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2018年2月23日金曜日

2018.02.23八ヶ岳冬期登攀

八ヶ岳冬期登攀 

2018/2/25 小同心右稜 記録:岸本卓也 メンバー:白石, 三浦, 池田, 岸本 天気:高曇り, 気温0℃前後 【行動概要】 5:15赤岳鉱泉6:30--8:00登攀開始--11:00トップアウト--12:30赤岳鉱泉12:45--14:00美濃戸口 赤岳鉱泉から行者小屋へ行く橋の手前から沢筋に入る。踏み固められた八ヶ岳のルートでは珍しく場所によっては腰のあたりまで雪に沈むラッセルを強いられる。 右稜の下部からは灌木でビレイ支点を取りながら登攀を行う。尾根上においても若干のラッセルがある。上部の岩稜を超えると右稜の登攀は終了、大同心基部方面へトラバースしていく。雪は深いが緊張感のあるトラバース。その後は尾根を下り帰幕。


 2/26(月) メンバー:三浦、岸本、近江 記録:近江 天気:晴れ、無風
コースタイム:07:00赤岳鉱泉出発-09:00ナイアガラの滝(アイスクライミング)-10:50ナイアガラの滝出発-11:30赤岳鉱泉着  

ナイアガラの滝までは近かったので、この日は少しゆっくりして七時に出発した。硫黄岳へと続く登山道を右に逸れて少し進むと滝があり、まずこれを超えなければならなかった。ロープを出し、岸本リードで登った。その後は途中1.5mほどの滝があったことを除けば何事もなく、ただただ歩いてナイアガラの滝に到着した。この日はトップロープでアイスクライミングを楽しむということになっていたので、その支点をつくるためにまず三浦が滝の最も右側をリードした。次に近江がプロテクションを回収する意味も込めてトップロープで同じルートを登ろうとしたが、怖くて登れなかった。それでもアイススクリューは回収できたので、右端に垂れ下がっていたロープを滝の真ん中に持ってきて、いよいよ垂直な滝でのアイスクライミングが始まった。三浦は一発でそのルートを登れていたが、岸本と近江は最初苦戦していた。それでも三浦から、バイルはくぼんだところに刺せ、足は凹角のところで突っ張れ、といったアドバイスを受け、二人とも登ることができた。この日は三浦が下山しなければならなかったので、早めに下山を開始し11:30に赤岳鉱泉へ着いた。


 2018/2/26 阿弥陀北陵記録 記録:箱守 メンバー:阪本、池田、箱守 快晴無風、気温0˚C前後

【行動概要】 5:55 赤岳鉱泉発 6:25 行者小屋 (阪本さんヘッドライトを探しにもどる) 7:00 行者小屋発 7:50 第一岩稜 8:15 第二岩稜取り付き 9:45~10:15 阿弥陀岳山頂 10:25 中岳のコル (中岳沢の状態を見る) 10:40 行者小屋 11:30 赤岳鉱泉 
赤岳鉱泉を発った頃はまだ暗くヘッドライトをつけて歩いたが、すぐに不要になるくらい明るくなった。行者小屋に着いて休憩していたが、阪本さんがヘッドライトを道中で落とした可能性があることがわかり、一人で赤岳鉱泉近くまで探しに行った。30分ほどして戻ってきたが結局見つからず、落胆しているとザックから見つかった。そういうこと、たまにありますよね。 行者小屋からは赤岳に向かうルートを少し進むと阿弥陀北陵につながるトレースを見つけることができた。樹林帯の急登を登ると、灌木帯の第一岩稜が見えてくる。第一岩稜手前で休憩をとった際、池田さんが中岳沢向き斜面の状態の見方を教えてくれた。表面は一見すると硬いが叩くと簡単に崩れる、ざらめ雪の典型的な例だった。 第一岩稜は危なそうだったらロープを出すことにしていたが、バイルやアイゼンがよく効いて危なげなく通過することができた。傾斜は想像通りの急斜面で恐怖感はあったが、風もなく暖かかったので動きやすくスムーズに登ることができた。 第二岩稜の登攀は2pとも池田さんがリードした。1p目は約50mで少し広めの平地で切り、2p目は約30mで、3~4mのナイフリッジを過ぎた地点で切った。途中のランナーはほとんどスリングをかける形でとった。
第二岩稜1p目
その後山頂まで100mあまりをアンザイレンしたままコンテで進み、9:45頃に阿弥陀岳に登頂した。ロープを畳んだり写真を撮ったりして30分ほど山頂にいた後、中岳のコルにおりた。 中岳のコルで池田さんが中岳沢の状態をチェックした。気温が上がってはいるが雪の結合性が高そうなので大丈夫だろうということで、中岳沢から行者小屋に下ることを決めた。とはいえ沢地形は雪崩の被害が大きくなりやすいので、池田、箱守、阪本の順でそれぞれ50mほど間隔を空けて急いで下った。 時間があったので帰り際中山展望台に寄って八ヶ岳西壁の様々なルートを確認し、来年度以降のモチベーションになった。 八ヶ岳は冬に晴れやすいと言われている通りの快晴無風という素晴らしい天候に恵まれ、気温も高い中で登攀中も寒さを全く感じることなく、また怪我なく無事に登攀を終えることができてよかった。次来る時はリードできるかな。。 
阿弥陀岳山頂



