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2018年6月23日土曜日

2018.06.23水根沢

水根沢遡行
6/23
メンバー:L岸本、箱守、林
天候:曇りのち雨
記録:林
12:13 水根バス停
12:45 入渓
13:10 3m程度の滝が連続する点を高巻き
14:00 懸垂下降で沢へ戻る
14:11 2段12m大滝を過ぎたところで撤退開始
14:48 水根沢林道に合流
15:25 水根沢バス停

今回の山行は、下級生が沢登りを体験することを目的に実行された。午後からの天気の崩れが懸念されたが、行動時間が短いということで、午前中にすべての行程を終える予定だった。しかし、箱守が入渓日を勘違いしていたことで予定のバスに乗れず、大幅に遅れての行動開始となってしまった。以下は、岸本と私の待ち時間での暇つぶし、および昼食である。奥多摩駅から歩いて数分の奥多摩ビジターセンターでは、クライミングウォールの他、山岳関連書籍や奥多摩の自然についての展示が楽しめる。また、駅周辺には飲食店が数件ある。

 そういうわけで、昼過ぎに入渓。入渓ポイントが分かりにくいので注意。少し開けた駐車場のようなところが正解である。沢装備を身に着けて行動を開始すると、早速ザブザブと川の中を歩くこととなり、沢靴下の中に水が入ってきて気持ちが良い。さらに進むと、胸まで水につかることとなった上、全身を使って岩をよじ登ることとなり、岸本の手を借りながらなんとか登りきる場面もあった。

 そんなこんなでザブザブ進むと、3m程度の滝が連続している地点を高巻きすることになった。本来小さくトラバースするところなのだが、うっかり高く巻きすぎたため、沢から大きく外れてしまった。そこで渋々懸垂下降をして沢に戻ることにした。ところで、高巻きにはかなり危険が伴う。今回は大量の落ち葉と緩んだ地面に足場を奪われ、おまけに手で掴むのにちょうどいいところにある木に限って腐ってボロボロであったため、巻くのに相当苦労した。一度本当に落ちるかと思った。もし落ちていたら、丁度下にいた岸本も犠牲であっただろう。

 さて、無事懸垂下降を終えてテンションが上がってきた一行であったが、10分ほど進んだところで予想以上の増水に直面し、撤退することに決めた。しかし、下りは下りで何度もヒヤヒヤさせられた。例えば滝を下る際の釜への飛び込みである。ある程度クライムダウンしたところで後ろから飛び込むのだ。最初これを指示されたとき、また岸本が冗談を言っているのかと思ったが、本人が実演している以上どうやら本当らしい。中途半端にものを覚える私は、勘弁してくれよと思いながら飛び込んだところ、間違えて前から飛び込んで川の水をいくらか飲んでしまった。一方箱守は上手いことクライムダウンして、飛び込むことなく釜を突破していた。

 いくつかこのような滝を突破し、だんだん飛び込むのも悪くないなと思い始めたところで、下るのが困難な滝に直面したため、林道へ合流することにした。林道の木陰で片付けを済ませ、ギリギリでバスに乗り込み、帰路に就いた。

 今回はイレギュラーが多い山行ではあったが、目的は果たされ、沢登りの楽しさも知ることができ、充実したものであった。

2018.06.23甲斐駒ヶ岳

甲斐駒ケ岳
6/(22)-23
メンバー:L縄、吉田、新垣、新垣、辻
天候:曇りのち雨
記録:辻

6/22
24:00 尾白川渓谷登山口駐車場

6/23
出発3:50〜分岐6:00〜刃渡り7:30〜刀利天狗8:00〜五合目8:30〜七丈小屋9:20〜八合目10:25〜甲斐駒ヶ岳頂上11:40〜駒津峰12:50〜仙水峠13:50〜北沢峠長衛小屋14:35〜北沢峠発戸台方面バス乗車16:00

