋下で水汲み)
5:31 武能岳
6:15 蓬峠
7:47 七ッ小屋山
8:24 清水峠
10:03 ジャンクションピーク
10:27 朝日岳
11:00 大烏帽子
11:15 笠ヶ岳
12:11 白毛門
13:35 土合


0時頃に起床し、0時45分ごろに出発した。トマの耳、オキの耳に着いても真っ暗で周囲の様子はあまりわからなかった。また、暗闇の中一ノ倉岳を通るのはなかなか怖かった。

トマの耳にて

茂倉岳に到着してすぐに、山頂から少し下りたところにある避難小屋付近の水場に向かった。水場につくと、なんと水が枯れかけていた。蛇口からはすでに水が全く出ていなかったので、近くから垂れる水滴を頑張って集めた。結局水を汲んで戻ってくるのに1時間近くかかった。


茂倉山頂より




武能岳以降、常にアブとブヨが数十匹たかった状態で歩き続けた。私は精神的に参ってしまい、蓬峠の小屋に避難した。この日も午後は天気が荒れると予報されていたうえ、朝日岳付近にもレンズ雲がかかっていたため、ここで再度進退を判断した。


コースタイムと照らし合わせて稜線を抜けられそうだったので出発した。結局天気が崩れることもなく、計画を完遂できたので、良い判断だったと思う。あそこで撤退していたらかなり後悔していたに違いない。

清水峠
朝日岳山頂
白毛門山頂


土合に下りた時の開放感は素晴らしかった。良い体力作りになった思う。



2022年6月26日日曜日

20220626_マルチピッチ訓練(つづら岩)

20220626_マルチピッチ訓練_つづら岩 
 天気:晴れ メンバー:松坂(4)、降矢(3、記録)、尾高(2)、小西(2)、斎藤(1) 
 11:00左ルート登攀開始 
14:30つづら岩基部
 
梅雨はもう空けてしまったのであろうかと思うような日差しの中で実施された。反省する点の多い訓練であった。暑い中やった甲斐があったということもできる。 

運動不足の私にとって登攀の道具ともに行く約一時間半のアプローチは相当の負荷であった。30分おきに水を飲みながらゆっくり歩いた。最近体を動かしておらず体脂肪が増加傾向にありその上気温は急激に上昇していた。下手に頑張ろうものなら熱中症は避けられない。 

つづら岩基部に着いてマルチピッチでの登攀が初めてである小西、斎藤さんの二人とシステムの確認をしていると沼田さんに出会った。友人たちとハイキングに来たそうであった。そうこうしているうちに1本遅いバスに乗った松坂さんが来た。登攀を開始した。 左ルートを、尾高-斎藤-松坂パーティ、小西-降矢パーティの順に登った。リードはそれぞれ尾高、小西。3人パーティのフォロー(今回は松坂さん)が1ピッチ目の終了点を離れてから松坂さんの監督の下で小西が支点を構築するということで私だけ下でビレイをしていた。リードの小西が途中で苦戦していた。惚けていて気が付くのが遅くなってしまったが、尾高が左ルートではないルートを登っていくのが見えた。良くないなと思ったが今さら下りてもらうのも難しいであろうから後で降りてきた際に話をしようなどと考えていた。想像より時間がかかっており様子を尋ねると上にいる尾高からビレイデバイスを忘れたとの返答があった。
つづら岩は上から歩いて下りることができるということで、(他ルートの)2ピッチ目の終了点にいる尾高にはロープを解いて歩いて下りてもらい、1ピッチ目の終了点に残された斎藤さんと松坂さんはそこから懸垂下降をし、我々のパーティが登攀を終え2ピッチ目の終了点から下降する際に中間支点や懸垂のため残置されたスリングとカラビナの回収を行うということで合意し、尾高にもその旨を伝えた。(これらの会話にはなかなかの声量を要した。) 
ところが、落ちてきた2本のロープはその末端が連結されており2人は身動きが取れなくなった。とりあえずどうするか考えた。相談の後に、我々のパーティが左ルートでトップアウトしたのちに懸垂下降をし、その途中で3人パーティのロープと中間支点を回収し、2人は当初の目論見通り1ピッチ目の終了点から懸垂下降をする、ということにした。またも小西がリードで登った。無事にトップアウトし、すぐに懸垂下降の準備にかかった。下に人もいるし、せっかくの機会でもあるから小西には振り分け懸垂を教えようとロープをまとめて腰に下げて懸垂下降をしてもらった。残念なことに途中で絡まって下りられなくなっていた。松坂さんの助言で下側の末端を一度解いて、今度はロープを下に投げてしまって懸垂をした。私が降りる際にロープや支点を回収した。2人が懸垂に使った支点も回収した。

