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2019年8月24日土曜日

2019/8/24-9/7 大八ヶ岳〜南アルプス〜太平洋縦走

大八ヶ岳〜南アルプス〜太平洋継続縦走

メンバー:L箱守(3)(記録)、松坂(1)(三伏峠〜白樺荘)


8/249/7にかけて、15日間で美ヶ原-霧ヶ峰-白樺湖-蓼科山-八ヶ岳(以上大八ヶ岳)-小淵沢-甲斐駒ヶ岳-仙丈ヶ岳-間ノ岳-北岳-塩見岳-荒川岳-赤石岳-聖岳-光岳-畑薙ダム-井川-富士見峠-静岡駅-太平洋(大浜公園)と縦走した記録です。箱守(3)が全行程歩き、9/26(三伏峠-畑薙ダム)は松坂(1)2人で、それ以外は1人での行動でした。長期の山行は学生のうちしかできないかなーなんて思いながら2年連続で10日以上の縦走に行ってきました。(去年は北アルプス焼岳〜親不知)


もともとは8月上旬に行われた剱岳周辺での定着夏合宿から継続して北アルプス〜八ヶ岳〜南アルプス〜太平洋を3週間(予備含めると1ヶ月)で縦走する計画でしたが、台風10号の影響とその後の天候を受けて北アルプスは立山で早々に撤退を決め、美ヶ原から再開したという形になりました。
1年以上前から計画し、装備や食料をもっと軽量化できないか、工夫できないかと模索し続けました。また、最後まで歩き続けられるよう、ランニング/歩荷/インターバルといったトレーニングを重ね、完遂するという強い気持ちを持って入山しました。


装備に関しては全体的に軽量化を意識したほか、重いハイカットの登山靴をやめローカット(SPORTIVA/SPIRE GTX®︎ Surround)を使用し、怪我予防のため両足首と左膝にサポーターを常に着用していました。また、普段は使わないストックも使っていました。おかげで普段に比べてもかなり楽に感じました。他に導入したものや反省については全体の記録のあとに簡単にまとめています。


食料に関しては、八ヶ岳縦走開始時に予備を含めて1週間分持ち、小淵沢郵便局で局留めして置いた食料を補給して南アルプス縦走開始時は予備を含めて13日分持ちました。(ガスは郵送できないので始めから大サイズ1.5缶分持っていました。)メニューや反省は、記録の後半で。

 というわけで、長い前置きを終えて記録です。冗長になってしまいましたがお付き合いください。


今回のルート。総距離300kmあったらしい



8/24 
10:00美ヶ原自然保護センター-10:34王ヶ鼻-12:35扉峠-13:37三峰山-14:45和田峠-17:42車山-19:00白樺湖
8/25 
5:20南白樺湖バス停-6:35八子ヶ峰-9:45蓼科山-11:30大河原峠-12:50双子池ヒュッテ
8/26 
3:15双子池ヒュッテ-4:45北横岳-6:35麦草峠-10:00東天狗岳-12:00硫黄岳-14:30赤岳-15:49キレット小屋
8/27
5:10キレット小屋-6:10権現岳-7:08青年小屋-7:40編笠山-11:05道の駅こぶちざわ13:10-14:00小淵沢駅
8/28
10:40小淵沢駅-12:15道の駅はくしゅう13:45-15:00尾白観光白州キャンプ場
8/29
5:40キャンプ場-10:05七丈小屋10:45-12:33甲斐駒ヶ岳-13:47駒津峰-15:20北沢峠
8/30
停滞
8/31
4:40北沢峠-7:18仙丈ヶ岳-10:21野呂川越-13:04三峰岳-13:38間ノ岳-14:40北岳山荘
9/1
5:15北岳山荘-5:50北岳-6:40北岳山荘7:30-10:00熊ノ平小屋
9/2
4:40熊ノ平小屋-8:00塩見岳-10:33三伏峠
9/3
3:50三伏峠-5:42小河内岳-7:43高山裏避難小屋-10:07荒川前岳-11:15悪沢岳-13:00荒川小屋
9/4
3:50荒川小屋-5:30赤石岳-7:05百間洞山の家-9:21兎岳-11:00聖岳-12:32聖平小屋
9/5
4:20聖平小屋-6:12上河内岳-7:30茶臼岳-8:57易老岳-10:41光小屋-11:00光岳-11:10光小屋
9/6
3:30光小屋-5:08易老岳-6:30仁田岳-7:40茶臼岳-7:53茶臼小屋-8:54横窪沢小屋-10:56畑薙大吊橋-12:41白樺荘14:30-18:00井川
9/7
7:20井川-21:45太平洋・大浜公園




8/24 (1日目)

天候:晴
10:00美ヶ原自然保護センター-10:34王ヶ鼻-12:35扉峠-13:37三峰山-14:45和田峠-17:42車山-19:00白樺湖

 前日の夜に新宿からバスで松本に移動し、松本駅でステビバ。いつも通りエスカレーターが煩くてよく眠れない。他にも4人くらい寝ていた。
もともと計画段階では日の出前に松本駅を出発して美ヶ原まで歩くつもりだったが、案の定しんどくなったのでバスに乗って自然保護センターまで標高を一気にあげた。でかいザックを持っていると観光客だらけの美ヶ原では浮いてしまう。バス停から20分ほどで最高地点の王ヶ頭に到着し、ザックを置いて王ヶ鼻をピストン。松本の街並みと北アルプスがよく見える。
王ヶ頭から先はしばらく観光の道を歩いたのち牧場内の広大な草原を歩く。開放感があって気持ち良い!と思っていたら牛の糞を踏みそうになるので注意が必要だ。茶臼山への道に入ると観光客はいなくなり、人もほとんど見ない。やがて見晴らしの良い茶臼山を過ぎて扉峠に下る。扉峠には寂れたレストランに駐車場とトイレがあるだけだった。少し車道を歩いたのち再びトレイルに入り、三峰山へ。休憩しているとトレランの男性2人がやってきた。確かにこのアップダウンも少ない開放的な草原は走ると気持ち良いだろうし、人も少ないので、トレランに限らず是非おすすめしたい場所になった。
三峰山の草原トレイル
三峰山から緩やかに下って和田峠まで1時間。和田峠には営業している売店と自販機がある。中で色々食べたい衝動に駆られたが、少し休憩して鷲ヶ峰へ歩き出し、1時間ほどで到着。緩やかに湿原へとくだり、ぬかるんだ道を進む。少しガレっぽくなったと思ったら蝶々深山。日が傾いてきて他に人も見なくなったころ、やっと車山山頂に到着。
車山から。歩いてきた高原
山頂から振り返ると、この日歩いてきた広大な高原が眼前に広がり、反対側には蓼科山・八ヶ岳が大きく聳えていた。山頂からも見える白樺湖に向けて下りはじめるが、目測以上に遠く、ライトが必要な暗さになると同時くらいに白樺湖の湖畔に着いた。
白樺湖へ。
そこから時計回りに湖畔を歩き、巨大ローソンで大休止。このローソン近くは、というか白樺湖の湖畔一帯がファミリー向けの大規模リゾートになっており、この日も夏休みの家族連れでかなり賑わっていた。イートインスペースでスマホを充電しながら食事をとっていたところ、外でフラダンスが始まり、それが終わると打ち上げ花火が何発も上がっていた。普段ならいい夏休みだなぁなんて思うのかもしれないが、この時ばかりは調子が狂わされそうになった。早々に退散して湖畔のバス停待合室でビバーク。



8/252日目)

天候:晴
5:20南白樺湖バス停-6:35八子ヶ峰-9:45蓼科山-11:30大河原峠-12:50双子池ヒュッテ

 夜中に何度かバス停の横を通る車のヘッドライトや音で目が覚めてしまい、よく眠れなかった。さっと湯を沸かしてハヤシメシ1食分を食べて温まる。外が明るくなる頃にバス停を出て歩き始める。まず八子ヶ峰までは、夏には閑散としている静かなスキー場の斜面をリフトの上まで適当に登り(なかなか急で草が滑りやすい)、そこからはなだらかな尾根上を行く。人があまり入っていないようで、展望台から先は露に濡れた笹の海を薄い踏み跡を辿りながら進む。スキー場のリフト周辺では所々綺麗に笹が刈られている場所もあった。
朝の静かなスキー場。快晴の空が気持ち良い
やがてはっきりとしない八子ヶ峰のピークに着き、360˚の大展望を楽しんだ。進む方向には諏訪富士とも言われる綺麗な円錐形の蓼科山と南北八ヶ岳の稜線がはっきりと見えるようになり、テンションが上がる。山頂から東側はヒュッテがあるためか、道は整備され歩きやすくなる。蓼科山登山口まで一旦くだり、車道に出る。水場は少し探したがよくわからなかった。
蓼科山登山口からは移り変わる植生や地質を楽しみながらひたすら登り、森林限界を超えるとすぐに山頂に着いた。山頂は火山岩塊に覆われた扁平な広場のようで、想像と違ったので驚いた。晴れて景色は良かったが、人の多さにうんざりして神社や方位盤には寄らずに下った。このくだりの途中あたりから何だか体が重くて思うように進まず、コースタイム通りほどの時間がかかって蓼科山荘に着く。おそらくこの二日間十分な睡眠が取れていなかったことと軽い熱中症のせいだろうと思い、頑張って高見石まで行くことを諦め予定通り双子池ヒュッテをゆっくりと目指すことにした。下界っぽい大河原峠で一度休憩して双子池へ。のんびりできる湖近くの場所にテントを張り、昼寝。
初日から思っていたことだが、やはり単独の山行は寂しい。ラジオや本はあったが、ラジオが入らないところも多いし、本はコンテンツが限られている。他の部員も誘ってみたのだが結局実際に参加したのは南アルプス後半の松坂だけだった。テント場にも他に人があまりいないのでひたすらだらける。
翌日早出するため、17時頃にパスタを食べて19時前には就寝。



8/26 (3日目)

