このブログを検索

2016年7月16日土曜日

2016.07.16-17 日向八丁尾根・鋸岳

記録:白石薫平

メンバー:白石薫平(CL)、中山省吾

2016年7月16日(土)


曇。上部では長野側から風が強い。
矢立石登山口9:00--10:25日向山--11:40鞍掛山分岐--12:55大岩山13:10--15:30烏帽子岳--15:40三ツ頭--16:10六合目石室

中山が名乗りを挙げてくれたため、かなり長い間目を付けていた日向八丁尾根を歩くことができた。甲斐駒ヶ岳を登り黒戸尾根を下りなければ正統的なコースではない気もしたが、私が大学1年のとき(2013年9月)に雨で歩けなかった鋸岳の稜線の方が魅力的に思え、そちらを選択した。

矢立石登山口までは北杜タクシーを使った。甲斐の里は水田が緑の盛りであった。矢立石登山口には車8台ほど停車。登山ポストはない。尾白川渓谷駐車場(黒戸尾根の登山口)からの道も合流し、錦滝への道も出ている。矢立石から日向山までは歩きやすいように木で段差が作られているが、長い。10分毎くらいに10等分の標識がある。

日向山山頂は南側が樹林で、北側が砂地になっている。山梨100名山の標識あり。日向山からは砂地に足跡があり、コルまで続く。鳳凰山のような砂の斜面で、コルの北側はかなり急傾斜。コルで錦滝からの道合流。コル以降は人が減り、道も薄くなる。最初は細い尾根を進む。それで大岩を向かって左から巻く。しばらくすると太い尾根になる。下草は笹が多く、露で濡れてしまう。大岩山の前に一旦樹林の大下りがあり、紛らわしい。大下り手前には大岩山森林区域か何かの看板がある。大岩山付近では下草が石楠花になり、その量も減る。

核心部分である大岩山下降は、ロープ等は必要ない。急な、ズルっといきそうな砂と土だが、鎖、ワイヤー、ロープ、梯子がふんだんに使われている。烏帽子岳へは、まず草原のようなプラトー、続いてゴーロ状、稜線っぽい雰囲気になると梯子が2つ出てくる。リッジもあるが、なんてことはない。三ツ頭から六合目石室までは稜線をアップダウン。なかなか着かなくて心配になり、一回GPSを見た。石碑のある砂地を通り過ぎると、樹林の水平道を経て、ゴーロに出る。すぐに石室だ。ゴーロはガスっていると分かりにくい。

六合目石室は床あり。水場は少し鋸岳側の砂礫地からほぼ真下に転げるような急坂を下る。テープ類は豊富に付いていて、水場にはホースと漏斗も置いてある。ザックがないと、帰りが大変。

先客の3人パーティーに沢山食糧をいただいた。後から烏帽子岳で抜いた2人が来たが、土間にテントを張ってもらった。

軽量化のためシュラフカバーのみにしたので、夜は板の間からの冷えを感じた。

2016年7月17日(日)


晴のち曇。午後は一瞬小雨。
3:00六合目石室4:00--4:40三ツ頭分岐4:50--5:40中ノ川乗越--6:10第二高点--7:00大ギャップ下--7:20鹿窓--7:35鋸岳第一高点8:00--8:15角兵衛のコル--10:15角兵衛沢出合--11:55戸台駐車場--12:15戸台大橋--13:00仙流荘

翌朝はジェットボイルで湯を沸かし、カップ麺を食って出発。

中ノ川乗越まではアップダウン多い。ここで2人とすれ違う。熊の穴沢の頭の前にも鋭いキレットがある。中ノ川乗越からはガレ場だが、道形が向かって右についているので、簡単。最後は樹林帯・這松の中を歩いて第二高点に到着。太刀が差してある。

第二高点からは稜線から垂直方向に下っていく。山頂部のガレをすぐ抜け、漏斗状の崩壊地っぽいところの微かな踏み跡になる。それを抜けると稜線と平行方向に曲り、踏み跡へ。立派なものがあるので、それを行く。私が変なところへ行ってしまい、一度崖の上に出てしまった。懸垂かと思ったが、何となく足跡をたどれば、すぐに復帰できた。ここが一番緊張した。結構西の樹林の中の道を下りて、大ギャップから続く沢に下り立つ。

鹿窓ルンゼの入口はテープあり。簡単なクライミングとガレ場の登りで鎖に到着。鹿窓を抜ける。定番の一枚を撮影。鹿窓から小ギャップに下りるのは、岩全体に鎖が回してある。それを伝って岩場を下りることもできるが、山梨側に踏み跡があるので、それでクライムダウンせずに下りられる。