2022年6月18日土曜日

20220618_雪上訓練(針ノ木雪溪)

20220618_雪上訓練(針ノ木雪溪) 

メンバー: 土田(4)、松坂(4)、降矢(3) 、尾高(2)、小西(2)、沼田(1)、齋藤(1)

天候: 晴れときどき曇り

記録: 小西


5:00扇沢駅

6:15大沢小屋

11:43大沢小屋

12:15扇沢着


前日夜に二手に分かれて集合し、車で扇沢駅に向かった。扇沢に到着したのは3時くらいで、それまで一睡もできていなかったので頑張って寝るべきだったと後悔した。扇沢駅の駐車場にはそれなりに車が停まっていたが、出発まで外にマットを敷いて仮眠することにした。私は寝袋を持っていなかったので少し寒かったが、1時間ほどは眠れたと思う。気持ちよく寝ていたのだが4時30分ごろに先輩が起きる音で目が覚めた。予報では悪そうな天気も今の所崩れる様子はなく、軽く朝食を食べたりいらない荷物を車内にデポしたりしたのち出発した。コースタイムを巻いて大沢小屋に到着。途中の渡渉が少し面倒だった。



訓練適地を探すべく雪渓を登り始める。この日は結構雪渓を歩いている人が多かった。当然山頂を目指す人たちだらけだったので、訓練中は物珍しそうな目で見られることもあったように思う。


良い感じのところまで登って訓練を始める。まずはアイゼンなしの雪上歩行から。ピッケルの向きは常に斜面側で、つま先を蹴り込むように登り、踵を蹴り込んで下る。斜めの登りやトラバースも練習した。


続いて、アイゼンなしの滑落停止訓練をおこなった。仰向けになったりうつ伏せになったりさまざまな姿勢で行ったが、大事なのは滑落したら声を出し、体を回転させ足を上げて体の近くでピッケルを刺すという一連の流れを忠実に守ることだと感じた。次にアイゼンを履いて、歩行、滑落停止をおこなった。なお、滑落停止訓練中は万一のために斜面にロープを張った。



滑落停止訓練を終えてスノーボラードを簡単に確認したのちは、スタカットの練習を行った。やり方を理解するだけでなく素早くこなせるようになることが大切だと感じた。最後にスタンディングアックスビレイを確認した。


ここで午後から天候が悪化するという予報を考慮してひとまず扇沢まで下り、駐車場で搬送訓練を行った。


搬送訓練をして東京に帰った。日帰りとはいえ、基礎的な技術を確認できてよかった。ただ、習熟するために更なる訓練は必須である。

せっかくはるばる北アルプスへ行くのだし、来年は予定が許せば一泊で針ノ木岳登頂も目指したいと思う。

2022年6月5日日曜日

20220605_シダクラ沢

20220605_シダクラ沢

メンバー:L松坂(4)、尾高(2)、小西(2)

天候:晴れ

記録:小西


8:08惣岳

8:35入渓

10:20二俣

11:20登山道

12:20奥多摩湖

気温があまり上がらないとの予報で水量が少なめの沢にしようということになり、奥多摩のシダクラ沢に決定した。とはいえ当日は2日前の降水の影響をモロに受け水量も多かったし、晴れ間も見えて1週間前の源次郎沢より暖かかった。



8:00前に奥多摩駅に集合。バスに乗り惣岳バス停で下車。バス停側の通路を下りて道沿いに進むとすぐにシダクラ橋が出てくる。老朽化により1度に2人までしか渡れない。橋を渡ってすぐに沢装備に切り替え入渓した。


水量も多かったうえ、濡れることを厭わずに猛スピードで進んでいく尾高の影響で全身ずぶ濡れになりながら歩いていく。


ついていくのに懸命になってしまい、どんな滝を登ったかあまり覚えていないが、行程を通じて特に難しい滝はなかった。

後日、部会での反省会で、もっとトポで今どの滝にいるのか確認したり、地形図を見たりする必要があると指摘を受けた。安全な山行のためにも、中身のある記録を書くためにも、今後は猪突猛進せず地形図とトポをしっかり確認しながら着実に歩みを進めていこうと思う。