天候:晴時々曇
3:15双子池ヒュッテ-4:45北横岳-6:35麦草峠-10:00東天狗岳-12:00硫黄岳-14:30赤岳-15:49キレット小屋

調子が良ければキレット小屋まで行ってしまおうという算段で2時起床。部内で賛否が分かれる(?)棒ラーメン餅を食べ、3:15に出発。北横岳山頂に着く頃に東の空が明るくなり始めた。快晴の空と雲海が俗世離れした別天地を思わせ、自分が自然に溶け込んでいるかのような感覚になる。この時間がたまらなく好きだ。
良き良き
名残惜しく山頂を後にし、坪庭に下る。キレット小屋を目指すため縞枯山と茶臼山はパスして麦草峠へ。高見石小屋では高見石に登って景色を堪能した。黒百合ヒュッテには寄らず天狗岳の登りに取り付く。坪庭〜硫黄岳は2月に縦走していたので所々思い出していたが、ハイマツの緑と礫に覆われた山体は快晴の八ヶ岳ブルーと雪の印象が強かった冬とは全く別物のように思えて新鮮だった。またこのあたりは板状節理が発達していて面白い地質を成している。夏沢峠に下る前に根石岳山荘で雲上の名水をいただく。稜線上でこんな美味しい水が飲めるとは。夏沢峠には11時頃着いて休憩し、硫黄岳までゆるやかに登る。硫黄岳からは周りが雲の中を横岳、赤岳と順調に進んだ。展望がなくがっかりしていたが、赤岳山頂を発つ瞬間に雲がはれ、青空が広がったので近くにいた人といいタイミングですねーなんて話しながら写真を撮ってもらった。
一瞬だけ晴れた赤岳
またすぐに雲に覆われてしまったので、キレット小屋を目指して下る。このくだりはガレていたりルートがわかりにくく注意が必要で、疲れもあって慎重に歩いた。小雨が降り出した頃に小屋に到着。
小屋のテント場はラジオの受信感度がかなり高く、いろんな番組が聴けて楽しかった。夜は麻婆春雨。翌日の行程が短かったので20時頃までダラダラして就寝。



8/27 (4日目)

天候:晴のち曇
5:10キレット小屋-6:10権現岳-7:08青年小屋-7:40編笠山-11:05道の駅こぶちざわ13:10-14:00小淵沢駅

3時半に起床してゆっくり準備する。日の出と同時くらいに小屋のテント場を出発。朝日が差し込む稜線をマイペースに登る。1時間ほどで権現岳の肩に着き、ザックを置いて山頂をピストン。湧き上がる雲海と朝日が幻想的だった。
肩に戻るとすぐに雲が上がってきて下りは視界があったりなかったりになったが、青年小屋に着く頃には晴れていた。少し休んだのち、最後の編笠山の登りに入る。蓼科山にも似た雰囲気の中を登り、30分ほどで山頂へ。山頂からは歩いてきた八ヶ岳の稜線やこれから入る南アルプス北部の山々、中央アルプスなどを見渡すことができた。たっぷり楽しんだ後、小淵沢に向けて長い下りに入る。途中から飽きていたがひたすら下って観音平へ。さらに林業の作業道のようなところを歩いてコンクリート道に降り立った。これで大八ヶ岳縦走は無事に完遂。予報ではこの日まで晴れで翌日から雨となっていたので、松本で考えていた通り5日の行程を4日間で楽しく抜けられて良かった。
下りてからは道の駅こぶちざわに向かい、温泉と食事を楽しんだ。この日は小淵沢駅でステビバをする予定だったが、駅に着く頃雨が降っており、また、荷物の整理を広げて行いたかったため駅前の旅館に泊まることにした。旅館に荷物を置いて一息ついたら小淵沢郵便局で事前に局留めで送っておいた食料や予備の装備が入った荷物を受け取った。それを旅館でゆっくりと再度整理し、南アルプスに向けた13日分の食料をザックに詰め込んだ。夜は駅近くの定食屋さんで食べ、布団で十分に体を休めた。



8/28(5日目) 

天候:雨
10:40小淵沢駅-12:15道の駅はくしゅう13:45-15:00尾白観光白州キャンプ場

 この日は黒戸尾根の登山口まで移動するだけだったのでのんびりと準備する。朝食を旅館でいただき、使わない荷物は郵便局から家に送った。温かくしていただいた旅館の方にお礼を言って雨の中出発。登山口のキャンプ場までは約11kmの行程だが、道の駅はくしゅうまではずっと下りなので楽。道の駅の近くにはサントリーの工場があり、見学したかったが事前予約が必要らしいので断念。道の駅では山梨名物ほうとうを食べたほか、併設するスーパーで少し買い物をした。このスーパー、かなり豊富な品揃えで食料に関しては郵便で送らずにここで揃えることもできたのではと思えるほどだった。
道の駅からキャンプ場までは緩やかな登り。キャンプ場の少し手前が黒戸尾根登山口の駐車場になっていて、指導員のような方が立っていたので計画書を提出した。畑薙まで行くと伝えると励ましていただいた。数分でキャンプ場に着き、受付をする。料金は1000円。他には4人組のキャンパーが一組いるだけの静かなキャンプ場だった。翌日からの山行を前に、キャンプ場の奥にある竹宇駒ヶ岳神社で山中の無事と完遂を祈願した。



8/29 (6日目)

天候:曇
5:40キャンプ場-10:05七丈小屋10:45-12:33甲斐駒ヶ岳-13:47駒津峰-15:20北沢峠

雨の予報だったので遅めに起きて様子を見ていたが、5時頃から晴れ間が少し見えるほどで悪くなかったので出発。水も含めたザックの重さは25kgほどか。ガスっていて展望がないのが残念だが黒戸尾根の急登を順調に登り、4時間半ほどで七丈小屋に着く。ちょうど小屋番の方が1人でトイレ掃除しているだけで他に人もおらず、静かな小屋の前で先に進むか悩みながら大休止する。少し強い風とガスっているのが気になったが、翌日天気が微妙なこともあり進むことにした。鎖場のいくつかは荷が重いと通過するのが大変なところもあった。見えない山頂に続く急登を登り続け、12時半頃、登頂。山岳信仰の歴史が感じられるクラシックな尾根と山頂だった。山頂では雲がすごい速さで流れ、青空や視界がチラチラ見えた。風が強かったので休憩もそこそこに北沢峠に向かうが、一気に黒戸尾根を登ったので流石に疲れており、ペースは上がらない。駒津峰の登り返しで喘ぎ、仙水峠への下りで吠えた。この頃には単独行に慣れており、他に人もいなかったので、「下り長え!」とか「まだ着かないのかよ!」とか叫んで気を紛らわしてみるがなかなか着かなかった。仙水峠で山行中毎日やっていた、部員と親への定期連絡を行う。そこから氷河地形を歩いて北沢峠へ。やっと着いたという気分だった。振り返っても山中ではこの日の行程が最もキツかった。
全身に疲労を感じたのでぺプチエイドを補給。夕食は豪華にカレーにした。



8/30 (7日目)

天候:雨
停滞

午後から悪天の予報だったので早く出て両俣小屋まで行こうかと考えていたが朝から雨だったため停滞することにした。ラジオもまともに入らないのでとにかく暇だった。長衛小屋の方に聞いた、林道を伊奈側に少し行った尾根上まで行くと電波が入った(テント場から片道15分ほど)ので、情報収集と連絡のため何度か往復した。
結局この日は雨が止むことはなく、時折風も強く吹いていたので停滞して良かった。いい休養になった。



8/31 (8日目)

天候:曇
4:40北沢峠-7:18仙丈ヶ岳-10:21野呂川越-13:04三峰岳-13:38間ノ岳-14:40北岳山荘

霧と小雨の中、テントを撤収して出発。まずは仙丈ヶ岳から野呂川越を目指す。北沢峠から仙丈ヶ岳は1年生の時の冬合宿で大量降雪後に入山しラッセルに苦しみながら7時間以上かかっても登頂できず敗退した苦い思い出がある。原因は僕ら当時の1年生の体力不足。それでも快晴の空に輝く美しい仙丈ヶ岳のカールが強く印象に残っていた。しかし今回はそれも霧の中。残念。なんて考えているうちに2時間半ほどであっさりと登頂。時折歩くのが難しいほどの強風が吹いていたので写真だけ撮って先に進む。樹林帯に入ると南アルプスっぽい静かで気持ちのいい穏やかな稜線になる。相変わらずガスが濃かったがそれがまた幻想的な雰囲気を作っていて趣がある。誰とも会わず、予想より早く野呂川越に着いた。両俣小屋に泊まる計画だったが時間に余裕があるので北岳山荘まで足を延ばすことにする。三峰岳への登り返しは標高差もあってキツかったがなんとか登り、間ノ岳方面へ。間ノ岳はさらに強くなった風が厳しく、山頂にいたドイツから来たという方に写真を撮っていただいてすぐに北岳山荘に向かう。ドイツ人の2人組とは駒場で学んだ以来の辿々しいドイツ語で挨拶とお礼を交わした。そんなこんなで北沢峠を出てちょうど10時間で北岳山荘に到着。山荘の大きさと重機があることに驚愕する。強風の中テントを張ってやっと落ち着くことができた。
夕飯を済ませてしばらくしたのち、北岳山荘の中に入って小屋番の方にご挨拶。この方とは別の山小屋で一緒にお手伝いをしたことがあり、久しぶりに知り合いと話をすることができたので心も軽くなる。色々と温かくしていただき、とてもありがたかった。お世話になりました。



9/1 (9日目)

天候:曇時々晴
5:15北岳山荘-5:50北岳-6:40北岳山荘7:30-10:00熊ノ平小屋

前日からの強風がこの日も続いていた。北岳まで行く準備をしていると、ガスが取れて富士山と日の出が見えた。急かされるように出発して景色を楽しみながら北岳山頂へ。天気は高曇りで、周囲の山々がよく見渡せた。仙塩尾根の長さが際立つ。
北岳✌️
山頂でゆっくりしたのち、山荘まで戻ってテントを撤収、再び間ノ岳を登る。計画では農鳥まで行くつもりだったが、前日よりさらに強くなった風に危険を感じ、パスしてさっさと熊ノ平を目指すことに。特に何事もなく10時頃に着いた。テントを張ってダラダラ。テントは他に2張りしかなく、静かに過ごすことができた。



