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2019年3月22日金曜日

20190322 鹿島槍ヶ岳東尾根

鹿島槍ヶ岳東尾根
3/22-24
メンバー:L阪本、縄、近江、福田
天候:22日:晴れ
   23日:曇りのち風雪
   24日:風雪のち晴れ 
記録:福田
22
大谷原手前除雪終了地点11:40 – 15:30一の沢の頭– 16:20二の沢の頭
23
二の沢の頭5:20 – 7:10第一岩峰基部– 9:30第二岩峰基部– 13:20鹿島槍ヶ岳北峰13:40 – 14:25鹿島槍ヶ岳南峰– 15:30冷池山荘
24
冷池山荘6:30 – 12:30 高千穂峰– 15:00林道出合– 15:45大谷原手前除雪終了地点

3/22
始発で信濃大町へ。準備をしてタクシーに乗り込み、大谷原を目指す。除雪はまだされていないようで、手前の鹿島槍スキー場との分岐で降ろされる。冬履に履き替え出発。積雪深は1520cmほど。トレースがあり、ラッセルはない。20分ほどで大谷原についた。ここから赤谷尾根方面の沢筋に入りつつ東尾根の取付きを探す。雪は少なかったが、奥に進みすぎて尾根上まで遠くなるのを嫌ってかなり末端側から尾根に取り付いた。尾根上の積雪はひざ下ほど。時折踏み抜くが概ね快調に歩く。途中で単独の方がおりてきた。一人で一の沢の頭手前までラッセルしたという。トレースのお礼を言ってすれ違った。その先もずっとトレースがあり、3時間ほどで一の沢の頭に出た。ガイドパーティがテントを設営していた。
鹿島槍が大きい
ここから二の沢の頭まではナイフリッジで常に緊張しながらの行動となった。二の沢の頭では山岳会パーティが先にテントを張っていた。その隣に自分たちのテントを設営し、行動終了した。

3/23
夜中は星が見えていたが、朝方にかけて曇ってきていた。ゆるい冬型の気圧配置になっていて、寒気が入っているようだった。気温は-20℃ほど。3時起きで520分出発。風はほとんどなかった。雪稜をなるべく稜線を外さないように歩いた。雪庇の張り出しは北俣沢側に若干ある程度で、ほぼ稜線を忠実に辿ることができた。第一岩峰の手前で露岩を大冷沢側に巻く部分で1ピッチロープを出した。
第一岩峰手前のロープを出した地点

稜線に復帰してすぐに第一岩峰基部に着く。幕営跡あり。第一岩峰は雪をまとっていて雪壁という表現の方が近い。傾斜が急になる前のハイマツ帯に支点を取り、阪本さんリードで残置ハーケンのある露岩まで。2ピッチ目は縄さんリードで上部に出た。ここでガイドパーティに先を譲る。

第一岩峰
1ピッチ目阪本さんリード
いったんロープをたたみ、再び雪稜をいく。だんだん天候が悪化してはいたが、高曇りで視界に影響はない。1時間ほどで第二岩峰基部まで。ガイドパーティが取り付いていたので順番待ち。核心部に手こずっているようだった。ガイドパーティは途中でピッチを切っていたので、我々もそこまで行くことにした。しかし、そのビレイポイントは狭く、とても4人いられる場所ではなかったので、ここではピッチをきるべきではなかった。阪本さんリードで核心ピッチを超えた。今の自分の力量ではザックを背負ってリードできないと感じた。あとで知ったことだが、A0用のピンとスリングがなくなっていたらしい。
第二岩峰
なぜか笑顔

そこから1時間ほど雪稜をたどって1320分北峰サミット。後ろから一人登ってきた。今日入山らしい。相当ハイペースである。北峰でガスに巻かれホワイトアウトした。南峰まで稜線を外さないように夏道よりも吊り尾根上を歩いた。雪庇の張り出しは信州側はほとんどない。40分ほどで南峰到達。
この写真撮った直後携帯がブラックアウトしました
ホワイトアウトして視界は10mほど。西風が強い。なぜかバラクラバが右にずれていて右頬にもろに西風をあびながら下った。このせいでしばらく右頬がアンパンマン状態だった。30分かからずに布引山に到達し、少し休んでさらに降る。天候は回復してきていた。平坦な尾根になってしばらく歩いて冷池山荘に到着した。冬季小屋はいっぱいだったので外にテントを張り寝た。

3/24
4時起床630分出発。昨晩小屋に泊まっていた人たちと一緒に出発する形となった。吹雪で西風が強い。時折吹き飛ばされそうになりながらも小屋泊の人たちを追い越しつつ赤岩尾根の下降点へと向かう。はじめ、冷池乗越すぐ南の小ピークから小尾根を下ろうとしたが、あまりに急で細いので一旦登り返してGPSで確認したところ、別の尾根を下っていたようだった。登り返すと後ろから小屋泊の人たちが冷池乗越から下降を開始していた。我々はGPSと地図コンパスで進路を独自に決め、スタカットで赤岩尾根方面へと雪面を下っていった。しばらくするとガスが晴れて赤岩尾根と思しき雪稜が見えた。その頃冷池乗越から下降していた数パーティが登り返してきた。尾根を間違っていたことに気づいたのだろう。
下降中