遡行を2時間ほどで終え、750m付近で左岸に上がってツメる。最初は谷を進み、950m付近でトラバース気味に尾根に上がって地形図の1128m地点に出た。先週の源次郎沢と比べてツメは格段に楽だった。

登山道に合流し沢装備を解除して、奥多摩湖方面に下山。お疲れ様でした。

2022年5月28日土曜日

20220528_源次郎沢

 20220528_源次郎沢


メンバー:L小久保(OB)、松坂(4)、尾高(2)、孫(2)、小西(2)

天候:曇り

記録:小西


07:30 大倉

09:40 入渓

10:15 F4

12:00 F6

13:30 F10

15:15 花立山荘

15:30 発

17:00 大倉


2年生の初沢として、先輩2人に源次郎沢に連れて行ってもらった。前日の雨で水量が増えていたうえ当日は晴れ間が見えず寒かったが、水流に逆らって歩いたり滝を登ったりする体験は新鮮で、また沢に行きたいと思える山行だった。


7:30ごろに大倉に到着。風の吊り橋を渡りCT1:40ほどの林道を歩く。戸沢山荘から少し進んだあたりで沢装備に切り替え。ガイド本には書策新道を少し歩いて入渓する、とあったので書策新道を歩いていくがだいぶ行き過ぎてしまったようだ。引き返して入渓する。後日、同じように行き過ぎてしまったパーティーをヤマレコで見かけた。この沢に限らず、入渓点への行き方は事前によく調べておくべきだと感じた。





入渓後30分ほど小さい滝を越えて歩いていくと、F4に到着した。ロープを出して、左側の壁を松坂がリードで登る。それほど難しくはなかった。出さなくてもいけたかもしれない。


二俣を通過した後のF5もロープを出した。F4より難しい。こちらも左側を登る。
登るのを待っている間は寒く、体が震えた。


F6以降は水も枯れて残念だったが最後にF9がある。右と左のどちらから登るか迷った末、より簡単そうな左を小久保がリードで登った。ただ、足元が相当悪く、左側を登ったのは間違いだったようだ。記録を見ると、右側は一見登りにくそうだが意外とガバが多いとのことだった。ここでも事前調査の重要性を痛感する。結局F9を登ったのは小久保・尾高の2人だけで、他3人は巻道を使うことにした。


ツメは、土の斜面が滑って若干難儀した。初使用の装備が泥まみれになって悲しい。どの沢でもこうなのだろうか…


花立山荘に出た後は、大倉尾根を下って下山した。


2022年4月30日土曜日

20220430_モミソ沢

 

20220430_モミソ沢

 

メンバー:L小久保(OB)、松坂()

天候:晴れ

記録:松坂


8:05大倉

9:00入渓点9:40

10:30大滝下

11:00大滝登攀終了

11:30堀山

13:00大倉


沢はじめにモミソ沢に行ってきました。短く水量が少ないながらも最後にロープを使った登攀もあり、沢はじめにちょうど良い沢でした。

 

いつもの大倉に8:00に到着。風の吊り橋を渡り林道を1時間ほど歩く。自動車で来ている人は新茅荘の駐車場まで行けるらしい。

新茅ノ沢の手前に黄色いテープが巻き付いている木があり、そこが入渓点である。懸垂岩ではおひとり様で登攀をしていらっしゃる方がいた。

懸垂岩。左の暗いところがモミソ沢である。

懸垂岩のすぐ左にモミソ沢の入り口がある。最初から登れる小滝が連続し、おもしろい。15分ほどで大きな支流との分岐につく。沢の短さに改めて吃驚した。

最初の2段5m滝

3段8mの上部。高度感があるが、ホールドはしっかりある

3mチムニー狭い

特筆することもなく涸棚である大滝につく。


ロープを出して登攀するが、落ち口の手前が少し難しかった。ただ、支点は打ってあり困ることはなかった。確保支点には木が使えた。

大滝より上は平凡なガレ。ただ大倉尾根にあがるまでは倒木も多少あり、歩きにくかった。特に落石には注意が必要だった。

やれやれ大倉尾根にあがると、登山者から奇異な目で見られた。挨拶しても全く目を合わせてくれなかった。悲しい。

沢装備を解いて大倉尾根を下っていく。登山者が多く非常に活気づいていた。

2022年3月12日土曜日

20220312,13_上越国境越えスキー

 20220312,13_上越国境越えスキー

 

メンバー:L(OB)、土田(3)、降矢(2)