9/2 (10日目)

天候:早朝:晴→曇
4:40熊ノ平小屋-8:00塩見岳-10:33三伏峠小屋

この日は三伏峠で1年生の松坂と合流する日だったので、少し早めに出発。久しぶりに朝から青空が広がり、テンションが上がる。はじめは左手に大井川東俣を見ながら進む。このあたりも歩いてみたいが度重なる台風の影響も心配…。北荒川岳から急に視界がひらけ、崩壊地の縁を進む。ここでTJARっぽい格好の人とすれ違った。ルート逆だけど予行演習かもなぁと思いながらこの時間に北荒川岳ですれ違うことに驚く。その後、2800mあたりから雲に巻かれ、展望がなくなった。ガレの急登を慎重に登っていると蝙蝠尾根の分岐に出た。密かに憧憬の念を抱いていたのでぜひ見たかったがその長い尾根は完全に雲の中に隠れてしまっていた。ちょっと登ると東峰に着いた。展望がなくて残念。だが歩いていてどっしりとした山容を感じられ楽しかった。西峰からの下りを慎重にこなし、塩見小屋まで来ると一安心。道中、綺麗な緑色岩の中にパッと現れるチャートには目を惹かれた。改めてここがかつて海の底であったことを思わせる。出発から6時間ほどで予定よりもだいぶ早く三伏峠小屋に着いた。その後松坂も無事に登ってきて合流することができた。よかったよかった。そして南アルプスは後半戦へ!



9/3 (11日目)

天候:曇
3:50三伏峠-5:42小河内岳-7:43高山裏避難小屋-10:07荒川前岳-11:15悪沢岳-13:00荒川小屋

コースタイムが長い一日だったので、ヘッドライトをつけて早めに出発。だがガスがあまりにも濃く、道がわかりにくい箇所が多々あった。慎重に烏帽子岳まで登ったが、烏帽子岳からの下りがよくわからなくなりGPSやコンパスで方向を確認しながら登山道を探り当てることになった。小河内岳に着く頃には十分明るくなり、安堵する。この先は畑薙までずっと松坂に先頭を歩いてもらう。小河内岳避難小屋や高山裏避難小屋はもう営業が終了していたので、人にはほとんど会わずに静かな樹林帯を楽しむことができた。高山植物も豊かで飽きない。高山裏からしばらくトラバースすると荒川岳に続く長い登りに入った。少し構えていたが、よく歩かれていて楽に登ることができた。松坂は軽い高山病のような症状で、眠気があったようだ。様子を見ながら空荷で悪沢岳を往復する。足取りはしっかりしていたがかなり眠そうだった。期待していた展望はまたもガスに妨げられる。時間的にも余裕があったので、悪沢岳で長めに休憩して、ゆっくり下る。小屋には13時頃到着。松坂はたっぷり昼寝して回復したようだった。翌日も少し長めの日なので早めに寝る。



9/4 (12日目)

天候:晴
3:50荒川小屋-5:30赤石岳-7:05百間洞山の家-9:21兎岳-11:00聖岳-12:32聖平小屋

ヘッドライトをつけてまたもガスが濃い中出発。しかし小赤石岳の登りの途中でガスから抜けることができた。ちょうど雲が溜まっていたようだった。
松坂

しばらくすると左手の空が明るくなり、富士山のシルエットが雲海に浮かぶ。感動していると徐々に日が昇り、小赤石岳を超えたあたりでモルゲンロートで橙色に輝く赤石岳が現れた。南アの雄峰を最高の形で登ることができた。こんな時に感動を分かち合えるメンバーがいるのも1人とは違った楽しさがある。 十分に楽しんだあと、遠く見える聖岳を目指して出発する。聖岳は赤石から見ると東尾根がカッコいい。山体も堂々としていて風格がある。

赤い赤石岳
赤石岳からくだり、まずは百間洞山の家へ。いつかはここの名物のとんかつを食べてみたい。百間洞からは大沢岳に登らず直接中丸盛山を目指す。ここから聖岳までがやはりキツかった。聖の登りに取り付くまでに中丸盛山、小兎岳、兎岳の昇り下り三発でしっかり疲れさせられる。またこの日は久しぶりに晴れて太陽が照りつけていたため、疲れも感じやすかった。それでも松坂もバテずにしっかりと歩いていたので頼もしかった。そしてこの縦走最後の3000m峰、聖岳登頂!天気が良く、特に重量感を持って構える赤石岳が印象的だった。たっぷり休憩して展望を楽しむ。その後、奥聖岳には寄らずに聖平を目指す。くだりはあっという間で、荒川小屋から8時間半ちょっとで聖平小屋に到着。小屋自体も綺麗で、丁寧に整地されたテント場も使いやすかった。何よりも受付をするといただけるフルーツポンチが疲れた体に染みる。また、受付で東大スキー山岳部であると告げるとOBが昨年聖平小屋で1シーズン働いていたこともあり、色々と話を伺うことができた。他にもサービスしていただき、とてもありがたかった。
記録の後でも反省として記しているが、南アルプス後半戦に入ってから毎日のエッセンが明らかに足りず、もともと痩せ型の体がさらに痩せていた。そのため食料計画の失敗を認めて小屋の軽食も食べたりしていた。この日は小屋のご厚意でいただいたカップラーメン1食分に加えて予備を含めた米2合の麻婆春雨丼を食べたが腹は満たされなかった。普段1合ですら多いと感じる身としては異常だった。詳しくは記録のあとで。



9/5 (13日目)

天候:曇
4:20聖平小屋-6:12上河内岳-7:30茶臼岳-8:57易老岳-10:41光小屋-11:00光岳-11:10光小屋

他に一張りしかなかったテントは僕らよりも先に撤収されていた。ヘッドライトをつけて出発。南岳あたりで明るくなりライトを外すが周りはガスに巻かれていて展望はない。上河内岳は肩に荷を置いてピストンする。山頂で一瞬雲が取れ、富士山がチラッと見えた。この日はこれ以降しっかり雲に覆われて展望はなかった。茶臼岳から先は翌日も通るからその時を楽しみにしようってことで黙々と進む。光岳は思っていたよりも遠く感じ、登りの取り付きまで水平な道かと思いきやそれなりにアップダウンがあった。三吉平から沢状地形を登り、水平な木道に出たらすぐに光岳小屋に着いた。受付をする前に荷物を置いて光岳をさっとピストン。山頂標は樹林帯にひっそりと建てられている。南アらしいといえばそう。これで南アの百名山は全部登ったことになった。写真を撮って小屋に戻り、テントを張る。テント場は12人用テントを10張り張るのが本当にギリギリなくらいに思えるほど狭かった。この日は他に一張りだったのでそんなに窮屈に感じなかった。水場は小屋の南側の急な斜面を結構降りた先にあるのでイザルガ岳手前の静高平で汲むのがおすすめ。僕らはスルーしていたためテントを張ってから気合いを入れて水汲みアルバイト。夜は翌日に備えて早めに寝た。



9/6 (14日目)

天候:快晴
3:30光小屋-5:08易老岳-6:30仁田岳-7:40茶臼岳-7:53茶臼小屋-8:54横窪沢小屋-10:56畑薙大吊橋-12:41白樺荘14:30-18:00井川

白樺荘から出るバスに間に合わせるため、早く起きる。朝食の準備をしながら外を見るとこの山行中初めて、満天の星空が広がっていた。感動して何枚か写真を撮る。
光小屋の上に星空
ヘッドライトをつけて出発。時間があればイザルガ岳から日の出を眺めたかったがスルーして先を急ぐ。それでも樹林帯でも快晴の空が徐々に明るくなっていくのを感じることができ、清々しい気分になる。易老岳の先で茶臼小屋から光岳を往復するという合わせて5人ほどと次々にすれ違った。早いなと思ったけどなんでも2時頃小屋を出たらしい。頑張ってくださいと言葉を交わして先に進む。昨日はあまり意識していなかったがこの辺りは山と高原地図にあるように植生や景色が美しく素晴らしい稜線だった。快晴なので、希望峰から仁田岳に寄ってみる。仁田岳はハイマツに囲まれたピークで山頂から大展望が楽しめた。あまりに天気が良かったので、山頂で大学時代ワンゲル部だったというお兄さんと時間がないことを忘れてそこそこ長く語ってしまった。長期山行は学生のうちが十分に楽しめるってことで意見が一致した。また、山頂からは畑薙第一ダムもはっきりと見え、高低差に少しうんざりした。茶臼岳あたりからジップラインでサーっとくだりたい気持ちになる。絶対気持ちいいだろうな。なんて考えながら、この日から別の部員が入っているはずの信濃俣河内を眺めてから山頂を後にした。日程が少しずれていたら一緒に下山できたんだけど。茶臼岳に登り返すと、再び大展望が広がっていた。山中最終日にして最高の天気だった。写真を撮りまくって名残惜しく下山開始。茶臼小屋、横窪沢小屋、ウソッコ沢小屋でそれぞれ休憩しながら長い下山をこなして名物の畑薙大吊橋を渡り、下山完了。結局目論んでいた通りくらいの時間に着いたので良かった。白樺荘に向けて歩いていると、静岡県道60号線 静岡駅まで81.0kmの表示が。ここからこの旅の最終章、太平洋までの85kmロードが始まった。距離表示は0.5kmごとに立っているのだがこの日と翌日にこの数がひたすら減っていくのを歩きながら数えることになる…。ひとまず白樺荘に到着し、温泉で臭い匂いを落として疲れを束の間癒す。ご飯を軽く食べた後、松坂とはここでお別れ。太平洋まで一緒に歩くのも一応誘ったのだが、拒否られた。(後日談:そもそも太平洋まで行くのが冗談だと思っていたようだった彼はバスで静岡駅に向かい、その日中に帰京できたようだ。
再び1人になった。とりあえず井川の集落を目指す。結局20kmほどロードを歩いて18時頃井川に到着。道中は静岡らしく茶畑の広がるところが多かった。田代にオートキャンプ場があったが料金が高すぎたので張る気にはならなかった。駅のあたりで密かに寝ようかと思っていたのだが、スマホの充電が減っていたことと疲れが溜まっていたことで民宿を探して泊まることにした。地元の方に案内していただき、いきなり押しかけた形だったがなんとか宿が見つけることができた。夜は余ったハヤシメシをかきこんだ。暖かい布団に包まれて就寝。