雪稜に乗るピッチで後ろから来た2人組パーティに追い抜かれた。天狗尾根を登ってきたらしい。来年行きたいな。だんだんと天気は回復していき、爺ガ岳が綺麗に見えた。



爺ガ岳の雪の斜面を見ていたら
エクストリームスキーヤーの気持ちがわかるような気がした。
高千穂平まで計10ピッチスタカットをし、小屋出発から6時間も要した。すっかり晴れていたが、鹿島槍の山頂のガスだけは取れなかった。そこから赤岩尾根をサクッとおりて、デブリだらけの林道出合を経由して除雪地点まで戻った。デポしていたサンダルを回収し、履き替えた。タクシーで信濃大町まで、そこから各停でチンタラ東京まで戻った。
 記録を書くたび思うのだが、どうしたら読んでいて面白くためになる記録をかけるのだろうか。今後の課題である。

2019年3月20日水曜日

20190318 常念岳~蝶ヶ岳縦走


20190318 常念岳~蝶ヶ岳縦走
メンバー:中山(リーダー)、箱守、辻、林(記録)

3/17()
東京~豊科
タクシーでゲートに移動

3/18(月):晴れ
5:00 起床
6:00 出発
6:45 東尾根取り付き点
8:30 林道との分岐点
11:05 1955mピーク
12:45 2178mピーク
13:25 2255mピーク
13:35 幕営地点

3/19(火)晴れ~曇り
3:30 起床
6:00 出発
8:00 前常念
9:15 常念岳
13:25 2592ピーク
15:50 蝶槍
16:55 蝶ヶ岳
17:00 蝶が岳ヒュッテ(冬季小屋で幕営)

3/20(水)快晴
4:00 起床
6:00 出発
6:25 蝶ヶ岳出発
8:35 長塀山
11:00 徳沢
13:40 河童橋
15:30 釜トンネル

3/18(月)
 5時に起床し、ゲートを出発する。ゲート前の駐車場には3台車が止まっていた。この日はソロの人3人にあったので、その人たちの車だろうか。ゲート周辺に水場は見当たらなかったが、取りつき点までの道で水を汲むことができた。(安全かどうかはわからない。)
1時間ほど林道を歩くと、東尾根の取り付き点とされるNo.63の看板に到着。


写真の通り、全然雪が無い。雪が出てきてからも、ヤブがきちんと雪に覆われていた上に先行パーティのトレースもあったため、スイスイ進むことができた。天気にも恵まれ、景色を楽しみながら登ることができた。12時ごろに、登頂成功した人と2000m付近ですれ違った。
 2178m地点はよく幕営地に利用されているようである。我々が着いた際、すでに整地されていた。常念東尾根のピストンならここに泊まるのが最適だろう。しかし、二日目に蝶ヶ岳ヒュッテまで歩くことを考え、もう少し先の2250m付近の稜線上の、比較的平らなところで幕営した。快適に眠ることができた。

3/19()
 この日は常念東尾根上の幕営地点から常念、蝶ヶ岳まで歩き、蝶ヶ岳ヒュッテの冬季小屋に泊まる長丁場の予定であった。そのため3時半に起きて早出するはずだったのだが、準備にもたついてしまい、6時過ぎに出発することになった。アイゼンを付けた。
 夜の強風で稜線上のトレースはかなり薄くなっていた。8時に前常念に到着。ようやく常念が姿を見せる。一ピッチ歩き、9時15分に常念岳に登頂。この日は風はそれほどでもなく天気も良かったが、ガスで展望はそこまで良くなかった。ガスの合間から槍穂がチラチラ見える。生殺しである。
 ここから蝶ヶ岳まではトレースがあったりなかったり、あっても薄かったりで手こずった。腰までのラッセルを強いられる場面もあったのでワカンをつけた。磁石を頼りにできるだけトレースを追う。蝶槍周辺は雪が締まっており、アイゼンの方が歩きやすかった。岩場を慎重に登ると蝶槍に着く。時刻は15:50になっていた。ここからはツボ足にした。16:55蝶ヶ岳登頂。またもガスで展望はイマイチ。明日は晴れそうなので、それまでは我慢することにして冬季小屋に入る。
 冬季小屋は窓がついていて光が入る。トイレは中にあり。他の登山者の余った食糧が置いてある。机やいすもあり、調理が楽だった。カレーの予定だったが、カレールーを忘れてしまった。こんなときでもペミカンにはバターがたっぷり含まれているので、それだけでかなり旨かった。小屋の中にテントを立てて寝た。

3/20()
 4時に起床し、6時にヒュッテを後にした。ヒュッテから登山道に戻るまでにはツルツルの氷の上を通る羽目になるので危険。蝶ヶ岳に登ると、空には雲一つなかった。



ここで30分近く写真を撮りまくり、長塀尾根で下山開始。トレースは薄かったりなかったりでかなりラッセルを強いられた。835分に長塀山に到着。ここからはおおむねトレースをたどるれば良かったが、ところどころ途切れていたのでラッセルした。途中からはワカンをつけた。徳沢に下りたのは11時頃。この日はかなり天気が良く、シャツ一枚で十分なくらいだった。メンバーの中には穂高側からの雪崩の音を聞いたものもいた。ここからトボトボ歩いて1340分に河童橋がお目見え。上高地は除雪に忙しいようだった。15時半頃、釜トンネルをくぐり抜け、終了。天気に恵まれ、北アルプスの2つの山頂を極めることができ、怪我無く下山でき、本当に良かった。今シーズンを締めくくるいい山行だった。