 前日に登山口の駐車場で野宿し、早朝から登り始めた。甲斐駒ヶ岳は日本三大急登の一つであり、出だしから急坂が続く。刃渡りまでは単調な登山道だったが、その急登と、山に不慣れなこともあって、幾分疲弊した。
 刃渡り(右写真)は眺めも良く、精神的に楽になった。当日は晴れていなかったが、遠くに富士山を望む事ができた。刃渡りを抜けるとまた林中の道に戻る。七丈小屋まで順調に登り続けた。
 七丈小屋では泊まることができ、食料や飲料を購入できる。(山相応の値段であるが)私たちは1日で登る計画だった為、利用することはなかった。
 七丈小屋からは、徐々に岩場が増え始め、視界が開けてくる。ここも結構な急坂であり、きつい場所だった。頂上に近づくにつれて、風は強さを増し、雲行きも怪しくなり始めた。頂上についた頃には小雨混じりの強風と変わり、非常に寒くなる。ゆっくり休憩することはできなかった。
 下り始めるとすぐ、本格的に雨が降り出す。足場は砂上に石が散乱し、快適なものではない。標高2752mの駒津峰を経由する為、降りるばかりではなく登る箇所もあった。駒津峰からは、ひたすら石の散乱する山道を下る。雨が止まないまま、北沢峠に到着した。
 本来、翌日に仙丈ヶ岳に登る予定であり、さてテントを立てて休憩しようとしたところ、テントポールを間違えて持ってきていた事が判明する。というわけで、急遽予定を変更し、帰路につくことになったのだった。

2018年6月19日火曜日

2018.06.09つづら岩登攀訓練

6月9日つづら岩マルチピッチ訓練 記録 新垣 7時34分私たち(岸本 畑中 吉田 箱守 新垣 辻)は武蔵五日市に集合し、そこからバスで千足駅へ向かった。ここからがキツかった。登山口からつづら岩まで1時間ほどのアプローチがあった。私にとってはずっと急な登りが続いており、休憩が欲しかったがそんなことは許されない。流石に先輩方もキツイと言ってはいたものの、その歩調が乱れることは無かった。先輩からザックを後ろから押してもらったり声をかけてもらったりして励まされながらなんとかつづら岩に到着。 9時30分まず、おけらルートに挑戦。マルチピッチのシステムを確認しながら確実に登る。2ピッチ目を始めようとし、目の前の大きな岩に手をかけたその時その岩が大きく揺らぐのを感じた。慌てて手を離し落石は免れた。懸垂下降時にはクラックに蛇が動いているのを発見し驚いてしまった。自然を相手にする登山・登攀において目の前の岩が崩れ落ちるかもしれない、手をかけた岩の隙間から生物が攻撃してくるかもしれない、自然物を利用し作った支点が壊れるかもしれないといった「かもしれない登攀」が重要だと思った。 休憩を挟み12時から次に一般ルートと左ルートを登攀。なんとか登り切ったものの、最後に懸垂下降のロープを下から回収しようとしても木か岩に絡まり、ロープを引くことができなかった。このようなことが起こるリスクを減らすため、懸垂下降を行なった後、毎回下からロープをずらすなどしてロープが絡まっていないことを書くにしていくようにしたい。 登攀を終え15時55分から40分ほどで下山し帰路についた。

2018年6月8日金曜日

2018.06.08‐09三ッ峠マルチピッチ訓練

三ッ峠マルチピッチ訓練
6/8‐6/9
天候:6/8晴れ 6/9雨のち曇り
記録:長谷川

行動
6/8  駐車場8:55~三ッ峠山荘9:45~屏風岩基部10:00~登攀開始10:40~登攀終了17:55
6/9 登攀開始5:30~登攀終了13:10~下山開始13:25~駐車場14:10

6/8
6:00に荻窪に集合し、登山口へ向かう。途中のコンビニでスマホをトイレに忘れて取りに帰りました。すいません。
駐車場から屏風岩まで1時間程のアプローチだが、ひたすらに暑い。汗だくになりながらも到着すると、金曜だからかとても人が少ない。快適なクライミングを期待しながら準備にとりかかる。縄近江パーティーは中央カンテを、池田饗場長谷川Pは一般右→10.5クラックをそれぞれ登攀した。10.5クラックは途中でルートを間違えたため、そこそこ悪かった。