9/7 (15日目)

天候:快晴
7:20井川-10:45 富士見峠-21:45太平洋・大浜公園

この日は太平洋までひたすら歩き続ける日。井川からはあと約64km残っていた。途中に泊まるような場所もないので、出発したら最後まで歩き続けるかバス/タクシーで棄権するかしかない。朝食は民宿でいただいた。また、出発する際にご厚意で大きいおにぎりを2ついただいた。重ねてお礼を伝え、出発。
まずはせっかく井川に来たので観光地になっている吊り橋や廃線跡を通って井川ダムまで歩く。井川ダムの先のトンネルをくぐると県道60号が本格的に始まり、集落などは最初はほとんどなく山道になる。意外に車の往来があるので、邪魔にならないよう端を歩く。井川から静岡まではくだり一直線かと思いきや、富士見峠(標高1184m)まで標高差約500mを登って峠越えしなければならない。山に比べると傾斜はゆるいがひたすらダラダラと続く道は次第に辛くなってくる。道中、地元の山岳会っぽいおじさんに出会い、次の長期縦走のヒントになるようなことを教えてもらった。富士見峠に近づくと、富士山は見えないが深南部の山々を中心に遠くは赤石岳まで見え、報われた気分になる。峠にある東屋で民宿でもらったおにぎりを食べて一息つく。ここからはもう静岡まで下るだけだが、やっぱり長い。残りは47km。フルマラソン以上残ってる。この日は不運にも(?)快晴で照りつける太陽が暑く、水と体力の消費が激しい。井川から30km進んだ横沢の集落から先は点々と集落が現れ、集落にある自動販売機で飲料を補給して熱中症に気をつけながら歩く(全部DyDoなので途中から飽きてくる)。集落の道路には太陽光を遮る樹々がなく、歩くには辛い。日が高くなるにつれて県道沿いもだんだんと樹木が少なくなり、いよいよ気力との勝負になってくる。とにかく黙々と歩き続け、安倍川にかかる大きな橋を渡るとようやく道は直線的になり、残すは22kmとなった。この時点でフルマラソン一回分をテント装備+αの15kg弱を背負って歩いていたため気力体力ともにかなりキツくなっていた。時刻は16時前。まだまだ暑い。最後の20kmは本当に長く感じた。途中で夕立にも降られ、何度も通り過ぎるバスに乗りたくなった。自分は今なんでこんなことしてるんだろうと何度も思ったが深く考えないようにした。次第に陽は沈み、点々と立つ街灯と往来する車のライトを頼りに進み続ける。足裏の痛みが強くなり、もう歩けん!と思った20時頃、静岡駅に到着。駅前は人通りも多く賑やかだ。駅から太平洋までは4kmほど残っていたが、足が辛かったので駅前の吉野家に入って牛丼を補給。1時間弱も休憩しないと再び歩くことはできなかった。なんとか気力を振り絞り、太平洋を目指す。
21:45、暗闇の中に波音がはっきりと聞こえた。海だ。波打ち際まで歩いて海に触れる。いろんな感情が溢れ出した。キツかった、とかやっと終わった、とか無事に完遂できて嬉しい、とか。でも一番強かったのは楽しかったこの旅が終わることの寂しさだった。本当に楽しく、充実した15日間だった。見えない海をしばらくぼーっと眺めたりした後、ちゃんと太平洋まで歩いた証拠を何枚か撮る。気づくと時刻は22時を過ぎていた。終電を逃した。仕方ないので、大浜公園から静岡駅までは終バスで帰り、駅前でもう一日過ごす羽目になった。翌日、始発の鈍行電車に揺られながら目に映った朝日は今までで一番綺麗だった。
太平洋!





記録は以上!以下は舞台裏的な感じです。半分自己満足的な、半分長期縦走に興味ある人向けの雑感です。

【ルートについて】
今回歩いたルートの概案は山と高原地図の日本アルプス総図を見て決めました。夏前に考えていた予備プランは夏合宿から剱岳〜北アルプス〜大八ヶ岳以降、〜清里〜奥秩父奥多摩〜奥高尾〜高尾山〜東大駒場キャンパスと帰ってくる、交通費0円の大帰宅縦走。こっちもワクワクしていましたが、北アルプスを早々に撤退したことで八ヶ岳〜南アに絞ることにしました。(いつか誰か歩いてみては?)
また、全体を縦走と名打つには畑薙第一ダムからの車道歩きは蛇足でしたが、TJARの最終区間ということで日本海から走り抜けてきた選手の疑似体験ができるかもと思い1ファンとして歩いてみることにしました。歩いた感想としては、やはり選手の体力と気力には計り知れないものがあるなという感じでした。すごい。


【装備について】
特にこの縦走を意識して揃えたものを挙げてみます。
ザック:ミレープロライター60+20
装備は全体的に軽量化したかったのですが、zero point110Lでは大きすぎるし、サブザックでは小さすぎるしってことで間の容量を自分で買うことにしました。買うとしたら用途としてバリエーションでも使いたかったので、ハーネスが干渉しにくいものを探しました。テント泊縦走ザックといえばグレゴリーのバルトロやドイターのエアコンタクトのようなサポート性の高いものが定番ですが、縦走装備25kg程度の重さであればサポート性の良し悪しでペースは大きく変わらないと思ったので、ハーネスが干渉せずかつ軽量なものをということでミレーのプロライターかマウンテンハードウェアのサウスコルあたりに絞り、最終的にこのザックにしました。重量はバルトロ65と比べると1kgほど軽い。それでも生地はしっかりとしていて、パッキングもめちゃくちゃ楽。いいザックだと思います。欧米サイズなので少し体に合わせにくいのが難点ですが。

靴:スポルティバ/ SPIRE GTX®︎ Surround
ローカットの登山靴です。この靴で全て歩き通しました。ゴアの防水性とサラウンドシステムの通気性を兼ね備えており、山行中は浸水もムレも一度もありませんでした。インソールはB+。穂高のような岩稜でない限り、今回のようなルートではローカットでも大きな問題はないと思います。逆にハイカットの重い靴だと、後半に重さが足の疲れにかなり響いてくると思います。また、八ヶ岳開始時はいつものようにテント場用のサンダルを持っていましたが、ローカットであれば着脱もそんなに面倒でないので必要ありませんでした。結局小淵沢で家に送り返しました。

テント:ダンロップ/ VS20
12人用のいいテントが部になかったので自分で買いました。VS20にした理由は安さです。2人でちょうどいい広さでした。雨も浸水することなく、快適に過ごすことができました。

クリーム:プロテクトJ1
足裏に塗って皮膚を保護するクリーム。今回導入した装備のMVPかもしれない。これを毎朝出発前に塗って乾かすだけで靴擦れやマメなどの足裏トラブルがかなり減ったように思います。78時間持続するようで、だいたい午前中はトラブルなく歩くことができる感じでした。最終日は塗り直すのが面倒で塗っていなかったので最後はかなり痛みました。トレランやアドベンチャーレースのような大会に出ている方の間で有名になったようです。足裏トラブルがぐっと減るので、特に長期だと足の快適さを感じられると思います。おすすめ。


・その他
ストック:大学山岳部では無雪期一般道ではストックを使うことがほとんどないですが(体力強化のため?)、長期の縦走ではストックがあるとかなり楽に感じられます。特に普段ストックを使わずに重い荷物を背負ってトレーニングをしていると、登りが圧倒的に早く楽になりました。ローカット登山靴と合わせて使うと怪我の予防にもなりますし、気合を入れた縦走では使うのも考えてみるといいと思います。
サポーター:ローカットだと捻挫しやすいので、足首はあったほうが安心です。また、少し膝に不安があったので左だけサポーターをつけていました。特にトラブルなく最後まで歩けたので付けて良かったかなと思います。



【食料】
今回の縦走の最大の反省点がメニューの量の不十分さ。前年の北アルプス縦走の経験をもとに考案しましたが、1日あたりの体の疲労度が想像以上に違い、特に縦走後半は腹が常に空いている状態でした。事前の計算上は必要最低限のカロリーはありましたが、多く見積もらなければならなかったようです。ただし、前半は想定よりむしろ少なくてもいいと思えるほどだったので、前半から後半にかけて分量を傾斜して増やすような計画がいいのかもしれません。試行回数が高々2回なのであまり参考にならない気がしますが。また、栄養計算もしてはいましたが結局バランスの良い食事とは程遠いものでした。ともかく、後半は用意したものだけでは腹が満たされず、熊ノ平小屋でビーフシチュー、三伏峠と荒川小屋でカレーをいただきました。どれも美味しかったのですがやはり山の中では無補給で行きたかったので残念です。
ちなみにメニューとしては、夜はパスタ200g、米1合の麻婆春雨丼、親子丼(フリーズドライ)、ハヤシメシ2食分、レトルトカレー(一度だけ)を回し、朝は棒ラーメン餅(ゴマ入り)とお茶漬けwith高野豆腐を回していました。あとはコンビーフ1缶とマッシュポテト、マヨネーズ、塩胡椒、ゆかりなど。行動食はプロテインフルグラにナッツと柿の種、砕いたポテチを容器に入れたトレイルミックスが主体で、塩ようかんとカロリーメイトも食べていました。また、ビタミン・ミネラルのタブレットを毎日摂取し、疲れた日はペプチエイドを補給していました。ペプチエイドを溶かすのにはザバスのシェイカーを使いましたが、これは計量カップとしても使えるので米やハヤシメシを計るのに便利でした。スープは面倒だったのでココアだけを一袋持っていき、朝晩食べ終わった後に飲んでいました。