2019年3月10日日曜日

2019.3.09-10 霞沢岳西尾根~南尾根


2019.3.09-10 霞沢岳西尾根~南尾根
メンバー:中西(リーダー)、近江、箱守、林(記録)

3/9():快晴。西尾根~南尾根で幕営
6:30 釜トンネル
7:10 取り付き点到着
7:40 出発
9:00 1970m地点
10:20 2050m地点
14:20 山頂。南尾根を進む
16:10 テント場
20:00 就寝

3/10()晴れのち雨。南尾根
4:30 起床
6:30 出発
15:55 発電所
17:05 下山

3/9()
 松本からタクシーで釜トンネルの入り口まで移動。バスよりも早い時間に行動開始できた。釜トンネル・上高地トンネル内を抜け、「松本砂防工事事務所」の看板のところで右に曲がる。しばらく歩くと左手にロープがある。ここが霞沢岳西尾根の取りつき点である。ここではササが出ているくらいの積雪量だった。また、西尾根にはトレースがバッチリついており、ラッセルは無かった。


 ゲイターやシェル、アイゼンを身に付けて出発。この日は我々の他に、親子、三人組、二人組2パーティの計4パーティに会った。最初からかなりの急登が続き、足が疲れる。広くて平らなところは1970mの幕営適地までは無く、この地点に到着するまでは狭い所での休憩となってしまった。
 1020分頃、2050m地点に到着。当初の予定ではここで幕営する予定だったが、11日の天候が思わしくないことを考慮し、9日中に南尾根まで行って幕営することになった。
 核心部ではロープを出した。下から見るとかなり怖く見えるが、登ってみればそこまで高度感は無かった。ここで自分のロープワーク技術の低さが露呈したので、反省した。ここをクリアした後もナイフリッジが待ち受けている。このあたりでなんとなく気持ちが萎えてしまった。この気持ちが無くなるには晩御飯を待たなければならなかった。


 しばらくの登りを経て、1420分に山頂に到着。素晴らしい天候に恵まれ、爽快な気分に浸ることができた。


風が強かったので、穂高をバックに記念撮影をしたのちすぐに南尾根を下った。こちらは西尾根と違ってトレースは無く、ラッセルを強いられた。しかし、かなり雪が締まっていたため、足が沈まない箇所もあった。途中ワカンを装着してラッセルを続けた。1550分頃、稜線上に幕営地を定め、テントを張った。晩御飯の献立はペミカンカレーとマッシュポテト。ペミカンは私が用意したのだが、野菜を大きく切り過ぎたので固かった。幸いそこまで怒られずに済んだので助かった。マッシュポテトは舌触りがなめらかで美味しかった。20時頃に就寝。



3/10()
 4時半に起床し、鶏雑炊を食べた。6時半過ぎにビーコンチェックを済ませて出発。ワカンを履いて、尾根の少し西側を、尾根に張り付くようにして歩いた。私がラッセルするとなぜかどんどん東に進んでしまい、何度か注意していただいた。
南尾根の下りは初めかなりの急登が続き、ワカンでは少し歩きにくいところもあった。西尾根の核心部より難易度が高いと思える箇所もいくつかあった。大事を取って一度ロープを出して懸垂した箇所もあった。(これは正しい道ではなかったからかもしれない。)
懸垂が終わった後は、以前南尾根に入ったことのある近江と箱守の意見を踏まえ、アイゼンに履き替えて歩いた。1120分頃、比較的なだらかなところに入ったので再びワカンに履き替えた。
さらに高度を下げると、ワカンの足跡に黒く地面が見えるほどの雪の量になったので、以後はツボ足で歩いた。14時半頃、雨がパラパラと降り始めてきたので、下山を急いだ。
1510分頃、道を間違えてしまったのに上級生が気付いた。1850m付近で南の尾根を進むところを、東の尾根へと進んでしまった。時間を大幅にロスしてしまった。この時先頭を歩いていたのは自分であり、地図での確認を怠ったことを反省した。
1555分発電所に到着。人工物を見て、もう終わったかのように思ってしまったが、ここからかなりの急登と分かりにくい道が続く。雪が中途半端について滑りやすいこともあり、かなり歩きにくかった。ここでも一度道に迷ってしまった。
175分、無事に下山できた。大急ぎで近くの温泉に入り、1810分の松本行のバスに乗って帰った。

2019年3月1日金曜日

2019.2.24-3.1南アルプス深南部縦走

メンバー:L中山、饗場、近江、吉田
期間:2/24-3/1
道のり:畑薙ダム〜茶臼岳〜光岳〜信濃俣〜大根沢山〜白樺荘

2/24(記録:近江)
天候:晴れ
コースタイム:12:00白樺荘-13:00沼平ゲート-16:30ウソッコ沢小屋
 11:30頃、井川地区自主運行バスで白樺荘に到着。バスといってもジャンボタクシーのようなもので、定員は10名くらいである。基本的には井川地区の住民優先なので、途中で降ろされないか不安だったが運良く誰も乗って来ず、無事白樺荘につくことが出来た。白樺荘では、夏に聖平小屋でバイトしていた中山さんの知り合いに会い少し話した。やはり今年は雪が少ないようである。深南部に入ってから水が作れるか不安に思ったが、とりあえず歩き始める。ゲートは案外遠く序盤から肩が痛くなったが、ゲートを過ぎると不思議とその痛みは消えていった。そこから30分強で畑薙大吊橋に着く。この吊橋は高度感があり、意外と怖い。吊橋を渡ると急登が始まる。少し歩くと早速沢地形の崩壊地が出てくる。距離も短くそこまで危険ではないが、足元がどんどん崩れていき滑ったらそこそこの怪我をしそうだったのでロープを出してみたが思いの外足場は崩れなかった。このあと数カ所渡渉する箇所があるが、ところどころ台風の影響で橋が崩れているので注意が必要である。といって石や倒木を伝って渡ればさほど苦労しない。ウソッコ沢小屋手前の左岸をトラバースする道が崩壊しており、遠くから見ると斜面を少し上がったところに階段が浮いているように見える。だがそこはロープが垂れ下がっており、それを伝っていけば問題ない。この崩壊地の手前で水を汲んだ。この日は横窪沢小屋まで行くつもりであったが、以上のようになんだかんだで危険箇所が多く時間がかかってしまい、結局ウソッコ沢小屋までしか行けなかった。この日は一度も雪を踏まなかった。