中央カンテを登る縄近江パーティー。インスタ映えですね〜
天狗の踊り場に出たのち、懸垂3本で基部まで下降する。20分ほどの休憩をはさみ、縄Pは一般を、池田Pは中央カンテをそれぞれ登攀した。夕暮れの近づくクライミングとなったが、1周目よりテキパキと行動でき5:30には基部に戻ってくることができた。
1日目ラストの懸垂。お疲れ様でした。
夜ご飯はスパゲッティー二(スパゲッティじゃないよ)
6/9
夜の間は風雨が強かったのでコンデションが心配だったが、起きてみると岩はほとんど乾いていて一安心。暑くてよく眠れなかったが重たい目をこすり4:00起床。5:30から池田近江Pと縄饗場長谷川Pの2パーティーで登攀を開始する。縄Pは一般中央から正しいラインの10.5クラックを登り、天狗の踊り場まで出たのち基部まで下降した。
富士山をバックに天狗の踊り場へトップアウトする縄
岳人とかの表紙にできそうな写真

その間池田Pは紅葉おろしをTR。60mロープを持っていなかったので若干長さが足りず、フェイス途中でのビレイとなってしまった。
紅葉おろしを登る近江
全員で一旦基部まで降りた後2周目に入る。池田Pはリーダーピッチ→クーロワール、縄Pは都岳連→十字クラックをそれぞれ登った。
土曜ということで人も多く、13:00過ぎには登攀を終了し下山を開始した。1時間ほど下って解散。今回はパーティー全体として右フェースの主要なルートはほとんど登れたので充実した登攀が楽しめたと言えるだろう。お疲れ様でした。

2018年6月3日日曜日

2018.06.03つづら岩登攀訓練

つづら岩登攀訓練
6/3
メンバー:L池田、岸本、縄、饗場、近江、箱守、吉田、林、福田
天候:晴れ
記録:福田
千足バス停 8:00 - 9:10 つづら岩・マルチピッチ登攀訓練 17:20 - 18:00 千足バス停
訓練内容
1年:フォローでのマルチピッチ登攀訓練(オケラ・一般・左ルート)
2年以上:リードでのマルチピッチ登攀訓練(オケラ・一般・左ルート)
 
 今回の山行は1年生のマルチピッチ訓練、および2年生のリード訓練を目的として計画された。朝からすっきりと晴れた空のもと、順調に訓練が進行するものと思われたが、1年の福田が1時間以上も遅刻してきた。しかも理由が寝坊だ。彼は何を考えているのだろう。行く末が案じられる。仕方ないので岸本が千足バス停に残ることになり、その他のメンバーでつづら岩を目指すことになった。
 つづら岩では、本来3人×3パーティを出してそれぞれがマルチピッチを登るはずだったが、福田がいないので始め1パーティのみトップロープでの訓練に切り替え、福田が到着次第マルチピッチへと移行した。まずは比較的簡単なオケラルートを登り、そのあとに左・一般ルートを登った。1年は初めてのマルチピッチの経験となり、フォローでの登り、中間支点の回収の手際などに課題が見られた。2年は初めてのリード経験となったが、ビレイポイントでの支点作成がまだ不慣れで時間がかかる者もいた。また、終了点からの懸垂のセットに非常に時間がかかり、歩いて下った方が早いという状況であった。全体を通して、目的の訓練は全て行えたものの、多くの課題が残る訓練となった。
 帰りは行きと同じアプローチを歩いたり走ったりしてバス停まで下り、行程を終えた。

 


2018年5月27日日曜日

2018.05.27日和田山登攀訓練

日和田山登攀訓練
5/27
天候:晴れ
記録:近江
高麗駅 7:30 – 8:00 女岩上部・懸垂下降訓練・登攀訓練 15:30 – 16:00 高麗駅
訓練内容
1年:懸垂下降・空中懸垂(バックアップなし)、トップロープのビレイ訓練、登攀(女岩・男岩)
2年以上:バックアップ懸垂下降、半マスト懸垂下降、1/2滑車法、登攀

 一部の部員に30分ほど前から場所取りをしてもらい、すんなり訓練を開始した。1年生は初めて岩に触れるということもあり、最初は部室で散々練習したはずの懸垂下降もままならなかったが、それでも何度か繰り返すうちにコツをつかんだようである。トップロープのビレイも最初よりは上手くなったが、まだもう少し経験が必要であろう。
 2年生はバックアップ懸垂を行なったが、セットに時間がかかっている者もいた。懸垂のセットは素早くしたいものである。滑車を使ってフォローを引き上げる訓練も行った。フォローの体重の1/3の力で引っ張る方法と、1/5の力で引っ張る方法を習った。私は1/5の方だけ引いたがそれでもかなりきつかった。
 そのあとは男岩西面や女岩西面で登攀訓練を行い、行程を終えた。