サブストーリーもこれで終わりです。最後までお付き合いいただきありがとうございました。さて、次はどこへ行こうかな、、、


2019年8月13日火曜日

2019年度夏合宿

8/2〜8/13
2019年度TUSAC夏合宿(一部抜粋)

メンバー
3年)CL縄、SL畑中、饗場、近江、箱守、吉田
2年)新垣、辻、林、福田
1年)岡本、嘉村、土田、松坂
OB)阪本(H30卒)


夏合宿行動結果一覧(個人別)

行動概要

8/2〜8/8 真砂沢定着
3年)饗場、近江、縄、畑中、吉田
2年)新垣、辻、林、福田
1年)岡本、嘉村、土田、松坂

8/9〜8/13 真砂沢定着
3年)近江、縄、箱守、畑中
2年)新垣、辻、福田
OB)阪本

8/9〜8/13 真砂沢-扇沢〜白馬岳縦走
3年)饗場、吉田
2年)林
1年)岡本、嘉村、土田、松坂

定着編

8/2 入山

メンバー:L畑中、饗場、近江、吉田、新垣、辻、林、福田、嘉村、土田(記録)、松坂
天候:晴れ
気温:暑い
室堂9:45 –13:00 劔御前– 14:00劔沢- 18:00真砂沢

岡本がアイゼンを忘れたことを富山駅で気づいたため縄、岡本は遅れて入山し82日は劔沢まで。他のメンバーは630分富山駅発室堂行きのバスで室堂へ。室堂で水を汲み945分に室堂を出発。直射日光が当たり大変暑い。小1時間程度で雷鳥沢へ。そこから雷鳥坂を登る。途中で2回ほど休憩をする。13時ごろに劔御前に到着し休憩。劔御前から40分程度で劔沢に到着し休憩。劔沢から40分程度降りたところで雪渓に乗り移る。この辺りから周辺はガスに覆われ見通しが悪くなった。見通しが悪かったため先行メンバーが振り返ると後を行くメンバーの姿が見えなくなることがしばしばあった。長次郎出会から少し降りたところから夏道に移る。最後にまた少しだけ雪渓に乗り移りまた夏道に戻って真砂沢に18時ごろに到着。さすがにほとんどのメンバーが疲れていた。私も相当疲弊した。




8/2-3  入山

メンバー:L縄、岡本(記録)
8/2 
富山駅11:00~室堂14:00~劔沢キャンプ場17:30
8/3
劔沢キャンプ場5:30~真砂沢8:00

岡本がアイゼンを忘れたため、10時に山用品店が開くのを待ち、アイゼンその他複数点を購入したのち富山駅を出発。本来は2日に真砂沢まで行く予定だったが、時間の都合上2日は劔沢キャンプ場に泊まることに。室堂から劔沢キャンプ場までは、2人パーティーだったこともあり、いいペースで歩いて3時間半ほどで到着。劔沢キャンプ場ではツェルト泊をすることになったが、ここで大雨に降られて大変だった。3日の朝も、雨が止むのを待ってから出発。雪渓を下って真砂沢に到着。結果的に、アイゼンを忘れたことがその後の行動予定に大きく影響しなかったため、よかった。





8/3 雪上訓練

メンバー:L縄、吉田、林、辻、嘉村(記録)、岡本、松坂、土田
天候:晴れ
真砂9:00(2ピッチ) 10:30 二股11:10 (2ピッチ) 12:30 真砂12:45 13:40 雪訓15:45   16:00 帰幕

   今日は初めての定着行動。前日の疲れもあるので今日は雪訓のみとなっている。前日の疲れを取る目的、更に前夜剱沢でビバークしている縄さんと岡本を待ってからの出発ということで彼らの到着を待ち、二股へ向かった。しかし、三の窓雪渓に登ろうとしたが雪渓がかなり薄くなっており、なんと上に行くことができなかった。リーダーの判断により残念ながら諦めることとなり、雪渓から解け出した冷たい水を飲んだり浴びたりして気を紛らわした(紛れていない)後に真砂に帰る。真砂に帰る途中で岡本が疲れから止まるということがあり、熱中症気味の吉田さんと一緒に雪訓には参加せず真砂で休憩することとなった。岡本は前日雷雨の中雷鳥沢でビバークしているので疲れが取れていないのは仕方ないだろう。その後長次郎雪渓の斜度のない入り口でスタカットのみ確認し、帰幕した。疲れはほぼ取れていたように思うが、スタカットのやり方をかなり忘れていたので、反省し復習しておきたい。




8/4 雪渓周遊

メンバー:L近江、饗場、新垣、福田、岡本、嘉村、土田、松坂(記録)
天気:晴れ
真砂4:207:35池ノ谷乗越8:0010:30剱岳10:5514:30真砂

最初からアイゼンをつけての歩行になった。長次郎谷出会から少し進んだところで嘉村のアイゼンが外れたがカモシカでのアイゼン調整がうまくいってなかったのが原因らしい。そんなこともあるんだなあと思いつつ進んでいく。八ツ峰下半の取り付きが見えるところで最初の小休止をとった。TUSACの八ツ峰下半パーティが見えた。その後順調に登っていく。雪渓の上部はだいぶ細くなっておりかなりの急傾斜だった。池ノ谷乗越について北方稜線を辿っていく。北方稜線はだいたい信州側に巻き道があるそうだが今回はほとんどピークに登った。信州側からいけばいいらしい。途中嘉村が落ちかけたが無事でよかった。剣岳山頂は安定の混み具合だった。下りのカニの横ばいでは渋滞もそんなになく、スムーズに降りられた。平蔵谷の上部は急で後ろ向きで雪渓を降りた。また、途中でガレ場になっており落石が非常に怖かった。その後は何もなく無事に帰幕できた。

みんないい笑顔




8/5  Ⅵ峰Cフェース

メンバー:L畑中、吉田、岡本(記録)
天候:晴れのち雨
真砂沢5:10~取り付き到着7:20~登攀開始9:20~トップアウト13:30~ⅤⅥのコル15:30~真砂沢16:15

長次郎谷をⅤⅥのコル付近まで登った後、非常に崩れやすいガレ場を登って取り付きに到着。先行パーティーが3組あったため、登攀開始時刻が大幅に遅れた。畑中さんが全ピッチリードをした。1ピッチ目はスラブを登り、終了点はテラスだった。2ピッチ目はあまり難しくなかった。3ピッチ目は先行パーティーをしばらく待ってからの出発となった。最初のほとんど垂直なところが難しく、僕は少し奥に行って回り込んでから登った。終了点が狭く、吉田さんのビレイが大変そうだった。4ピッチ目は、リッジのところを登った。途中のナイフリッジに乗るのは怖くてできなかった。ここも終了点が狭かった。畑中さん曰く、変なところで終了点を取ってしまったらしい。5ピッチ目は、かなり簡単だった。トップアウト後、微妙なところはクライムダウンせず、3回懸垂して降りた。ⅤⅥのコルからは、天気が悪くなりそうだったため、大急ぎで降りた。結局雨に降られてしまい、ずぶ濡れで真砂沢に帰ることになった。




8/6 源次郎尾根

メンバー:L縄、畑中、新垣、岡本(記録)、松坂
天候:晴れのち雨
真砂沢5:15~取り付き6:00~I10:00~II11:00~本峰13:10~真砂沢15:00
平蔵谷出合にある取り付きは、比較的わかりやすかった。少し登ると、岩を乗り越える箇所に出た。昨年までは特に難しいポイントではなかったらしいが、岩が濡れていたこともあり、越えるのに苦労した。結局、新垣さんが超えた後、ビレイしてもらい、鐙を作る形で乗り越えた。そこからは、しばらくハイマツの中を木登りするように登っていった。二ヶ所目のロープが必要な岩場も、新垣さんがリードで登った。そこを超えると展望が開けてきた。I峰がかなり遠く感じた。地道に登り続け、I峰に到着。そこからはまでクライムダウンで降りた。そこからII峰までは割とすぐに着く。II峰からは懸垂下降で降りた。全員スムーズにできていたように思う。そこから本峰はかなり遠く見えたが、1ピッチでたどり着いた。下りは、カニの横ばいでまさかの大渋滞に会い、30分近く足止めをくらった。平蔵谷の雪渓に乗るポイントは、3日の雪渓周遊で歩きやすいと聞いていた、右側に少し下ったポイントを選択。その後、途中で一旦ガレ場を降り、再び雪渓に乗り直して下った。ここで、夕立に降られてしまったが、しばらくしたら止んだ。全体として、渋滞以外は比較的いいペースで歩けており、よかったのではないかと思う。個人的にも、山を始めて3ヶ月で、このバリエーションルートを歩ききれたことは、とてもいい経験になった。



8/7

休養日



8/8 真砂〜北方稜線〜小窓〜旧鉱山道〜池の平〜真砂

メンバー:L縄、饗場、辻、嘉村(記録)、岡本
天候:晴れ
真砂4:15(3ピッチ) 7:10 池ノ谷乗越7:208:00三の窓8:10 (2ピッチ) 10:30 小窓10:45(2ピッチ、旧鉱山道を経て) 13:15 池の平13:25  14:10 分岐点、仙人池ピストン14:40 15:30 二股15:40 16:30帰幕