 

3/12

9:30 土合駅出発

15:30 白毛門山頂

17:30 笠ヶ岳

 

天気:晴れ

 

 

 この山行のルートは朝日岳からゴボウ沢を滑走し、七ツ小屋山へ登り返し、蓬峠から蓬沢を滑走して上越国境を越えるルートである。私は今シーズン初めてのスキー山行であった。日程の都合上前夜泊ができず、始発で土合駅に乗り込む。谷川周辺でスキーをするとき恒例の、スキーを手に持って土合駅の階段を上がる苦行を無心でこなし、準備をしていたらいつの間にか9時半になっていた。土合駅から白毛門登山口に向かい板を担いで白毛門を目指して登り始める。この日は気温が高く、雪が緩んでしまっていたのでトレースを踏んでも腰ぐらいまで踏み抜いてしまうことが多く、ストレスを溜めながら進む。それに加え、スキー板と宿泊装備が肩にのしかかりスピードが全然上がらず、白毛門山頂に到着するのになんと6時間もかかってしまった。


白毛門までが遠い


 

 当初の予定では1日目は朝日岳周辺で幕営するはずであったが白毛門山頂時点で朝日岳まで1日目に向かうのは困難であることがなんとなく予想された。しかしせっかくスキー板を担いできたので山頂から笠ヶ岳への登りが始まるまでの少しの下りはスキーで滑ることにした。バックカントリースキーが久しぶりすぎて急でもない斜面で転んでしまったりもしたが、登り返し地点まで楽しく滑る。笠ヶ岳への登り返しは、最初はそれほど急ではないものの最後あたりは急であったので担いだ方が楽そうではあった。途中休憩を挟まずに歩き続けたのでだんだんエネルギーが失われ、失速した。笠ヶ岳山頂に到着したのが17時半ですっかり夕焼けの時間であった。山頂から少し降りたところに避難小屋があり、その周辺でテントを貼っている人がいた。その人に話を聞いたところ避難小屋に泊まろうとしたが中でネズミが暴れまわっていたのでテントを張ったということであった。中を確認したがネズミの姿は確認できず、この日は風も強く、テントを張るのも手間であったので避難小屋に宿泊することにした。避難小屋自体は3人で宿泊する分には広く、ドアの立て付けが微妙なところ以外は快適であった。就寝直前にネズミを発見したがそこまで大きいものではなく、床下に逃げてしまったのでどうすることもできずそのまま寝た。

 

3/13

 

5:30 出発

7:15 朝日岳

9:00 登り返し地点

11:50 七ツ小屋山

13:30 蓬峠周辺

15:25 土樽駅

 

天気:曇り

 

 

1日目の歩行速度からして早めに出発した方が良さそうということで5時半出発。ここも板を担いで無心で登る。避難小屋から見えた近くのピークが朝日岳だと勘違いしていて、そのピークに到着したら本当のピークが結構先に見えて、気分が沈みつつも文句を言ってもどうしようもないので歩き続ける。山頂に到着したのが7時過ぎで、やや風が強いものの板を履いていよいよゴボウ沢の滑走に移る。上部はガタガタの氷でとてもターンができるような状態ではなかったので横滑りで滑走できそうな斜面へ移動する。ある程度移動すると程よい斜面が広がり、快適に滑走できる。



ゴボウ沢上部


 

しばらく滑走して一本目の送電線を超えた直後でシールを装着して登り返しを始める。斜面の緩そうなところを登ったつもりであったが随分清水峠の方向に行き過ぎてしまい、急斜面のトラバースを強いられ、結局少し降って斜面の緩そうなところから再び登る。我々は七ツ小屋山方向に直接登るルート取りをしたが、このルートでは稜線直下でかなり斜度が急な場所を登る羽目になるので山頂から少し離れ稜線に合流するのが最適のように感じた。山頂直下の急登は板を担いで登ることにした。



登り返しでのトラバース


 

七ツ小屋山から蓬峠までの稜線は下り基調ではあるが所々登りがある。頑張ってスケーティングで登るようにしたが時間がかかりそうなところは板を脱いで歩いた。


七ツ小屋山から蓬峠方面


 