鹿窓

小ギャップから第一高点への登りは簡単。最後は這松の中を通って標識のある鋸岳に着く。我々が下降し始めたときにガスが上がってきたので、ちょうど良かった。ここから角兵衛のコルへの下りは簡単だが、信州側が切れ落ちているので緊張感はある。コルは狭い。

角兵衛沢は上部のガレ場は左岸に道があるが、どこでも下りられる。一旦樹林に入り、再びガレ場の後、湿気の多く滑りやすい森のなかに入る。熊の足跡があって、笛を吹いた。大岩小屋はよく分からず。森は至極明瞭なピンクテープがこれでもかと付いており、迷うことはない。巨大な苔むしたボルダー3つを過ぎたところで、中山がすっ転んだので休憩。そこで2人パーティーとすれ違う。結構平らになって水音が聞こえてきても、まだまだ長い。水のある小沢を2回右岸から左岸へ横断して、出合に着く。出合のこちら側には巨大ケルンあり。

ちょうど良い徒渉点がないので、5分くらい上流へ歩く。少しのジャンプが嫌なので、流木を運んで無事に渡った。ここからは広大な河原を水平移動。ピンクテープや小ケルンがあるので、迷うことはない。鏡のような白岩を過ぎ、白岩堰堤手前でピンクテープを対岸に見つけたので、浅い徒渉をする。あとはずっと右岸。一箇所トロが渡れなかったが、「これ大丈夫か」というピンクテープで尾根を越えられる。一瞬小雨がパラついたが、本降りにならなかった。

戸台大橋でバスの空席を聞くが、どうも1席しか空いてないらしい。しかたがないので、3.8kmを歩くことにした。アップダウンはないので、私は車道歩きもあまり苦にならなかった。途中、鷹岩で短いトンネルあり。急に展望が開けて水田があると、仙流荘が見える。風呂の玄関にはクライミングウォールができており、驚いた。

あとは高遠までバス、乗り換えて伊那へ。伊那の営業所でチケットを買い、中央道をバスで帰った。小仏で渋滞に巻き込まれ、新宿着は21時45分だった。

2016.07.16 白毛門沢登り

白毛門沢登り
期間 716日(土)(715日(金)に前泊)
メンバー 伏見(4年、L)、岸本(2年、SL)、縄(1年、記録)
目的 谷川岳周辺の沢の様子の把握
   縄:沢登りの初体験

715日(金)
20:51 土合駅 —21:35 就寝

716日(土)
4:30 起床 —5:33 出発 —5:55 ハーネス取り付け、沢登り開始 —6:206:40 ハナゲノ滝(引き返す) —7:00一ノ倉沢に向けて歩き始める —7:20 土合口駅(荷物をデポ) —8:15 一ノ倉沢 —8:55 土合口駅、バス乗車(下山)

とあるダンジョン
 前日にそこそこの雨が降り天気予報も微妙で、沢登りができるか不安なまま決行。
 鈍行で土合駅まで行く予定であったがしっかりと調べきれておらず時間を間違えて新幹線を使わざるをえなくなった。結局大宮—高崎間をmaxときで移動した。
 土合駅に着くと各自夕食を食しステビバ
 外は小雨ながら雨が降っていた。
 翌朝は湯を沸かしカップラーメンを食した。縄が沢登り用品をつけるのに時間がかかり予定より3分遅れて出発。相変わらず天気はどんよりしていた。
 悪い道を途中何度か滑りながらハーネスを取り付ける場所に着いた。
 ハーネスの取り付け時セルフビレイのつけ方の誤りを伏見さんに指摘された。
さすがにこれはひどい。わかっているつもりでも一度は確認すべきだった、というかわかっているつもりが一番怖い。
「龍の息吹」
 早速登っていくが岩の表面が良く滑る。沢靴には底がラバーとフェルトの2種類あるらしく、OBの大谷さんから貸していただいた沢靴はラバーだった。ラバーであると足の置き場所をよく見れば滑りにくいらしいので、滑りまくるということはまだ足の置き方が良くないようだ。木を使いながらなんとか登っていくとハナゲノ滝に着いた。
 普段と比べると比べ物にならない水量(らしい)でありハナゲというより龍の息吹であった(twitterから勝手に引用)。気温も低く、上方は雲がかかりさらなる増水の危険も考慮し止むを得ず引き返すこととなった。縄は登山を開始して以来、初めての引き返しとなった。残念ながら初体験()とはならなかった。
 登山口までの道は行きより断然歩きやすく、登山口から見て沢の右側の方が楽な道であったと後でわかった。(行きで左側を使った)
 まだ力が余っていたのでそのまま一の倉沢まで散歩した。
例年であれば5月頃雪上訓練をする場所であるが今年は雪不足のため行かなかったので縄は初めて来た。

