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2017年5月2日火曜日

2017.05.02-05 北アルプス スキー


双六岳・三俣蓮華岳周辺 バックカントリースキー
201752()55()、前夜から夜行バス
メンバー 3年池田(L)2年縄

5/1
22:55バスタ新宿発

5/2 快晴。これが本当の快晴というくらいの快晴。登山口0℃程度、行動時5℃程度、無風。
3:20平湯温泉バスターミナル着
6:30起床
7:00新穂高温泉ロープウェイ行きのバス乗車
7:35新穂高温泉ロープウェイ7:45
9:40わさび平小屋
10:15小池新道入り口
14:45鏡平、幕営
19:30就寝

5/3 快晴のち時々高曇り。朝0℃ 昼10℃〜20℃ 風は弱い。
4:30起床
6:00撤収、出発
7:15弓折岳
9:15双六小屋、幕営
10:00再出発、双六岳トラバース
12:20三俣蓮華岳12:30
12:45三俣小屋
12:55黒部源流13:20
15:00三俣蓮華岳
16:30双六岳
16:50双六小屋
20:00就寝

5/4 快晴のち時々高曇り。朝-3℃ 昼10℃〜15℃ 風は弱い。
4:30起床
6:00撤収、出発、双六岳トラバース
7:45三俣蓮華岳8:00
8:30黒部五郎小屋8:40
11:00黒部五郎岳11:20
11:50黒部五郎小屋12:20
14:30三俣蓮華岳
15:40双六岳、双六沢
16:30双六小屋
19:30就寝

5/5晴れのち曇り。朝0℃ 下山時20℃ 風は弱い。
5:00起床
6:30撤収、サブザック行動へ。双六岳中腹よりモミ沢を少し滑る。
7:50双六小屋8:10メインザック行動へ。
10:00弓折岳10:20
11:25小池新道分岐前橋11:50
13:45新穂高温泉ロープウェイ(温泉)14:55
15:30平湯温泉バスターミナル18:00
24:20バスタ新宿着

残雪期のスキーということで北アルプス周辺をチョイスした。
最初の計画では45日であり、プラス予備日を確保するため一般人のGW開始1日前に入ることにした。エッセンは2人パーティーであり荷物もできるだけ軽くしたいことからアルファ米とした。

5/1
順調に準備を進められていると思っていたが高松山の頃からアイゼンの紐が短いままで、前日に岸本さんからアイゼンの紐を買うはずだったが手に入れられず仕方なくmontbellで当日に買おう、と考えた。ところがmontbellには専用のアイゼンの紐しか置いておらず、時間もなく部室にあるアイゼンを借りようかと思ったがそれも長さが足りず無理だった。結局部会を早抜けして一か八か池袋の好日山荘に行くが事前注文が必要で詰み。アイゼンの紐は短いままで不安要素を残す形で出発となってしまった。

5/2
3:20というすごい時間に平湯温泉で降ろされ、中も開いてないしバスは7:00発だし適当なところで銀マットを敷いてシュラフで寝た。冷え込みがきつかったがシュラフはやはり暖かかった。
ロッカーに荷物を入れさせてもらい、スキー板にストックをくくりつけるバンドを池田さんから貸してもらい、バスに乗り込んだ。最初から最後まで池田さんと僕しか乗らなかった。バス到着後にすぐ出発するが出発してすぐ水を持っていくことを忘れていることに気づいた。夜出発の時は忘れやすいので気をつけなければならない。今年は雪が多く、登山口から10分ほどでシールをつけることにした。そんなに悪くないペースだったと思うがわさび平小屋ですでに2時間経ってしまった。
わさび平小屋を越えるとデブリが頻繁に現れ始め、トラバースして進んだ。凸凹地帯は普通に進みづらい。小池新道分岐の橋で一旦休憩。水が手に入るのも最後そうだったのでまた少し水を汲んだ。
ここからは一気に高度を上げなくてはならない。汗をかきながらデブリを何度も越えた。左の崖からは雪崩の音も聞こえた。気温が上がってきており、危険で、なるべく早くこういったところは抜けたい。わさび平小屋はこの時期なのに営業していなかったので聞き出せなかったし雪崩てもおかしくなさそうだったので大ノマ経由は諦めて鏡平経由で行くことにした。熊の踊り場?までの急登を終え、なだらかな斜面となるがここからまだまだ長かった。鏡平に着いたのは14:45で、弓折岳への登りが雪が緩んでいて危険、トラバースも西斜面で雪崩の危険があり、新穂高からなんだかんだ1200m登ったのでここで幕営とした。
鏡平からの景色は本当に良かった。槍・穂高が綺麗に見え、焼岳も見える。圧巻であった。テント内は暖かく絶好の昼寝日和であった。電波も通じていて、案の定写真をtwitterにあげたら11favきた。
アイゼンの紐をできるだけ解けないようにするため池田さんと相談し、留め具の下を通すことでなんとか手前で末端を回せそうだったのでそれで行くことにした。
翌日はまだメインザックで3時間登るのでそれに備えて早めに寝た。