2/25(記録:近江)
天候:晴れ
コースタイム:06:30ウソッコ沢小屋-09:50横窪沢小屋-16:00茶臼小屋
 この日は朝一から渡渉した。ここの渡渉も飛石渡渉だが結構手強く、時間もかかった。渡渉後は横窪峠まで順調だったが、そこから横窪沢小屋まではまたしても崩壊しており、距離はかなり近いのに一時間かかった。ここもロープを出し、お助け紐的に使った。橋は崩壊していなかった。ここまでくると所々雪が見られた。一、二時間強くらい進むとラッセルが始まり夏道を探すのが難しくなってきたが、頑張ってテープを辿り尾根道に出た。ここからしばらくは尾根通しだが、茶臼小屋が近づいてくると夏道はトラバースし始める。このトラバース開始地点を探し当てるのは難しく、結局我々は茶臼小屋よりかなり上の方に出てしまい、そこそこ急な斜面を下る羽目となった。この日も崩壊地やラッセルでの踏み抜きに苦しみ思うように進めなかった。この先まだまだ長いのに、山行の序盤で時間を浪費してしまっているなと少し焦りが生じてきた。しかし茶臼小屋はとても快適であり、行程が遅れているけれど仕方がないという気持ちになれた。 

2/26 (記録:饗場)
天気:晴れ

6:30茶臼小屋-7:00茶臼岳-8:00喜望峰-9:30易老岳-12:20-光小屋-13:00光岳-13:20光小屋

 天気は晴天風もそれほど強くない中、アイゼンをつけて出発をした。前日のラッセルと違い茶臼岳山頂までは硬い斜面で快調に登っていく。冬履とアイゼンの相性が悪くどうにもカパカパするので少し不安だったがなんとか山頂まで到着。やはりアイゼンと冬靴の相性が悪い。風もなく気温も高かったため4シーズン履でも問題ないと判断し冬靴から4シーズンに履き替える。山頂からはトレースがあったためほとんど沈むこともなく、快晴のもと気持ちの良い稜線歩きをした。易老岳への登りで少し迷うも問題なく進んでいった光小屋のある平地の直下において夏道は谷沿いとなっているが尾根沿いを進み問題はなかった。前日とは打って変わってほぼコースタイム通りで光小屋に到着。これから先に進むことも考えたが、先に進んでもそれほど良いことはないと判断して光岳へ空荷でピストンし3日目の小屋泊となる。同じ小屋に信州大のパーティーがあり北岳まで向かうとのことだった。我々もしっかり完遂しようと発奮しその日は就寝した。

2/27 (記録:饗場)
天気:晴れ

6:30 光小屋-8:20百俣沢の頭-12:30信濃俣-15:101874m付近(幕営地)

 天気は前日同様晴れ、なんとも気持ちの良い朝である。ラッセルが予想されたためワカンを履いて出発。百俣沢の頭までは緩い下りである。しかし結構足が沈み今までにはなかった頭上の木がなんとも邪魔である。深南部に入ってきたのだなと時間しつつ下っていくが、少し尾根が広くなったところで東側に逸れてしまったらしく、GPSで位置を確認し一度登り返しトラバースして百又沢のかしらに到着した。そのあとは信濃俣のコルまで下りまた登りである。この信濃俣の登り、なかなか急でここを降るにはロープが欲しいと思うぐらいであった。その後急登をラッセルしたあとシナの股に到着。視界がほとんどない山頂で休憩をしたあと出発した。明日は少し天気が悪そうなので今日のうちに進んでおきたいと思い快調に進んでいくも、1箇所路面が凍結し危険な場所があったためロープを出した。これがなければ1913m地点まで行けたのに、とも思いつつも怖いものは怖いのである。そこ以外にも細いリッジが多くあまり気の抜けたものではなかった。15:00になったので幕営的地を探し良いところがあったので決定する。そしてやはりというべきか雪は少なく周囲から雪をかき集めて水を作った。その夜は雪が多く降っていた。


