このブログを検索

2019年3月22日金曜日

20190322 鹿島槍ヶ岳東尾根

鹿島槍ヶ岳東尾根
3/22-24
メンバー:L阪本、縄、近江、福田
天候:22日:晴れ
   23日:曇りのち風雪
   24日:風雪のち晴れ 
記録:福田
22
大谷原手前除雪終了地点11:40 – 15:30一の沢の頭– 16:20二の沢の頭
23
二の沢の頭5:20 – 7:10第一岩峰基部– 9:30第二岩峰基部– 13:20鹿島槍ヶ岳北峰13:40 – 14:25鹿島槍ヶ岳南峰– 15:30冷池山荘
24
冷池山荘6:30 – 12:30 高千穂峰– 15:00林道出合– 15:45大谷原手前除雪終了地点

3/22
始発で信濃大町へ。準備をしてタクシーに乗り込み、大谷原を目指す。除雪はまだされていないようで、手前の鹿島槍スキー場との分岐で降ろされる。冬履に履き替え出発。積雪深は1520cmほど。トレースがあり、ラッセルはない。20分ほどで大谷原についた。ここから赤谷尾根方面の沢筋に入りつつ東尾根の取付きを探す。雪は少なかったが、奥に進みすぎて尾根上まで遠くなるのを嫌ってかなり末端側から尾根に取り付いた。尾根上の積雪はひざ下ほど。時折踏み抜くが概ね快調に歩く。途中で単独の方がおりてきた。一人で一の沢の頭手前までラッセルしたという。トレースのお礼を言ってすれ違った。その先もずっとトレースがあり、3時間ほどで一の沢の頭に出た。ガイドパーティがテントを設営していた。
鹿島槍が大きい
ここから二の沢の頭まではナイフリッジで常に緊張しながらの行動となった。二の沢の頭では山岳会パーティが先にテントを張っていた。その隣に自分たちのテントを設営し、行動終了した。

3/23
夜中は星が見えていたが、朝方にかけて曇ってきていた。ゆるい冬型の気圧配置になっていて、寒気が入っているようだった。気温は-20℃ほど。3時起きで520分出発。風はほとんどなかった。雪稜をなるべく稜線を外さないように歩いた。雪庇の張り出しは北俣沢側に若干ある程度で、ほぼ稜線を忠実に辿ることができた。第一岩峰の手前で露岩を大冷沢側に巻く部分で1ピッチロープを出した。
第一岩峰手前のロープを出した地点

稜線に復帰してすぐに第一岩峰基部に着く。幕営跡あり。第一岩峰は雪をまとっていて雪壁という表現の方が近い。傾斜が急になる前のハイマツ帯に支点を取り、阪本さんリードで残置ハーケンのある露岩まで。2ピッチ目は縄さんリードで上部に出た。ここでガイドパーティに先を譲る。

第一岩峰
1ピッチ目阪本さんリード
いったんロープをたたみ、再び雪稜をいく。だんだん天候が悪化してはいたが、高曇りで視界に影響はない。1時間ほどで第二岩峰基部まで。ガイドパーティが取り付いていたので順番待ち。核心部に手こずっているようだった。ガイドパーティは途中でピッチを切っていたので、我々もそこまで行くことにした。しかし、そのビレイポイントは狭く、とても4人いられる場所ではなかったので、ここではピッチをきるべきではなかった。阪本さんリードで核心ピッチを超えた。今の自分の力量ではザックを背負ってリードできないと感じた。あとで知ったことだが、A0用のピンとスリングがなくなっていたらしい。
第二岩峰
なぜか笑顔

そこから1時間ほど雪稜をたどって1320分北峰サミット。後ろから一人登ってきた。今日入山らしい。相当ハイペースである。北峰でガスに巻かれホワイトアウトした。南峰まで稜線を外さないように夏道よりも吊り尾根上を歩いた。雪庇の張り出しは信州側はほとんどない。40分ほどで南峰到達。
この写真撮った直後携帯がブラックアウトしました
ホワイトアウトして視界は10mほど。西風が強い。なぜかバラクラバが右にずれていて右頬にもろに西風をあびながら下った。このせいでしばらく右頬がアンパンマン状態だった。30分かからずに布引山に到達し、少し休んでさらに降る。天候は回復してきていた。平坦な尾根になってしばらく歩いて冷池山荘に到着した。冬季小屋はいっぱいだったので外にテントを張り寝た。