2018年5月25日金曜日

2018.05.25富士山バックカントリー

メンバー:L池田、縄、吉田
天気:快晴
7:15五合目発
7:40六合目
8:22七合目始まり
9:05七合目終わり
10:07元祖室
12:22吉田口山頂着
13:40白山岳より滑走開始
14:40七合目着
15:00七合目発
15:50五合目着

縄は前日から吉田の自宅に泊まり、4:30に吉田宅で池田の車にピックアップしてもらい出発する。スバルライン経由で五合目駐車場に到着し車を止めここから歩く。スキーはザックに外付けした。
 縄、吉田は初の富士山であったため高山病の予防として、水分を多く取ることと深呼吸をすることを意識して登った。元祖室までは雪が残っておらず夏道が出ていたのでアプリローチシューズで歩いていたが、ここで山頂まで続く雪渓が現れたためスキー靴に履き替えた。雪がそれほど硬くなかったのでアイゼンはつけずに登った。山頂に着きお鉢の滑走をするために剣ヶ峰を目指し始めたが、その道中吉田に高山病の症状(頭痛、めまい、吐き気)が見られたため、お鉢滑走を諦めすぐに吉田大沢から下降することにした。滑走開始点に着くとすでに二人組の先行パーティがいた。吉田大沢は大きな一枚のバーンで、雪面表面が硬かったものの、快適だった。雪渓下部は土や石が表面にあったが、雪渓末端までスキーでおりた。そこから少し歩いて七合目から登山道に合流し、来た道を下山した。

2018.05.25 越沢・広沢

日程:525
天気:晴れ
メンバー:岸本L、三浦
記録:岸本
行動
鳩ノ巣駅~入渓点~越沢バットレス上部~鳩ノ巣駅




今山行は岸本がアブミの練習を行うためにたてられた。


入渓点はアルペンルートへの粗橋を渡り、2分ほど進んだところ。岩の裏に回り込むとF1がある。先日の雨で全体的に水が多い。
広沢入渓地点



F2で試しにアブミを使う。ここは足を入れるまでもなくアブミを掴む程度。途中のハーケンは先端1/3ほどしか入っておらず、念のため滝の中のクラックにカムを入れてランナーセットした。

F3はかなり低い滝(3m)、ほとんどフリーで滝の右から越える

F4(仙人の滝、6m)からは、がっつりとアブミを使用する。右岸にあるボルトにアブミをかけながらへつった後、水流に沿って上がる。上部にホールドが少なくリングボルト間の距離が遠いので最後の抜け口は最上段に乗り込む必要がある。
F4 仙人の滝

F5(羽衣の滝、10m)はスッとしたきれいなスラブ状。水流右のボルトにアブミをかけ換えながら登る。3番目のボルトがかなりボロボロで慎重に体重をかける。上部右にかなり立派な立木があり、それを頼りに抜けていく。

沢はこれで終わりといった様相になっていくが、奥にもう一つF6(行者の滝、15m)がある。下部は垂壁、上部はスラブとなっている。ボルトの間隔はかなり絶妙な位置にあり、一筋縄ではいかない。上部スラブに入ると支点はハーケンメインで、信用できないもの多数、不安な場合は新しく打つ必要がある。ホールドも少なく体上げにフックを使ってみたりも。練習にはもってこいの滝
F6 行者の滝

人が入らないからか、どのリングボルトもロシアンルーレットの感があった。
さらに言うとリングボルトのうちいくつかは、軽くさび付いて壁からなかなか離れないためカラビナを通すのに苦労するものもある。
またビレイ支点は全て立木を使用使用した。苔むしたお助け紐も多くあったが、どれも簡単にちぎれそうだった。

その後は越沢バットレスを懸垂下降して鳩ノ巣駅へ。駅の近くで釜飯食べれます。
1500円

沢登りとも呼べない山行になるかと思いきや増水のおかげでシャワーを思いっきり楽しめた。今季の沢始めとしても申し分ない充実の一本。
ただやはり奥多摩なので釜の水は栄養満点だ。飲み水は事前に用意していくべきだろう。