2/28 (文責:吉田)
天気:雪

6:30 幕営地発- 11:00大根沢山・幕営開始
朝から雨のような雪が降っており雨具を着て出発した。凍結していそうだったので終始アイゼンを装着していた。初めはゆったりとした尾根上を歩くのだが、濡れのせいで気分が上がらなかった。1849mのピークを過ぎ大根沢山への最後の登りに入ると、これが地図で見るよりも長く急だった。テープを追っていたはずだったが、1950mあたりから尾根の東側に行ってしまった。薄い樹林をかき分けすぐに登山道に合流したが、雪のついた道では一般道がどこを行くのかはよく分からず、かなり急な斜面をジグザクに登った。この辺りから先頭を歩く吉田の体調が悪くなり始め後ろに回る。それでもなんとか2100mまでたどり着く。そこでとりあえず大根沢山まで行き、これからの行程を考えることにした。大根沢山は山頂付近は平坦であり、テープを追いつつ山頂の標識にたどり着いた。ここで幕営することに決め、すぐに設営を始める。
 テント内では服が濡れていたため寒さに震えていた。次の日の朝、吉田の体調が回復していなければそのまま白樺荘に下山することに決めた。

3/1 (文責:吉田)
天気:晴れ
6:30幕営地発-13:00白樺荘
下山することになった。地形図上では田代沢の頭から白樺荘へ直接下りる尾根は一部不明瞭だと思われた。しかし実際に行ってみると目印のテープは付いていて、田代沢の頭にも分岐の標識があったので安心して下山することができた。地図上で林道に合流する部分からは、道が崩壊していたので進むことはやめておき、尾根上に伸びる登山道を歩いた。ここもテープはあり危険箇所はなかった。しばらく行くと林道に合流して、白樺荘までウネウネと続いていた。

2019年2月23日土曜日

2019.02.23~24 八ヶ岳真教寺尾根


八ヶ岳真教寺尾根
日程 2019/2/23()24( 22前夜泊
天候 両日共に晴れ
メンバー 縄(L)、福田
コースタイム
2/22 
小淵沢ステビバ
2/23 
0634 清里駅着
0900 スキー場発
1230 牛首山山頂
1420 2480m付近幕営
2/24
0630 幕営地発
0830 赤岳山頂
1030 幕営地点
1430 スキー場
1530 清里駅

2/23
賽の河原。これくらい少なかった。
2223で南岸低気圧が来て降雪する予報だったが、南の方を通るように変わり、結果全然天気は良さそうであった。清里駅から出発しようとするも福田が雨具を家に置いてきてしまったようだと言う。天気とは裏腹にいきなり暗雲が立ち込める。スキー場で借りられる可能性にかけて出発。
小一時間歩きスキー場へ。なんとか借りられたようなのでそのまま出発する。返却があるので、鎖場の下りを考慮してもともと赤岳鉱泉に降りる予定だったが、結局雪もすくなさそうなので、サブザック行動にして往路を下れる可能性にかける。
取り付きは情報が少なく、なんとかなるんだろうと思って適当に藪を漕いで登山道に合流しようとしたら登山道のところのはずが悪路だった。ようやく踏み跡がしっかりしてきて防火帯のような謎の空間を登っていく。取り付きの正解は帰りに見つけた。スキー場の左端に沿って通路のようなところを進むとテープが見えてくる。皆そこから登っているようだ。
ところが今度は福田と自分の花粉症の症状がひどくなった。杉の塊が近くにあったに違いない。福田はかなり辛そうで、ネックウォーマーをマスク代わりにしていた。
スキー場上まで来たが牛首山は雪が相当少なそうだ。あまりにものどかなのでボルダリングしてしまった。その後も雪が増えることはなく、あってもトレースで踏み固められていて問題なかった。
幕営予定だった2316mまで来て赤岳はだいぶ近づいたが、上げられるならベースキャンプをあげたいのと、赤岳沢のトラバースの雪が緩む前に降りたかったので、もう少し進むことにした。
小一時間ほど進み、2480m地点で張る。もう山頂は目の前である。
2136m地点から赤岳

2/24
ゆっくり支度してハーネスを履いて出発。上に4人ほどのパーティーが撤収していた。権現方面へ縦走するらしい。左には天狗尾根、右には東稜が見える。特に天狗尾根のかっこいいこと。程なくして鎖場の地点に着いたが、やはり鎖はめちゃくちゃ出てて、問題なく登れそうだった。下りもこれを使えば懸垂は容易だろう。特に恐怖感を感じることなく登り、9合目の看板を通過した。その後も多少は鎖の付いたところを登ることになるが、傾斜は緩い。キレットからの道、文三郎道と合流し、8時半頃登頂した。つい6日ほど前の西面登攀でも綺麗だったが、この日は風も弱く、北アルプスの北端を余裕で見えた。あまりにも穏やかで、寝転んで昼寝できるくらいだ。
続々と登山者が到着する中、往路を戻る。鎖が出ているとはいえ、下りの方が緊張は強いられる。鎖に直接ロープを通し、九合目のすぐ上で1ピッチと、核心の鎖場で3ピッチ懸垂した。他の記録にもあるが、これが雪で埋まっているとなると難しさは増すだろう。だいたいは掘り起こせる気がするが。その後はテントを撤収し、意外に長い牛首山の登り返しを経る。微妙に凍っているところと花粉に苦しみながら、1430分、下山した。
雪の量が少なかったのであっさりだったが、これが南岸大量降雪の後であれば、大きく違っただろう。
頂上より真教寺尾根を臨む。

2019年2月15日金曜日

2019/2/15-19 八ヶ岳冬季登攀

阿弥陀北陵記録
日程:2019/2/16()
天候:曇り
メンバー:畑中(L)、近江(記録)
コースタイム:06:10行者小屋-09:50阿弥陀岳山頂-11:30赤岳山頂-12:40行者小屋