3/24
4時起床630分出発。昨晩小屋に泊まっていた人たちと一緒に出発する形となった。吹雪で西風が強い。時折吹き飛ばされそうになりながらも小屋泊の人たちを追い越しつつ赤岩尾根の下降点へと向かう。はじめ、冷池乗越すぐ南の小ピークから小尾根を下ろうとしたが、あまりに急で細いので一旦登り返してGPSで確認したところ、別の尾根を下っていたようだった。登り返すと後ろから小屋泊の人たちが冷池乗越から下降を開始していた。我々はGPSと地図コンパスで進路を独自に決め、スタカットで赤岩尾根方面へと雪面を下っていった。しばらくするとガスが晴れて赤岩尾根と思しき雪稜が見えた。その頃冷池乗越から下降していた数パーティが登り返してきた。尾根を間違っていたことに気づいたのだろう。
下降中


雪稜に乗るピッチで後ろから来た2人組パーティに追い抜かれた。天狗尾根を登ってきたらしい。来年行きたいな。だんだんと天気は回復していき、爺ガ岳が綺麗に見えた。



爺ガ岳の雪の斜面を見ていたら
エクストリームスキーヤーの気持ちがわかるような気がした。
高千穂平まで計10ピッチスタカットをし、小屋出発から6時間も要した。すっかり晴れていたが、鹿島槍の山頂のガスだけは取れなかった。そこから赤岩尾根をサクッとおりて、デブリだらけの林道出合を経由して除雪地点まで戻った。デポしていたサンダルを回収し、履き替えた。タクシーで信濃大町まで、そこから各停でチンタラ東京まで戻った。
 記録を書くたび思うのだが、どうしたら読んでいて面白くためになる記録をかけるのだろうか。今後の課題である。

2019年3月20日水曜日

20190318 常念岳~蝶ヶ岳縦走


20190318 常念岳~蝶ヶ岳縦走
メンバー:中山(リーダー)、箱守、辻、林(記録)

3/17()
東京~豊科
タクシーでゲートに移動

3/18(月):晴れ
5:00 起床
6:00 出発
6:45 東尾根取り付き点
8:30 林道との分岐点
11:05 1955mピーク
12:45 2178mピーク
13:25 2255mピーク
13:35 幕営地点

3/19(火)晴れ~曇り
3:30 起床
6:00 出発
8:00 前常念
9:15 常念岳
13:25 2592ピーク
15:50 蝶槍
16:55 蝶ヶ岳
17:00 蝶が岳ヒュッテ(冬季小屋で幕営)

3/20(水)快晴
4:00 起床
6:00 出発
6:25 蝶ヶ岳出発
8:35 長塀山
11:00 徳沢
13:40 河童橋
15:30 釜トンネル

3/18(月)
 5時に起床し、ゲートを出発する。ゲート前の駐車場には3台車が止まっていた。この日はソロの人3人にあったので、その人たちの車だろうか。ゲート周辺に水場は見当たらなかったが、取りつき点までの道で水を汲むことができた。(安全かどうかはわからない。)
1時間ほど林道を歩くと、東尾根の取り付き点とされるNo.63の看板に到着。


写真の通り、全然雪が無い。雪が出てきてからも、ヤブがきちんと雪に覆われていた上に先行パーティのトレースもあったため、スイスイ進むことができた。天気にも恵まれ、景色を楽しみながら登ることができた。12時ごろに、登頂成功した人と2000m付近ですれ違った。
 2178m地点はよく幕営地に利用されているようである。我々が着いた際、すでに整地されていた。常念東尾根のピストンならここに泊まるのが最適だろう。しかし、二日目に蝶ヶ岳ヒュッテまで歩くことを考え、もう少し先の2250m付近の稜線上の、比較的平らなところで幕営した。快適に眠ることができた。

3/19()
 この日は常念東尾根上の幕営地点から常念、蝶ヶ岳まで歩き、蝶ヶ岳ヒュッテの冬季小屋に泊まる長丁場の予定であった。そのため3時半に起きて早出するはずだったのだが、準備にもたついてしまい、6時過ぎに出発することになった。アイゼンを付けた。
 夜の強風で稜線上のトレースはかなり薄くなっていた。8時に前常念に到着。ようやく常念が姿を見せる。一ピッチ歩き、9時15分に常念岳に登頂。この日は風はそれほどでもなく天気も良かったが、ガスで展望はそこまで良くなかった。ガスの合間から槍穂がチラチラ見える。生殺しである。
 ここから蝶ヶ岳まではトレースがあったりなかったり、あっても薄かったりで手こずった。腰までのラッセルを強いられる場面もあったのでワカンをつけた。磁石を頼りにできるだけトレースを追う。蝶槍周辺は雪が締まっており、アイゼンの方が歩きやすかった。岩場を慎重に登ると蝶槍に着く。時刻は15:50になっていた。ここからはツボ足にした。16:55蝶ヶ岳登頂。またもガスで展望はイマイチ。明日は晴れそうなので、それまでは我慢することにして冬季小屋に入る。
 冬季小屋は窓がついていて光が入る。トイレは中にあり。他の登山者の余った食糧が置いてある。机やいすもあり、調理が楽だった。カレーの予定だったが、カレールーを忘れてしまった。こんなときでもペミカンにはバターがたっぷり含まれているので、それだけでかなり旨かった。小屋の中にテントを立てて寝た。