新幹線を使ったので足が出た
 帰りは湯檜曽で気持ちよく足湯に浸かってから水上駅近くで特大カツカレーを食し、SLを見て無事一泊二日旅行の全行程を終えた

これでも並
JRのサービスのよいこと。1回転半した。



2016年7月10日日曜日

2016.07.10 三つ峠登攀訓練

メンバー:白石、松本、阪本(SL)、中西(L)、池田、岸本(記録) 天気:晴れ


5:30 出発~6:30 岩場~7:00 登攀開始(中央カンテ)~9:00 終了点着~10:00 基部着~11:00 登攀開始(一般中央、都岳連)~12:10 基部着~13:00 下山

 白石中西岸本、松本阪本池田の2パーティーに分かれて登る。このブログを書いてるのが岸本なので、内容はこっちのパーティーのことのみ。
 例年新人訓練で三つ峠に来るときは一般ルートしか登らないので、今回は上級生のみということもあり、折角なら違うルートをということで中央カンテへ。最初は岸本がリードする。まっⅢ級なんで余裕っす!!
 左上ルンぺ終わり、そこからはⅣ+ということで中西さんへリードを交代。松本パーティーが正規ルートのルンゼを登ってたためルンゼ右のカンテ上を行く。ビレイ点が結構小さい岩上にあるうえに、カンテ上への取りつきは難しいし上部でも結構難所があるみたいだしで時間がかかりフォローの自分としては待ってるだけなのだが結構疲れてしまう。いよいよフォローで登る段となるもののカンテへ上がれない・・・。まあカンテ上は5.11aのルート上だったし仕方ない。
 次のルートはⅣ級。折角だしということで岸本がリードする。先行した別パーティーの先輩のムーブを参考に登っていくものの岩を回り込んだ後は絶壁に身を乗り出す形になる。かなり緊張感がある。必死でプロテクションを探しながら這いつつ登る。
 そして、第三バンドから懸垂下降し中央カンテは終了。次は一般中央を登りにいく。先の三つ峠合宿ではリードで落ちるという失態をかました所のため自分としてはリベンジであるが、なんなくリードで突破し成長を見せつける結果に。
一般中央を登る岸本








 その後は隣の都岳連ルート(Ⅴ級)を登る。白石さんと中西さんが交互にリードしてフォローで僕も登らせてもらった。
結果的に2,3年生全員が目標を達成し有意義な山行となった。他の岩場にもどんどん挑戦したいものである。

2016年7月9日土曜日

2016.07.09 谷川岳 歩荷

メンバー;伏見(L)、佐藤(記録)、北村   天気;晴れ

(上り)5:23土合駅→5:58登山指導センター→6:05登山口→6:29鉄塔→7:12急登前小コル→8:20鎖場1→8:45鎖場2→9:00ラクダの背→9:35鎖場3→10:26ザンゲ岩→11:01トマノ耳→11:24オキノ耳
(下り)11:42オキノ耳→12:10トマノ耳→12:26ザンゲ岩→13:19水捨てる→13:36鎖場1→14:09ラクダの背→14:17鎖場2→14:35鎖場3→15:39急登前(後)小コル→16:17鉄塔→16:34登山口→16:40登山指導センター→17:20土合駅


土曜日から土合駅に前泊。雨も止み、明日の登山道が晴れていることと心霊体験をしないことを祈りつつ ステビバ。東京大学の登山サークルも来ていて、伏見さんと盛り上がる。はじける若さを感じた。
4時起床。北村はぶったたかれても起きず。新たな一面を見る。伏見さんがクワガタにかまれ負傷。レア感があっていいなと思っていると、私もお尻をゾウムシにかまれた。クワガタとゾウムシの差が伏見さんと私の差か。
北村の支度が遅れたこともあり予定よりやや遅めの5時23分出発。
一般道ですでに荷物が重い。水が10キロなので計20キロほどの荷物。