   定着最終日。最初の長次郎雪渓では問題なく進んでいった。上部も怪しいかと思いきやいうて繋がっていた。ただ上部で立命館大学の20数人パーティに追いつき、抜かさせて頂いた。聞くに彼らは北方稜線〜三の窓尾根とのことで、池ノ谷乗越からの下りで上から20数人パーティが来たら落石がどうしよう、、という出発前の懸念が現実となり結構終わった感があったが、彼らは我々に配慮して我々が下りきってから下ってきてくれたので何もなかった。感謝。僕自身ここでは幾度と落石を起こしてしまい、ガレ場歩きの難しさを痛感した。三の窓でチムニーの福田さん、畑中さんとヒョッホイした後「30分で着くかと思いきや2時間30かかった」小窓までのがれた悪い道を行き、小窓に到着。
   当初の予定ではここから引き返すことになっていたが、小窓に着いた時にこの道を引き返したくないという思いがめちゃくちゃ強く、特にその思いが強かった辻さんが旧鉱山道から来た老夫婦に話を聞きに行き、前日の雨で濡れていることが懸念された旧鉱山道は乾いているという情報を得たため、旧鉱山道へとルート変更した。ちなみにここで辻さんがサングラスをなくしたこと、雨具の下を持ってきていないことを暴露したことで縄さんが珍しくキレかけていた。しかし、その後旧鉱山道に入る場所がどこか皆記憶になく、一度ここかと難しい岩場に乗ったがなんと間違っていたのだ。先に辻さんが乗り、その奥に道があるか確認しに行ったのだが、なぜかかなりの藪漕ぎの道を見て大丈夫と判断してしまったことで全員が危なめの岩場に乗ることになった。そのため岩場から降りるときにボロザイルを使うこととなった。その後雪渓を下っていくと赤に黄色のめっちゃわかりやすい丸印があり、無事旧鉱山道に乗れた。旧鉱山道自体は濡れていなかったこともありほぼ何も恐怖を感じなかった。昨年は濡れていたことで外傾した岩が滑って新垣さんが危なかったとのことで、濡れていなければロープや草を掴んでいれば安全と言えると思う。その後は順調に一般道を降りていった。ペースはかなり上げ気味だったが皆下りということもあり難無くついていっていた。

   立命館大が行った三の窓尾根や小窓から見えていた小窓の奥の山(忘れてしまいました)は面白そうで来年ルートになればいいなと密かに願っている。




8/8 八つ峰上半                       

メンバー:L吉田、新垣(記録)、土田
天候:晴れ
真砂沢4:00〜ⅤⅥのコル6:00DEのコル7:40〜ⅥⅦのコル8:10〜ⅦⅧのコル8:40〜八つ峰の頭9:40〜池ノ谷乗越10:20〜真砂沢12:40

Ⅵ峰の登りの3ピッチはロープで確保して登った。トポに従って懸垂下降を繰り返していった。Ⅶ峰とⅧ峰の間のトラバース道を進んでいる時一年の土田が足を滑らせ滑り台のような岩を少し滑っていまいひやっとした。一年生の技術や体力を考えてルートをとったり、指示を出したりしていくことの重要性を感じた。またⅧ峰への登るべきルンゼを間違えてしまい8峰を巻いて三の窓の頭と八つ峰の頭の間に出てしまった。池ノ谷乗越への懸垂下降中一度大きく右に振られるところがあるため次回はもっと気をつけて懸垂をしたい。




8/8 チンネ左稜線

メンバー:L畑中、福田(記録)
天候:晴れ 
真砂沢4:10-6:40池ノ谷乗越7:00-7:25三の窓7:40-8:00取り付き8:20-12:10チンネ山頂12:50-13:10三の窓

ザックをパンパンにして出発。福田のみザックの容量の関係でアイゼンを付けて長次郎雪渓を登る。池の谷乗越まで2時間30分、まずまず。池の谷ガリーは昨年よりも踏まれているようで歩きやすかった。三の窓について片方のザックをデポ、必要な装備だけを持ち、取り付きに向かう。フォローのみザックを背負い、リードは空荷のスタイルで、ツルベで登った。取り付きについた時にはにはすでにそこに1パーティ、5ピッチ目付近に1パーティがいた。
1ピッチ目 畑中
ルンゼからテラスへ。若干濡れていたが問題なし。
2ピッチ目 福田
テラスからフェース。長いが簡単で開放感があり気持ちよくロープを伸ばす。ハング下に残置スリング、残置支点あり。
3ピッチ目 畑中
バンドからルンゼへ。声が若干届きにくい。
4ピッチ目 福田
ジムっぽいインカットしたガバフェースからリッジへ。ハイマツでピッチを切る。
5ピッチ目 畑中
ただの草付リッジ。肩がらみでビレイ。
6ピッチ目 福田
簡単なフェース。ピッチはいろいろ切り方がありそう。
7ピッチ目 畑中
これも簡単なフェース。リッジに出たところでピッチを切る。鼻が見える。
8ピッチ目 福田
先行パーティの方にさきを譲ってもらう。最初のピナクルは直登したが支点があまり取れず若干怖い。その先のピナクルは大したことない。ランナーをうまく取らないとロープの流れが悪くなりそう。
9ピッチ目 畑中
核心ピッチ。通称""。ここももう一つの先行パーティに先を譲ってもらった。最初のカンテはなかなか立っていて85度ほどの傾斜に感じた。カンテのガバを取りつつ豊富な残置ハーケンでランナーを取っていき、鼻下まで。鼻は左側を巻くように乗り越し、スラブ上のエッジに立ち込む。アンダー気味のホールドを取り、もう一つ上のエッジに右足を乗せ小ハング上のガバを取れば核心は終了。ガバで小ハングを越え、そこからは級ほどの凹角を快適に登りビレイポイントのレッジへ。あまり広くはない。

10ピッチ目 福田
凹角からリッジへ。リッジ上のビレイポイントは狭く、リッジをまたぐように座ってビレイした。
11ピッチ目 畑中
リッジ。ロープの流れが悪い。
12ピッチ目 福田
リッジからチンネ山頂へ。チンネの最高点の少し奥に残置支点がある。
少し順番待ちを挟みつつも3時間50分でトップアウト。しばらくゆっくりしてから下降を開始。池の谷ガリーへは懸垂せずクライムダウンし、三の窓へ(懸垂支点はチンネと三の窓の頭のコルにある)13時過ぎにはついてしまい、今日はここでビバークの予定なのでゴロゴロタイム。真砂沢と違って日が当たっても暑くないのがいい。17時ごろおゆを沸かして食事を済ませ、18時ごろにはシュラフカバーにもぐった。天気が良かったのでオープンビバークにしたが、23時ごろに雨が降り出し、ツェルトに入った。




8/9 チンネ中央チムニー・6Aフェース中大ルート

メンバー:L畑中、福田(記録)
天候:晴れ
三の窓5:00-5:30取り付き5:45-8:00トップアウト8:40-9:30Aフェース中大ルート取り付き9:50-11:00トップアウト-12:40真砂沢

4時起き5時出発。寒くて眠れず寝不足である。朝の雪渓は固くアイゼンなしだったが少し緊張した。ジャンダルムとの間のガリーに入ると顕著な中央チムニーがすぐわかった。傾斜はかなり強く見える。取り付きまで登り、狭い取り付きで登攀準備をして福田リードで出発。
・1ピッチ目
チムニー内から右壁に出ていく。朝イチだからなのか、スタンスが細かいからなのか、濡れているからなのか知らないが怖かった。
・2ピッチ目
出だしは1ピッチ目のような感じ。中央バンドに近づくに従って傾斜が緩くなっていく。
・3ピッチ目
中央バンドを歩くだけ。お散歩。ピナクル裏でビレイ。
・4ピッチ目
簡単だが開放感があり楽しいピッチ。富山湾まで見渡せて気持ちがいい。
・5ピッチ目
開放感maxでめちゃくちゃ気持ちがいい。気持ちよすぎてロープを伸ばしすぎた。
・6ピッチ目
mくらいになってしまいました。畑中さんごめんなさい。
チンネでゆっくり休憩して池ノ谷ガリーまでクライムダウンし、適当に歩いてAフェースの取り付きまでいった。魚津高は畑中さんが登ったことがあるので中大ルートから。完全に空荷でトライ。ジャンケンでどちらが最初リードするか決めて、畑中さんリードで出発。
・1ピッチ目
テクニカルなムーブが続きなかなか難しくて楽しかった。だんだんレイバックがしんどくなってきてデット気味になっていく、、、。
・2ピッチ目
なんかよくわからんうちに魚津高ルートに合流してしまった。
・3ピッチ目
特に何もなし。
ささっとおりて荷物回収してささっと真砂に帰った。
↑中央の大きな溝が中央チムニー





8/10 源次郎尾根Ⅰ峰平蔵谷側上部フェース成城大ルート

メンバー:L畑中、福田(記録)
天候:晴れ
真砂沢4:05-4:40源次郎取り付き4:50-5:45コル5:55-6:30取り付き6:45-10:20-トップアウト11:05-真砂沢13:00