3/20()
 4時に起床し、6時にヒュッテを後にした。ヒュッテから登山道に戻るまでにはツルツルの氷の上を通る羽目になるので危険。蝶ヶ岳に登ると、空には雲一つなかった。



ここで30分近く写真を撮りまくり、長塀尾根で下山開始。トレースは薄かったりなかったりでかなりラッセルを強いられた。835分に長塀山に到着。ここからはおおむねトレースをたどるれば良かったが、ところどころ途切れていたのでラッセルした。途中からはワカンをつけた。徳沢に下りたのは11時頃。この日はかなり天気が良く、シャツ一枚で十分なくらいだった。メンバーの中には穂高側からの雪崩の音を聞いたものもいた。ここからトボトボ歩いて1340分に河童橋がお目見え。上高地は除雪に忙しいようだった。15時半頃、釜トンネルをくぐり抜け、終了。天気に恵まれ、北アルプスの2つの山頂を極めることができ、怪我無く下山でき、本当に良かった。今シーズンを締めくくるいい山行だった。

2019年3月10日日曜日

2019.3.09-10 霞沢岳西尾根~南尾根


2019.3.09-10 霞沢岳西尾根~南尾根
メンバー:中西(リーダー)、近江、箱守、林(記録)

3/9():快晴。西尾根~南尾根で幕営
6:30 釜トンネル
7:10 取り付き点到着
7:40 出発
9:00 1970m地点
10:20 2050m地点
14:20 山頂。南尾根を進む
16:10 テント場
20:00 就寝

3/10()晴れのち雨。南尾根
4:30 起床
6:30 出発
15:55 発電所
17:05 下山

3/9()
 松本からタクシーで釜トンネルの入り口まで移動。バスよりも早い時間に行動開始できた。釜トンネル・上高地トンネル内を抜け、「松本砂防工事事務所」の看板のところで右に曲がる。しばらく歩くと左手にロープがある。ここが霞沢岳西尾根の取りつき点である。ここではササが出ているくらいの積雪量だった。また、西尾根にはトレースがバッチリついており、ラッセルは無かった。


 ゲイターやシェル、アイゼンを身に付けて出発。この日は我々の他に、親子、三人組、二人組2パーティの計4パーティに会った。最初からかなりの急登が続き、足が疲れる。広くて平らなところは1970mの幕営適地までは無く、この地点に到着するまでは狭い所での休憩となってしまった。
 1020分頃、2050m地点に到着。当初の予定ではここで幕営する予定だったが、11日の天候が思わしくないことを考慮し、9日中に南尾根まで行って幕営することになった。
 核心部ではロープを出した。下から見るとかなり怖く見えるが、登ってみればそこまで高度感は無かった。ここで自分のロープワーク技術の低さが露呈したので、反省した。ここをクリアした後もナイフリッジが待ち受けている。このあたりでなんとなく気持ちが萎えてしまった。この気持ちが無くなるには晩御飯を待たなければならなかった。


 しばらくの登りを経て、1420分に山頂に到着。素晴らしい天候に恵まれ、爽快な気分に浸ることができた。


風が強かったので、穂高をバックに記念撮影をしたのちすぐに南尾根を下った。こちらは西尾根と違ってトレースは無く、ラッセルを強いられた。しかし、かなり雪が締まっていたため、足が沈まない箇所もあった。途中ワカンを装着してラッセルを続けた。1550分頃、稜線上に幕営地を定め、テントを張った。晩御飯の献立はペミカンカレーとマッシュポテト。ペミカンは私が用意したのだが、野菜を大きく切り過ぎたので固かった。幸いそこまで怒られずに済んだので助かった。マッシュポテトは舌触りがなめらかで美味しかった。20時頃に就寝。