2/27(火) メンバー:中西、三浦、近江 記録:近江 天気:晴れ、無風
【行動概要】 05:40赤岳鉱泉発-06:05行者小屋-07:25第二岩稜取り付き-08:50阿弥陀岳山頂-09:35中岳-10:35行者小屋-10:55赤岳鉱泉  行者小屋を過ぎてしばらく歩いたところで登山道を西に逸れ、岩稜を目指す。前日にも我々の他のパーティーが歩いていたこともあり、トレースはついていた。第一岩稜手前の時点で先行パーティーが2つあることが確認されていた。第一岩稜はロープを出さずに通過し、先行パーティーの一つに先を譲ってもらった。急ではあるが雪はしまっておりアイゼンが効いた。第二岩稜ではロープを出し、岸本リードで登った。ロープは2ピッチ出したが、僕個人としては1ピッチ目の最初と、2ピッチ目最後のナイフリッジが怖かった。下りは雪崩のことも考慮し、中岳沢ではなく文三郎道を下りた。

2018年2月5日月曜日

2018.02.02 冬合宿(仙丈ヶ岳・甲斐駒ケ岳)

2018/2/2 冬合宿1日目
天気:曇り
記録:畑中

伊那BT 0120=(タクシー)=仙流荘0150=(幕営)=起床0530=出発0630=戸台0830=北沢峠1700

東京から深夜バスで伊那まで行き、そこからはタクシーで戸台までタクシーで向かう予定だったが、生憎の雪で途中の仙流荘までしか進めなかった。雪が降る中、タクシーの運転手さんに「進めるところまでお願いします」と言うのはやはり少し申し訳ない。仙流荘に着くと、屋根があるところの下に泊まれるスペースがあったので、テントの本体だけ組み立ててシュラフのみをザックから出して就寝した。
翌朝起床して再びパッキングして出発。最初は戸台までのコンクリートの道だ。車輪が通った後はかなり滑る。戸台までで数人が滑ってこけてしまう。戸台の直前からは車の通った後もなくなり膝下のとても軽い雪のラッセルとなる。戸台に着くとやはり河原を雪が覆って夏道が全くわからなくなっている。雪を踏み抜いて川ポチャにならないように銭湯が気をつけながら後続がその後をついて行く。下山時に分かったことだが、定期的にでてくる堰は基本的には右岸に歩きやすい道がある。我々は左岸の道のないところをお助け紐を使ったりして登ろうとし、かなり時間をロスしてしまった。終わりのないように感じられる平坦な道のりも終わり、丹渓山荘より先は北沢峠までの登りになる。初めは登山道がやや滑る上に外傾しており滑落する恐れもあったためアイゼンを装着する。どうやらそれは初めだけで、その後は特に問題のない普通の登山道となる。北沢峠に到着し、テントを設営して就寝。明日からのピークハントに向けて英気を養う…。


2/3 冬合宿2日目(甲斐駒ケ岳)
記録:吉田
メンバー:L池田、中山、畑中、吉田
 
:45北沢峠発―9:40仙水小屋−11:30仙水峠―14:15駒津峰―17:30北沢峠着

前日までの大雪のせいでトレースが埋まっていて全行程でラッセルを強いられた。長衛小屋からワカンを装着した。仙水峠の手前までは池田吉田、中山畑中で組になり、一方が休憩している間にもう一方がラッセルを続けるという形で進んだ。その仙水峠の手前の樹林帯が開けたところから風が強くなってきた。峠につき行先を見ると、夏道である樹林帯は雪があまりにも多く進めないようだった。池田が偵察に行くと少し戻ったところのゴーロ帯から登れそうだということになり、峠でアイゼンを装着して出発した。ゴーロ帯の雪面はクラストしていてアイゼンがよく効き快適であった。ゴーロ帯の終わりで夏道に合流した。ここからは再び雪深くなるためワカンを装着する。この登りの最後、森林限界で当初の下山開始タイムリミットである14:00を迎えた。しかし兎に角駒津峰までは登ってしまった。下山しながら気がついたが駒津峰でストックを一本おいてきてしまった(翌日に回収しようと思っていたが無くなっていた)。帰りに沢で水を汲んだため夜の水作りの時間を短縮する事ができた。