2018年5月22日火曜日

2018.05.20 水無川セドの沢右俣

水無川セドの沢右俣

日程:520
天気:晴れ
メンバー:阪本L、畑中
記録:畑中

行動
大倉0800=戸沢出合(入渓)0930=F6大滝1140=書策小屋跡地(終了点)1300=下山開始1330=大倉1515

大学では五月祭で盛り上がっている中、我々は沢登りへ向かった。計画当初は和名倉沢へ土日で行く予定であったが、阪本が土曜に用事があることが判明し日曜日帰りでこの沢となった。朝に渋沢駅に集合。おそらく塔ノ岳に向かうであろう登山者で溢れかえっている。バスを一本見送らざるを得ないほどであった。満員のバスに揺られながら大倉へ到着。阪本が用を足しに行くが、ここも混んでいて中々帰ってこない。しばし待ったのち出発。入渓点である戸沢出合までは約1時間半の歩き。舗装された道、舗装されていない道が延々続く。まあ体感ではそこまで長くは感じなかった。戸沢出合に着くと、橋が架かっていたのでその脇から入渓した。畑中は今年度初の沢登りだ。心踊る。しかしこの日は気温19度で少し寒そう…。少しだけ遡行すると初めは堰堤がいくつか出てくる。これらは全て右岸から超える。道もできていた。全ての堰堤をこえて、また少し進むと、水無川本谷F1が出てくる。

水無川本谷 F1
これは右岸の端に鎖場があるが、我々はそれを無視してた出来るだけ右岸側の滝に近い壁を登った。ちょっとしたシャワークライミングだ。階段状で簡単なので、中間支点は取らずに登り、落ち口の残置ハーケンで支点をとった。今回全ての滝の登攀は畑中がリードした。本谷F1を登るとすぐ本谷とセドの沢の分岐である。セドの沢に入流と、すぐに今度はセドの沢F1,2が現れる(以後F○は全てセドの沢の滝である)。傾斜もなく簡単なのでノーザイルでサクサク超えて行く。F2を超えると右俣、左俣の分岐が現れる。右俣に進み、その後も問題なく進んで行くとF3が現れる。

セドの沢 F3
最初の一段をノーザイルで超えて、二段目はザイルを出した。右岸側を登るが、ホールドもスタンスもある程度あるので怖くはない。途中に残置ハーケンもあったが今回は練習も兼ねて新しくハーケンを打ってみる。かなり効いているハーケンを打つことができた。登り切ると、少し進んだとこに残置ハーケンがあるのでそこを支点としてフォローをビレイする。F3の後はF4が連続で現れる。これは左岸側を登るが、ここもホールドが適度にあり決して難しくは無い。ただ中間支点の構築は難しかった。ハーケンを打とうとするも効かず、カムは持ってきたサイズが小さすぎて(キャメロット#0.3#0.4)きまらない。結局中間支点無しで登ってしまった。下山後に他の方の記録をネットで調べてみると、滝の上部にかかっている倒木で中間支店が取れるようだ。ビレイ支点は落ち口そばの壁でカムを使って構築した。F3が終わると、またしばらく普通の遡行が続く。日陰が続いていて少し寒くなってくる。阪本はレインウェアを着ているというのに、畑中は依然としてシャツ一枚である。そりゃ寒いわ。早くウェアが乾くことを願いながら歩いていると、暖かそうな陽の光が見えた!そこには日光に照らされて輝く美しいF5の姿があった。

セドの沢 F5

そんなF5は登るのは簡単で、左岸のスラブっぽいところをノーザイルで登る。登り切った後も進んで、水の枯れた名も無い沢(谷?)との出合に着くのでここでやっと休憩を挟む。休憩終了後、またしばらく普通の歩きである。トポをそこまで詳しく把握しておらず、F5がなぜか大きく見えたのもあって「さっきのF5が実は核心の大滝だったのでは?いやでも大滝はⅣ級らしいしあんな簡単なわけないよな…。大滝この先にあってくれ〜」などど意味のないことを考えながら歩く。そんな僕の小さな不安もすぐかき消されることとなる。大きな滝が現れたのだ。完全に事前に見たトポで知っていた大滝である。畑中は心の中で小さく安堵。