この日は先輩から教わった通り2578ピークのある尾根を登ろうと思い、出発して最初に出てくる分岐の手前から西にそれようと思ったが、どこにも踏み跡がなかった。踏み跡があるものだろうと思い込んでいた我々は、踏み跡を求めて水流の上を歩いて踏み抜きそうになったり少しラッセルして急斜面を登ってみたりしながら散々歩き回った挙句、結局踏み跡を見つけることができなかった。仕方なく分岐のところまで歩いてみるとようやく踏み跡を発見できた。踏み跡はどうやら2578ピークを通る尾根の一本東側の尾根を通っているようである。そこから先は、展望はあまり望めないものの、割と順調であった。ジャンクションピーク手前が少し急であった。第一岩峰はロープを出さずに通過し、第二岩峰では2ピッチロープを出した。ロープを出すセクション(第二岩峰、ナイフリッジ)を超えればあとは少し歩くと山頂である。なんともあっさりとしたバリエーションルートである。山頂からは展望が全くなかったので、コンパスとGPSを見ながら中岳との間のコルへ降り立った。視界がなくぼうっとしていると阿弥陀南陵を降りてしまいそうではあった。中岳を越え、文三郎道の分岐についた時、11:00であった。そのまま降りるか赤岳に寄り道するか考え、時間はあるし僕が赤岳に登頂したことがなかったため、赤岳に寄っていくことにした。下山は地蔵尾根から降りた。



2019/02/16 裏同心ルンゼ記録
天候:曇り
メンバー:池田、箱守、吉田(記録)
行動記録:06:10行者小屋発07:30裏同心ルンゼF12:00トップアウト15:30帰幕

箱守、吉田共に初のアイスクライミングだったため、裏同心ルンゼF1で登り方を練習してから登攀を開始した。氷の表面で解けた水で手袋が濡れて冷たくなった。F3の上部では氷を踏み抜くようなところもあり氷の厚さの確認など考えることが多かった。帰りは時間も余っていたのでじょうご沢を見てから帰ることにした。前半の滝の氷結状態は悪く高巻きをしながらナイアガラの滝につく。そこでトップロープを張りアイスクライミングの練習をした



2019/2/17 
阿弥陀北稜
メンバー:縄、L箱守(記録)
天候:快晴
6:30行者小屋-8:02第一岩峰基部-8:30第二岩峰基部-11:00阿弥陀岳山頂-12:30赤岳-13:10地蔵尾根分岐-14:27行者小屋

赤岳南峰リッジへ行くパーティーとほぼ同時に行者小屋を出発し、10分ほど一緒に登った後、別れて阿弥陀北稜へ続いていると思われるトレースを登りだした。だがトレースは途中で消えており、尾根上を進めばジャンクションピークで合流できそうであったがラッセルが深かったので一旦取り付きまで引き返し、別のトレースを辿ったところ、しっかりと第一岩峰基部まで続いていた。去年来た時とは違う場所を登るトレースだった。どこからでも合流できそうであるので年によって変わるのだろう。第一岩峰はアイゼンをつけてロープは出さずに木を掴みながら登った。第二岩峰の基部に着くと先行パーティーが3組ほど登っていた。日曜日ということもあって混雑しており、後続も2,3パーティーいた。幸運にも天候は快晴で風もほとんどなかったので待つのは楽だった。縄は初めての冬季登攀となったので、去年登ったことのある箱守が1ピッチ目をリードする。先行パーティーが基部から5mほど登ったところでピッチを切っていたのでその隣で支点を構築した。2ピッチ目は縄がリード。3ピッチ目はナイフリッジの先まで箱守リード。危なげなくトップアウトし、ロープをたたんで山頂へ。休憩したのち、せっかくなので一般道を辿って赤岳まで登り、地蔵尾根を下って行者小屋に帰幕。



2019/2/17アイスクライミング(裏同心ルンゼ)
メンバー:畑中、近江、新垣
天候:晴れ
行動記録:04:30 起床06:30 出発07;45 裏同心ルンゼF1でアイスクライミングの練習08:45 アイスクライミング開始12:26 大同心にトップアウト13:35 ジョウゴ沢見学14:26 行者小屋

初めてのアイスクライミングであった。寒さ、冷たさをなめて手袋を二重で登っていたら、手はみるみるうちに冷たくなり感覚がなくなってしまった。また、アプローチで汗をかかないこと、アイスアックスは握りこみ過ぎず手首のスナップを利かせて氷に打ち込むと良いこと、アイゼンの爪は氷に垂直に蹴り込むことなど多くのことを学ぶことができた。次に行くときは寒さ対策をもう少し考えていきたい。



2019/2/18 赤岳南峰リッジ
メンバー:畑中、縄、新垣
天気:晴れ行動記録:04:30 起床06:30 出発07:40 南方リッジ取り付き10:50 赤岳山頂11:30 行者小屋12:30 行者小屋発13;30 ジョウゴ沢F14:30 ジョウゴ沢発15:15行者小屋

南峰リッジはあまり難しいところはなかった。(そうなるようにルートをリーダーが決めてくれているのだろうが)三ピッチ目に、落ちたら死ぬ切り立った岩壁があったがしっかりとした足場があったため大丈夫であった。帰幕後、時間があるということでジョウゴ沢へアイスクライミングの練習をしに行った。中山乗越がきつかった。



2019/02/19 阿弥陀北陵
メンバー:池田、近江、新垣
天気:曇りのち雪
行動記録:04:30 起床06:30 出発10:00 阿弥陀岳山稜10:30 帰幕