5/3
起きて1時間半で撤収し重いメインザックを背負う。途中までは緩い登りで順調に進んだ。だが途中からは急な登りとなるためアイゼンで行くことにした。急斜面でスキー板をつける作業は体力が奪われた。スキー板を担ぐと一気に重くなるが体勢を崩さないように一歩一歩確実に進むようにした。ハードな登りだったが思ったより早く弓折岳に着いた。アイゼンの紐も解けなかった。
だが弓折岳からのトラバースは長かった。アップダウンもあり、下りは慎重になるし時々スキー板を担いだ。弓折岳から2時間ほどで双六小屋に着き、幕営した。やはり1日早く入ったこともあってテントは自分達だけだった。少し休憩し、サブザック行動へ。
本来岩苔乗越までの予定だが鏡平から上がってきたので行けそうなところまで行って引き返すことにした。双六小屋からの登りは灼熱地獄だった。半袖でも汗で目がしみるほどだった。蓮華温泉の反省を生かして日焼け止めは塗っていたので日焼けは大丈夫だろうと思った。
稜線に着くと少し陰り暑さも幾分マシになった。雪庇が大きく登れるところがあるか心配だったが十分広く、三俣蓮華までアップダウンがあるものの滑落の危険は感じずに済んだ。3時間ほど見ていたがそこまではかからずに済んだ。
三俣蓮華岳の眺めも素晴らしい。黒部五郎、雲の平、水晶岳、鷲羽岳、北鎌尾根に硫黄尾根。
三俣蓮華岳でシールを外しようやく滑降だ。左の尾根があるが雪が柔らかいので三俣山荘に向けてまっすぐ滑り込んだ。初め急(40度くらい)だったがなんとか滑ることができた。三俣山荘から引き返すのもアリだったがこの時期日没は遅いし5/6の天候が微妙で5/5で帰ることになりそうだったので黒部源流までは滑ることにした。ストップ雪であり、あっという間だった。とにかく暑かったがここからまた三俣蓮華まで登り返しだ。
三俣蓮華岳へは尾根を使って登った。すでに気温が下がり始め少しクラストしかけている。2:00に新穂高を出発したという団体とすれ違う。よくそんな長い間行動できるなと思った。三俣蓮華の後は黒部源流で幕営し水晶岳の方へ向かうらしい。
黒部五郎岳もよく見えていたので翌日の滑り込む場所を何度も見た。ほとんど雪庇に覆われているが北側の尾根の雪庇の切れているところからが滑り込めそうと池田さんは言うが見た目では80度くらいあるのではないかというくらい急だった。実際は40度くらいというが本当だろうか。
行きでは双六岳はトラバースしたので帰りは双六岳を登ることにした。一応今回のルートでもっとも高い山である。別段意味のある山ではないけれど。そこから双六小屋のすぐ近くにかけての沢を滑った。
幕営は17:00で長く充実した1日だった。テントも増えて賑やかだった。池田さんが持ってきたフルーツ缶は最高だった。夏山合宿に持っていきたい。
翌日の黒部五郎岳は夏山の行動時間で9時間くらいはあったので弥助沢に行く余裕はないだろう。