セドの沢 F6 大滝

滝は二段になっていて一段目をノーザイルで登り、二段目からザイルを出す。一段目を登る際、右岸側を登るが、ホールドとしていた岩が剥がれて50cmほど落下。ひえー怖い。もう一度登り、テラスへ。ここからは再び右岸側の乾いた岩壁を登る。中間支点は残置ハーケンが多く打たれているので困らない。ルートは右岸側に徐々にそれて行くが、滝の水流に沿って直登する方向にも新しそうなリングボルトが打たれていた。少し難易度が高そうなのでそちらには行かずに右にそれるルートを登る。ビレイ支点は残置ハーケンでとる。そこからは右上に伸びる巻道をたどる。再び沢に戻ることも可能であったが、沢のハイライトは終了したので、沢には合流せずそのまま巻道から尾根を登って行く。滑りやすい泥っぽい道を進んで行くと、しばらくして書策新道に出る。そこから書策新道を辿り、書策小屋跡地に到着。

書策小屋跡地
ここが終了点である。靴の履きかえ、休憩をして下山。下山は政次郎尾根経由で大倉に下った。バスで渋沢まで戻り、帰路についた。

2018年4月27日金曜日

2018.04.27-30 北アルプス・スキーオートルート

メンバー:4年池田(L)2年縄(記録)
日程:2018427()430()
天候:4/27 晴れ時々霧 4/28 快晴 4/29 快晴 4/30 晴れ後曇り
コースタイム:
4/26() 22:50夜行バス新宿発
4/27() 富山8:30室堂着、9:30室堂発〜15:00五色ヶ原山荘〜17:00越中沢岳頂上手前で幕営、立山にて乗り換え後、
4/28() 6:20撤収、出発〜6:40越中沢岳〜10:30スゴ乗越小屋〜15:30薬師岳〜16:50太郎平小屋〜18:40北ノ俣岳頂上付近で幕営
4/29() 6:40撤収、出発〜8:40黒部五郎岳〜9:30黒部五郎小屋〜13:30双六小屋〜17:10西鎌尾根、左俣乗越付近で幕営
4/30() 6:20撤収、出発〜9:30槍ヶ岳山荘、穂先往復〜11:20大喰岳より槍沢を滑降〜12:30槍沢ロッジ〜16:30上高地=19:00松本=22:30頃帰京

 昨年の双六小屋をベースキャンプとしたスキー山行もオートルートの下見であったと考えると、オートルートは長期的な目標であった。
 4/26から幅広く1週間ほどとって天候の良いタイミングで出かけることに。4/26は予報では雨が残りそうだったがその後はしばらく天候が良さそうということで連休1日前の27からの出発に決定した。シュラフは夏用、食事は朝フランスパン、夜アルファ米、コッヘルは最小限、スキーの袋をナイロン袋、など軽量化に力を入れ、テント縦走ながらも行動中のザックの重さを20kg程度に抑えた。