折角なのでトレースのないところを登ろうということでトレースのないより西側の尾根を登った。ここで胸まであるラッセルを初めて体験した。汗でビシャビシャになってしまったが今日は気温が高く助かった。山頂はガスっており景色を楽しむことはできなかったが、僕は初リードを2ピッチ行いとても楽しめた。ナチュラルプロテクションを外れないようにとるのは難しく慣れが必要だと思った。積雪量は少なく風が弱く吹きだまっている可能性も低いと判断し地形の罠があるものの中岳沢を下り下山することを選択した。その後美濃戸口までおり、温泉に入り解散となった。



赤岳主稜記録
日程:2019/2/19()
天候:晴れ
メンバー:池田(L)、近江(記録)
コースタイム:06:30行者小屋-07:45取り付き-13:00登攀終了-13:10赤岳山頂13:25-14:20行者小屋

文三郎道を登って行き、周りが開けてきてからしばらく歩くと、左にどう見ても取り付きとわかるチョックストーンがあるので、そこに向かってトラバースする。1ピッチ目は難しかった。一旦左の岩に乗り、残置スリングを掴んでチョックストーンの上に上がった。チョックストーンの奥にアックスがよくかかるところがあるのでそれを利用した。このピッチは、私には非常に恐ろしかった。そこから先のピッチは、特に難しいところはなかった。雪のついた斜面を登ったり、ホールド豊富な岩を登るのである。下りは地蔵尾根を使った。
私は登るのが遅く危うく後続パーティに迷惑をかけるところだったので、来年はもう少しマシなスピードで登れるようになりたい。



八ヶ岳裏同心ルンゼ記録
日程:2019/2/19()
天候:雪、上部強風
メンバー:畑中(L)、縄(記録)
コースタイム:
0615 行者小屋発 0650 赤岳主稜に向かう途中で撤退決定0725 裏同心ルンゼに向けて行者小屋発 0810 裏同心ルンゼ取り付き 1020 大同心稜基部 1130 行者小屋着

予定では赤岳主稜に行く予定であったが、文三郎尾根を登って行く途中早くも雪が舞い始める。視界は良いものの上部の風は強そうで、悪天傾向が早まったと判断し、バックアッププランの裏同心ルンゼにすることに。
一旦行者小屋に戻り、ギアを整理後、裏同心へ歩く。帰りの登り返しを考えると億劫だと畑中は言っていたが、個人的にはアイスクライミングのリードを初めて経験できそうだったので、悪い気はしなかった。
取り付きまで息を上げて登り、準備する。最初のF1は畑中にリードしてもらう。傾斜が緩く高さもさほどだったので途中支点は取らなかった。晴天で解けたせいか3日前と比べても簡単になってるらしい。
F2は自分がリードすることに。3m×2段くらいで怖さはなかったが、場所が悪かったのかスクリューを入れると割れてしまい、今度はそもそも入らなくなった。時間を消費しそうなのと支点を無理に取る必要もないことから結局そのピッチも支点は取らなかった。後で畑中に言われてわかったのだが、中に氷がつまっていた。このピッチの確保地点はF3滝下部にとった。また、スクリューのふたを途中で落とすミスを犯してしまった。登攀する前に確認すべきであった。
F3も自分リード。5mくらい。今度はすんなり支点を取れた。確保支点は滝を抜けて20mくらいのところに出ていた岩にとった。
F4は雪で完全に埋まっている。畑中によると12月の時は出ていたらしい。
最後のF567mくらい。右側を登り、途中支点は1個とった。確保支点は滝を抜けて程なくある右側の草付き付近の氷にとった。
上でロープをたたみ、大同心基部へ10分ほど歩く。2人だったので登攀は想像より早く終わったが、栄養補給をしていないので少し疲れていた。
大同心はここ最近の晴天で全く雪が付いていなかった。ただ、上に抜けると風、雪が強くなり、主稜に行かなくてよかったと心底思った。
大同心の下りは、踏み跡はしっかりあるが、特に下りだしが急でメンバーによっては1p程度懸垂下降をしたほうが良いだろう。
その後は行者にもどって阿弥陀北稜のメンバーと帰り支度をし、雪の降りしきる中下山した。
個人的にはアイスクライミングのリードを経験でき、充実したものになったと思う。

2019年2月6日水曜日

20190206_冬合宿 仙丈ヶ岳地蔵尾根

20190206_冬合宿 仙丈ヶ岳地蔵尾根
メンバー:池田、縄、畑中、近江、箱守、饗場、吉田、新垣、辻、林、福田
天候:2/6 曇り 2/7 晴れ 2/8 曇り
2/6 柏木登山口6:30 – 15:40 2422標高点(幕営)
2/7 幕営点 5:30 – 8:30仙丈ヶ岳8:50 – 10:30 幕営点
2/8 幕営点6:30 – 11:15 柏木登山口
2/6 記録:福田
夜行とタクシーを乗り継いで登山口へ。空きスペースにテントを張り仮眠をとる。朝起きてみると思いの外気温が高く、登山口に雪はない。標高が低いせいだと思い出発。ただ、2時間歩いても雪が積もっていない。もともと登山口からラッセル想定で入っていただけに拍子抜けである。雪がないので特に書くこともない。そういえば寿司食べたいとか話ししてたのにあれから寿司食べにいってなかった。あと林がヘルメットをザックの下敷きにして粉々にしていた。勿体無い。
 歩き始めから3時間くらいでやっと雪が出てきた。でもラッセルするほどではなかった。ひたすら退屈である。むしろこの方が苦行。外付けしているワカンを捨てたい衝動にかられる。
 松峰小屋を過ぎたあたりから雪がひざ下くらいになってきた。まあラッセルにはならないんだけど。虚無とはこのことか。時間もあるのでどんどん先に進み、2422標高点ちょっと先の偵察で確認していた幕営適地まで行動した。正面には仙丈ヶ岳がもう見えていた。近い。