2/3 冬合宿2日目(仙丈ヶ岳)
記録:饗場
天候:晴れ
メンバー:L阪本、岸本、饗場、近江、箱守
記録:
7:15 北沢峠 →11:00 藪沢大滝ノ頭 →12:10 六合目 12:201:05 小仙丈ケ岳 1:152:30引き返し(仙丈ケ岳山頂手前)→3:30 六合目 →6:00 北沢峠

反省:若干のもたつきがあり、予定より遅れて北沢峠を出発した。このときもっと早く準備して出発していれば時間的に登頂することは可能だったので大きな反省点のひとつである。その後ラッセルを行いながら樹林帯を進んでいった。雪は深いところで腰まで、浅いところではくるぶしまで、で基本的には膝ぐらいまで埋まった。阪本さんと11人が休憩時間をずらしラッセルすることで若干早く進むが、小仙丈ケ岳到着は1:00ごろと遅くなってしまう。小仙丈ケ岳から仙丈ケ岳までは1時間ほどでいけるということでワカンをおいて仙丈ケ岳へ出発する。雪崩の危険がある場所は1人ずつ歩いて進んでいった。狭めの稜線ではあったがナイフリッジというほどではなく進んでいく。若干のラッセルもあったが天候がよいこともあり順調に進んでいると思っていた。しかし時間が遅くなりすぎたため引き返すこととなった。この時点で山頂まで1520分ほどでいける位置にあるように見えたので非常に残念であった。その後来た道を引き返していく。帰りは特に何も無くサクサクと降りていった。途中で暗くなり始めたのでヘッドライトをつけて下っていった。この日は常に天気がよく稜線上でも風が強くなかったのでコンディションとしては最高に近い状態だったと思う。そのような状況で登頂ができなかったのは力不足であったと思う。具体的には出発時間の遅れ、体力の貧弱さ等であり、事前の努力で改善できた項目であったため大いに反省するべきである。


2/4 冬合宿3日目
記録:近江
メンバー:L池田、阪本、中山、岸本、畑中、箱守、饗場、吉田、近江
天気:晴れのち雪
コースタイム:08:30北沢峠発-11:00ゴーロ帯終わり-12:25駒津峰-14:20甲斐駒ケ岳-18:00帰幕

 前日のラジオ放送によるとこの日は悪天の予報であったため、この日は停滞ということになっていた。だから朝起きて外に出た時晴れていたことは非常にショッキングなことであった。午前八時前に主将は出発すべきかそのまま停滞にすべきか迷っていたが、あまりに天気が良かったということと、前日駒津峰まで到達しておりラッセルの手間が少ないことから、出発することに決定した。出発時刻が遅かったので、皆朝食も取らずに出かけた。ラッセルの手間が省けたため、前日は3時間かかったという仙水小屋まで1時間足らずで行けた。ここでアイゼンを装着した。しばらく行くとゴーロ帯に入った。開けていたため比較的雪が締まっており、アイゼンが効いた。ゴーロ帯を過ぎると樹林帯に入るのだが、樹林帯に入る直前に赤布を二本挿しておいた。樹林帯を過ぎ、少し登ると前日の最終到達点という駒津峰に到着した。駒津峰以降は、急な雪面のトラバースや岩がむき出しになった箇所などがあり、少しスリリングであった。山頂に着き写真を撮って下山を開始するとすぐに天候が悪くなり始めた。駒津峰に着く頃にはサングラスは凍りつき、使い物にならなくなっていた。サングラスをしまってまつ毛が凍りそうになりながらも樹林帯に駆け込み、一息ついた。だがこれで終わった訳ではなく、ゴーロ帯でもまつ毛が凍りそうになった。ゴーロ帯を過ぎると後は樹林帯なのでやっと安心できた。行きと同じく仙水小屋でアイゼンを外し、途中の沢で水を汲んでテントに戻った。



全員で甲斐駒ケ岳に登頂


2/5 冬合宿4日目
天候:晴れ
記録:箱守
5:30起床=7:30北沢峠=11:40戸台=13:00仙流荘

前日に甲斐駒ケ岳を全員で登頂し目標を達成したため、この日は北沢峠から下山することとなった。1日目は河原歩きで四苦八苦していたが、下山時は第二堰堤手前まで左岸を歩き第二堰堤を階段で超えたらそのまま右岸を歩くと楽だった。テープを辿って行けば問題ないと思われる(逆に1日目は左岸のテープを辿って失敗したが…)
戸台あたりまで来ると積雪量が入山時と比べて明らかに減っており舗装道路にはほとんど雪は残っていなかった。
仙流荘で温泉に入って疲れを癒し、帰京。

車窓から見えた甲斐駒は雄々しく、その頂を踏めたことに達成感を覚えるとともに2日目の反省から更に精進することを誓った。