3/10()
 4時半に起床し、鶏雑炊を食べた。6時半過ぎにビーコンチェックを済ませて出発。ワカンを履いて、尾根の少し西側を、尾根に張り付くようにして歩いた。私がラッセルするとなぜかどんどん東に進んでしまい、何度か注意していただいた。
南尾根の下りは初めかなりの急登が続き、ワカンでは少し歩きにくいところもあった。西尾根の核心部より難易度が高いと思える箇所もいくつかあった。大事を取って一度ロープを出して懸垂した箇所もあった。(これは正しい道ではなかったからかもしれない。)
懸垂が終わった後は、以前南尾根に入ったことのある近江と箱守の意見を踏まえ、アイゼンに履き替えて歩いた。1120分頃、比較的なだらかなところに入ったので再びワカンに履き替えた。
さらに高度を下げると、ワカンの足跡に黒く地面が見えるほどの雪の量になったので、以後はツボ足で歩いた。14時半頃、雨がパラパラと降り始めてきたので、下山を急いだ。
1510分頃、道を間違えてしまったのに上級生が気付いた。1850m付近で南の尾根を進むところを、東の尾根へと進んでしまった。時間を大幅にロスしてしまった。この時先頭を歩いていたのは自分であり、地図での確認を怠ったことを反省した。
1555分発電所に到着。人工物を見て、もう終わったかのように思ってしまったが、ここからかなりの急登と分かりにくい道が続く。雪が中途半端について滑りやすいこともあり、かなり歩きにくかった。ここでも一度道に迷ってしまった。
175分、無事に下山できた。大急ぎで近くの温泉に入り、1810分の松本行のバスに乗って帰った。

2019年3月1日金曜日

2019.2.24-3.1南アルプス深南部縦走

メンバー:L中山、饗場、近江、吉田
期間:2/24-3/1
道のり:畑薙ダム〜茶臼岳〜光岳〜信濃俣〜大根沢山〜白樺荘

2/24(記録:近江)
天候:晴れ
コースタイム:12:00白樺荘-13:00沼平ゲート-16:30ウソッコ沢小屋
 11:30頃、井川地区自主運行バスで白樺荘に到着。バスといってもジャンボタクシーのようなもので、定員は10名くらいである。基本的には井川地区の住民優先なので、途中で降ろされないか不安だったが運良く誰も乗って来ず、無事白樺荘につくことが出来た。白樺荘では、夏に聖平小屋でバイトしていた中山さんの知り合いに会い少し話した。やはり今年は雪が少ないようである。深南部に入ってから水が作れるか不安に思ったが、とりあえず歩き始める。ゲートは案外遠く序盤から肩が痛くなったが、ゲートを過ぎると不思議とその痛みは消えていった。そこから30分強で畑薙大吊橋に着く。この吊橋は高度感があり、意外と怖い。吊橋を渡ると急登が始まる。少し歩くと早速沢地形の崩壊地が出てくる。距離も短くそこまで危険ではないが、足元がどんどん崩れていき滑ったらそこそこの怪我をしそうだったのでロープを出してみたが思いの外足場は崩れなかった。このあと数カ所渡渉する箇所があるが、ところどころ台風の影響で橋が崩れているので注意が必要である。といって石や倒木を伝って渡ればさほど苦労しない。ウソッコ沢小屋手前の左岸をトラバースする道が崩壊しており、遠くから見ると斜面を少し上がったところに階段が浮いているように見える。だがそこはロープが垂れ下がっており、それを伝っていけば問題ない。この崩壊地の手前で水を汲んだ。この日は横窪沢小屋まで行くつもりであったが、以上のようになんだかんだで危険箇所が多く時間がかかってしまい、結局ウソッコ沢小屋までしか行けなかった。この日は一度も雪を踏まなかった。

2/25(記録:近江)
天候:晴れ
コースタイム:06:30ウソッコ沢小屋-09:50横窪沢小屋-16:00茶臼小屋
 この日は朝一から渡渉した。ここの渡渉も飛石渡渉だが結構手強く、時間もかかった。渡渉後は横窪峠まで順調だったが、そこから横窪沢小屋まではまたしても崩壊しており、距離はかなり近いのに一時間かかった。ここもロープを出し、お助け紐的に使った。橋は崩壊していなかった。ここまでくると所々雪が見られた。一、二時間強くらい進むとラッセルが始まり夏道を探すのが難しくなってきたが、頑張ってテープを辿り尾根道に出た。ここからしばらくは尾根通しだが、茶臼小屋が近づいてくると夏道はトラバースし始める。このトラバース開始地点を探し当てるのは難しく、結局我々は茶臼小屋よりかなり上の方に出てしまい、そこそこ急な斜面を下る羽目となった。この日も崩壊地やラッセルでの踏み抜きに苦しみ思うように進めなかった。この先まだまだ長いのに、山行の序盤で時間を浪費してしまっているなと少し焦りが生じてきた。しかし茶臼小屋はとても快適であり、行程が遅れているけれど仕方がないという気持ちになれた。 