2/7 記録:福田
 日の出前に出発。ヘルメットを壊した林はお留守番。ワカンはつけていたが雪は膝上くらい。人数が多いのでラッセルは楽。てか雪が少ないからそもそも楽。1ピッチで主稜線手前まで。このあたりで空が明るくなり始めた。池田さんが楽しそうに稜線までラッセルしていた。ただその後に続いた池田さんより体重が重い人たちはただただ辛そうだった。僕は体重が軽い方なので楽だった。

 稜線上は風が強かった。この後もどんどん風が強くなる予報だ。先を急ぐ。風で吹き飛ばされて雪は少ないが、カリカリのアイスバーンになっていた。その中でも特に氷化していた地点で、突然アイゼンが外れた。バランスを失った僕は転倒し、滑落した。必死に滑落停止をしたが、ピックが刺さらない。なぜか知らないが止まった。原因はアイゼンの調節が不十分だったこと。反省、、、。
 しばらく穏やかな雪稜が続いて、主稜線に出た。そこから山頂はすぐそこだった。風は強いが平和な山頂だった。あまり
に簡単で拍子抜けだが、ともかく無事に全員登頂できたので何よりだった。あ、林いなかった。
 午後から天気が崩れる予報だったので、下山は駆け足だった。テントに戻ってからはやることがなくみんな寝ていた。
















2/8 記録:新垣

ヘルメットが壊れたせいで、7日のアタックに参加できなかった林には悪かったが、8日は風が強かったため再アタックは中止となり下山することになった。下りは上りの半分以下の時間で行くことができた。冬山の上りのラッセルのしんどさをあらためて感じた。今年度の冬山合宿は去年に比べ楽な山行だったそうだが僕にとっては十分な冬山経験と登頂の喜びを得ることができた意味深い山行となった。

2019年2月1日金曜日

20190201 阿弥陀岳南陵〜中央陵

20190201 阿弥陀岳南陵〜中央陵

メンバー:L池田、三浦、福田
日程:2/1~2/2
天候:晴れ
記録:福田
2/1
10:15 タクシー降りる-10:35 船山十字路-11:50 旭小屋12:00 - 14:40 立場山14:50 -15:10 青ナギ
2/2
7:40 出発 - 10:00 p3基部 - 12:10 阿弥陀岳 - 15:30 広河原沢出合 - 16:10 船山十字路 -16:40 タクシーのりば

2/1
9:10に茅野駅集合で、タクシーで船山十字路を目指す。しかし、昨日降った雪でタクシーが入れず、手前で降ろされてそこから歩くことになった。10:15分出発。積雪は20cmほど。トレースはない。とにかく寒い。20分ほどで船山十字路にでた。十字路を右折し、南陵の取り付きを目指す。途中川を渡る地点で橋が流されていた。おそらく台風によるものだろう。適当に川を渡って、旭小屋へ。雪が深くなり、すねくらいまで埋まるようになった。小屋を過ぎて尾根までの急登をこなし、尾根上を登り、3ピッチで立場山まで行った。途中からひざ下ラッセルだったが池田さんが楽しそうにラッセルしてたので後ろは楽だった。立場山のすぐ先の青ナギで幕。夜は冷え込んだが新品のダウンと寝袋のおかげで快眠できた。

2/2

腰ラッセル
5:00起きだったがコッヘルが小さい事もあり準備に時間かかって7:40出発となった。無名峰までは自分がラッセルをした。正直上のアルパインエリアでは自分は何もできないのでここで頑張るしかない。基本膝上で時折腰まで潜る雪をラッセルして1時間強で無名峰まで行った。天気がいい。あと暑い。本当に2月かよ。そこからp1までさらにラッセルして、p1手前でトップを交代してもらった。



やたら絵になる
P3
P3までは大したことない尾根を歩き、p3基部についた。後ろに自分たちのトレースが見える。雪山はやっぱりこうでなくちゃね。基部からルンゼに入るまでトラバースがあるが、そのトラバースからロープを出した。風が強い。コールが聞こえない。ロープがいっぱいに出てさらに引かれていたので、ビレイを解除してトラバースした。どうやら50mロープちょうどいっぱいでルンゼ基部まで行ったようだ。2ピッチ目はルンゼ状だった。ここもコールが聞こえず苦労した。ただ、雪は少なくノーロープでも普通に登れそうである。ルンゼをさらにつめて稜線上に出て、そこからは1時間もかからずに阿弥陀岳山頂に出た。最高の天気で視界は360度。

多分バンザイのポーズをしようとしているが手が上がっていない謎のポーズ
写真を撮ってさっさと降る。中央陵はトレースがなく、地図を見ながら尾根を外さないように降った。途中下部岩壁の上部に出てしまい、懸垂しておりた。尾根の下部は雪がグズグズで滑った。大変だった。ここが一番大変だったかもしれない。広河原沢の出合まで来るとアイスクライミングの人たちのトレースがあり、てくてく歩くだけで出発地点まで戻れた。