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2014年5月24日土曜日

2014.05.24 日和田山岩登り訓練

記録:白石薫平

2014年5月24日
高麗駅7:30--8:00日和田山女岩にて訓練--11:30昼休み12:00--訓練15:02--高麗駅

昨年度の夏山合宿では新人の岩稜歩きに対する技術と理解が不十分であった。また、部員及び普段から活動に関わっていたOBと、パーティーリーダーとして来たOBとの間で、夏山合宿に対する認識の差があり、不完全燃焼で終わった感があった。前者は夏山合宿も練習の一環と捉えていたが、後者は真剣勝負の試合の場として捉えていたのである。今年度は、夏山合宿に対する認識を後者で統一し、新人の岩登りの技術とロープワークの理解を十全なものとして臨む必要がある。このような意識の下、新人訓練をより早くから進めるために、今回の訓練は実施された。なお、本稿で登場するルートの名称や難易度は全て、北山真(2009)『フリークライミング 日本100岩場 2 関東 増補改訂版』山と渓谷社に基づく。

新人の個人装備は5月17日に買い揃え、共同装備は前日の23日に準備した。その結果、カラビナやスリングについて計画した数が用意できないことが判明した。この訓練は手元にある分で乗り切れたが、夏山合宿に向けて買い足す必要があると思われる。

集合は高麗駅に7時30分だった。新人の杉山が、駅の精算機が使えずに電車を逃したという理由で遅刻した。本隊は場所取りの都合で先に出発し、連絡を確認した7時45分の時点で白石が駅に戻って合流した。電車を逃したというので遅刻は仕方がないとしても、連絡をしなかったのは問題である。また、5月10日と11日に行った乗鞍新人歓迎山行の時にも新人の遅刻者がいた。部内の意識を高める必要があるだろう。

女岩に到着してガイドの森さんと合流し、新人はハーネスの付け方や各種ギア類の特徴を教わった。その後、懸垂下降の基本を教わり、実際に下りる練習を3本行った。新人はこわごわと恐る恐る下りていたので、上級生は足を開いて安定させるようにと指導していた。女岩下部に下りてからはビレイの仕方を教わり、女岩南面のグレード5.5のルートや、5.7の南面コーナー・クラックをトップロープで登った。ロープは南面だけに3本垂らした。上級生は各ペアに付き、ビレイヤーの補助を行った。これ以降の午前中はこのように過ごした。途中でロープをもう1本垂らし、塚本、澤田、白石は5.10aの下部ハングに挑戦したが、誰も成功しなかった。11時30分頃に切り上げ、女岩上部で昼休みをとった。

午後の部は12時頃より始めた。まず伏見と松本が北面フェイスにロープを垂らし、懸垂下降で下りて2人で登った。グレードは5.9であるが、松本が成功し、伏見は登山靴だったこともあり登れなかった。新人は午前と同様に南面で登る練習をし、上級生は西面に移って登った。塚本、澤田、白石でニュー・レフトと呼ばれる5.10aのルートにロープを垂らし、空中懸垂で下りて幾度となく試みたが、誰も成功しなかった。13時30分頃から全員が西面に移り、5.6のチムニーや右ルート下部から南面に回り込んで登るルートなどをトップロープで登った。ボルダリング経験者の三浦は、新人ながら上手に登っていた。14時30分頃から片付けを始め、新人がロープを結んで下山を開始した。登山口で森さんと別れ、途中の喫茶店でお茶をしてから解散した。

振り返ろう。新人は、今回の訓練で一通りの基本事項は網羅できたと考える。夏山合宿に向けて、今後はロープの結び方の習熟と、釣瓶式に登る際のロープワークを理解する必要がある。前者は繰り返し練習することで、後者は6月下旬に予定されている三つ峠屏風岩での訓練で達成できると良いだろう。また、今回参加できなかった新人の黒沢を交えて、御殿下記念館で一度練習する必要があるだろう。上級生は、今回の訓練でフリークライミングにおける5.10のルートを登れないこと判明した。筆者は大きな敗北感を覚えた。シブリンやK7の頃のTUSACとは大違いであり、もっと技術を向上させる必要があると感じた。尤も岩志向ではない部員もおり、自由さと風通しの良さは部活動に必須であると思うから、有志で技術を高め合って行こうと考えている。また、今回はゲレンデということもあり、岩場での緊張感が足りなかったと感じた。遅刻者の件とも関連するが、緊張感を持つべき場面では厭わずに注意をするという意識を、上級生に比べて新人が多い今こそ共有すべきだと考えている。

女岩南面を登った新人の阪本

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