4/26
 夜行バスは22:50新宿発。乗り心地も悪くなかった。

4/27
一の越より御山谷方面
  連休直前ということもあってか道が混んでいたようで20分ほど遅れたが、走ってなんとか6:04電鉄富山発立山行きに乗り込む。朝から観光客がたくさん載っていた。北方稜線から劔、立山、薬師と良く見える。3月に上級生が登った早月はもう黒い。ダッシュでなんとか間に合うか不安だった立山駅からのケーブルカーは臨時が出ていたので、これで室堂8:30到着は確実になり、一安心。徐々に積雪は増していくがやはり例年よりは少なそうだ。雪の大谷の深さ17mって本当なのか、とか思っていたらそこに着くと実際それくらいある。ちょうど吹き溜まりの場所のようだ。室堂に着いて登山届を出してもらい、建物の中で出発の準備。9:30頃に一ノ越に向けて出発した。ツボ足の人たちも含めて一ノ越には大勢の人が目指していた。50分ほどで順調に一ノ越乗越に着くと、遥か彼方に槍の穂先が見えた。あそこまでいくのかあ、胸を高鳴らせながら御山谷への滑走準備。一ノ越まであんなにいた人もこちらへ向かう人は自分たちだけである。やや堅かったものの楽しみながら鬼岳手前まで滑る。ここから鬼岳への登りも斜度が緩くそれなりに快適そうだ。充電いっぱいの体でサクサク登り鬼岳のコルへ。トレースもあってそれほど問題もなく頂上へ行くことができた。獅子岳へのコルまで一旦滑り込み、獅子岳への登りは念のためアイゼンをつけて担いで登った。この判断がよく、急登もなんとか超える。獅子岳の頂上からは、その後もいくつかピークを越える必要があって担いだままだったが快適な尾根歩きがしばらく続く。眼下には黒部湖も見えた。初日のポイントだったザラ峠の下りは、かなりいい具合に緩んでいて、40度の斜度を感じずにターンしながら快適に滑ることができた。それほど意識していなかったのだが五色ヶ原までは意外にも200mほど登る。シールで登っていくと、右側から急に霧が出てきた。ザラ峠の写真を逃したななどと呑気なことを思っていたが五色ヶ原でこれでは深刻である。GPSを参考に進むが、この文明の利器がなかったらどんなに不安が増していただろうと思うと、ゾッとしてしまう。15時に赤い屋根の五色ヶ原山荘へ。霧が薄くなるタイミングで鳶山に向けて出発した。鳶山の頂上からの下りは調べた通り急斜面のトラバースなのだが、やはり霧のせいでどうも先の様子がわかりにくく、一部40度超えの下りも強いられた。結局この日一番のポイントはこの鳶山の下りだっただろう。ここでやや時間を消費したこともあって幕営は越中沢岳中腹の傾斜の緩い所に決定した。17時に幕営。ツボ足の単独者がこの後通り過ぎていった。19時頃まで明るく、この時間まで行動してもよかったかも、などと池田さんと話す。テント場自体は悪くない場所を選んだがこの日は確か-5℃とかの冷え込みで、やはり夏シュラフの限界を感じずにはいられない厳しい夜だった。


4/28

 震えながらコンロの火をつけてフランスパンを食べる。あまり急いでもカチカチの中越中沢岳の下りをアイゼンで歩くことになるので、多少余裕をもたせながら出発。頂上までは20分で着いた。多少シールのままで下った後担ぐ。尾根伝いに行ければ良いのだがもちろんそういうわけにはいかない。ところどころトレースを参考にしながら急斜面をトラバースする。しばらく行くと夏道が出ていた。スキー靴とアイゼンで急な夏道を我慢しながら下るが意外に長い。スゴ乗越までもう一つトラバース気味にピークを越え、大休憩。ここから薬師岳まで長い長い登りだ。10:30に小屋に着き氷をナルゲンに補充。シールがややへたったのでテーピングで補強した。間山まで日差しに刺されながら一気に登る。なんとも適当な名前だがそれは綺麗な白い山で個人的にはハクノリが思い起こされた。久しぶりに槍が見えたがなんだまだまだ全然遠い。アミノ酸で薬師岳への登りへ気合を入れ直す。この間山からすぐの雪庇は立派だった。
槍はまだ遠い

北薬師への登り
大きく安全マージンを取って進み、その後緩やかな長い登り。北薬師岳の偽ピーク(のようなもの)を超えた後再び巨大な雪庇を避けるため担ぎながら登る。これほどのものを作ってしまうのだ、厳冬期の吹雪の凄まじさは想像に難くない(多分その想像を超えているのだろうが)。頂上直下もまた担ぐ。一気にエネルギーの消費速度が加速しているのを全身で感じる。ただ、北薬師の頂上から薬師岳を見ると、下調べに反して意外にほとんどスキーで登れそうだ。というか薬師岳の北東のカールがかっこいい。何度か担いだ以外はスキーで大体たどれたがたっぷり1時間かかった。さすがの体力ルートを実感する。避難小屋付近まで一部担ぎながら移動。薬師岳からの標高差700mの滑りは特に最初の方は滑り心地も良かった。あんなに苦労した登りもスキーにおいては、下りは一瞬である。これよりなだらかな山容となるのでハーネスも脱いだ。GW営業の賑やかそうな太郎平小屋を傍目にシールで颯爽と過ぎ去り、優越感に浸る。太郎山を下ったコルに張っても良かったのだが、我々はさらなる高みを目指してまだ進んだ。
北ノ俣岳頂上付近
緩やかな斜面は、それもそれで靴擦れを加速させたが、既に我々を下方から優しく照らすようになった淡い光に励まされつつ、慣性でももの上下運動を続けた。300m登って北ノ俣岳頂上付近の土の上で幕営。冷え込みは弱く12時間半行動の体をゆっくり癒した。