蓬峠周辺のピークから滑走を始める。最初は尾根沿いを滑るが、いい感じで雪が緩んでいて非常に滑りやすく感じた。しかし湿雪ということもあり雪がロール状に固まったものが沢に堆積していて沢に合流するあたりはなかなか滑りにくかった。そこを抜けると沢沿いにひたすら緩い斜面を滑り続ける。しばらくすると登山道に合流するがそこからは多少の登りがある箇所が続き、そうスムーズにはいかない。さらに進むと土樽PA付近に出るがそこからの林道も思ったより長く除雪点に到着した頃には電車の時刻がかなり迫っていた。頑張って駅に向かったが電車に間に合わず1時間半ほど電車を待つことになった。ちなみに駅の下り線ホームに直結するようなトレースがあり、そこを辿ればもう少し時間短縮ができた可能性があった。

 

泊まりのスキー山行は(ほぼ)初めてあったが、担ぎの時間が長くなかなか辛い場面が多かったが得られたものも多かったように感じる。今後も様々な場所の斜面を滑走してみたい。

2022年2月23日水曜日

20220223-26_八ヶ岳登攀

 20220223-26_八ヶ岳登攀

メンバー:新垣(4)、土田(3)、降矢(2)


20220223八ヶ岳

 

2/23入山(記録:降矢)

天気:晴れ

1030美濃戸口発

1400行者小屋

本来2/20に小久保(今回はいない)、土田、降矢は入山する計画だった。というか、途中まで行って悪天のせいで引き返してきた。そんなわけで複雑な心境での入山であった。今回は天候に恵まれ、汗をかきながら歩くこととなった。行者小屋の水場は埋まっていて水が手に入らなかった。今回の合宿の夕飯は全てぺミカンだったのだが、この日は重たく感じた。

 

2/24阿弥陀岳北稜(記録:降矢)

天気:晴れ

0615行者小屋

0730阿弥陀北稜

0940阿弥陀岳山頂

1100行者小屋

私にとっては初めての冬期登攀であった。1ピッチ目は土田リード。土田さんはすいすい登っていく。私はフォローであったが、恐怖のせいかあまりスピードが出なかった。バイルで登るというよりは、手袋越しでも持てるホールドを探して無理矢理登る、といった感じになってしまった。2ピッチ目は降矢リード。手袋をつけての支点構築にかなり苦戦した。また、途中でバイルを持ち替えようとして口にくわえた際に舌が金属部分に触れてしまい張り付いた。慌ててべりッと剥がしたが2~3日違和感が残った。

ロープの長さが微妙だったので中途半端なところでピッチを切ってしまった。その後安定したところで休憩していると下から人が登ってきた。我々が登った岩稜の東から登ってきたらしい。そこから歩いて登って山頂についた。


阿弥陀岳山頂



下山も気が抜けなかった。雪崩のリスクが低そうなことから文三郎道まで行かず帰ることができた。

行者小屋に着いてから時間があったのでアイスクライミングをしようということになった。赤岳鉱泉を通りジョウゴ沢へ。以前新垣さんが登ったという滝は雪に埋もれていたのでさらに上に行った。見事な滝であったが我々の技術では登れなさそうだし、トップロープをかけるような支点も見当たらない。スクリューを差し込んでみたりバイルを打ち込んでみたりして帰った。赤岳鉱泉のアイスキャンデーを利用するにはシングルロープが必要とのことだが持っておらず私のアイスクライミング初体験は延期となった。



赤岳主稜

6:15   行者小屋出発

7:30   赤岳主稜取り付き

12:00  登攀終了

14:00  行者小屋帰幕

 

土田と降矢がリードを行なった。降矢は前日の阿弥陀北陵に続き人生2回目の冬期登攀のリードであった。このルートの特徴としては陽が当たらないこと、難しくはないがルートが長いことが挙げられる。風もあまり強くないためゆっくり登れば良いと考えていたが、取り付きの時点で例年とルートの様子が異なっていることに気がついた。今年は例年よりも雪が多く1ピッチ目のチムニーが雪で埋まってしまっていた。1ピッチ目はチムニーをバックアンドフットで突破すれば簡単に通過できるが今回はチョックストーンを登るか大きなピナクルを左から巻く必要があった。リードの土田の判断で後者のルートを選択したがかなり難しく感じた。リードだとロープがピナクルに巻き付くためロープがかなり重くなったそうだ。その後は順調に高度を上げていくも、上部の岩壁のリードに降矢がかなりてこずっていた。経験の浅い冬期登攀でかつリードという条件はかなり緊張したシーンだったと思うが無事に突破してくれた。土田は全体を通して高速登攀だった。稜線上に出ると風が強かったため、赤岳山頂で写真を撮り少し休憩したのちすぐに下山した。帰りは地蔵尾根を経由し1時間30分ほどで行者小屋に着いた。ペミカンで鍋を作り、日本酒と共にいただき眠りに着いた。