登山指導センターを5時58分出発。登山口へは6時5分。
結構急な坂道がつづく。少し道は濡れているが、岩道っぽく、滑ることはない。
佐藤、北村、伏見の順で歩く。一番前を歩かせてもらっていたせいかかなり楽に歩けた。

縦走ですか?いいえ、歩荷です。20キロです(どや顔)。を10回くらい繰り返したころ(7時12分)、急登前の小こぶ通過。今までも結構な登りなのにさらに急登かよ、と思っていると、意外に楽。
実は、急登ではあるが、ほぼ軽い岩登りだったせいで、鎖や手を使えるのであまりつらくなかった。
9時ころにラクダの背に到着。伏見さんにアンパン(隠語ではない)をもらう。一生ついていこう、そう決めた瞬間であった。

ラクダの背から山頂がきれいに見える。きれいな双耳峰である。どっちがトマノでオキノかはよくわからん。毎回忘れる。
ラクダの背までで2回、背から一回鎖場を越え、ザンゲ岩着(10時26分)。この辺はほとんどガレ場。かなり日当たりがよく乾いているので歩荷でも歩きやすい。このあたりから北村がばて始めるが、私はクライマーズハイに突入。ずっとにやにやしていた。

10時53分トマノ耳。かなり人が多く混雑。オキノ耳へは11時24分着。行く途中で北村が足を踏み外して滑落しかけた。さすがに入部三か月で同輩が死んだら親に心配かけるから、生きていてくれてよかった。

北村を置いて、伏見さんと奥の神社まで行く。わーい神社デートだー。富士山ゆかりの浅間神社らしい。賽銭を入れようとして財布を忘れたことに気が付く。そこら辺の花をむしって置こうかとも思ったけど、余計怒られそうでやめる。
山頂でしばらくぼーっとして、知らない夫婦相手に現在の食料問題について語った後、オキノ耳へと戻る。

12時10分下山開始。が、問題発生。北村と私が以上に下るのが遅い。下手すると登りより遅い。1時19分、帰りの列車に間に合わなくなる危険を考え水を捨てる。負けた。負けた気がするとかじゃない。完全なる敗北である。再戦を誓いつつ、軽い足取りで下る。それでも遅いわけだが。

帰りは単調だしつまらない。なんか将来の話とか山岳部の未来とかご飯にはマヨネーズかケチャップかとか、適当な話をしつつ下る。私はケチャップ派である。しかし実は食塩派のスパイである。

16時34分登山口。16時40分登山指導センター。クワガタが死んでいた。
17時20分土合駅。軽く反省会。のち、伏見さんにオロナミンCを買ってもらった。生まれ変わってもついていこうと決めた瞬間であった。

以上、谷川岳でした。下山後、ケチャップご飯を食べながら記す。
 

2016年7月2日土曜日

2016.07.02 越沢バットレス登攀練習

メンバー : 阪本, 中山, 杉山, 三浦, 川上
日程 : 2016/7/2

記録 : 杉山
6/11の三つ峠登攀練習に参加できなかった川上のための補習を越沢バットレスで行った。阪本, 中山, 川上のパーティーは右ルートを二回登り、杉山, 三浦のパーティーは第一スラブルート(敗退)と第二スラブルートを登った。

杉山と三浦は最初から第二スラブルートを登るつもりだったが一ピッチ目リードの杉山がコースを誤って第一スラブルートに入り、二人ともそうとは気づかず登り続けた。リードは確かほとんど杉山だった。第一スラブ右上ルートに入り、鋸ルートへ合流しに行くトラバースの辺りでルートを間違えたことに気付いた。杉山リードだったがトラバース部分が怖いのと、フットホールドにしていた大きな石が浮き気味で危険であると三浦に指摘されたことで敗退を決めた。まず杉山は最高点のランニングビレーを支点としてトップロープ状態になりながらクライムダウンで三浦のいるビレー点まで戻り、次にビレーを交代して三浦が先述の最高点まで登り、捨て縄で懸垂の支点を作ってクイックドローを回収し、クライムダウン~懸垂下降で杉山のいるビレー点まで戻った。(敗退決定時にリードで登った杉山が疲労しており、かつ最高点のランニングビレーをかけているハーケンに体重を預けて休憩するのが躊躇われたためこのような回りくどい手続きを踏んだ。)そこから懸垂下降で取り付きまで降りた。ロープが岩のどこかに引っかかったのか回収に酷く手こずった。
休憩をはさんで再度第二スラブルートにチャレンジした。フェース部分はフットホールドが細かく、かつ開放感があるためスリル満点の達成感あるクライミングだった。