最大限の軽量化をして出発。前日までのチンネより圧倒的に荷物が軽く、源次郎尾根取り付きで心配になって荷物を確認するほどだった。コルまで尾根入り口から50分ちょっと。そこから中央バンドへ下るが、ハイマツが茂り苦労する。踏み跡も6峰フェース群やチンネに比べると乏しい。取り付きからはルートほぼ全体が見える。すっきりとしたフェースである。
1ピッチ目 福田
草付のルンゼ。快適なフェースクライミングばかり楽しんできた身としては嫌なピッチになった。これが普通か。
2ピッチ目 畑中
小カンテを回り込んで凹角を登る。終了点はかなり広いテラスになっている。
3ピッチ目 福田
凹角沿いのフェースを登る。これも終了点はテラス。
4ピッチ目 畑中
核心。まずは凹角左のフェースを登り、トラバース。ここまではあまり悪くない。クラックというかフレーク下までトラバースし、ランナーを取ってからフレークを直上。スタンスは乏しいが、左右のフレークのホールドを使いながらパワーで体を上げていく。フレークが途切れてからは細かいフットホールドを拾いつつところどころにあるガバホールドをつないで左上気味に登る。微妙なレッジに達してからはトラバース。脆いフレークに注意しながら慎重にこなして小レッジでピッチを切る。ただロープが35mほどしか出ていなくて、おそらくその上のペツルのハンガーボルトがあるところまで伸ばすのがいいだろうと思われる。(2日後福田が再訪した際上までロープを伸ばしたが、上の方がテラスが狭く窮屈だった。ただ5ピッチ目はロープの流れが良かったので、上の方がいいと思われる。支点は半分くらい打ち込まれたペツルのハンガーと残置ハーケン6個あり。)2人ともフリーで突破。
5ピッチ目 福田
下部は快適なクライミング。左上気味にトラバースしながらフリームーブでフレークを登り、傾斜が緩くなって技術的には易しくなる。ただ、この先が辛い。ハイマツ帯手前はかなり脆く、一箇所フットホールドが欠けてこぶし大の落石になって落ちていった。ハイマツ帯に入ってからはロープの重さに耐えつつのハードな藪漕ぎになり、非常に体力を使う。やっとの思いで大きなテラスに出てハイマツでビレイ。しんどい。ミウラー、花崗岩では滅多に滑らないのにハイマツの上だと滑りまくる。
6ピッチ目
本来ロープを出すがめんどくさくなったのでノーロープで。落ちなければどうってことはない(当たり前か)。ロープを出す場合は屈曲が激しくなりそう。
3時間30分ほどでトップアウト。一番時間がかかったのは5ピッチ目。そこからは源次郎尾根を下降した。一箇所懸垂を挟みつつ1時間30分ほどで剣沢出合へ。そこからは本峰南壁に行っていたパーティと合流して下った。





8/12 チンネ左稜線

メンバー:L阪本、近江(記録)
天候:曇り
真砂沢03:30-05:45池ノ谷乗越06:10-07:30取り付き08:10登攀開始-14:30登攀終了-16:00池ノ谷乗越-17:30真砂沢

 長次郎右俣を詰めて池ノ谷乗越に到着し、そこに登攀に不要なものをデポした。今回はリードは空荷で登ることにしたのでフォローの負担を減らすためアイゼンも置いて行った。水は三の窓で汲み直すことになっていたが、この時点で二人合わせて2L持っていたのでそのまま登攀に向かうことにした。取り付きでは先行パーティが2パーティほどと、後ろに1パーティいた。連休最終日だが人気ルートなだけあり大盛況であった。1ピッチ目は凹角を登るが、まず凹角の右壁というか正面のフェースを登り、途中から左に移って行く。2ピッチ目は傾斜の緩いフェースをひたすら登って行く。3ピッチ目はルートを間違いやすいようで、2ピッチ目終了点から1段上がってすぐに左のルンゼに入る。もう一つ奥のルンゼに入ってしまうと登れるようだがトポ状のルートとは違ってしまう。4ピッチ目はガバばかりのフェースで気持ちがいい。5ピッチ目は次の登攀セクションまでの歩きのピッチである。5-7ピッチ目は簡単なフェースである。8ピッチ目はピナクルを登って行く。そして9ピッチ目がいよいよ核心である。まずは右側のカンテ沿いに登るここが意外と足が悪く怖かった。次にかなり外傾した棚に足を探しながらトラバースしたのちハングを逃げるように右上する。ガバをつかんでしまえば終わりだが、緊張した。その後は凹角に導かれて終了点に達する。10ピッチ目は凹角を登ったのちリッジ通しである。1112ピッチ目もリッジ通しである。
 下降はチンネの頭と三の窓の頭のコルまではクライムダウンし、そこから池ノ谷ガリーまでは懸垂下降した。落石の多そうな箇所だったので、できるならクライムダウンの方がよかったかも知れない。池ノ谷ガリーを登り返し、荷物をまとめて長次郎右俣を下ったが、朝から二人合わせて2Lくらいしか水を飲んでいなかったため流石に喉が渇き、Cフェースの真横くらいの水が流れているところで水分補給をした。





8/12 本峰南壁A2

メンバー:L箱守(記録)、新垣
天候:晴れ
3:40 真砂沢BC - 6:05 A2取り付き6:35 - 9:15剱岳山頂 9:55 - 10:50 平蔵のコル- 12:20 真砂沢BC

 ナムの滝の巻道を終えて雪渓に乗る箇所からアイゼンをつけて平蔵を登った。順調なペースで登り、大きくガレ場に変化する場所でガレ場に乗り移ってアイゼンを外した。落石に注意しながらガレ場を30分ほど登り、A2取り付き手前の雪渓が切れているところをトラバースして取り付いた。
 取り付きはハーケンが5個ほどある外傾したテラス。物を落とさないように注意しながら準備して、奇数ピッチ新垣リードのつるべで登攀開始。1ピッチ目は25m()の浅い凹角。残置ハーケンは豊富にあり、終了点は白いスリングがかかっている。2ピッチ目は40m()の緩傾斜リッジ。左側のリッジ上を登るようにルーファイに気をつける。終了点はハーケンが密集した小さいテラス。左側は切れ落ちており一般道が良く見える。3ピッチ目は20m(+)2ピッチ目終了点の正面にある若干被り気味の凹角を登ったが、終了点から右側の登りやすいところを登って合流することもでき、そちらの方が易しいだろう。終了点は豊富にあるハーケンとカムを用いた。4ピッチ目は40m(?)のリッジ。できるだけリッジを外れないように辿り(一般道が左によく見える)、ロープがあと10mほどになったところで大きな岩のリスに残置ハーケンが3つ並んだテラスがあり、ハーケンと岩角にスリングを取って支点とした。5ピッチ目はさらにリッジ上を辿り40m()、適当なところでハーケンやカムを用いて支点とした。この辺りから簡単な階段状になったので、終了点付近でロープを畳んでクライミングシューズのまま67ピッチ目を登った。するとハイマツの広がる小テラスに出る。そこから10分ほど登り、山頂に到着。連休で大混雑している山頂の端で大休止して、クライミングシューズや登攀具、ハーネスを片付ける。ヨコバイは渋滞で時間がかかったが、平蔵のコルからはガレ場と雪渓を落石に注意しながら順調にくだって12時すぎに帰幕。



8/12 八ツ峰全山縦走

メンバー:L畑中(記録)、辻
天候:晴れ
真砂 3:40 – 4:45 ⅠⅡ峰間ルンゼ取り付き4:55 – 5:35 ⅠⅡのコル– 7:30 ⅤⅥのコル7:45 – 8:45 Ⅷ峰 – 9:05 八ツ峰の頭– 9:35 池の谷乗越 – 10:40 真砂

Ⅳ峰からの懸垂を2回に分ければロープが一本で済むので今回は一本しか持っていかなかった。ⅠⅡ峰間ルンゼの状況が心配であったが、合宿初期にはあった雪渓は既になく、水も流れていなかったので岩も渇いておりかなり順調にルンゼを登って行く。先行パーティーがいたが、途中から左にどんどん逸れていき、最終的に3峰に直接登っていた。我々はいつも通りのルート。懸垂支点は、Ⅱ峰はハイマツ、Ⅲ峰はハーケン、Ⅳ峰は大岩に巻かれたスリング(1回目)とハーケン(2回目)、Ⅴ峰もハーケン。Ⅴ峰からは去年はクライムダウン→懸垂→少し歩き→懸垂の流れであったが、前日に阪本さんから2回目の懸垂下降に当たる箇所がクライムダウン可能だということを聞き、実際に簡単だったので今回はクライムダウンした。ここまでかなり順調に来ていたので当然上半まで繋げる。上半では登りではロープを出さず、Ⅵ峰Eフェースの頭から1回、Ⅷ峰から2回、八ツ峰の頭から1回の計4回の懸垂下降をしたのみ。Ⅵ峰Dフェースの頭及びⅦ峰からはクライムダウンで下降した。八ツ峰の頭からの懸垂は60mロープなら1回の懸垂+クライムダウンで下降可能であった。途中クライムダウンが不可能と思われる箇所があり、50mロープだとそこまで届くかは不明。池ノ谷乗越からはアイゼンを装着し、下降。帰幕。かなりスピーディーに遂行することが出来た。これからは相応の実力がある者(登りでロープを必要としない)のみのパーティーならロープは一本でいいだろう。やっと八ツ峰下半と上半を繋げることが出来て、最終日にふさわしい満足感を得た。しかしⅠ峰はまた来年に持ち越しである。



8/12 源次郎側壁成城大ルート

メンバー:L縄(記録)、福田
天候:晴れ時々曇り
真砂4:034:40源次郎尾根取り付き—6:35側壁成城大ルート取り付き—7:45登攀開始—11:30源次郎1峰頂上12:0014:10真砂