登山道から外れる場所






20220226_中山尾根

 

天候:晴れ

 

 

6:00 行者小屋出発

8:00 登攀開始

11:50 登攀終了

13:00 行者小屋到着

13:50 下山開始

15:40 美濃戸口

 

 

最終日は中山尾根に向かう。行者小屋から中山乗越まで歩き、中山乗越から2日前に確認した尾根を上がるトレースを辿るが数十メートル進んだところでトレースが消滅。ここ数日は降雪がなかったので誰も行っていないことになる。ここ2、3日は相当天気が良かったので不思議なことである。とりあえずラッセルで前進する。もともと踏み跡があったと考えられる場所を踏めばそこまで沈まないが、踏み外すと一気に腰ぐらいまで沈んでしまう。交代しながらラッセルを進め、途中までは順調であったが森林限界に近づき、斜度が急になる箇所は相当沈み込み、なかなか苦しかった。下部岩壁直下の細いリッジ直前でロープを出して登攀の準備を行う。準備の途中で後続のパーティがやってきた。細いリッジは雪庇を踏み抜かないように、かつ沈み込まないようなルートをたどり、下部岩壁の取り付きに到着。そのまますぐに登攀を開始する。

 

 1p(+)は土田リードで登る。綺麗なボルトがたくさん打ってあるが、やはりボルトを辿ると難しく、結局1つ目のボルトにクリップした後、下までクライムダウンして右側から凹角を登った。凹角の後は、下部岩壁の頂上下を左側に回り込み、左面のスラブのようなところをのぼり、雪稜に出る。この辺りでロープがいっぱいになってしまったので灌木で支点を構築し、ピッチを切る。

 

 23p目は雪稜歩きのピッチ。ロープを結び変えて新垣さんが先頭で途中までコンテで進むが、まさかのここでもラッセルであり、大変そうであった。雪稜途中で先頭を交代して上部岩壁の取り付きに到着する。

 

 4p(+)はせっかくの機会というここで私がリードさせてもらった。上部岩壁の取り付きから右側の凹状をのぼり、最後にハングを乗越がある。最初の方はボルトのやや右側をのぼり、ハングの手前に至る。ハングの直前にボルトが2つあり、ここでピッチを切るということもできそうである。ハング部分はハーケンがいっぱい打ってあり、さらに凹角で体を岩に挟みながら登れるので、それなりの安心感があった。足を安定させながら登ればそれほど腕力を使用しなくても登れた。ハングの直後に支点がありそこでピッチを切った。


4P目


 

 5p目は岩混じりの雪稜。リードを新垣さんに交代する。この辺りから風が強くなり、コールがなかなか聞こえないようである。トランシーバーは混線していて使い物にならなかった。このピッチは特に確保しなくても良さそうな場所であった。

 

 6p()はフェースを登るピッチ。そのまま新垣さんにリードしてもらう。岩を数十メートル登るとピナクルの基部に出る。このまま右側にトラバースすると一般道に合流して登攀は終了。ロープをたたみ、稜線を少し歩いて地蔵尾根から行者小屋に下降。

 

 

2022年2月10日木曜日

20220210_冬合宿(崩沢尾根~蝶ヶ岳)

 2022/2/10~2/13 冬合宿(崩沢尾根〜蝶ヶ岳)

 

メンバー:小久保(4)、土田(3)、降矢(2)、孫(1)

 

2/10

 

天気:雪

 

4:30 林道ゲート

8:30 林道途中の駐車場

9:00 尾根取り付き

16:00 1550m付近で幕営

 

 

 崩沢尾根は蝶ヶ岳から大滝山の稜線上から三股まで伸びる尾根で、かつては登山道があったそうだ。長塀尾根ほど一般的ではないが綺麗な形をした尾根であったので今年度の冬合宿の行き先とした。当初はこの尾根から蝶ヶ岳まで上がり、常念岳まで縦走して東尾根を下るという計画をしていたが直前で参加できるメンバーがかなり減ってしまったので尾根往復の計画に変更することになった。

 

