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2014年12月13日土曜日

2014.12.13-14 白毛門・谷川岳

記録:白石薫平

メンバー
塚本字信(CL)、白石薫平

2014年12月13日 白毛門
曇り後吹雪、時々晴れ
土合駅8:45--12:20松ノ木沢の頭12:30--14:50谷川岳ロープウェイ土合口駅

東京を始発で出発し、一路土合駅を目指した。悪天候を予想して身構えていたため、水上駅で青空を見たときは拍子抜けした。

土合駅の階段を登りきり、改札の前で準備を整えた。出発の時点では上州方面が晴れ、越後方面が曇りという典型的な天候だった。土合橋から登山道に入った。トレースがあり、それを辿りながらつぼ足で登ることになった。1時間毎に休憩を入れながら、登山地図の参考タイムとほぼ同ペースで進んだ。出発後2時間ほどはマチガ沢や一ノ倉沢衝立岩が見えていたが、谷川岳国境稜線や白毛門方面には雲が迫っていた。2度目の休憩の直後、つぼ足では沈むようになりワカンを履いた。進むにつれ雪と風が強まった。松ノ木沢の頭ではかなり強い風が吹き、視界も不明瞭だったので、ここで引き返すことにした。

下山を始めると風雪は強まり、我々の選択は間違いではなかったと一安心したが、標高を下げるにつれて風も雪も収まり、白毛門方面には青空も見えるようになった。下山途中、所々に急な下りがあるが、特に問題はなく通過した。そして土合橋に降り立った途端に、猛吹雪になった。土合橋でワカンを外し、谷川岳ロープウェイの土合口駅まで急いだ。

到着後は建物の中で一休みし、塚本が登山指導センターは開いていないか見に行った。鍵がかかっていたため、土合口駅の建物内で夜を明かすことに決めた。閉館時刻が近づいてから駐車場に移動してテントを張った。夕食は、疲れていたため調理が簡単な乾燥米とフリーズドライの親子丼を食べた。5階の駐車場は風も雪もなく快適だったが、寒さは外とあまり変わらなかった。

2014年12月14日 谷川岳西黒尾根

谷川岳ロープウェイ土合口駅6:30--8:50西黒尾根1,200 m地点9:00--10:00谷川岳ロープウェイ土合口駅10:30--11:00土合駅12:20--12:35水上駅12:56--14:01高崎駅

起床は4時20分で、朝食のラーメンを食べた。食後、まだ明るくなる前だったので30分ほど仮眠を取った。歩荷は前日の白毛門で行なったため、必要のない装備は土合口駅のコインロッカーに入れ、出発した。

昨晩から雪は深々と降り積もり、除雪車も出動したこの朝は登山指導センター前で膝までの積雪だった。ここでワカンを履いた。登頂を目指して無理をすることはせず、ラッセルの練習を目標にしようという了解の下、歩き出した。西黒尾根の夏道入り口からトレースがあり、これを利用しながら登り始めた。ところが、吹雪でトレースは埋まり始めていた。
尾根上では腿まで積雪があり、吹き溜まりでは胸まで雪が積もっていた。雪は一向に止む気配はなく、標高を上げるに従ってマチガ沢方面から風も強くなる始末だった。少人数の我々はだんだんと気勢を削がれ、電車の時刻とロープワーク練習を行なう時間を考慮して、1,200\,m地点で良しとすることを決めた。雪質もサラサラの乾雪で、短時間に大量の積雪があったこと、ラクダの背を越えて上部へ行くと雪崩が起こる可能性もあること、肩ノ広場はホワイトアウトしているだろうこと等を総合的に勘案した。

我々が降り始めてから、下から3パーティーとすれ違った。下山は滞りなく進み、土合口駅で一息入れてコインロッカーの装備をパッキングした。ここから土合駅までも吹雪の中を滑りやすい路面に気をつけながら歩いた。

土合駅の改札前に荷物を置き、ハーネスなどの支度を整えて、土合ハウス前の斜面でロープワークの訓練を始めた。初めにスタンディングアックスビレイで相手を止める訓練をした。雪はフカフカで、アックスを刺すと地面に到達してしまい、アックスを埋めるのに苦労した。石突きを埋めれば問題なく止められるものの、ピックのみを刺して横置きにすると止めることは出来なかった。スノーバーの横置きでも同様に止められなかった。技術を机の上で学んでいるだけでは駄目で、実地で練習することで初めて手順や適用可能範囲・条件が分かるのだということを痛感した。

訓練を終え駅舎に入り、電車の到着を待っていると、保線員と思われる男性が上越線水上長岡間運休の情報を教えてくれた。親切にも水上駅に電話してくれ、タクシーで無事水上駅に行くことが出来た。水上駅でも雪は降っていたが、後閑駅辺りまで来ると降っていなかった。高崎駅で解散し、各々東京に帰った。上越線だけでなく上越新幹線も大幅なダイヤ乱れが発生していた。

今回は北岳での冬山合宿に向けてラッセル練習をしようという目的で実施されたが、トレースが利用できてその点は不十分であった。しかし、悪いコンディションで行動することや天候判断などでは良い練習になったと思われる。特に今年度の初冬合宿は、幸か不幸か、素晴らしい天気のなかで行なわれたので、このような山行は良い経験であった。また、スタンディングアックスビレイは昨年の乗鞍岳での冬山合宿以降、実地では行なっていなかったので、このような機会をさらに多く設けるべきだと感じた。

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