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2019年5月2日木曜日

20190502_農鳥岳大唐松尾根

農鳥岳・大唐松尾根 
メンバー:3年 ) L吉田、饗場 
期間:2019年52日〜4 

5/2 
記録:吉田 
天気:快晴 
 13:15奈良田温泉−13:45大門沢ゲート17:20雨池山−17:25幕営(1900mのコル) 

大唐松尾根の存在を知ったのは去年の4月ごろ。山と高原地図の「日本アルプス総図」を眺めていた私の眼に、農鳥岳に突き上げるその長大な尾根は不思議と魅力的に映った。それからネットで記録を漁り、それが藪尾根であることを知ったのだった。昨秋白峰南嶺を歩いた時にはこの尾根を見つめ、ズッシリとした質量に更なる憧れを抱いた。約一年間挑戦の機会を窺っていた大唐松尾根からの農鳥岳に、このGWにやっと登頂することができた。 

身延駅からバスに乗って奈良田温泉まで向かう。我々と同じバスには他に2パーティが乗っていたが、両パーティとも大門沢から農鳥岳を目指すようで、大唐松尾根を登るのは我々だけだった。初めの2日間は水が無いことが予想されたので、1人5Lずつの水を汲んだ。 
この尾根の取付きは大門沢ゲートから少し歩いたところにある祠のあたりだ。それから森林の中を歩きパイプの手すりが付いた道を辿って急坂を登る。曖昧な記憶だが確か「西山本線」の標識から、手すりのない階段状の道に移った。その階段も電波塔までで、今度は踏み跡の不明瞭な尾根上を行くことになった。雨池山まではそんな調子だった。雨池山の先のコルにはわずかに雪が残っているのが確認された。初日はここで幕営することになった。 

5/3 
記録:吉田 
天気:快晴 
5:00幕営地発−7:10 2346mピーク−9:30大唐松山−12:45幕営(2550m付近) 
 雨池山と2346mピークの間は尾根が広くなっていて迷いやすいので、コンパスで確かめながら進路をとる。2346 mピークへの登りで雪が深くなり、スパッツを装着した。ワカンを持ってこなかったことを後悔したが、すぐに雪の少ない道を見つけ無駄に後悔したことを後悔した。このピークから先は脆い岩や木を掴みながら、所々凍っている雪がついた道を進むような具合だ。さらに大唐松山を超えるとまたも様相は変わる。ハイマツの藪漕ぎか、そうでなければ踏み抜きやすい雪の上を歩き、ストレスが溜まっていた。それでも終始、白峰三山や南嶺の山容が前方に、綺麗な景色だった。2580mピーク手前のコルに下り立つのに、急な斜面を下ったのでロープを出す。本山行でロープを使ったのはこの一回だけだ。この日は、2580mピークからの下りの途中の開けたところにテントを張った。 
2日目の幕営地、農鳥岳をのぞむ

5/4

記録:饗場
天気:晴れのち曇り 

5:30テン場出発-6:40 2633mピーク-8:30主稜線到着(デポ)-8:50農鳥岳-9:20大門沢下降点-12:30大門沢小屋-16:30奈良田バス停 

快晴の農鳥岳山頂!
 昨日と同様に5:00ごろ出発としていたが準備に手間取り5:30の出発となった。昨日の踏み抜きの苦労がなかったかのようにさくさくと雪を踏みしめて進んでいく。時々股下まで踏み抜くものの、基本的に踏み抜くことなく表面の固い層を踏みしめて快適な雪歩きという感じだ。したにはハイマツが埋まっているようで夏の藪漕ぎの苦労が垣間見える。時折現れる雪がない場所では岩とハイマツの上をアイゼンで歩いていった。尾根は若干やせていたがハイマツがあったので問題なく歩けた。想像より遥かに早く2633mピークに到着しこれから登る斜面を見て、冬だとなだれが怖そうだなぁなどと話しながら少し長めに休憩をし、これからどのように登るかを少し話し合った。斜面をほとんど直登しさくさくと進んでいく。雪は程よく緩んでおり急斜面でもそれほど恐怖感はなくぐんぐん高度を稼ぎ支尾根にのりそこからは稜線上をゆったり歩いていった。途中で農鳥岳を下っている人が見え、大門沢を下降するのかなと思いながら歩くと程なくして主稜線に到着した。そこにメインザックをデポし、ピッケルを持って頂上に向かった。ふみ後もあまりなくGWであったため人がたくさんいるかと思ったが稜線上どこにも人が見えずなかなか気持ちがよかった。その後ザックをデポした場所まで戻り荷物を回収し大門沢下降点まで向かった。鐘があり、非常に分かりやすくなっており踏み後もあったのでさくさくと進む。途中で登ってくるパーティーとすれ違い、大門沢の状況を聞き、ぬれることを覚悟するならば問題ないと聞き安心し、雪渓を降りていった。地形図どおりなかなか傾斜のきついくだりが続き、何回か滑ったこともあり、恐怖でなかなか足が進まず非常に遅いペースで下ることになってしまった。大門沢小屋まで下ると雪はすっかりなくなり、そこでアイゼンをはずした。若干雲がかかり始め雷鳴が聞こえたためバスの時間が近いこともあり足早に下山していく。確かに橋は流されていたがわたれないわけではなく、すでに靴がぬれているわれわれは川の中を歩き渡渉した。登山道は崩れているわけではなくそれほど問題はなかったが、崩れたら危なそうな場所は何箇所かあり、今後も安全に通れるかは注意が必要であると感じた。その後ゲートに到着し奈良田まで歩きその日のうちにバスで帰った。 

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