5/4
4:30に起床だったがなかなか眠かった。十分寝た気もするがあまり体力が回復した感じはしなかった。スキー靴も急に入りづらく感じた。前日絆創膏してたのに剥がれてたし痛い。6:00に出発し、ついにこの日は黒部五郎を目指す。そんなに遅く歩いているつもりはなかったが池田さんから度々急かされた。行動時間が長くなりそうだしもっともなのだがトラバースも楽勝なわけではなくまだ怖さはあるのでなかなかきつかった。それでも三俣蓮華岳までは昨日と同じルートなので順調に進んだ。
三俣蓮華岳でシールを外し、黒部五郎小屋まで滑る。尾根が細く慎重に進まなければならないのに雪庇の方へ何度か行きかけた。まだ雪庇への認識が甘いことを痛感させられた。見た目以上に危険で余分めに見ておく必要がある。黒部五郎小屋直前の滑降は硬すぎず綺麗な斜面でそれまでで一番の滑り心地で斜度も程よく素晴らしかった。
黒部五郎小屋でシールを付けてさあ、登りだ。やはり暑かったが出だしは順調に高度を上げた。緩い斜面に入ると黒部五郎岳はさらに大きく見え、その美しさに見とれながら進んだ。
途中からトラバースに変わるとやはり自分は怖かった。雪は柔らかくしっかりスキーアイゼンも食い込んでいるものの斜面の先延長上には数百メートル下が見えていて怖さで小股で進んでしまった。池田さんからも遅いと言われた。
頂上まであと200mの所でスキー板を担いでアイゼン歩行で行くことにした。スキー板を取り付けてアイゼンを履いて…の作業でもたつき、高度も高いからか体力も回復しなかった。スキー板を背負うとやはり一気に重さを感じ、ますます歩みが遅くなった。結果から言うとバテバテだった。何度も止まった。結構時間はかかってしまった。
黒部五郎岳に着くと人でいっぱいだった。池田さんに降り口を確認してもらい、しばし休憩。スポーツドリンクの粉を飲んで体力が戻った気がする。
そしてついに黒部五郎カールの滑り!滑り口にはすでにトレースがあり皆そこから滑り込んでいるようだった。斜滑降で1回キックターンする。斜度がしびれる。上部の雪庇も怖いし雪崩も怖いので速やかに滑ろう。雪は柔らかかったのでなんとか回れた!絶景を一気に下る。あっという間に下まで来た。あとはなるべく止まらないように黒部五郎小屋まで進む。
黒部五郎小屋にようやく着き大休止。黒部五郎カールを滑ったのだと改めて感動する。さあ、三俣蓮華岳まで今から登る。
三俣蓮華岳までの登りはやはり長かった。体力は回復してそこまで遅くなかったと思うがやっぱり途中のトラバースが怖かった。また体力を使ってしまい、へとへとになった。丸山でシールを外す作業も緩慢になってしまった。バテバテだ。まだ若干時間はあるので双六沢を滑ることにした。池田さんから気合いがないと言われなんとか気合いを見せようと双六岳の登りは頑張った、気がする。双六沢はそこそこ広く、夕方で雪も多少締まっていたので良かった。なるべく左にトラバースして、双六小屋への登りは20分ほどに抑えた。
双六小屋に着いた頃には猛烈に疲れた。スキー靴の痛みもあるかもしれないが10時間*2日の行動に純粋に疲れた。
黒部五郎も無事滑れたので翌日に帰ることにした。またメインザックで登るのかと思うと気が遠くなった。

5/5
行動時間に余裕があるので5:00起床で少しモミ沢を滑ることにした。9時間半寝たはずなのに正直寝足りなさすら感じた。足も結構限界がきてる感があった。双六小屋からの登りでやはり遅いと言われる。テンションもあまり上がらなかった。モミ沢への滑りはまだ朝で締まっていて、あっという間だったが快適だった。双六小屋へ登り返してメインザックでついに下山だ。
トラバースとはいえアップダウンがあり、メインザックの重さで足は思うように進まなかった。なんとか弓折岳についた頃には2時間が経過していた。
弓折岳では電波が入るようで、居合わせたスキーヤーから穂高で死亡事故があったらしいなどと聞いた。向かいに見えている穂高連峰にはヘリが飛び回っていた。
さあ、一気に高度を下げよう。雪崩の危険もあるのでさっさと下ってしまいたい。雪はスラフが多めでやはり安定してないようだった。重く滑りにくい悪雪だったがなんとか下っていく。デブリ地帯もいやらしく下に行けば行くほど一気に暑さを感じたが橋までほとんど休憩せずに下った。橋に着くと安堵できた。大休止した。
まだ新穂高までは少し距離があるがなるべく板を滑らせて進んだ。4日前と比べると明らかに雪が少なく、雪解けの速さを感じたがそれでも登山口まで15分くらいのところまでだいたい雪はつながっていて、滑ることができた。
蓮華温泉の時などと比べるとその点は明らかに楽で助かった。荷物をデポして温泉に入った。新穂高温泉はアメニティーも充実しており800円の価値あり。
帰りのバスの分の回数券の分まで買っていたのに予約が埋まっていて今日中に帰れない可能性もあったがなんとかキャンセルのでた瞬間を狙って予約を取れた。下山の日がわからない登山において帰りが混んでいる時その分の回数券を買うのは少し危険だった。
取れたバスは最終の18:00発だったので平湯温泉で時間を潰した。バスの到着予定時刻は22:40だったがGWUターンラッシュに巻き込まれて24:20着になった。終電にギリギリ間に合い、無事帰宅した。

今山行は残雪期のバックカントリーを経験でき、黒部五郎カールも滑れて自信をつけれたがまだ雪庇に対する認識が甘かったり体力面できついところがあったのでこれらを反省点として生かしたい。スキーでリーダーができるようになるためにはこの辺が不足点であろう。

それにしても今回天候にはかなり恵まれ、景色も圧巻であり、素晴らしい充実した山行であったと思う。

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