予定通り成城大ルートに行くか、2人とも行っていないDフェース富山大ルートにするかどちらかとなったが、すでに福田が成城大ルートに行っていて、核心ピッチをリードできる自信があるとのことだったので、自分の自身のない核心ピッチを福田にリードしてもらえるなら、ということで、11日夜に予想されていた降水が大したことなければ成城大ルートに行くことに決めた。結果夜はぱらつきがあったかどうか程度でルートの状態は問題なさそうであったので、成城大ルートを目指すことに。
チンネ左稜線日帰りのパーティーがあったので2:30起床。3:30過ぎにはどのパーティーも出て行ったが福田が全然出てこない。後から聞くにすでにこの時には嫌な予感を感じていたという。源次郎尾根の取り付き付近でヘッドランプを外し、2回あるやや悪い岩場を超える。途中で2パーティーほど抜かさせてもらう。まだ上に2人パーティーがいるとのことだった。側壁への踏み跡のあるコルに着くと2人パーティーが側壁に向けて準備をしていた。側壁で先行パーティーがいるとはあまり予想していなかったが、さすが山の日連休である。途中でハイマツとしっかり格闘し、630分すぎ、取り付き付近についた。
先行パーティーが1ピッチ目を登り終わり、登攀準備に入る。核心は4ピッチ目で福田にリードしてもらうので縄は奇数ピッチリード。1ピッチ目は途中から木を掴みながら登る。そこまで濡れておらずグレード通りくらいか。終了点で先行パーティーと話を交わす。名古屋大ルートに行くとのことだった。2ピッチ目は福田リード。苦労した覚えはあまりなく、短い。
3ピッチ目から名古屋大ルートとわかれる。ロープが交錯しないように気をつける。このピッチも短く20m程度。そしてあっという間に4ピッチ目の核心となる。10m弱のフェース登り、5mトラバース、10mクラック登り(途中からクラックが薄くなる)、5mトラバース、5mまた登るといったギザギザに登るルート。リードの福田から緊張感が伝わってくる。順調にザイルが伸びていき、ビレイ解除のコール。フォローの縄も特にトラバース箇所は落ちられないため心して取り掛かる。核心のクラック登り上部ではかなり緊張したがなんとか超えた。そしてトラバースをして最後を登っていく。大きなフレークを掴み、終了点まであと5mほどのところまで来たその時だった。轟音とともに、自分の触っていたものと足下が全てなくなったのだ。気づいた時にはロープにぶら下がっていて、とにかく助かったのだということだけはすぐにわかった。怪我もかすり傷以外は奇跡的にほとんどなかった。正気を取り戻してフレークが剥がれた後の茶色い岩を登ってなんとか終了点。本当に福田のビレイとハーケンに助けられた。リードだったらどうなっていただろうと思う。福田はフレークが脆そうだったため左側のフェースを登ったという。自分もビレイで下から見ていて少し怪訝には思っていたが、まさかあんな10トン程の岩が全部落ちるとは想像できなかった。よく確かめもせずに脆いフレークに体重を預けたのは想像力・注意力の欠如というほかなく、大反省である。
5ピッチ目自分のリードは序盤は難しいがそのあとひたすらハイマツ登りだという。福田にリードを代わってもらおうかと思ったが、なんとか平静を取り戻して登ることにした。序盤大きく逡巡してしまったがハイマツまで行くとあとは体力勝負であった。
この先はトポではⅣ級が続くが、ロープなしで前回頂上まで行ったという。クライミングシューズは履いたままで、途中ハイマツ帯を交えながら20分ほど登って1峰頂上に着いた。11:30だった。
源次郎尾根下降は2個あるうちの上だけ懸垂下降して他はクライムダウン。精神的な疲れがあってかやや時間がかかったが、14時すぎに帰幕した。
名古屋大ルートのパーティーはかなり苦労していたようで、テンションをかけながらなんとか突破したようだった。繰り出していたムーブなどから、成城大ルートよりもだいぶ難しいだろう。
帰幕後、メンバーの実力以上のところに突っ込んでしまったという話になった。福田がなかなか足が進まなかったのも、縄が核心ピッチで福田がリードしてくれるなら、というスタンスであり、万が一のことがあった時に核心ピッチをリードして助けてくれることも難しいというプレッシャーがあったということだった。実際自分がリードしていたら目も当てられないことになっていたかもしれないし、実力以上のルートに望んでしまっていたというのは認めざるを得ない。リードが大きな余裕を持って登れるルートなら別だが、大きな緊張を強いられるあのルートでかなりリスキーな選択をしてしまったのだと痛感した。自分自身の危機管理能力の甘さと、万が一の時などの想像まで頭を働かすことのできなかったことに反省である。事故にならずに本当に良かったが、この大きな反省を踏まえ、同じことが二度と起こらないように努めたい。


8/13 定着組下山



縦走編

8/9 真砂沢〜雷鳥沢

メンバー L饗場、吉田、林、岡本、嘉村、土田(記録)、松坂
天気:晴れ
真砂沢5:30 – 10:10劔御前 – 12:00 雷鳥沢

 この日は定着組に合わせて4時に起床し6時に出発する予定であった。出発準備が早く終わったため出発時間も早まった。特に問題なく雪渓を登り夏道への取り付きも問題なく行った。雪渓終了点から1時間程度で劔沢に。そこから1時間程度で劔御前へ。また雷鳥坂は1時間30分程度で降った。雷鳥坂を半分以上降ったところでこの日に入山のメンバーとすれ違った。12時ごろに雷鳥沢に到着し郵送する荷物を持って室堂へ向かう。また室堂から雷鳥沢への帰り道雷鳥荘で温泉に入り軽い食事をとった。




8/10 雷鳥沢-扇沢〜冷池山荘

メンバー L饗場、吉田、林、岡本(記録)、嘉村、土田、松坂
天候:晴れ
雷鳥沢キャンプ場6:30~室堂7:30~扇沢9:00~柏原新道入口9:25~種池山荘11:55~爺ヶ岳13:00南峰~爺ヶ岳中峰14:00~冷池山荘15:50

室堂から扇沢までは、立山黒部アルペンルートを使用。始発に乗る予定だったが、山の日ウィークでそれより早い臨時便が出ていたためそれに乗る。扇沢駅を出て左に少し進むと、柏原新道の入口がある。かなりわかりやすかった。柏原新道は、とても整備されていて歩きやすい。ずっと緩い登りで、距離も長く、ずっと樹林帯であるためなかなか大変だった。直前に休憩をとっていたため、種池山荘はスルー。そこからは稜線に出て、爺ヶ岳を目指した。この時点で、冷池山荘が見えた。そこからの歩きでは、特に大変なポイントはなかった。爺ヶ岳南峰と中峰のピークを踏んだが、どちらもトラバースする道もあった。北峰はトラバースする道しかなかった。そこから下って、少し登り返したところに冷池山荘がある。山の日を含む3連休ということもあり、かなり人が多く、テント場もほとんど埋まっていた。結局、かなり斜めにテントを張ることになった。冷池山荘は、水が150/Lで、測って入れてもらう方式だった。また、山荘とテント場が片道15分とかなり遠く、トイレが山荘にしかないためかなり不便だった。




8/11 冷池山荘〜五竜山荘

メンバー:L饗場、吉田、林、嘉村(記録)、松坂、土田、岡本
天候:晴れ
冷池山荘4:00 4:55 布引5:05 5:45 鹿島槍南峰5:57 6:30 鹿島槍北峰6:40 8:00
 キレット小屋8:15 9:15 休憩9:25 10:25 北尾根の頭10:35 11:40 休憩11:50 12:35 休憩12:45 13:35 五竜山頂13:45 14:40 五竜山荘到着

   朝は各テントで棒ラーメンを食し、二度とこの傾斜でのテント泊は勘弁だと思いつつ出発。20度はあるのでは?と思える傾斜の中一人逆向きに寝ていた松坂の体はどないなってんねん、と思ったがよく考えたら五竜山荘で松坂が腹を下していたのはこのせいなのではないだろうか。
   今日の先頭は岡本。ペース的には昨日よりはややゆっくりというペースだったが、今日は昨日先頭だった土田があまりペースが上がっていないように思われ、冷池山荘であまり十分に睡眠が取れていなかったのだろうかと思っていたが、ところがどっこい土田は足の筋を痛めており、下るときに痛むとのことであった。さらに途中から岡本も苦手な登りによる精神的・肉体的な疲れ(靴擦れをしていた)こともあり、コースタイムよりさらに遅いペースで歩いていた。前日テン場に遅めについてテントを悲惨な場所に張らざるを得なかった経験から、このペースでは今日も昨日の二の舞になってしまうことを懸念し、饗場さんは10:30の北尾根の頭で分隊を決意した。体力に余裕のあった松坂と林にそれぞれテントを持ってもらい、その分共装を三年生二人に渡した。先発隊は良いペースで出発したようで12時台には五竜山荘についていたそうで、心配をかけてしまった。後発隊はその後吉田さんの調子も少し悪くなるなど全体として変わらずスローペースで、コースタイムの9:20を大幅に上回る10:40というタイムとなってしまった。



8/12 五竜山荘〜天狗山荘

メンバー L饗場、吉田、林、岡本、嘉村、土田(記録)、松坂
天候:晴れ
五竜山荘4:00 – 6:20 唐松岳山頂– 12:00 天狗の頭– 12:30天狗山荘

 この日も前日と同様に230分起床4時出発となった。出発前はガスに覆われていたが出発後は特に気にならなかった。この日は山の日を含む3連休の最終日だったこともあり唐松岳頂上山荘手前の岩場や唐松岳周辺は多くの登山者で賑わっていた。唐松岳の山頂に6時20分ごろに到着。そこから不帰嶮に向かう。2峰北峰までは特に問題なく通過。しかし核心部の北峰からの下りの鎖場とハシゴの連続箇所は通過待ちに時間がかなりかかった。しかしその地点以外は渋滞は起こっていなかった。またこの地点の通過で危険な事態は発生しなかった。次の関門となったのは天狗の大下りを登ることであった。途中で岡本が消耗してしまい途中で付き添いの林とともに休憩した。その他のメンバーは上りの終了点まで登りきった。天狗の大下りを登りきってしまえばあとはほぼ水平移動で天狗山荘まで到着できた。当初の予定は白馬岳頂上宿舎までであったがメンバーの疲労が溜まっていたためこの日は天狗山荘止まりとなった。



8/13 縦走5日目

メンバー:L饗場、吉田、林、岡本、嘉村、土田、松坂(記録)
天気:晴れ
天狗山荘400445白馬鑓ヶ岳455550杓子600735白馬岳7551020白馬大池10401325栂池ビジターセンター

天狗山荘から白馬槍ヶ岳までは順調に進んだが、杓子岳の登りで自分が登り口を間違えて、急登を登ってしまった。岡本はかなり靴擦れで辛そうだった。白馬岳の手前では人の数もグッと増え、大変賑わっていた。白馬岳の頂上ではドローンを飛ばしている人もいた。白馬大池までの下りはアップダウンがあり、距離もあり、大変だった。土田は痛めていた筋が本当に痛むようだった。白馬大池で土田の荷物を上級生が分けた。栂池までの下りは急坂で人も多く、通行に時間がかかってしまった。栂池のロープウェイは15kg以上は別途料金がかかるらしいが払う場所が分からず、結局一人も払うことが無かった。16時の新宿行のバスに乗って帰路に就いた。


縦走組