4/29
黒部五郎岳
ツボ足パーティーの横を、スキーの機動力を見せつけながら中俣乗越までトラバース。黒部五郎岳手前の登りはだんだんと傾斜が急になっていくが途中でスキーアイゼンを付ければなんとかなった。ここまでくれば双六小屋まで昨年に経験済みである。昨年バテバテで視界に入った記憶すらない笠に、今年は大いに魅力を感じた。
やや緊張したものの東斜面の雪の緩みに助けられ、今年もカールからの滑りを堪能した。小屋で大休止した後、黒部五郎岳を高さで僅かに凌ぐ三俣蓮華岳まで、今度は500mの登りとなる。木々を抜けながら同じ傾きで登るのにやや梃子摺った。昨年発達していた雪庇に比べると今年のものは小さく、1回担いだ他はシールで登ることができ、三俣蓮華岳に。
三俣蓮華岳より

槍はもうだいぶ近づいてきた。ついに見えた核心の西鎌尾根は、岩と雪が交じって簡単ではないことが推察された。丸山を下った後の部分は雪が崩壊しかかっていて急いで渡る。一旦担いで双六岳をトラバースした後小屋まで100mほど滑降。3日目はここで泊まる予定だったがそれだと4日目じゅうに帰京できなさそうなので西鎌尾根を行けるところまで進む。樅沢岳への登りは完全に夏道が出ていた。意外にスキー靴の底はフリクションが効いて歩きやすい。樅沢岳を下ったコルには左の沢からトレースがついており、樅沢岳の頂上を踏まずとも樅沢から登ることも可能なようだ。しばらくアイゼンで進んだが硫黄乗越手前から比較的尾根が広く、使わないと思っていた板を出動させることに。アップダウンはあるのでシールの使いどころが試される。途中で双六から槍を単独でピストンしたという登山者に会う。千丈沢乗越から先も技術的困難はなかったという朗報を聞くことができた。数十分進むとしばらく夏道が続いた。テント適地がなければ手前まで引き返すことも覚悟したが、左俣乗越の看板付近には我々のために用意されたかのような雪のない平坦なスペースがあった。穂先の方向に入り口を設定して、最後の夜を迎えた。明日の午後から段々と天候が崩れるらしく、タイミングは大正解だったようだ。

テントからの眺め


4/30
槍までのルンゼを登る池田さん
天気は良いものの夜明け前から風が強かった。板をザックに括りつけて出発だが、序盤は夏道がほとんど出ており、アイゼンなしで歩き始めた。数十分ほどでアイゼンを履き、夏道と雪上を交互に進んでいく。1時間半ほどで千丈沢乗越。やはりコルに来ると風は強く、風下で最後の登りに向けて十分にエネルギーを補給した。飛騨沢を右に見て頂上直下のルンゼを詰める。もちろん落ちたら止まらないだろうが斜度はそれほどでもなく、雪もある程度緩んでいることからロープを出さずに慎重に進んでいった。千丈沢乗越から1時間半後ついに肩の小屋に到着。後は穂先を登って槍沢を滑降して、4時間歩くだけだ。…結構あるのでまだ達成という感じはなくまず穂先へ。大勢がとりついている割にアイゼンでの登り下りが個人的には思ったより怖く消耗した。冬季登攀、この冬にはしっかり経験したい。穂先から下ってきて池田さんの提案で大喰岳に登ってそこから槍沢を滑ることになった。槍ヶ岳直下のように岩が出ておらず真っ白で快適そうである。まさかこの荷物でまだ登るとは、と思ってしまったが根性を見せるべく30分ほど登ってなんとか頂上へ辿り着いた。槍を左正面に見ながら絶好のザラメ雪を滑っていく。あっという間に槍沢に合流し、しばらくシュプールを描くことができた。ババ平のあたりからはいかに滑りで繋げられるかのクロスカントリーステージに入る。槍沢ロッジのあたりまでごまかしながら進めたがついに限界に達し、これより距離的な核心に入る。1時間スキー靴で歩いた後横尾でランニングシューズに履き替えて残り11キロ歩く。徳沢ではソフトクリームに励まされながらなんとか1630分ごろ観光客溢れる上高地へ。ついに4日間計40時間以上の行動の末スキーで室堂から上高地までつないだ。長野で夕飯を済ませてあずさ最終便で無事その日じゅうに帰京した。