 29日に終電で豊科駅に向かう。豊科駅でステーションビバーク(というよりただの野宿)をする。4時にタクシーを予約していたが3時半くらいに来てくれたのであわてて準備を済ませて烏川林道ゲートまで移動。林道は「ほりでーゆ〜四季の郷」近くのゲートが冬季閉鎖されていてそこから10km弱歩くことになる。林道は大平原までは踏み跡豊富で、最も危惧していた林道ラッセルは免れた。大平原を超えたあたりから踏み跡が急に消滅し、膝下くらいのラッセルとなる。三股手前の第二駐車場で林道を外れて、増水注意の看板の横の鉄パイプでできた手すり沿いに作業道らしきところを高低差2030mくらい下ると沢にかかった吊り橋が現れる。思ったより立派な吊り橋で底板こそ外されていたが枠を歩けば全くもって簡単に沢を安全に渡ることができた。



第二駐車場に入る




第二駐車場の看板の右側の道を下る


 

駐車場から橋までの道






 

 沢を渡って少しだけ作業道を歩いて尾根の凸になった部分に移動して、そこでワカンを装着していよいよ尾根の登りに突入する。尾根下部は急傾斜で、積雪量も1mあるかないかぐらいであったので、踏み抜きや雪から出てきた薮で足を滑らせてしまい先頭のラッセルに加えて後続もなかなか大変であった。特に尾根末端の傾斜は急であり、1時間で70~80m程度しか登れなかった。1年生が雪道を歩き慣れていないということもありラッセルの速度に追いついてこないので3人でとにかくラッセルを回すことにする。流石に登るスピードが遅すぎるので休憩は交代でとり常に誰かがラッセルしている状態にする。また斜度が急で荷物を背負ってラッセルすることが困難な箇所は空身でラッセルすることにした。空身ラッセルの欠点は2番目も実質的にラッセルをしなければならないところである。当初は1日目で2000m付近のところで幕営する予定であったが、そこまで行くのは到底不可能であることはすでにわかりきっていたので1550m付近の少し平らなところをこの日の目標にしてとにかく進む。結局そこに到着したのは16時を過ぎた頃であった。しかし1550m付近は結構平らでテントが張れる場所に苦労することはなかった。

 

 雪が降りしきる中急いでテントを設営する。テントに入った後、水作りを始めたわけだがここで深刻な問題が浮上する。孫の行動食がほとんど尽きかけてしまっていたのである。本人曰く「行動食を買いに行く時間がなく、家にあったものをかき集めた。」ということであったが、前日豊科駅付近のコンビニにいった時に買えばよかった話であり、つまりはどれくらいの行動食が必要であるのかがわかっていなかったということになる。私自身かつて行動食がつきかけたことがありその反省から行動食は必ずカロリーを計算して持っていくようにしていた。カロリーを計算して持っていくということを1年生に伝えていなかったことは我々の失態である。そんなことを言っても仕方ないので水を作りながらどうすればいいのかを考える。他のメンバーの行動食も他人に融通できるほどあるわけでもない。そうなると予備食のα米を使って行動食を作るという手法しかなくなるが、どうやらカロリー的に一日分の行動食を作るには1回分の食事の量(120g×4人分)が必要であり、予備日をどれほど使うか見通せない中で予備食をほぼ全て使ってしまうのはどうかという話になった。撤退が頭をよぎる中、思いがけないことがおこった。なんと予備食を余分に持ってきていることが判明したのである。食料計画では予備日3日分の予備食のうち、α米120gは夜食分で朝食の予備食は棒ラーメンということになっていたが、棒ラーメンに加えα米を朝食分も持ってきており余剰が120g×4人×3日分発生することになった。これで一応問題は解決ということになった。無駄な食料を担いだ先輩には申し訳なかったが結果的に我々を救う結果となった。

 

 

 

2/11

 

天気:晴れのち雪

 

6:30 出発

11:35 2003m地点

15:30 2260m付近で幕営

 

 2日目は3日目に登頂するためにとにかく高度をあげる日であった。6時に出発する予定であったが朝に行動食と紅茶を作ったので出発時間が遅れた。天気は前日の雪と打って変わって晴れであった。体感では昨日よりかは雪がしまっていて登りやすく感じたが、急斜面や踏み抜きがちょくちょく出てきて苦労は続いた。1700mを超えたあたりで少しひらけた場所があり常念岳の美しい姿を拝むことができたがしばらくして徐々に上部からガスに覆われいつの間にか自分たちがいる場所もガスに覆われてしまっていた。1800mあたりから急登を超えると1900m付近の平らな場所が出てくる。これを少し登ると2003m地点に達する。ここからは緩やかな登りでラッセルも楽になる。尾根上を無心で歩き続け15:30頃に2260mあたりに平らな場所があったのでそこで幕営することにした。