2/26 (記録:饗場)
天気:晴れ

6:30茶臼小屋-7:00茶臼岳-8:00喜望峰-9:30易老岳-12:20-光小屋-13:00光岳-13:20光小屋

 天気は晴天風もそれほど強くない中、アイゼンをつけて出発をした。前日のラッセルと違い茶臼岳山頂までは硬い斜面で快調に登っていく。冬履とアイゼンの相性が悪くどうにもカパカパするので少し不安だったがなんとか山頂まで到着。やはりアイゼンと冬靴の相性が悪い。風もなく気温も高かったため4シーズン履でも問題ないと判断し冬靴から4シーズンに履き替える。山頂からはトレースがあったためほとんど沈むこともなく、快晴のもと気持ちの良い稜線歩きをした。易老岳への登りで少し迷うも問題なく進んでいった光小屋のある平地の直下において夏道は谷沿いとなっているが尾根沿いを進み問題はなかった。前日とは打って変わってほぼコースタイム通りで光小屋に到着。これから先に進むことも考えたが、先に進んでもそれほど良いことはないと判断して光岳へ空荷でピストンし3日目の小屋泊となる。同じ小屋に信州大のパーティーがあり北岳まで向かうとのことだった。我々もしっかり完遂しようと発奮しその日は就寝した。

2/27 (記録:饗場)
天気:晴れ

6:30 光小屋-8:20百俣沢の頭-12:30信濃俣-15:101874m付近(幕営地)

 天気は前日同様晴れ、なんとも気持ちの良い朝である。ラッセルが予想されたためワカンを履いて出発。百俣沢の頭までは緩い下りである。しかし結構足が沈み今までにはなかった頭上の木がなんとも邪魔である。深南部に入ってきたのだなと時間しつつ下っていくが、少し尾根が広くなったところで東側に逸れてしまったらしく、GPSで位置を確認し一度登り返しトラバースして百又沢のかしらに到着した。そのあとは信濃俣のコルまで下りまた登りである。この信濃俣の登り、なかなか急でここを降るにはロープが欲しいと思うぐらいであった。その後急登をラッセルしたあとシナの股に到着。視界がほとんどない山頂で休憩をしたあと出発した。明日は少し天気が悪そうなので今日のうちに進んでおきたいと思い快調に進んでいくも、1箇所路面が凍結し危険な場所があったためロープを出した。これがなければ1913m地点まで行けたのに、とも思いつつも怖いものは怖いのである。そこ以外にも細いリッジが多くあまり気の抜けたものではなかった。15:00になったので幕営的地を探し良いところがあったので決定する。そしてやはりというべきか雪は少なく周囲から雪をかき集めて水を作った。その夜は雪が多く降っていた。


2/28 (文責:吉田)
天気:雪

6:30 幕営地発- 11:00大根沢山・幕営開始
朝から雨のような雪が降っており雨具を着て出発した。凍結していそうだったので終始アイゼンを装着していた。初めはゆったりとした尾根上を歩くのだが、濡れのせいで気分が上がらなかった。1849mのピークを過ぎ大根沢山への最後の登りに入ると、これが地図で見るよりも長く急だった。テープを追っていたはずだったが、1950mあたりから尾根の東側に行ってしまった。薄い樹林をかき分けすぐに登山道に合流したが、雪のついた道では一般道がどこを行くのかはよく分からず、かなり急な斜面をジグザクに登った。この辺りから先頭を歩く吉田の体調が悪くなり始め後ろに回る。それでもなんとか2100mまでたどり着く。そこでとりあえず大根沢山まで行き、これからの行程を考えることにした。大根沢山は山頂付近は平坦であり、テープを追いつつ山頂の標識にたどり着いた。ここで幕営することに決め、すぐに設営を始める。
 テント内では服が濡れていたため寒さに震えていた。次の日の朝、吉田の体調が回復していなければそのまま白樺荘に下山することに決めた。

3/1 (文責:吉田)
天気:晴れ
6:30幕営地発-13:00白樺荘
下山することになった。地形図上では田代沢の頭から白樺荘へ直接下りる尾根は一部不明瞭だと思われた。しかし実際に行ってみると目印のテープは付いていて、田代沢の頭にも分岐の標識があったので安心して下山することができた。地図上で林道に合流する部分からは、道が崩壊していたので進むことはやめておき、尾根上に伸びる登山道を歩いた。ここもテープはあり危険箇所はなかった。しばらく行くと林道に合流して、白樺荘までウネウネと続いていた。