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2015年3月28日土曜日

2015.03.28-30 杓子岳双子尾根

記録:白石薫平

メンバー
飯泉和史(CL)、白石薫平

2015年3月28日
晴れ
二股7:00--8:40猿倉8:50--11:15小日向のコル11:35--14:00樺平

2015年3月29日

停滞

2015年3月30日
快晴、朝は強風
樺平6:00--6:35奥双子のコル--7:10ジャンクションピーク7:20--8:35杓子岳8:45--9:55樺平10:55--11:55小日向のコル12:05--13:55二股

この山行は、澤田を含めたメンバーで計画が進められた。しかし、2014年11月初冬合宿以来山から遠ざかっていたこと、就職間近であることから、参加は見合わせることになった。

山行前日の3月27日に駒場部室に集合し、飯泉の運転で道の駅白馬に向かった。

5時に起床し、二股まで移動した。二股には多くの車が止まっており、白馬岳主稜パーティーとは少し言葉を交わした。パッキングを済ませ、7時に出発した。二股から猿倉までの道は圧雪されており、快適に歩くことができた。

猿倉荘の裏手から林道を外れて尾根に乗り、少々歩くと開けた雪面に出た。ここにはスキーのトレースがついており、ワカンを履かずともあまり沈まずに歩けた。小日向のコルまでは急な雪面を登るが、ここで膝下くらいまでのラッセルが必要になったのでワカンを履いた。それでも脛までのラッセルは続き、適当に交代しながら小日向のコルを目指した。

小日向のコルからはあまり沈まない雪稜となり、稜の部分を慎重に歩いた。途中、クレバスができている部分もあり、足を取られないように注意した。樺平の直前に一箇所急傾斜があり、ここが最も気を遣った。全体的に風は吹いているものの、直射日光を受けながらの登りで汗をかいた。樺平ではテントサイトの残骸があり、利用した。ザックの重さと暑さに疲弊していたので、テントを建ててすぐにビールで乾杯した。

29日は4時に起床し、5時30分ごろから出発準備を整え始めたが、雪が降っていた。ラジオでは甲信地方は昼前から夕方まで雨という予報を伝えていたので、アタックは取りやめ、停滞と下山の選択肢から行動を選ぶことにした。計画書では余裕を持って実働3日の予定にしていたので、停滞を選んだ。12時過ぎまで昼寝をし、少し外に出たり天気図をとったりした。携帯電話で30日晴れの予報を確認できたので、安心して眠りについた。夜は22時過ぎから烈風が吹き荒れ、テントの周りは吹き溜まりとなってテントが狭くなった。

30日も4時起床で、準備をした。6時に出発した。奥双子のコルには30分ほどで到着した。露岩は杓子沢側から巻き、ロープを出すことはなかった。

以降は快適な雪面で、快晴の青空と白い峰々のコントラストを楽しみながら進んだ。途中、ジャンクションピークで休憩をして、8時30分過ぎに頂上に到着した。山頂からは白馬岳、鑓ヶ岳がよく見えた。頸城山塊はもちろん、遠く富士山まで見霽かされた。白馬村の町並みは雲海の切れ目から垣間見えた。ただ、楽しみにしていた剱岳は頂上部分のみしか見えなかった。

下降でもロープを出すことはなかった。クライムダウンも交えながら雪面を下降し、奥双子のコルの露岩は長走沢側から巻いた。樺平への最後の下りはシリセードやグリセードもどきで滑り降りた。登りの時に吹いていた強風は、下降中には収まっていた。

撤収は風が吹いていなかったため、スムーズに進んだ。以降はアイゼンをしまい、つぼ足でストックを使いながら慎重に下降した。途中、遠くに雪崩の音を聞いたが、目視では確認できなかった。小日向のコルを過ぎたあと、猿倉荘には寄らず林道に直接下りた。林道は気温が上昇して所々沈むようになっており、苦労しながら二股まで歩いた。

下山後はみみずくの湯で風呂に入り、境川PAで食事をして帰った。駒場部室に到着したのは20時30分ごろだった。

当初の目標である「初めての積雪期バリエーションルートで安全に登頂する」は無事に達成された。しかし行動の判断や精神的な面では、OBに大きく依存していたのは事実だ。地道に経験を増やしていきたい。また、装備や食糧の軽量化が甘かったことが反省点である。例として、コッヘル、調理具は省略できた。防寒着や竹ペグは減らせただろう。登攀具も数を減らせたし、ハーケン類もワードホッグなどの冬壁用のみにすべきだった。食糧は、少人数の山行なので割り切ってアルファ米のみにする手段もとれたはずた。反省点は多いが、振り返れば素晴らしいコンディションのなか会心の山行ができたと言える。猿倉で白馬岳主稜パーティーと別れた後は誰とも会わなかったことも、山の静けさというアクセントを加えた。これからは夏山合宿を念頭に、フリークライミング能力の向上、本チャンでの精神的強さや行動の素早さの向上を目的とした活動を続けていきたい。

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