急登のラッセル


 

ちらっと見える常念




 

2/12

 

天気:薄曇り

 

6:20 出発

9:10 稜線合流

11:00 蝶ヶ岳山頂

14:00 幕営地撤収

18:30 大平原

 

 この日は山頂に向かう予定の日である。6:20分に出発。尾根上は木々が密集しており尾根幅が小さい箇所は少し歩きにくい。また尾根上は木が密集しているせいで踏み抜きが多く、少し脇の斜面を歩いた方が楽であった。また雪庇はほとんどなかった。3時間弱歩くと登山道のある稜線に合流する。稜線といってもただの樹林帯なので全く展望がない上にどこが登山道であるのかがなかなかわかりにくい。尾根と稜線の合流点はピークになっておりそこから蝶ヶ岳方向へはコルに向けて100m弱下ることになる。コルからは山頂に向けてひたすら登る。山頂から100mくらいになると木々の背丈も低くなってきて展望も開けてくるが槍穂高連峰は長塀尾根によって見えない。山頂直下になると雪もだんだん硬くなってくるがアイゼンを履かなければならないほど硬いわけではなく、ワカンのまま歩行する。そして11時に山頂到着。天気は快晴とはならなかったが展望は素晴らしく、東は安曇野の街並み、西は槍穂高連峰がはっきりと見えた。写真を撮っていると長塀尾根方向から3人パーティが上がってきたので写真を撮ってもらう。本山行で唯一、他パーティを見た瞬間であった。頂上は驚くほど風がなく、去年の9月に来た時の爆風とは打って変わって穏やかな山頂でのひとときを楽しむことができた。




尾根上から朝日


目指す山頂が見える


山頂まであと少し


山頂!




 

 この日は翌日天気が下り坂であることが予想されていたのでテントを撤収してできるだけ下山したいと考えていたので、さっさと下山を開始する。稜線と尾根の合流点のピークはトラバースすれば巻けそうであったので巻くことにしたがトラバースが踏み抜き地獄で先頭の私はかなり消耗してしまったが後続の3人の消耗はあまりなさそうであった。13時過ぎに幕営地に到着。テントを撤収して14時に出発。1時間程度かけて2003m地点に到着。そこからさらに1時間程度の下りで1日目に幕営した1550m地点に到着する。このペースだとあと1時間で尾根取り付きまで降りれそうだという話になりこの日に尾根取り付きまで下山することにする。1550m地点から40分程度で尾根取り付きに到着。7時間かけて登った場所が40分で下れるとはなんとも虚しいものである。尾根末端で遂にワカンともお別れ。橋を渡った後の林道までの登り返しが地味に鬱陶しいが気合いで登る。第二駐車場に到着したが、林道を2~3km降りればトイレと屋根のある休憩所のある地点(大平原という場所)があったことを思い出してそこまで行っちゃおうということになった。結局林道を降りることになったが、さすがに1年生のペースが落ちてきたので空身で歩いてもらって荷物は後で回収することにした。大平原に到着した時には18時を回っていた。屋根のある休憩所のようなところにテントを無事張ることができ、気温も高かったので野外炊事をしようかと思ったがだんだん寒くなってきたので、結局テントの中で炊事を行なった。その日は着ている服を入念に乾かしたので就寝時刻は22:30を過ぎていた。




日没直前


 

 

2/13

 

天気:曇り

 

8:50 出発

10:40 烏川林道ゲート

 

 この日の起床時刻は7時。外は既に明るく、だらだらと朝食の準備を行う。その後のんびりテントの撤収を行い出発。無心で林道を歩いて全行程は終了。林道ゲートのすぐ近くには、ほりでーゆ〜四季の郷という立派な温泉施設があり、そこで入浴と食事をとりタクシーで豊科駅に向かった。




先輩は最後まで元気でした


 

 崩沢尾根はアプローチの林道10kmは面倒であるが、渡渉が安全に行える、尾根上にナイフリッジ等の危険箇所が一切ない、要所要所にテント設営が可能な平らな場所がある、尾根全てが樹林帯であるので風をもろに受けることが少ない(樹林帯であることの欠点としては展望が一切ない)、という点を考えると冬季蝶ヶ岳のルートとしての潜在価値はかなりあるのではないかと感じた。